(教育コンテンツ活用システム)(PDF形式、1.0Mバイト)

Case Study
滋賀県草津市
http://www.city.kusatsu.shiga.jp/
教員の指導力向上と負担軽減を両立する
教育コンテンツ活用システム
る基盤を求めていた
テム」をベースに総合教材ポータ
約800名の教員が教材やノウ
ハウを共有でき、教育の質向上
ルサイト「たび丸ねっと」を開発
と教員の負担軽減を実現した
による指導力向上」に加え「多忙な教員
の短期化や今後の機能強化、運用面
の負担軽減」
という、
もう一つのねらいも
での負担軽減が期待できると判断しま
雄大な琵琶湖などの自然に囲まれ、
あったといいます。
した。また、
われわれの要望に応じて掲
滋賀県第2位の人口を有する草津市は、
「ご存じのように近年は、公立学校の
示板機能の表示方法や、
トップ画面の
公立小中学校全20校の授業に電子黒
教員が部活動の指導や保護者への対
デザインを変えるなどのカスタマイズが
板やタブレット端末をいち早く取り入れた
応、教材研究や事務作業などで非常に
可能であること、直感的な操作でコンテ
ICT教育の先進自治体として知られて
多忙であることが社会問題の一つとなっ
ンツを作成できるソフトウェアが装備され
います。2009年 以 降、校 内LAN・校 内
ています。ならば、
すでに完成され実績も
ていることなども大きな評価ポイントとな
PC・電子黒板・デジタル教科書などを全
ある教材を、
そのままあるいは若干のカス
りました」と語るのは、草津市教育委員
校に配備してきた草津市は、教員約800
タマイズでスピーディーに活用できれば、
会事務局 学校政策推進課 専門員の
名が教材や学習指導案などを共有でき
教材研究や授業準備の負担が少しでも
森 和昭氏です。
る総合教材ポータルサイト
「たび丸ねっ
減らせるのではないか。そう考えたので
日立は草 津 市の要 望に応え、同 市
と」を2016年4月、新たに構築しました。
す」
と髙井氏は続けます。
公認のマスコットキャラクター「たび丸」を
優れた教材を市全体で
共有したい
「電子黒板やタブレット端末が活用され
た教材やコンテンツは、校内での利用に
パッケージで提供される
「教育コンテンツ活用システム」
限られ、広く市全体で共有されていませ
そこで草津市は、多様なコンテンツを
んでした。そこで、教員が作った優秀な
教員が自在に登録し、
セキュアかつ柔軟
教材や資料を何とか市の財産として共
に共有・利活用できる新システムのプロ
有できないかという思いがつのり、今回の
ポーザルを実施。その結果、選ばれたの
総合教材ポータルの誕生につながった
が日立のパッケージソフトウェア「教育コ
のです」
と語るのは、草津市教育委員会
ンテンツ活用システム」でした。
事務局 学校政策推進課 課長の髙井
「複数の提案を検討しましたが、パッ
育夫氏です。髙井氏によれば、
コンテンツ
ケージとしてシステム機能が完成してい
の共有構想には「優れた教材の利活用
たのは日立さんだけでした。これで構築
始めて以降、教員が独自に作成してき
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日立の「教育コンテンツ活用シス
効果
教職員が共有・利活用でき
解決
課題
優れた教材やコンテンツを
はいたっく 2016.9
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あしらったトップ 画 面に、使 いや す い
草津市公認マスコットキャラクター
「たび丸」
教育機関向け
ソリューション
滋賀県草津市
所 在 地 滋賀県草津市草津3-13-30
人
口 130,938人(2016年7月14日現在)
世 帯 数 55,791世帯(2016年7月14日現在)
職 員 数 682名(2015年4月1日現在)
コンテンツ検索機能や掲示板機能を配
したユーザーインタフェースを実現。蓄積
されたコンテンツを学年・教科・学習内容
などをキーワードに検索・入手し、授業の
際に電子黒板やタブレット端末上に投影
したり、印刷して配布資料として活用した
りできる環境を整備しました。
また、
各コン
テンツに対する教員からの感想や改善
提案もデータとして記録できるほか、頻
繁に使用する教材などを教員個々人の
「マイフォルダ」内に登録することも可能
髙井 育夫 氏
草津市教育委員会事務局
森 和昭
氏
なシステムとなっています。
総合教材ポータルには教材ばかりで
ラネットの校務用PCを通じてアクセスし、
なく、学級を安定させるために重要となる
利用時はID/パスワードによる個人認証
新年度最初の三日間、
いわゆる「黄金の
を行うことで情報漏えいを防止しています。
「開始前は半年間で500 ∼ 600件程の
三日間」をどう組み立てるかといったベテ
また生徒などの個人情報は一切アップし
登録があれば上出来と考えていました。
ラン教師の実践的ノウハウや自己啓発
ないルールを定めていることも安心材料
しかし実際にはこの7月ですでに1,100件
資料、教育委員会が教員向けに実施
となっています。教育コンテンツ活用シス
を超える登録があり、
予想以上の反響に
した研修および良質な授業映像など豊富
テムは草津市が参加する文部科学省の
驚いています。全教科全単元のプリント
な情報も蓄積され、現場で悩みを抱えて
実証事業※でも活用されており、全国の
1年分といったベテラン教師の知見が生
いる若手教師にとっても参考にすべき
自治体から大きな注目を集めています。
かされた教材も少なくありません。人気の
優れたデータベースになっています。教員
「専門スタッフや地域住民の力も借り、
あるコンテンツがランキング表示されるのも
からは「他 校にはこんなによい教 材が
教員が授業に専念できる『チーム学校』
利用率アップにつながり、すでに120∼
あったのか」
「もっと早く活用したかった」
の施策を展開している草津市にとって、
130回のダウンロードがあるコンテンツも
という声が寄せられており、
「ダウンロード
総合教材ポータルは今後も重要な情報
あります」
と髙井氏は笑顔を見せます。
してそのまま使うばかりでなく、
自分なり
共有基盤になっていきます。そのための
「掲示板機能も人気があり、教員は所
の改良を加え、
よりよいものとして還元
さらなる機能強化に、ぜひ日立さんの力
属する事務部会や教科別など自在にグ
していくサイクルで、
さらなるコンテンツの
をお貸しいただきたいですね」
と期待を
ループ分けできる掲示板で活発な意見
質向上や横展開が進みつつあります」
と
寄せる髙井氏。これからも日立グループ
交換を行っています。教育委員会からの
髙井氏は喜びます。
は「教育コンテンツ活用システム」をはじ
教材に加えベテラン教師の
ノウハウも蓄積
お知らせなどもポータルサイトに通知され
たコンテンツにも興味を持っていただける
「チーム学校」の情報共有基盤
として発展
という、良いスパイラルが生まれていま
公立小中学校全20校で共同利用され
す」
と森氏は語ります。
ている総合教材ポータルは、教員がイント
るため、
日々アクセスして新たにアップされ
めとする幅広いソリューションの提供を通
じて、ICTを活用した教育分野の発展に
貢献していきます。
※ 平成28年度文部科学省委託「ICTを活用した教育推進自治
体応援事業」
「情報教育推進校(IE-School)」調査研究
お問い合わせ先
(株)
日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ
http://www.hitachi.co.jp/pchannel-inq/
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/app/educontents/
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