大学院案内2017

阪南大学大学院
HANNAN UNIVERSITY GRADUATE SCHOOL
2017
大学院
大学院企業情報研究科
(本立ちて道生ず・論語 学而)
研究科長 「本立道生」
メッセージ ―基本を極め、世界に雄飛する創造的な人材を育成する―
阪南大学の正門前に「本立道生」
という論語の一文を刻まれた石碑が建っています。基本をしっ
かりしていれば、真理や進む道がおのずと開けてくるという意味で、本学の先達たちの教育理念が
示されています。
企業情報研究科はかかる理念の下で、経済のグローバル化とIT技術進歩によって激変した経済
とビジネス環境に対応できるような人材を育成するため15年前に設立されました。情報スキルと経済
学・経営学の基本素養を身につけ、商都大阪の地の利を生かして世界に雄飛する創造的な経済人
企業情報研究科長
洪 詩鴻
Hong Shi Hong
と研究者を育てることを目標にしています。
これまで多くの学生は内外のITビジネスコンクールや学会
発表で入賞しており、
また卒業生は国内外の大学研究者やビジネスリーダーとして活躍しています。
経済のグローバル化と情報技術の急速な進展の結果、経済発展のモデルや、
ビジネスモデル自体
もイノベーションを起こしていかなければならなくなりました。
これからは、産業・企業・人材像の変化を
求められています。本大学院は、
このような時代の要請に応えられるような、学理と実学が融合した、
特色ある研究教育を模索してきました。多彩な研究スタッフを擁することと、商都大阪に立地する利
点を持って、
「学際的」「
、国際的」そして地元産学連携による
「業際的」
な特色ある研究教育を結実さ
せています。
本大学院研究科の特徴
1.
I
T情報系と経営系の学際的な融合が進んでいます。
情報科学の教員を中心に、
プログラミングの勉強のみならず、
企業の製品開発の要望に合わ
せたIT関連のソフト開発、
プログラム設計の教育研究が行われています。
ビジネスへの応用を
切口に、
これまで全国的なキャンパスベンチャーや学生ビジネスコンクールで入賞しています。
2.
都市型大学の利を生かして、産学連携の科目と実学研究が
充実しています。
本学は大阪科学技術センター・MATE
(異業種研究会)
をはじめ、多くの企業団体と産学連
携協定を結んでおり、大学院の連携講座やシンポジウムの共催、海外ビジネス交流行事など多
様な産学連携事業を教育研究に生かしています。
3.
グローバルビジネス、特にアジア・中国のネットワークを生かす研究や
産学連携を盛んに行っています。
アジア・グローバル経済を研究・教育している教員の海外ネットワークを生かして、産学連携
団体の企業とともに、海外ビジネスマッチングを積極的に行っています。
中国の提携校と計6回
日中企業家論壇を主催し、
地元の企業の海外ビジネスをサポートしてきました。
1 ●HANNAN Graduate School
2016
4.
先端的ビジネスモデルの研究に取り組んでいます。
サービスの経済化が進む現代社会において、
経営学の分野でも生産管理の分野のみならず、
サービスビジネスの新しいモデルの研究が求められています。
観光、
ブランド、
インターネッ
トビジネス
といったサービス分野における新しいビジネスモデルの研究者が、
大学院スタッフに加わっていま
す。
ニュービジネスの研究教育についても、
時代要請に応えることができる科目を開設しています。
教育研究支援体制
本研究科の「学際的」、
「国際的」そして地元産学連携による
「業際的」な特色ある研究教育を特
徴としているため、
研究者志向の学生のみならず、
これから実業界で活躍する、
大阪や地域のグロー
バル化、情報化に対応できる人材をめざす若者は、本大学院でさらに自らの可能性を伸ばし、創造
的な人材に成長できると信じています。
そのために大学院は以下のようなきめ細かなサポートをしています。
一つは少人数教育体制です。15名の定員に対し、
その倍の教員スタッフが対応しています。
ゼミ
の学生と教員の数のバランスを重視し、
学生へのきめ細かな指導体制を確保しています。
もう一つは研究室などの設備を充実しています。独立した大学院の建物があり、学生用の研究室
や机、
書架、
パソコン室などの学習・研究設備が完備しています。
さらに、奨学金制度や授業料減免制度も充実しています。大学院学生の学費負担を軽減できるよ
うサポートしています。
そのほか、
無料で年間1,000枚のコピーが使用可能のカードの支給や、
学会参加の旅費補助制度
などもあり、
学生の学習・研究を支援しています。
上述のように、都市型大学の大学院として、企業と情報をキーワードに、新しい時代のビジネスや
経済の研究・開発に積極的に取り組んでいくとともに、
その学習と研究を行う学生をしっかりとサポート
していきます。
「本立道生」、
企業情報研究科で学生の皆様が人生の新たな道と可能性を創造していけることを
期待しています。
大学院
企業情報
研究科
の紹介
【企業情報研究科の目的】
国際的な視野と展望をもち、情報コミュニケーション技術に関する知識を備え、企業情報にかかわ
る課題探求能力と政策立案能力を持った高度な専門職業人及び研究者の育成
グローバル化・情報化する現代企業システムに3つの分野から迫ります
大学院企業情報研究科では「経営・会計分野」
「情報分野」
「グローバル・ローカル分野」
という3つの
専門領域から構成され、
経営系、
経済系、
情報系の三つの学問領域の第一線で活躍する研究者が、
現代企業のビジネスと情報システム、
その経済環境についてそれぞれのテーマを深め探求します。
HANNAN Graduate School 2016 ●
2
大学院企業情報研究科
大
3つの専門領域から、
企業の発展方向とその先にある世界を理解し、専門性を高める
経営・会計分野
21世紀を迎え、企業経営はダイナミックな変化を遂げつつあります。本分野では、複雑高度化する
企業経営の現実の姿に迫り、
その背景や歴史の根底にある思想や理論までたどります。情報システ
ムの進化、経済グローバル化のすさまじい進展など新たな時代を予感させます。
この新しい時代を
企業経営はいかにして先導できるのでしょうか。21世紀にふさわしい企業経営の可能性と方向性を
提案できる人材を育成します。
情報分野
ヒト・モノ・カネに続き
「第四の企業資産」
と呼ばれるものが情報です。IT技術やメディアの進化によ
り氾濫する大量の情報を収集、分析するためには、新たな情報分析技術の構築とそれを使いこなす
分析的な視点が必要不可欠です。本分野では、
そのための科学的知識と思考法を学びます。実際
にシステム開発やロボット製作など授業や研究は実践的です。理論の研究にとどまらず、
これからの
あるべき情報社会を提案し、
構築することのできる総合力を醸成します。
グローバル・ローカル分野
経済はもちろん、政策や金融、
さらには文化まで地球規模で理解し、今後の企業にとって必要なグ
ローバル化を探っていきます。本分野では、国際経済を構成している各地域にフォーカスした「ローカ
ル」な視点と世界全体の経済の動きを「グローバル」にとらえる視点をあわせもつ「グローカル」な複
眼的な視点で考え行動できる国際人を養成します。
中国をはじめ東南アジア各国とのシンポジウムの
立案・運営など実践に根ざした学びと研究活動を行っていきます。
大学院
科目表
大学院のカリキュラムは、3分野にそれぞれ配当されている
「講義科目」
「演習科目」
「その他併用
科目」および「修士論文の作成または特定の課題に対する研究(課題研究)
を個別に指導する研
究論文指導科目」の四つの授業科目群で構成されています。
科目名
分 野
経営・会計分野
経営学特論
マーケティング特論
コーポレート・ガバナンス特論
応用ミクロ経済学特論
管理会計特論
ブランドビジネス特論
産学連携講座
研究論文指導
経営財務特論
経営史特論
企業金融特論
中小企業特論
財務会計特論
プロジェクト研究1
演習1
経営労務特論
経営経済思想史特論
経営・経済統計特論
企業分析特論
税務会計特論
プロジェクト研究2
演習2
情報分野
情報科学特論
データベース特論
プロジェクト研究3
演習1
情報システム設計特論
ネットワーク特論
プロジェクト研究4
演習2
マルチメディア特論
情報法特論
世界経済特論
開発金融特論
アジア地域経済特論
国際マーケティング特論
社会政策特論
観光計画特論
プロジェクト研究6
開発途上国経済特論
研究論文指導
国際関係特論
地域開発特論
EU地域経済特論
国際ビジネス・ネットワーク特論
財政学特論
観光産業特論
国際協力特論
演習1
産業集積地域特論
アメリカ経済特論
異文化コミュニケーション特論
応用マクロ経済学特論
金融政策特論
プロジェクト研究5
地域社会調査特論
演習2
グローバル・
ローカル分野
3 ●HANNAN Graduate School
2016
研究論文指導
大学院の
人材養成に関する
理念・目的・ポリシー
(1)教育目的
阪南大学の基本教育理念である
「国際的職業人の育成」
という原則を踏まえ、経済社会
の変容と急速な国際化が、
わが国に求める高度の専門的企業人の養成を基本目的としてい
ます。
国際社会(および地域)
に展開する現代企業にとって不可欠の、
実践的な知力、
多面的
な情報力、
妥当な社会的見識を備えた「21世紀型創造的企業人」の養成を目標としています。
(2)人材養成の基本指針
21世紀型創造的企業人は、
わが国の伝統を継承し、他国(地域)
の社会や文化や風土な
どに対する深い理解と尊敬とを養うことが必要となります。
そのために、世界の調和と安定と
をめざし、柔軟な国際的な視野の涵養と企業経営にかかわる企業情報テクノロジー
(理論と
技術)
の習得とを基本指針としています。
(3)アドミッション・ポリシー
① 21世紀企業のメカニズムとダイナミズムを深く理解し、
グローバル化・情報化する現代
社会で活躍できる創造的企業人をめざす人。
② 21世紀の社会と企業で不断に進化する情報システムの役割を深く理解し、新時代に
必要な情報システムの構築と活用を志す人。
③ グローバル化とローカル化が同時進行する21世紀の世界経済、
とくに東アジア経済の
現状と将来を深く考察し、
グローカルな視点を備えた創造的企業人をめざす人。
(4)カリキュラム・ポリシー
学部などでの教育によって得た成果に基づき、
さらに幅広い学識を涵養するとともに、企
業・情報・
トランスナショナルにおよぶ多様な学術的研究を背景とした先端の専門知識と技術
を習得させて、専攻分野における研究能力と高度の専門性を要する創造的企業人にふさわ
しい資質を培います。
(5)ディプロマ・ポリシー
・学位授与の基準(課程修了の基準)
国際的な視野に立つ幅広くかつ深い知識と技術を備え、専攻分野における研究能力
と、高度な専門性を要する創造的企業人としての優れた能力とを身につけているかどう
かを、
課程修了の基本的な基準としています。
・学位授与の条件
本研究科に2年以上在学して、講義科目、演習科目、研究論文指導について定められ
た必要最低単位数以上を習得し、かつ修士論文の審査に合格することが学位授与の
条件です。
HANNAN Graduate School 2016 ●
4
大学院企業情報研究科
大
大学院
科目詳細
[講義科目一覧]
経営・会計分野
■経営学特論
■経営財務特論
■経営労務特論
■マーケティング特論
■経営史特論
■経営経済思想史特論
■コーポレート
・ガバナンス特論
■企業金融特論
■経営・経済統計特論
■応用ミクロ経済学特論
■中小企業特論
■企業分析特論
■管理会計特論
■財務会計特論
■税務会計特論
■ブランドビジネス特論
■プロジェクト研究1
■プロジェクト研究2
■産学連携講座
科
目
名
マーケティング特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
山内 孝幸
講 義 の目的
および 内 容
情報技術
(IT)
が進展する一方で、市場における企業競争が激化している。
そうした中で
企業のマーケティング活動も製品開発、価格の決定、流通チャネルの選択、販売促進の方
法などすべての局面において変革が迫られている。
この講義では、マーケティングの基礎理
論を学習しながら、現実の社会で起こっている企業のマーケティング活動の具体的事象を
分析する。
山内 孝幸
Takayuki YAMAUCHI
科
目
名
経営・経済統計特論
担
当
者
御園 謙吉
講 義 の目的
および 内 容
現代の企業経営およびマクロ経済情報に関するデータ・統計と、
その加工・分析法を解
説する。具体的には下記を予定している。
1)Excel関数の利用、
グラフ作成
2)企業、
業界データの入手・加工とその検討
3)各種経済・経営データ掲載サイトの紹介(含・中国国家統計局)
御園 謙吉
Kenkichi MISONO
なお、
時間的余裕があれば、
修士論文の作成にあたって必要な経営・経済データの入手
とその処理方法について個別対応もしたいと考えている。
科
目
名
企業分析特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
中條 良美
講 義 の目的
および 内 容
証券投資の代表的な手法として、
ファンダメンタル分析とテクニカル分析が広く知られて
いる。
いずれも企業の価値という不確定で不安定な大きさに対する測度に、
一定の方向性
をもたせようとする試みである。講義では前者に焦点をあわせ、企業の財務諸表から読み
とられるファンダメンタルが、
いかに適切に価値に写像されるかを考える。
むろん蓄積された
中條 良美
理論を整理することは重要であるが、
ここでは受講生の柔軟な発想にもとづき、
あらたな証
Yoshimi CHUJO
券投資の理論枠組みを構築することが求められる。
日進月歩で変化する証券市場をまえに、
オリジナルな発想を欠いた単調な思考はあまり意味をもたない。
5 ●HANNAN Graduate School
2016
科
目
名
財務会計特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
桜田 照雄
講 義 の目的
および 内 容
Panasonic(松下電器産業株式会社)
やシャープなど留学生にもなじみのある会社の年
次報告書(アニュアル・レポート)
の読解を通じて、
日本の会計制度への理解を深めたいと考
えている。会計から読み解くことができる日本的経営の特徴や商慣習についてもふれること
としたい。
桜田 照雄
Teruo SAKURADA
科
目
名
経営学特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
李 炳夏
講 義 の目的
および 内 容
「仕事、
絶え間ない研究、
努力によって私自身の存在を開花させること、
芸術において、
よ
り良きもの、
稀なるもの、
目に見えぬものを追い求めること」。画家ギュスターヴ・モローの言葉
である。経営の現場でも競争相手がすぐには模倣できない目に見えぬものを含めて、
価値の
あって、
希少性のあるリソースを構築し、
活用していくことが大事である。学生諸君も差別化
された自分のみの能力
(Capability)
を身につけ、
競争社会で勝ち残ってほしい。
李 炳夏
Lee BYUNG HA
科
目
名
ブランドビジネス特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
平山 弘
講 義 の目的
および 内 容
近年、
多くの先進国市場においては製品・サービスの同質化が進み、
市場自体も飽和化
しており、新たな技術で新製品や新サービスを開発したとしても、
すぐに同業他社に追随さ
れるため、
有効な競争優位上の戦略とはなりえていない現状が存在している。
そうした場合
に重要なことはコモディティ化しにくい性質を持つブランディングの構築と市場に展開するた
平山 弘
Hiroshi HIRAYAMA
めのブランド戦略、
そして持続的な競争優位性を高めるために必要なブランド価値の創造
である。
それゆえ、
本講義では
(1)起業家から見たブランド史、
(2)最強のグローバル指標と
してのブランド価値の本質、
(3)市場対応と競争対応を軸にしたブランド戦略の3つの面か
らアプローチすることになる。
HANNAN Graduate School 2016 ●
6
大学院企業情報研究科
大
大学院
科目詳細
[講義科目一覧]
情報分野
■情報科学特論
■情報システム設計特論
■マルチメディア特論
■データベース特論
■ネットワーク特論
■情報法特論
■プロジェクト研究3
■プロジェクト研究4
科
目
名
情報システム設計特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
花川 典子
講 義 の目的
および 内 容
現在の企業情報システムでは、業務全体の効率化やコスト削減を目標としている。
目標
を実現するためにはソフトウェア開発の上流工程が非常に重要な役割を果たす。つまり、
業務の何をシステム化するか、
システム化による運用はどのようになるかを的確に分析、設
計する必要がある。分析、設計が貧弱であると、
システム化の目的の未達成をはじめ、
シス
テムの実現性も不確かとなる。
花川 典子
Noriko HANAKAWA
本講義では、
実際のプロジェクトの事例を用いて企業情報システムのソフトウェア開発方
法論を学習する。
まず、
分析や設計の重要性を現実のソフトウェア開発失敗事例で学習す
る。次にソフトウェア開発の全体にかかわるプロジェクト管理技術を現実のプロジェクトで生
じる問題点に基づいて学び、
ソフトウェア開発方法論を構造化開発手法とオブジェクト指向
開発手法について学習する。
科
目
名
データベース特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
北川 悦司
講 義 の目的
および 内 容
今日の情報化社会には様々な情報技術が存在するが、
その中の重要な基礎技術の
一つにデータベースがある。
このデータベースは、情報システムの中核を担う技術と考えら
れ、図書館の図書システム、学生の成績管理システム、年賀状の住所録、車のカーナビゲ
ーションシステムなど人々の生活において様々な場所で利用されている。
本講義では、現実世界の事例を利用しながら、
データベースの実践に必要な知識と技
北川 悦司
Etsuji KITAGAWA
術の習得をめざす。
また、
ディスカッション形式で設計を行うため、社会で必要な「顧客の
ニーズを聞き出す能力」の向上もめざす。
さらに、演習ではデータベースだけでなく、画像
処理や3次元計測、
センサなどの情報技術を利用したシステムの開発を行う。
7 ●HANNAN Graduate School
2016
科
目
名
ネットワーク特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
前田 利之
講 義 の目的
および 内 容
今日の企業情報システムにおいてインターネットは不可欠なものであり、
その基盤である
コンピュータネットワーク技術の理解は非常に重要である。
本講義ではインターネット関連技術について最新のトピックを交えつつ、基本技術の理
解と応用力の養成を目的とする。
まずTCP/IPの基礎を押さえたのちWeb関連技術、特
前田 利之
にWebアプリケーション開発技術について、RoR,CakePHP等のアプリケーションフレーム
Toshiyuki MAEDA
ワークの応用も含め、適宜実習を行いながら技術の習得をめざす。
さらに、
ネットワークセ
キュリティ技術や、集合知(Wisdom of Crowds)構築のためのデータマイニング技術に
ついても、実習を通じて理解を深めてもらいたい。
科
目
名
情報科学特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
三好 哲也
講 義 の目的
および 内 容
経営におけるICT活用により、販売、顧客管理、在庫管理、経理、人材管理のあらゆる
領域における経営活動が電子化されデータ保存されている。
これらを有効活用した効率
的で合理的な意思決定が求められている。
また、
カーナビ、情報端末、交通系カードなど
の普及により消費者個々の活動が把握できる環境が整いつつある。従来から生産管理
三好 哲也
や品質管理など数理的アプローチが不可欠な経営課題も多い。高度に情報化された現
Tetsuya MIYOSHI
代経営においては、
さらに、情報分析や活用方法の探求が必要である。
経営課題に対して、情報分析や活用方法を探求する上で、古典的な統計学や多変量
解析に加えて、人工知能、
ソフトコンピューティング、進化計算などの新しい情報処理技術
が研究されている。
また、向上したコンピュータの計算能力を活用して、従来では処理でき
ないような大量データの分析方法も探求されている。本講では、上記の数理的手法とそ
の応用方法を理解し、経営諸問題における情報科学的アプローチ法を深く学ぶ。
HANNAN Graduate School 2016 ●
8
大学院企業情報研究科
大
大学院
科目詳細
[講義科目一覧]
グローバル・ローカル分野
■世界経済特論
■国際関係特論
■産業集積地域特論
■開発金融特論
■地域開発特論
■アメリカ経済特論
■アジア地域経済特論
■EU地域経済特論 ■異文化コミュニケーション特論
■国際マーケティング特論 ■国際ビジネス・ネットワーク特論
■応用マクロ経済学特論 ■社会政策特論
■財政学特論
■金融政策特論
■観光計画特論
■観光産業特論
■プロジェクト研究5
■プロジェクト研究6
■国際協力特論
■地域社会調査特論 ■開発途上国経済特論
科
目
名
世界経済特論、
演習、
研究論文指導(学長就任中は不開講)
担
当
者
井上 博
講 義 の目的
および 内 容
テーマ:グローバリゼーションと企業・国家・国民経済。
グローバリゼーションの進展によって、従来の各国民経済を単位とする国際経済論では
現代世界経済を十分に分析することができず、新たな理論的展開が必要となっている。多
国籍企業、多国籍銀行に代表されるような企業の国際的展開は今や先進国企業のみな
らず途上国企業にまで拡大し、
しかもその活動領域も旧社会主義諸国や多くの途上国に
井上 博
Hiromu INOUE
まで広がっている。
こうした資本移動の自由化の進展は旧来の国民経済的枠組みに大き
な変更を迫り、
さらに国家の経済政策を変容させている。
こうしたグローバリゼーションの進
行に伴う国際的生産・分業関係の構造、世界的資金循環、
さらには、国家の変容について
研究を進める。
科
目
名
開発金融特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
神澤 正典
講 義 の目的
および 内 容
2008年のリーマン・ショックが、金融の証券化技術を駆使したアメリカ投資銀行の無規律
な経営から生じたことから、
世界は金融規制の方向に転換した。国レベルでは、
各国の金融
規制当局が責任を持つことになるが、
国際レベルでは、
誰が規制を行使するのかは明らかで
はない。
国際金融機関なのか、
銀行・証券・保険の国際団体なのか、
金融安定化理事会なの
か。
この問題は、
「国際金融ガバナンス」
とは何か、
それを誰が担うのかという問題である。
神澤 正典
Masanori KANZAWA
本講義は、
戦後の国際金融の歴史を、
国際金融ガバナンスの視点から振り返り、
現状と将
来のあり方について考察することを課題とする。
科
目
名
地域開発特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
石井 雄二
講 義 の目的
および 内 容
石井 雄二
Yuji ISHII
9 ●HANNAN Graduate School
2016
本講義は、
今日の多国籍企業の経済活動が形成する地域構造・空間的編成を理論的・
実証的に解明しながら、今日の急速なグローバル化・自由化を背景とする地域開発の現代
的意義や問題点について考究することを目的としている。
特に、
地域開発の現状を認識する
に際しては、
国民経済全体を視野に収めた地域開発政策のもつ意味と社会的役割を考え
ることにしたい。
本講義では、
具体的な地域として、
日本を中心に中国・東南アジアなど、
広く東アジアの事
例を通して、
分析を試みることにしたい。
科
目
名
アジア地域経済特論、
産学連携講座、
演習、
研究論文指導
担
当
者
洪 詩鴻
講 義 の目的
および 内 容
洪 詩鴻
Hong Shi Hong
科
目
名
国際ビジネス・ネットワーク特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
伊田 昌弘
講 義 の目的
および 内 容
IT時代の「国際ビジネス」について考える。軽く国境を越える性格を持つインターネット
の普及は、我々の世界における今までの「空間と時間」の概念を変えて、かつてなかった
新しいビジネスを数多く生み出している。本講義では、B2B、B2Cといった電子商取引の
具体的なケーススタディに始まり、
「アリババ・
ドット・コム」のようなeマーケットプレースの考
察や、携帯電話によるコミュニケーションといったサービス企業のグローバル化などの新し
いトピックについても学ぶ。
科
目
名
社会政策特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
青木 郁夫
伊田 昌弘
Masahiro IDA
講 義 の目的
および 内 容
青木 郁夫
Ikuo AOKI
先進資本主義社会においては、戦後期に築かれてきた「ケインズ主義的福祉国家」は
「機能不全」に陥り、
ラディカルな変革を必要としているように思われる。
しかしながら、
ラディ
カルな変革といってもどのような視点から何をめざして、
どこをどのように変革するかが問題
となる。
この点では論者によってその議論はさまざまである。
ノーマン・ジョンソンは、
「グロー
バリゼーション」
と
「福祉の混合経済」の視点からこうした問題に答えようとしている。彼の
著書を素材に「福祉国家・福祉社会のゆくえ」
を検討してみる。
科
目
名
国際協力特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
段 家誠
講 義 の目的
および 内 容
段 家誠
グローバル化時代の産業にとっての立地優位とは何かについて考察する。経済のグロー
バル化が急速に進む中、企業の対外直接投資と世界展開については伝統的な比較優位
(comparative advantage)
に基づく立地優位分析は限界があり、
新たな立地優位として
産業集積地域における特定産業の競争優位(competitive advantage)
の分析が必要と
なる。本講義はこのような新たな立地優位の形成、変化過程とメカニズムを解明する。
当面
は日本の産業競争力の所在と中国の沿海部産業集積地との分業関係に焦点を当てて検
討する。
グローバル化が進展する世界において、国際協力の現状と課題に関して、
日本の政
府開発援助(ODA)
と世界銀行の制度、歴史、具体的プロジェクトについて講義する。
キーワードは、国際連合、世界銀行、非政府組織(NGO)、南北問題、貧困、開発、国際
人権、民主化、
アジア、
アフリカ、
アマゾン等である。将来、外交官、国際連合、世界銀行、
NGO、商社等で活躍を希望する学生はぜひ受講してほしい。
Kasei DAN
HANNAN Graduate School 2016 ●
10
科
目
名
地域社会調査特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
松村 嘉久
講 義 の目的
および 内 容
独創性に富み高く評価される研究論文を書くためには、
まず、先行研究や文献資料
を読みこなして地域社会が抱える課題を整理することが必要である。次に何よりも、
それ
らの課題を踏まえて、地域社会の実態解明や課題解決に迫る独自の視角を定め、地域
調査やフィールドワークを企画し実践しまとめあげる能力が重要となる。本講義では,
受
講生個々人の研究関心に基づき、文献資料の収集・読み込み・課題整理を行い、実際
に地域調査やフィールドワークを企画し実践しまとめる方法を論じる。単に方法を論じる
だけでなく、個々の受講生が行うフィールドワークも指導する。
科
目
名
開発途上国経済特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
矢倉 研二郎
松村 嘉久
Yoshihisa MATSUMURA
講 義 の目的
および 内 容
生産活動の効率性や製品の品質を決定するのは広い意味での技術であり、開発途
上国の企業や産業の発展は、
自国の条件に適合しかつ優れた技術をどれだけ速やか
に開発・導入できるかにかかっている。先進国企業が途上国に進出する際にも、現地拠
点にいかにして技術を移転するか、
という問題が浮上する。
この講義では、
こうした途上
国における企業・産業の技術の高度化という問題について、政府の政策、外国企業との
取引関係、企業内の人的資源管理といった様々な視点から学んでいく。最終的には、受
講生が、
自身が研究対象とする国や産業、企業について、技術の高度化の方策を自ら
立案できるようになることをめざす。
科
目
名
観光産業特論、
演習、
研究論文指導
担
当
者
小林 弘二
矢倉 研二郎
Kenjiro YAGURA
講 義 の目的
および 内 容
小林 弘二
Koji KOBAYASHI
11 ●HANNAN Graduate School
2016
日本の観光ビジネス分野の中核を担っている旅行ビジネス
(旅行業、宿泊業、航空・鉄道
等の運輸業が相互に絡み合いながら行われるビジネス)
の本質についての分析を行う。
旅行業、宿泊業、航空業等それぞれの業界での現状分析から始め、
日本の旅行ビジネ
ス全体で現在どのような現象が起こっているのか、
市場や外部環境変化との関係でそれぞ
れの業界が抱えている課題を抽出する。
そして、
それぞれの業界が抱えている課題を解決
するために必要なことが何であるのかを議論する。
最終的に、
需要喚起に向けた日本のあるべき旅行ビジネスの仕組みや新たなビジネスモ
デルを導き出したい。
HANNAN Graduate School 2016 ●
12
■Web上に個人用ポータルサイトを設定
阪南大学では、
全学生にWeb上の個人用ポータルサイト
(HInTシステムと呼びます)
が設定されて
おり、
アクセスすることで、
メールや講義情報・スケジュール管理、
ネット学習、利用の手引きなどが学内
外から利用することができます。
阪南大学大学院のここが魅力
■図書館は大学院学生の学習研究活動を支援します
図書館では、
図書館資料(図書、
雑誌、
視聴覚資料)
の利用・貸出などの他、
以下のようなサービス
が利用でき、
学習研究活動をサポートしています。
1.図書館に所蔵していない資料は、
「購入希望制度」
により図書館で購入したり、
入手困難な資料でも
「相互利
用制度」
により他大学図書館等の資料を借りたり、
コピーを入手することができます。
また、
資料の所在や利用
の方法などの利用相談「レファレンスサービス」
をカウンターで受け付けています。
2.パソコンや携帯電話があれば、
図書館資料をどこからでも検索できる蔵書検索システム
(OPAC)
や、
Web
から各種申込みができる図書館個人ポータルサイト
「マイライブラリ」が利用できます。
3.様々な情報を収集するツールとして、図書館ウェブサイトから以下のデータベースが利用できます。
(1)国立情報学研究所『CiNii』・・・・図書、
学術論文を横断検索できる学術情報のポータルサイト
(2)
日外Web『 MAGAZINEPLUS』・・・・和雑誌の論文・記事検索
(3)
『日経BP記事検索サービス』・・・・日経BP社発行の雑誌約50誌の論文・記事検索
(4)
『日経テレコン21』
・・・・日本経済新聞社発行の新聞4紙の記事検索、
企業検索、
人事検索
(5)
『 聞蔵Ⅱビジュアル』
『ヨミダス文書館』
『 毎日Newsパック』
『 The Sankei Archives』・・・・朝日・読売・
毎日・産経の各種新聞記事の検索
(6)
『 eol』
『日本の企業100万社』・・・・企業情報と有価証券報告書の検索
(7)
『 Japan Knowledge』・・・・語句、事項など広範囲に検索できる辞書事典の総合データベース
(8)
『 Lexis Nexis』・・・・国内外の法令、
判例、
法律文献および国外のニュース新聞記事の検索
(9)
『 EBSCOhost』・・・・洋雑誌の記事・論文の検索
この他にも便利なデータベースが、
学内の端末から利用できます。
■その他の研究支援制度
研究助成のため、
様々な応援体制を整えています。
1
大学院学生専用の共同研究室
個人のデスクと鍵のかかるキャビネット、
共有のロッカーやパソコン、
OAルームなど研究に専念で
きる環境を整えています。
2 ピーカードの配付
コ
大学院学生には研究に必要な資料をコピーするため、学内のコピー機で共通に使用できるコ
ピーカードを配布しています。
■学生健康保険互助会の医療費補助制度
任意で加入することができる学生健康保険互助会の医療費補助制度があります。
この医療費補助制度は、
病気やけがなどで病院にかかった場合、一定額を限度に医療費の補助を受けることができます。詳しくは「け
13 ●HANNAN Graduate School
2016
んぽ」利用の手引きをご覧いただくか、学生課までお問い合わせください。
■奨学金制度
大学院学生を対象とした奨学金は、
次のとおりです。
1
日本学生支援機構奨学金
第一種奨学金(無利子)
と第二種奨学金(有利子)
があります。
貸与型奨学金は修了後返還が必要となります。
2
阪南大学大学院奨学金
年間200,000円を給付。返還の必要はありません。
(留学生は、
国際交流課が窓口となります。)
3
文部科学省外国人留学生学習奨励費
本学の推薦により、
日本学生支援機構が選考および決定します。
4
その他の奨学金
この他にも民間団体や企業等からの奨学金があり、募集依頼があればそのつど、奨学金関連
の掲示板に掲示します。
●奨学金別一覧表(2016年度実績)
奨学金名
貸/給
金 額
取扱窓口
留学生
50,000円
第一種(月額)
88,000円
上記から選択
50,000円
日本学生支援機構
奨学金
貸 与
80,000円
第二種(月額)
100,000円
学生課
×
130,000円
150,000円
上記から選択
阪南大学大学院奨学金
給 付
年 額 200,000円
文部科学省外国人留学生
学習奨励費
給 付
月 額 48,000円
○
国際交流課
○
■就職支援
本学の就職支援は、
1号館1階の「キャリアセンター」で行っています。
大学院学生の就職活動につい
ては、
基本的には学部学生と同じです。
大学院修士課程の1年次生は学部の3年次生と同じスケジュー
ルで就職ガイダンスを受講してください。就職活動に必要な知識を身に付けてから企業説明会等の
就職活動に臨むことになります。
また、
学内で開講する資格講座は学部学生と同一の条件で受講することができます。
■阪南大学学会
阪南大学学会は、本学における研究活動の助成およびその普及を目的として設置された組織で、
正会員(専任教員)
・学生会員(学部学生、大学院学生)
・名誉会員(退職教員)
・準会員(非常勤講
師)等により構成されており、
つぎの事業を展開しています。
* 機関誌『阪南論集』
の刊行(PDF版をホームページで公開)
* 学生のためのサポート冊子『情報活用ブック』
の発行
* 学生教育研究活動奨励金制度の実施
* 学生懸賞論文の募集
HANNAN Graduate School 2016 ●
14
企業情報研究科
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