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2016/09/05
千葉支店
住所:千葉市中央区中央 3-10-6
北野京葉ビル 2 階
TEL:043-227-0345(代表)
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画:女性登用に関する千葉県内企業の意識調査
女性管理職の割合は平均 8.2%
~ ゼロの企業は 47.3% ~
はじめに
生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加などもあり、職場における女性の存在感の高まりが
みられるなか、政府は女性の活躍促進を成長戦略の重要政策として打ち出している。また、企
業においては新しい視点の取り入れや男性の働き方改革としても位置付けられるなど、人手不
足に対する労働力確保だけでなく、企業の成長に女性の活躍が不可欠という認識も高まってい
る。
そこで、帝国データバンクは、女性の活用や登用に対する企業の見解について調査を実施し
た。なお、本調査は、TDB 景気動向調査 2016 年 7 月調査とともに行った。女性登用に関する調
査は 2013 年 7 月調査、2014 年 7 月調査、2015 年 7 月調査に続き 4 回目。
※調査期間は 2016 年 7 月 15 日~7 月 31 日、調査対象は全国 2 万 3639 社、千葉県内 589 社で、
有効回答企業数は全国 1 万 285 社(回答率 43.5%)、県内 226 社(同 38.4%)。
調査結果(要旨)
1. 女性管理職がいない県内企業は 47.3%と半数近くにのぼり、女性管理職の割合は平均
8.2%と前年比 0.7 ポイント下降した。また、従業員全体の女性割合は平均 24.2%で前年
比 1.7 ポイントダウン、役員は平均 11.1%で同 0.7 ポイント上昇
2. 今後、自社の女性管理職割合が増えると見込んでいる県内企業は 19.0%
3. 女性の活用や登用について「社内人材の活用・登用を進めている」企業は 36.3%、「社外
からの活用・登用を進めている」企業は 11.5%。その効果は「男女にかかわらず有能な人
材を生かすことができた」が約 7 割で突出
4. 女性活躍推進に向けた行動計画の策定が義務付けられている従業員数 301 人以上の県内企
業は 71.4%が策定済みで、努力義務となっている従業員数 300 人以下の企業でも 44.3%が
策定
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特別企画:女性登用に関する千葉県内企業の意識調査
1. 女性管理職割合は平均 8.2%、2015 年より 0.7 ポイント下降
自社の従業員に占める女性の割合を尋ねたところ、「30%以上」と回答した県内企業は
26.5%であった。また、「0%(全員男性)」(9.3%)を含めた「10%未満」(32.7%)は 3 割を
超えた。これにより女性従業員割合は平均 24.2%となった。2015 年と比較すると、「30%以上」
の企業の構成比がやや減少し、「10%未満」の企業が増加、女性従業員割合(平均 25.9%)は
1.7 ポイントダウンした。
全国平均では「30%以上」が 28.2%、「10%未満」は 29.8%で、女性従業員割合は千葉県と
同水準の平均 24.2%となった。
他方、自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合では、「30%以上」とする県内企
業は 7.5%(全国平均 5.6%)にとどまったものの、「20%以上 30%未満」は 5.8%(同 4.3%)
と前年より上昇した。逆に、半数近くの企業は「0%(全員男性)」
(47.3%)だった。その結果、
女性管理職割合は平均 8.2%となり、2015 年より 0.7 ポイント下降した。しかし、全国平均は
6.6%で、県内企業はこれを 1.6 ポイント上回った。
自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合では、「0%(全員男性)」が 54.4%(全国平
均 60.3%)で半数を超えた。これを含め、女性役員が 1 割に満たない県内企業は 69.5%と前年
の 71.1%より 1.6 ポイント下降した。一方、「30%以上」とする企業は前年同様 15.0%で、女
性役員割合は平均 11.1%(全国 8.7%)と 2015 年の 10.4%から 0.7 ポイント上昇した。
■女性の割合
従業員
管理職
役員
(構成比%、カッコ内社数)
30%以上
20%以上
30%未満
10%以上
20%未満
10%未満
全国
28.2 (2,896)
17.9 (1,842)
21.6 (2,226)
29.8 (3,068)
5%以上
10%未満
13.1 (1,349)
千葉
26.5
(60)
14.6
(33)
21.2
(48)
32.7
13.7
(31)
全国
5.6
(571)
4.3
(438)
7.4
(758)
79.9 (8,221)
8.8
(905)
千葉
7.5
(17)
5.8
(13)
5.8
(13)
74.8
(169)
9.3
(21)
全国
11.3 (1,165)
5.8
(597)
4.9
(499)
75.6 (7,778)
3.7
(382)
千葉
15.0
6.6
(15)
4.9
(11)
69.5
2.7
(6)
(34)
(74)
(157)
0%
(全員男性)
11.0 (1,128)
5.7 (591)
5%未満
9.7
(22)
9.3
(21)
分からない
2.5
4.9
21.2 (2,176)
50.0 (5,140)
2.9
18.1
47.3
(107)
6.2
11.6 (1,192)
60.3 (6,204)
2.4
12.4
54.4
4.0
(41)
(28)
(123)
平均女性
割合
合計
(253) 100.0 (10,285)
(11) 100.0
24.2
(226)
24.2
(297) 100.0 (10,285)
6.6
(14) 100.0
(226)
8.2
(246) 100.0 (10,285)
8.7
(9) 100.0
(226)
11.1
注:全国の母数は有効回答企業1万285社。千葉は226社
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特別企画:女性登用に関する千葉県内企業の意識調査
2. 企業の 5 社に 1 社で、今後、自社の女性管理職割合が「増加する」と見込む
自社の女性管理職割合は 5 年前と比較してどのように変わったか尋ねたところ、「変わらな
い」とする県内企業が 69.5%と多数を占めている。割合が「増加した」と回答した企業は 20.8%
と 2 割を超えた一方、「減少した」企業は 3.5%にとどまった。他方、現在と比較して今後どの
ように変わると考えているか尋ねたところ、企業の約 6 割、61.1%が女性管理職の割合は「変
わらない」とみているものの、企業の 19.0%、およそ 5 社に 1 社が女性管理職の割合が「増加
する」と見込んでおり、女性の管理職登用については、概ね拡大していくと考えている様子が
うかがえる。
女性役員については、5 年前と比較して「増加した」企業は 5.8%、今後「増加する」と考え
ている企業も 7.1%にとどまり、企業における女性役員の登用は進んでいないことが明らかと
なった。
■女性管理職・役員の割合
(構成比%、カッコ内社数)
増加した/す
る
変わらない
減少した/す
る
分からない
5年前と比較
全国
千葉
20.3 (2,089) 69.8 (7,179)
4.7
(482)
5.2
20.8
(157)
3.5
(8)
6.2
現在と比較
全国
千葉
23.5 (2,419) 58.6 (6,025)
1.6
5年前と比較
全国
千葉
7.7
現在と比較
全国
千葉
6.9
管理職
役員
19.0
5.8
7.1
(47) 69.5
(138)
1.8
(795) 81.3 (8,365)
(43) 61.1
5.2
(183)
7.1
(709) 73.1 (7,516)
(13) 81.0
3.0
(16) 70.8
(160)
3.5
合計
(535) 100.0 (10,285)
(14) 100.0
(226)
(167) 16.3 (1,674) 100.0 (10,285)
(4) 18.1
(534)
5.7
(16)
6.2
(41) 100.0
(226)
(591) 100.0 (10,285)
(14) 100.0
(226)
(305) 17.1 (1,755) 100.0 (10,285)
(8) 18.6
(42) 100.0
(226)
注:全国の母数は有効回答企業1万285社。千葉は226社
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3. 女性の活用・登用状況、企業の 1 割が社外からも登用を進める
自社において女性の活用や登用を進め
ているか尋ねたところ、県内企業の
36.3%(全国 42.5%)が「社内人材の活
■女性の活用や登用を進めた効果(複数回答)
構成比(%) 回答数(社)
数回答。以下同)。他方、「社外からの活
男女にかかわらず有能な人材を生
1
かすことができた
従業員のモチベーションが上がっ
2
た
用・登用を進めている」は 11.5%(全国
3 女性の労働観が変化してきた
11.1%)となり、企業の 1 割超は活用・
女性を登用したことで業務が円滑
に進んだ
多様な働き方が促進され、労働環
5
境が改善された
従業員同士のコミュニケーションが
6
活発になった
用・登用を進めている」と回答した(複
登用する女性として社外も視野に入れて
いる様子がうかがえる。
社内人材または社外から女性の活用や
登用を進めている企業 97 社にその効果
を尋ねたところ、「男女にかかわらず有
能な人材を生かすことができた」が
69.1%と 7 割近くに達し、突出して高か
った。以下、
「従業員のモチベーションが
上がった」「女性の労働観が変化してき
た」「女性を登用したことで業務が円滑
に進んだ」が高く、いずれも 2 割超とな
69.1%
67
25.8%
25
23.7%
23
20.6%
20
19.6%
19
13.4%
13
7 将来の人材不足に対応できた
7.2%
7
8 採用活動等で有利に働いた
5.2%
5
9 男性の労働観が変化してきた
4.1%
4
女性管理職比率が上昇した(目標
に近づいた/目標を達成した)
10
登用を望まない女性からの不満が
高まった
3.1%
3
2.1%
2
1.0%
1
6.2%
6
4
女性従業員からの反発があった
12
った。
対外的なトラブル対処が難しくなっ
た
公平な人事評価・処遇が難しくなっ
た
15 男性従業員からの反発があった
その他
注: 母数は、女性の活用や登用を「進めている」企業97社
■自社における女性の活用・登用状況
(構成比%、カッコ内社数)
活用または登 社内人材の活 社外からの活
進めていない
用を進めている 用・登用を進め 用・登用を進め
ている
ている
分からない
合計
全国
47.0 (4,832)
42.5 (4,375)
11.1 (1,142)
37.3 (3,841)
15.7 (1,612)
-
(10,285)
千葉
42.9
36.3
11.5
39.8
17.3
-
(226)
(97)
(82)
(26)
(90)
(39)
注1:「活用または登用を進めている」は、「社内人材の活用・登用を進めている」「社外からの活用・登用を進めている」のい
ずれかを回答した企業
注2:全国の母数は有効回答企業1万285社。千葉は226社
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4. 女性活躍推進の行動計画、従業員 300 人以下の企業でも 4 割超が策定
4 月 1 日より、女性が職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍でき
る環境を整備することを目的とした「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性
活躍推進法)に基づき、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定が従業員数 301 人以上の企業
に義務付けられた(従業員数 300 人以下の企業は努力義務)。
そこで、行動計画の策定状況について尋ねたところ、「策定している」企業は全体で 45.1%
(全国 51.2%)となった。策定が義務付けられている従業員数 301 人以上の企業では 71.4%(同
81.7%)が策定している一方、努力義務とされている従業員数 300 人以下の企業においても
44.3%(同 49.1%)にのぼった。
また、具体的にどのような取り組みに関する行動計画を策定しているか尋ねたところ、従業
員数 301 人以上の企業では「女性の積極採用に関する取り組み」
「配置・育成・教育訓練に関す
る取り組み」
「雇用形態や職種の転換に関する取り組み」がいずれも 42.9%で最も高かった(複
数回答)。
■女性の活躍推進に向けた行動計画の策定状況(複数回答)
千葉全体
策定している
(%)
301人以上 300人以下
45.1
71.4
44.3
1 継続就業に関する取り組み
16.4
28.6
16.0
2 女性の積極採用に関する取り組み
14.6
42.9
13.7
3 配置・育成・教育訓練に関する取り組み
12.8
42.9
11.9
4 女性の再雇用や中途採用に関する取り組み
10.6
14.3
10.5
9.7
28.6
9.1
9.3
42.9
8.2
8.8
28.6
8.2
6.2
14.3
5.9
3.5
14.3
3.2
51.3
14.3
52.5
5 女性の積極登用・評価に関する取り組み
6
雇用形態や職種の転換に関する取り組み
(パート等から正規雇用へ、一般職から総合職へなど)
7 働き方の改革に向けた取り組み(長時間労働是正など)
8
職場風土改革に関する取り組み
(性別役割分担意識の見直しなど)
その他
策定していない
注: 母数は有効回答企業226社
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まとめ
安倍内閣による『日本再興戦略 2016-第 4 次産業革命に向けて-』(成長戦略)では、2020
年までに「指導的地位に占める女性割合 30%」「25 歳~44 歳の女性就業率 77%」のほか、2013
~2017 年度で「約 50 万人分の保育の受け皿を整備」「約 9 万人の保育人材を確保」などの目標
を掲げ、女性が就業しやすくなるための環境整備を柱の 1 つとしている。
そのようななか、県内企業では課長職以上の管理職に占める女性の割合は平均 8.2%となっ
ており、全国平均の 6.6%を上回っているものの、前年よりやや後退した。しかしながら、企
業の 5 社に 1 社は、今後、女性管理職は増加すると見込んでおり、女性の管理職登用はわずか
ながらも増えていくと見込まれる。
【内容に関する問い合わせ先】
株式会社帝国データバンク
千葉支店
TEL 043-221-0404
担当:竹内
FAX 043-227-5205
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