校長だより第 39 号 平成 28 年 9 月 9 日 説明する力・質問する力 介護職員初任者研修を受講している 3 年生 11 名はこの夏休み特別養護老人ホーム、デイサービス センターで 4 日間の実習を行いました。適切かつ安全な介護ができる実践的な能力と態度を身につ けることを目標に実施し、9 月 6 日にその報告会を行いました。私もその報告会に参加しましたが、 発表者は、その実習で感じたことや将来に向けて今後必要となる事柄を述べ、実習に参加しない生徒 は聞き役として人の意見や考えを感じ取っていました。 本校の教育の具体的な目標の一つに探究活動・言語活動の充実をあげています。今回の発表会は言 語活動の充実を目指した授業です。言語活動の充実には、次のような活動を行うことが必要とされて います。 ①体験から感じ取ったことを表現する。 ②事実を正確に理解し伝達する。 ③概念・法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする。 ④情報を分析・評価し、論述する。 ⑤課題について、構想を立てて実践し、評価・改善する。 ⑥互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる。 本校は特に本年度「説明する力と質問する力の」育成に重点を置いています。相手に分かりやすく 的確に説明できるか、的を射るような質問ができるかです。手を挙げて質問をするということはかな り勇気のいる行動だと感じる人も多いと思います。これを本校の多くの生徒ができるようになってほ しいということです。質問をする、あるいは感想を述べることは、聴くという前提があっての話しで す。 私たち大人の世界でも、時間オーバーして何を言いたいか分からない発表や、質問というより自分 の意見を延々と述べ、質問なのか自己主張なのか分からなくなるような場面があります。話すにも質 問するにもそれなりの能力が必要ですので、高校での学びを通してそのような力をつけてほしいと願 っています。 今回の報告会のタイトルをいくつか紹介します。 「人生の糧」 「目に見えない大切なこと」 「実際に 体験して得られたもの」 「家族になる」 「仕事を楽しむ」 「私が学んだこと」 「コミュニケーションの大 切さ」・・・。生徒が施設実習をしてそこで学んだことや感じたことを原稿用紙にまとめ、つけたタイ トルです。どのような体験をしたか、そこで何を学んだかなど、体験が自身にとって良いものであっ たことを感じさせるようなタイトルを生徒は考案しています。これも言葉の持つ力なのでしょうか。 生徒たちはこの施設実習で良い体験をさせていただき、ご協力いただきました皆さんに感謝します。 そして、実習を行っていない生徒たちも今回の発表を聴いて何かを感じ取り、自分の将来や自分の成 長に生かしてほしいと思います。
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