ヤマワ・レポート 調査室 2016 年 8 月 29 日 今週の株式相場見通し *日経平均 16,200~17,000 円 TOPIX 1,280~1,350 *期待材料 円安 政府・日銀の政策対応 *不安材料 円高 地政学的リスク 中国経済の成長鈍化 原油価格の下落 現状の政府・日銀の施策では、日本の期待インフレ率を高めて実質金利を引き下げるには力不足 だと思われ、円安ドル高が進むには米国だけではなく、欧州や中国、新興国など世界経済が順調に 拡大し、FRB による利上げ観測が高まり米国の金利が上昇する必要がある。米国の 4-6 月期実質 GDP 速報値は、在庫・設備投資が減少したことで事前予想の前期比年率 2.5%増を大きく下回る同 1.2%増と小幅な伸びにとどまり、米国経済の先行きを不安視する見方も多い。ただ、7 月の米鉱工 業生産指数は、前月比 0.7%増となり 2 ヵ月連続で前月比増加。改善幅は 2014 年 11 月以来の大き さになり、設備稼働率は 75.9%へ上昇し、昨年 10 月以来の高水準になった。設備稼働率の改善に 伴い、企業の設備投資が伸びてくれば堅調な個人消費も支えになり、米国の GDP 成長率が年後半に 向けて拡大していく展開が期待される。実際、アトランタ連銀の GDPNow によると、7-9 月期実質 GDP 成長率は 8 月 25 日時点で前期比年率 3.4%増が見込まれている。また、8 月のユーロ圏総合 PMI 速報値は 53.3 となり 2 ヵ月連続で上昇し、7 ヵ月ぶりの高水準になった。イギリスの EU 離脱に伴 う金融市場の混乱の影響を乗り越えて、ユーロ圏経済は堅調な成長軌道を維持している。加えて、 中国の 7 月の財新製造業 PMI は 50.6 となり 2015 年 2 月以来の水準へ改善。拡大縮小の境になる 50 を上回るのも 2015 年 2 月以来になっており、長らく停滞してきた中国製造業に改善の兆しが出 ている。さらに、8 月の日経日本製造業 PMI 速報値は 49.6 となり 3 ヵ月連続で上昇し、6 ヵ月ぶり の高水準になった。日米中欧といった主要国・地域の景気に底打ちの動きが見え始めており、世界 経済の減速の動きには一服感が出つつある。今週発表される米国の ISM 製造業景況指数や雇用統計 の内容が良好なものになれば、FRB による利上げ観測が高まることが見込まれる。その場合、金融 緩和の長期化を期待して上昇してきた米国株は反落する展開が警戒されるものの、その調整が小幅 なものにとどまれば、円安ドル高が進行することで、外需輸出銘柄が牽引し日経平均株価が 17,000 円に乗せていく展開が期待できる。(8 月 25 日現在、松本 直志) 今週の予定 8/29(月) 30(火) 31(水) 9/1(木) 2(金) 3(土) 4(日) 国内 日経平均株価ユニーGHD(8270)除 外、ファミリーマート(8028)採用 7 月失業率(8:30) 7 月鉱工業生産(8:50) ZMP フォーラム(~9 月 2 日) 8 月日経日本 PMI 製造業(11:00) 8 月自動車販売台数(14:00) 伊藤園(2593)決算 8 月マネタリーベース(8:50) 民進党代表選告示 三井ハイテク(6966)決算 ジャパンジュエリーフェア最終日 救急医療週間(~10 日) 海外 [米]7 月 PCE コア(21:30) 全米オープンテニス(~9 月 11 日) [米]8 月消費者信頼感指数(23:00) [米]8 月 ADP 雇用統計(21:15) スペインのラホイ首相の信任投票(下院) [中]8 月製造業 PMI(10:00) [中]8 月財新製造業 PMI(10:45) [米]8 月 ISM 製造業景況指数(23:00) [米]8 月雇用統計(21:30) [露]東方経済フォーラム(~3 日)日露首脳会談 [米]オバマ大統領訪中 [中]抗日戦争記念日 [中]G20(~5 日) 日中首脳会談開催の可能性 出所はロイター、ブルームバーグ、新聞各紙より、時刻は日本時間(予定) 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに 記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。 1 ヤマワ・レポート 調査室 2016 年 8 月 29 日 今週の参考銘柄 日本電産(6594) 株価 東証一部 8月25日 9,174 円 13週移動平均 26週移動平均 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 百 万 20 10 0 2015/9/19 2015/11/19 15年3月期 2016/1/19 2016/3/19 16年3月期 2016/5/19 17年3月期(予) 2016/7/19 株価(8/25) 9,174 円 業種 電気機器 (百万円) 前年比 (百万円) 前年比 (百万円) 前年比 1,028,385 17.5% 1,178,290 14.6% 1,250,000 6.1% 売買単位 100 株 営業利益 110,939 30.7% 117,903 6.3% 130,000 10.3% PER(予想) 27.8 倍 税前利益 107,092 26.8% 117,405 9.6% 130,000 10.7% PBR(実績) 3.8 倍 76,015 35.1% 90,120 18.6% 98,000 8.7% ROE(実績) 売上高 当期純利益 EPS(円) 配当金(円) 271.6 303.6 330.4 70.0 80.0 80.0 配当利回り(予想) 担当 12.2 % 0.9 % 多功 毅 1Q決算は、円高影響が前年同期比で41億円の営業減益要因となったが、注力する車載及び家電・ 商業・産業製品グループの増販効果が貢献した事で同16.8億円の営業増益での着地となり、四半 期としての過去最高益となっている。1Q決算の内容について会社側は、当初予想比若干の上振れ としたが、通期業績計画の為替前提を1ドル105円(従来110円)、1ユーロ115円(同120円)と円高方 向に修正したうえで、売上高及び各利益予想は据え置いている。足元での車載及び家電・商業・ 産業用の好調持続、また、前期足を引っ張ったハプティックデバイスも今期については売上及び 収益性に慎重な前提を置いている模様である事から、下ブレリスクというよりはアップサイドへ の寄与が期待され、公表計画の下ブレリスクは小さいものと考える。 中期的な観点においては、特に車載用部品の成長性とM&A戦略に期待している。自動車は環境、 安全対応等を目的として電子部品の搭載が拡大傾向にある。既にトップシェアを有する電動パワ ステ(EPS)用モータは、今後も自動車生産台数の拡大に加えて、効率駆動による燃費性能向上を目 的に油圧からの切り替えが進む事で持続的な成長が見込まれている。当社はEPS用モータでの高い 実績を背景に、他の車載用部品でも電動化ニーズを取り込む事が見込まれる。また、8月2日には 当社として過去最大のM&Aを発表しているが、昨今の世界的な景気減速及び円高によって買収に要 する金額は低下傾向である事から、さらにM&Aを加速させる意向を示している。引き続き、短期、 中長期の両観点で注目したい。 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに 記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。 2 ヤマワ・レポート 調査室 2016 年 8 月 29 日 3 月期決算企業で通期売上高予想を修正した銘柄 8 月 11 日の日本経済新聞のコラム「スクランブル」では、3 月期決算企業の 1Q 決算後の株価反応 についての分析が掲載されていた。同記事では過去の決算を分析すると、1Q 決算発表時点で通期売 上高計画を上方修正した銘柄を買い、下方修正した銘柄を空売りするとその後一年間で高い運用成 績があげられたとしている。同分析で興味深いのは利益の修正に着目して同様の戦略を採用した場 合には、リターンは得られなかったとしている点。 ここでは、3 月期決算企業を対象に会社予想ベースの期初時点と 8 月 17 日時点での通期売上高予 想の上方及び下方修正率の高い銘柄を掲載している。QUICK Astra Manager のデータを基に作成。 売上高上方修正率上位銘柄 銘柄 コード 銘柄名 売上高下方修正率上位銘柄 8月17日 売買 8月24日 期初予想 時点予想 市場 単位 株価 売上高 修正率 売上高 [株] [円] [百万円] [百万円] 銘柄 コード 銘柄名 8月17日 売買 8月24日 期初予想 時点予想 市場 単位 株価 売上高 修正率 売上高 [株] [円] [百万円] [百万円] 6092 エンバイオH 東マ 100 698 3,328 5,550 66.8% 1606 海洋掘削 東1 100 2,245 25,480 20,378 -20.0% 5381 Mipox 東JQ 100 251 4,692 6,831 45.6% 6218 エンシュウ 東1 1,000 59 28,000 22,500 -19.6% 7220 武蔵精密 東1 100 1,990 146,000 175,000 19.9% 6158 和井田 東JQ 100 422 6,029 4,906 -18.6% 7593 VTHD 東1 100 458 149,000 167,000 12.1% 5304 SECカーボン 東2 1,000 196 17,080 14,200 -16.9% 7575 日本ライフL 東1 100 4,985 34,699 37,991 9.5% 4239 ポラテクノ 東JQ 100 602 24,000 20,500 -14.6% 6098 リクルート 東1 100 4,135 1,690,000 1,830,000 8.3% 6390 加藤製 東1 1,000 385 78,000 67,000 -14.1% 6274 新川 東1 100 587 15,800 16,800 6.3% 2780 コメ兵 東2 100 912 48,000 41,500 -13.5% 4295 フェイス 東1 100 1,115 19,000 20,000 5.3% 6118 アイダ 東1 100 709 80,000 70,000 -12.5% 2181 テンプHD 東1 100 1,716 564,000 584,000 3.5% 7217 テイン 東JQ 100 408 4,772 4,196 -12.1% 4918 アイビー 東JQ 1,000 757 7,000 7,200 2.9% 9412 スカパーJ 東1 100 445 221,500 195,000 -12.0% 2810 ハウス食G 東1 100 2,292 289,000 295,800 2.4% 6624 田淵電 東1 100 328 45,000 40,000 -11.1% 4109 ステラケミ 東1 100 3,470 28,249 28,909 2.3% 6925 ウシオ電 東1 100 1,111 190,000 170,000 -10.5% 5970 ジーテクト 東1 100 1,799 202,000 206,500 2.2% 9375 近鉄エクス 東1 100 1,190 534,000 481,000 -9.9% 5440 共英製鋼 東1 100 2,009 142,000 145,000 2.1% 6938 双信電 東1 100 257 10,200 9,200 -9.8% 1662 石油資源 東1 100 2,233 194,575 198,057 1.8% 5446 北越メタル 東2 1,000 268 19,610 17,810 -9.2% 2201 森永 東1 1,000 833 185,600 188,900 1.8% 6581 日立工 東1 100 713 197,000 180,000 -8.6% 8392 大分銀 東1 1,000 325 57,200 58,200 1.7% 9101 郵 船 東1 1,000 176 2,180,000 1,992,000 -8.6% 9059 カンダ 東2 100 745 38,400 39,000 1.6% 7937 ツツミ 東1 100 1,647 22,000 20,200 -8.2% 7768 ジェコー 東2 1,000 289 21,000 21,300 1.4% 5998 アドバネクス 東1 100 1,003 19,200 17,700 -7.8% 5901 洋缶HD 東1 100 1,897 770,000 780,000 1.3% 9312 ケイヒン 東1 1,000 126 46,500 43,000 -7.5% 7242 KYB 東1 1,000 402 342,000 346,000 1.2% 7229 ユタカ技研 東JQ 100 1,884 163,000 151,000 -7.4% 2483 翻訳センター 東JQ 100 3,125 9,600 9,700 1.0% 6923 スタンレ電 東1 100 2,475 410,000 380,000 -7.3% 9511 沖縄電 東1 100 2,149 174,500 176,100 0.9% 6932 遠藤照 東1 100 799 44,200 41,000 -7.2% 9531 東ガス 東1 1,000 438 1,581,000 1,591,000 0.6% 6986 双葉電 東1 100 1,582 72,000 66,900 -7.1% 7270 富士重 東1 100 3,801 3,170,000 3,190,000 0.6% 6155 高松機械 東2 100 580 19,514 18,175 -6.9% 6954 ファナック 東1 100 17,095 505,700 508,800 0.6% 6143 ソディック 東1 100 689 65,500 61,100 -6.7% 9413 テレ東HD 東1 100 2,281 137,900 138,700 0.6% 7240 NOK 東1 100 1,926 710,000 664,600 -6.4% 9052 山陽電 東1 1,000 505 48,948 49,202 0.5% 9127 玉井船 東2 1,000 78 4,700 3221 ヨシックス 東2 100 1,467 12,800 12,855 0.4% 9107 川崎船 東1 1,000 9308 乾汽船 東1 100 956 18,026 18,034 0.0% 5208 有沢製 東1 100 4,400 -6.4% 252 1,100,000 1,030,000 -6.4% 494 -6.3% 36,600 本資料のご利用にあたり、お客様にご確認いただきたい事項を、本資料の最終ページに 記載させていただきました。ご確認の程、宜しくお願い致します。 3 34,300 ヤマワ・レポート 調査室 2016 年 8 月 29 日 いつもあなたのそばで 頼れる金融機関です やまわ ■ ■ ■ 山和証券店舗網 本店営業部 金町支店 高円寺支店 大岡山支店 (03)3668-5412 (03)3600-6681 (03)3311-1171 (03)5754-5523 〒103-0026 〒125-0041 〒166-0003 〒145-0062 巣鴨支店 上板橋支店 深川支店 茂原支店 (03)3918-6311 (03)3935-0311 (03)5600-7891 (0475)25-1151 〒170-0002 〒174-0071 〒135-0005 〒297-0023 ■ ■ ■ 中央区日本橋兜町 1-8 葛飾区東金町 1-22-9 杉並区高円寺南 3-58-25 大田区北千束 3-28-1 パークホームズ大岡山ラヴィアンコート 1F 豊島区巣鴨 3-33-2 板橋区常盤台 4-22-12 江東区高橋 11-1 茂原市千代田町 1-6 茂原サンヴェルプラザ 1F ○金融商品取引法に基づく表示事項 ◇商号:山和証券株式会社 金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第 190 号 加入協会:日本証券業協会 ◇ご投資にかかる手数料の概要およびリスクについて ・国内上場株式等を購入する場合は、約定代金に対して最大 1.1772%(ただし約定代金 230,000 円以下の場合は最大 2,700 円)の委託手数料をいただきます。 ・国内上場株式等は、価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、発行会社の 信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。商品ごとに手数料等及びリ スクは異なりますので当該商品の契約締結前交付書面をよくお読みください。 ○山和証券免責事項 ・本アナリストレポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたものであり、特定の有価 証券の売買あるいは特定の証券取引の勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決 定は投資家ご自身の判断と責任でおねがいします。 ・本アナリストレポートの全部もしくは一部を引用または複製、転送等により使用することを 禁じます。 発行 山和証券調査室
© Copyright 2025 ExpyDoc