平成28年 9月 9 日 国立大学法人弘前大学 医 学 研 究 科 遺伝子組換え動物エリア外での遺伝子組換えマウスの発見について 平成28年7月6日(水)弘前大学大学院医学研究科附属動物実験施設内の遺伝子組換 え動物エリア外でマウスが発見されました。学内調査を経て7月20日(水)に当該マウ スが遺伝子組換えマウスであることが判明したため,7月21日(木)文部科学省へ第一 報を報告し,7月25日(月)に文部科学省の現地視察が行われました。 その後,本事案に関する経緯及び再発防止策を9月2日(金)に文部科学省に報告し, 9月9日(金)に文部科学省より厳重注意を受け,再発防止の徹底を求められました。 当該遺伝子組換えマウスは,既に同施設の組換え動物エリア内へ移動させており,施設 外への逃亡の恐れはありません。 本来法令等に基づき,厳重に管理すべきところでありますが,遺伝子組換えマウスが発 見されたことにつきまして,深くお詫び申しあげます。 本研究科では,このたびの事態を重く受け止め,適正な管理体制を構築し,今後このよ うなことがないように再発防止に最善を尽くして参ります。 1.発生場所 青森県弘前市在府町5 弘前大学大学院医学研究科附属動物実験施設 2.発見されたマウス 遺伝子組換えマウス(茶色,生後3週から 4 週の仔マウス) ※当該遺伝子組換えマウスについては,哺乳動物等に対する病原性等はなく,P 1 A レベルの拡散防止措置( 閉鎖環境の中で遺伝子組換え動物を扱う際の拡散防止措置と して,必要な措置が最も簡易なもの。)で取扱い可能なもの。 3.発見の経緯・状況 同施設内の遺伝子組換え動物エリア外の洗浄室(1階)に置かれた床敷廃棄用ごみ袋 を搬出する際に,ごみ袋内にいる仔マウスを発見しました。 発見された仔マウスについては,遺伝子解析検査の結果,同施設3階にある小動物飼 養室(遺伝子組換え動物エリア内)で飼養されている遺伝子組換えマウスであることが 確認されました。 4.発生原因 ケージ(飼養箱)の床敷を交換する際に,生後 3~4 週間程度で小さい上に動きが鈍 いことから,床敷材と一緒に廃棄されたものと判断しております。 5.生態系及び環境への影響 同施設においては,ネズミ返しが遺伝子組換え動物エリアの要所に設置されているこ と,及び排水溝等は固液分離装置に接続されており屋外への逃亡は不可能となっている ことから,遺伝子組換えマウスが逃亡することはありません。 また,遺伝子組換えの仔マウスについては,発生原因となった床敷交換の際に排出さ れる可能性はあるが,床敷廃棄物はごみ袋内に密閉された状態で同施設内焼却炉におい て焼却処分されることから施設外への逃亡の恐れはありません。 以上のことから,同施設外での生態系及び環境への影響はないと判断しております。 6.今後の対応 ・実験者である教職員等への拡散防止措置の周知徹底を図ります。 ・同施設の3階及び4階に床敷廃棄室を,新たに設置しました。 ・使用済みケージ(飼養箱)収納用のカート(運搬車)を配置し,実験者以外の施設 職員等が廃棄処理を行うダブルチェック体制を実施しました。 【用語解説】 〇遺伝子組換えマウス 外部から特定の遺伝子を導入したマウスや人為的に特定の遺伝子を欠失させたマウス。 〇遺伝子組換え動物エリア 遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に基づき, 二重扉やネズミ返しの設置など,拡散防止措置を施した実験室及び飼養室。
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