2016/9/8
病理診断科部長
大城由美
組織診
科別
依頼件数
(2015年）
組織診
科別
依頼件数
(2015年）
消化器内科
外科
産婦人科
皮膚科
泌尿器科
肝臓･胆嚢･膵臓内科
耳鼻科
形成外科
呼吸器内科
乳腺外科
歯科口腔外科
呼吸器外科
眼科
内科
心臓血管外科
リウマチ科
整形外科
小児外科
脳外科
神経内科
院外
血管外科
臨床腫瘍科
小児科
救急部
腎センター
合計
細胞診
4122
802
741
503
493
417
308
305
265
157
122
121
116
78
59
53
34
18
10
9
4
4
4
3
2
1
8751
あらゆる科からの
依頼を受けています。
健康管理センター
産婦人科
泌尿器科
呼吸器内科
肝臓･胆嚢･膵臓内科
外科
耳鼻科
内科
神経内科
腎センター
呼吸器外科
乳腺外科
小児科
循環器内科
歯科口腔外科
脳外科
リウマチ科
救急部
小児外科
形成外科
整形外科
合計
1948
1722
1350
959
307
181
119
96
91
67
66
56
34
16
5
4
3
2
2
1
1
7030
細胞診
消化器内科
外科
産婦人科
皮膚科
泌尿器科
肝臓･胆嚢･膵臓内科
耳鼻科
形成外科
呼吸器内科
乳腺外科
歯科口腔外科
呼吸器外科
眼科
内科
心臓血管外科
リウマチ科
整形外科
小児外科
脳外科
神経内科
院外
血管外科
臨床腫瘍科
小児科
救急部
腎センター
合計
臓器別悪性腫瘍
組織診断件数
(2015年)
4122
802
741
503
493
417
308
305
265
157
122
121
116
78
59
53
34
18
10
9
4
4
4
3
2
1
8751
健康管理センター
産婦人科
泌尿器科
呼吸器内科
肝臓･胆嚢･膵臓内科
外科
耳鼻科
内科
神経内科
腎センター
呼吸器外科
乳腺外科
小児科
循環器内科
歯科口腔外科
脳外科
リウマチ科
救急部
小児外科
形成外科
整形外科
合計
大腸・虫垂
胃
乳腺
男性生殖器
肺
皮膚･皮下組織
尿路
膵胆道
肝臓
頭頸部
食道
リンパ節
小腸
子宮
腎臓
甲状腺
眼科
口腔
骨髄
卵巣
腹膜・後腹膜・腸間膜
唾液腺
上顎
大脳
縦隔洞
脾臓
副腎
その他
合計
1948
1722
1350
959
307
181
119
96
91
67
66
56
34
16
5
4
3
2
2
1
1
7030
417
337
225
176
146
109
102
78
59
59
44
42
36
35
33
32
30
15
8
5
5
4
3
3
2
2
1
5
2013
1
2016/9/8
臓器別悪性腫瘍
組織診断件数
(2015年)
大腸・虫垂
胃
乳腺
男性生殖器
肺
皮膚･皮下組織
尿路
膵胆道
肝臓
頭頸部
食道
リンパ節
小腸
子宮
腎臓
甲状腺
眼科
口腔
骨髄
卵巣
腹膜・後腹膜・腸間膜
唾液腺
上顎
大脳
縦隔洞
脾臓
副腎
その他
合計
あらゆる癌の診断
をしています
417
337
225
176
146
109
102
78
59
59
44
42
36
35
33
32
30
15
8
5
5
4
3
3
2
2
1
5
2013
2013年 院内がん登録より
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%
胃
大腸
肝臓
肺
乳房
子宮
組織診
細胞診
病理学的検査
検体検査
放射線画像
前立腺
その他
2013年 院内がん登録より
がん診療の
スタートラインに
位置します
0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%
胃
大腸
肝臓
肺
乳房
子宮
組織診
細胞診
ポリープ等の良性腫瘍
感染症: 結核？ピロリ菌？カビ？ウイルス？
免疫疾患？リウマチ？膠原病？
変性疾患？沈着症？虚血？
病理学的検査
検体検査
放射線画像
前立腺
その他
細胞診
（パパニコロウ染色）
•
•
•
•
形態学的な病因の究明に
携わっています
組織診
（HE染色）
細胞診：細胞検査士によるスクリーニング → 病理医
2
2016/9/8
甲状腺の穿刺吸引細胞診の現場
細胞診
• 尿
• 喀痰
• 腹水、胸水 など
→ 剝がれ落ちた細胞で診断する
パパニコロウ染色
• 子宮頸部（子宮がん検診等）
• 気管支擦過 など
→ 擦りとった細胞で診断する
• 穿刺吸引
→ 病変から直接吸引した細胞で診断する
細胞診
生検-組織診
細胞診
（パパニコロウ染色）
組織診
（HE染色）
• 患者の負担が少ない
• 固定時間が短く、標本作製が早い
• 細胞はバラバラ
確定診断は困難な場合が多いです
すぐにフォルマリンへ
→ 組織診断
染色をして細胞診断へ
子宮頸部
微小浸潤扁平上皮癌
• HPV検査
• EGFR遺伝子検査
• 免疫染色 etc..
3
2016/9/8
組織診
生検…治療前の確定診断
• 内視鏡, 気管支鏡
• 皮膚、粘膜
• 針生検（肝•乳腺•前立腺）
• open biopsy, etc…
手術…組織型や進行度の確定
数時間〜
重要！
脱
水
パ
ラ
フ
ィ
ン
浸
透
包
埋
薄
切
染
色
技師の腕の見せどころ！
検
鏡
病理医の
悩みどころ
フ
ォ
ル
マ
リ
ン
固
定
手
術
検
体
の
切
出
し
数時間〜
重要！
一晩
フォルマリン固定検体
パ
ラ
フ
ィ
ン
浸
透
包
埋
薄
切
染
色
技師の腕の見せどころ！
検
鏡
病理医の
悩みどころ
一晩
フ
ォ
ル
マ
リ
ン
固
定
手
術
検
体
の
切
出
し
数時間〜
重要！
脱
水
•
できるだけ早く、
十分量のフォルマリンへ。
挫滅を少なく。
自然な形で。
平らなものは広げて。
脱
水
•
手
術
検
体
の
切
出
し
•
フ
ォ
ル
マ
リ
ン
固
定
パ
ラ
フ
ィ
ン
浸
透
包
埋
薄
切
技師の腕の見せどころ！
染
色
検
鏡
病理医の
悩みどころ
一晩
4
2016/9/8
主治医『この横隔膜と腫瘍の関係が見たいんです』
病理医『では、ここに割を入れましょう』
術者である主治医と
共同で切出し作業を
行っています。
断面を観察します。
一度切ってしまうと戻れない。
検索の目的に応じた切出しが必要
です。
フ
ォ
ル
マ
リ
ン
固
定
手
術
検
体
の
切
出
し
数時間〜
重要！
脱
水
•
必要に応じて、
マクロ写真の撮影をします。
検索の目的を明確に。
パ
ラ
フ
ィ
ン
浸
透
包
埋
薄
切
染
色
技師の腕の見せどころ！
検
鏡
病理医の
悩みどころ
一晩
包埋•パラフィンブロック作成
パラフィンブロック
パラフィンブロックは半永久保存。
確定診断後の追加検索や
研究のために利用できます。
5
2016/9/8
薄切
薄切した染色前のスライド
標本作製には少なくとも、
一昼夜かかります。
ヘマトキシリン•エオジン染色
数時間〜
重要！
脱
水
パ
ラ
フ
ィ
ン
浸
透
一晩
包
埋
薄
切
技師の腕の見せどころ！
染
色
検
鏡
病理医の
悩みどころ
フ
ォ
ル
マ
リ
ン
固
定
手
術
検
体
の
切
出
し
数時間〜
重要！
水
•
手
術
検
体
の
切
出
し
•
フ
ォ
ル
マ
リ
ン
固
定
正確な病理診断には、
すべての過程が重要です。
脱
パ
ラ
フ
ィ
ン
浸
透
包
埋
薄
切
技師の腕の見せどころ！
染
色
検
鏡
病理医の
悩みどころ
一晩
6
2016/9/8
≒４μｍ
H.E.
H.E.+Victoria Blue
Elastica van Gieson
免疫染色(IgG4)
パラフィンブロック
スライドガラス
細胞標本
同じものは二度と出来ない
組織標本
ほぼ同じものが何枚も作成できる
HE-Victoria blue染色
Elastic van Gieson染色
Congo
Red染色
PAS染色
Grocott染色
Alcian
Blue染色
Ziehl-Neelsen染色
粘液
線維
PAS、アルシアンブルー
細菌・真菌
PAS、グロコット、グラム、ギムザ、Ziehl-Neelsen
沈着物
アミロイド、ヘモジデリン、カルシウム、銅
Azan、Silver、VictoriaBlue 、EVG 、
etc…
7
2016/9/8
peroxidase
ビオチン標識
二次抗体
抗原
一次抗体
ER
PgR
Her2
Ki67
P53
Cytokeratin
CD20
CD34
D2-40
etc…
ER
抗ER抗体
PgR
抗PgR抗体
Her2
•
増殖活性
•
癌抑制遺伝子
•
上皮細胞
Bリンパ球
血管内皮
リンパ管内皮
etc…
• 癌細胞の分化傾向を見て確定診断する
腺癌、扁平上皮癌、神経内分泌癌 etc…
• 癌の進行度を見る
脈管浸潤？筋層浸潤？ etc…
• 分子標的治療薬の有効性を見る
• 癌細胞の増殖性を見る
• ウイルスなどの診断をする
• 癌細胞の分化傾向を見て確定診断する
腺癌、扁平上皮癌、神経内分泌癌 etc…
• 癌の進行度を見る
SqCC cocktail:
Adenoca. cocktail:
Cytokeratin14 + p63etc…
TTF1 + Napsin A
脈管浸潤？筋層浸潤？
• 分子標的治療薬の有効性を見る
• 癌細胞の増殖性を見る
• ウイルスなどの診断をする
• 癌細胞の分化傾向を見て確定診断する
腺癌、扁平上皮癌、神経内分泌癌 etc…
• 癌の進行度を見る
脈管浸潤？筋層浸潤？
etc…
D2-40
• 分子標的治療薬の有効性を見る
• 癌細胞の増殖性を見る
• ウイルスなどの診断をする
• 癌細胞の分化傾向を見て確定診断する
腺癌、扁平上皮癌、神経内分泌癌 etc…
• 癌の進行度を見る
脈管浸潤？筋層浸潤？ etc…
• 分子標的治療薬の有効性を見る
• 癌細胞の増殖性を見る
• ウイルスなどの診断をする
CD20(+)
8
2016/9/8
Ki-67
• 癌細胞の分化傾向を見て確定診断する
腺癌、扁平上皮癌、神経内分泌癌 etc…
• 癌の進行度を見る
脈管浸潤？筋層浸潤？ etc…
• 分子標的治療薬の有効性を見る
• 癌細胞の増殖性を見る
• ウイルスなどの診断をする
34βE12
AE1/AE3
CAM5.2
CK19
CK20
CK5/6
CK7
CK14/p40
TTF-1/Napsin A
CEA
CEA(Poly)
MUC1
MUC2
MUC5ac
MUC6
EMA
p63
E-cadherin
CD1a
CD3
CD4
CD5
CD8
CD10
CD15
CD20
CD30
CD45RO
CD56
CD68
CD79α
IgA
IgG
IgM
TdT
MPO
κ
λ
Cyclin D1
Glycophorin A
CD31
CD34
D2-40
desmin
S-100
α-SMA
Vimentin
HHF-35
c-kit (CD117)
Synaptophisin
ChromoglaninA
GFAP
NSE
HMB-45
calcitonin
calretinin
HepPar1
AFP
Thyroglobulin
サイトメガロウイルス
• 癌細胞の分化傾向を見て確定診断する
腺癌、扁平上皮癌、神経内分泌癌 etc…
• 癌の進行度を見る
脈管浸潤？筋層浸潤？ etc…
• 分子標的治療薬の有効性を見る
• 癌細胞の増殖性を見る
• ウイルスなどの診断をする
p16INK4a
p53
WT-1
bcl-2
Beta-Catenin
Her2
ALK
Ki-67(MIB-1)
ER
PgR
HSV-I
HSV-II
CMV
SAA
β2-MG
術中迅速診断件数
(2015年）
診断によって手術方針が変わるとき、手術中に
行う病理診断。
• 断端に癌が及んでいないかどうか。
• リンパ節転移、肝転移、腹膜転移などの確認。
• 術前に確定診断が得られていない腫瘍の診断。
外科
耳鼻科
呼吸器外科
泌尿器科
眼科
産婦人科
乳腺外科
脳外科
形成外科
院外
小児科
合計
術中組織診 術中細胞診
165
3
90
55
17
43
16
12
5
7
6
5
4
1
404
25
9
2016/9/8
何を見たいか、
どこを見たいか、
を明確に！
－20℃
液体窒素で凍結
クリオトームで薄切
手作業による染色
封入(カバーグラスをかける)
10
2016/9/8
術中迅速標本
術中迅速では、全行程
最低20-30分はかかります。
通常の標本
標本の質は落ちるので、
最終診断はできません。
• 癌の部位
• 癌の性格：組織型診断、分化度、悪性度など
• 癌の広がり•リンパ節転移など：病期診断
– Lt.AC, Invasive ductal carcinoma, Papillotubular
carcinoma, 6x5mm, histological grade 2 (tubule
formation:3 + nuclear atypia:2 + mitosis:1 = 6), f, ly(-),
v(+) , pT1b, pN0.
– ER(+:95%), PgR(+:40%), Her2(negative:0), MIB-1:18%.
WHO 組織型分類
WHO Classification of Tumours of Female Reproductive Organs
WHO Classification of Tumours of Soft Tissue and Bone
WHO Classification of Tumours of the Breast
WHO Classification of Tumours of the Digestive System
WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues
WHO Classification of Tumours of the Central Nervous System
Pathology and Genetics. Tumours of the Lung, Pleura, Thymus and Heart
Pathology and Genetics. Head and Neck Tumours
Pathology and Genetics. Tumours of Endocrine Organs
Pathology and Genetics. Tumours of the Urinary System and Male Genital Organs
Pathology and Genetics. Skin
• 国際的
• 臓器ごとの腫瘍の詳細な分類
11
2016/9/8
乳癌のUICC-TNM分類
• 国際的分類
• 臓器ごとに詳細な取り決め
T: 腫瘍の広がり
N: リンパ節転移
M: 遠隔転移
Stage: 病期
M1
N1
T1
T2
T3
• 日本独自
• 学会ごと臓器ごとの取り決め
• 分類や病期の詳細な取り決め
HER2：受容体型チロシンキナーゼ
乳癌の予後因子
分子標的薬剤トラスツズマブのターゲット
組織型
TNM
Ly：リンパ管侵襲
V： 静脈侵襲
PM, DM: 断端評価
S: 被膜浸潤
INFa,b,c
Sci, med, int ……
ＥＲ
PgR(+)
ER(+)
Ｈｅｒ２
低増殖能
Luminal A
ホルモン剤のみ
高増殖能
Luminal B
ホルモン剤
＋化学療法
PgR(-)
PgR(+/-)
Ki67
Luminal B
Her2(+)
Luminal B
ホルモン剤
＋化学療法
＋抗Her2療法
Her2(+)
Her2
enriched
化学療法
＋抗Her2療法
Her2(-)
Basal-like
化学療法
乳癌
ER(-)
PgR(-)
12
2016/9/8
– Lt.AC, Invasive ductal carcinoma, Papillotubular
carcinoma, 6x5mm, histological grade 2 (tubule
formation:3 + nuclear atypia:2 + mitosis:1 = 6), f, ly(-),
v(+) , pT1b, pN0.
– ER(+:95%), PgR(+:40%), Her2(negative:0), MIB-1:18%.
EBER
• 慢性骨髄性白血病
• KIT陽性消化管間質腫瘍
• フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
→ 診断と分子標的薬イマチニブの有効性評価
6
7
10
11
12
14
15
29
31
32
33
35
36
37
17
19
38
39
20
40
21
23
41
25
24
42
44
46
27
47
long
exon40
48
PDGFB
PGK(189bp)
COL1A1exon40
49
×
PGKp(100bp)
COL1A1(ex6-49)-PDGFB
融合遺伝子の検出による
隆起性皮膚線維肉腫（DFSP）の診断
13
2016/9/8
病理診断科部内での検鏡風景
専門家へのコンサルテーションも行っています
 悪性リンパ腫の組織型診断
 難しい炎症性皮膚疾患
 キメラ遺伝子検出による軟部腫瘍の診断
 良悪性判定困難な乳腺疾患
 その他、診断困難症例 etc…
非常勤医・研修医と共に
病理診断科に足を運んでみて下さい
バーチャルスライドシステム
•
•
•
•
組織像を自分で観察
患者さんに説明
カルテに貼り付け
学会用に撮影・保存して利用
…など、活用できます。
ただし…
データは莫大な容量を要するので、upを制
限しています。
14

PDF:217KB