2016.08.29 www.monex.co.jp フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕 今週の注目ポイント 米国株 MARKET PICK UP 先週の米国株式市場-早期利上げ観測など台頭し主要 3 指数が下落- 前週終値 ダウ平均 騰落幅 S&P500 騰落幅 ナスダック総合指数 騰落幅 18,552.57 2,183.87 5,238.38 8月22日 8月23日 18,529.42 -23.15 2,182.64 -1.23 5,244.60 +6.23 8月24日 18,547.30 +17.88 2,186.90 +4.26 5,260.08 +15.48 <先週の概況> 先週の米国株式市場は、ダウ平均が週間で 160 ドル近く下落するなど主要 3 指数揃っ て下落しました。週末にイエレン FRB 議長 の講演を控えているとあって様子見地合い が強まり、イエレン議長の早期利上げに肯定 的な発言を受けて 26 日のダウ平均は 50 ド ル以上下落して取引を終えました。 18,481.48 -65.82 2,175.44 -11.46 5,217.70 -42.38 8月25日 8月26日 18,448.41 -33.07 2,172.47 -2.97 5,212.20 -5.49 18,395.40 -53.01 2,169.04 -3.43 5,218.92 +6.71 週間騰落幅 週間騰落率 -157.17 -0.85% -14.83 -0.68% -19.46 -0.37% NYダウ平均とナスダック総合指数の推移 (ドル) (ポイント) 19,000 5,400 18,500 5,200 18,000 5,000 17,500 4,800 17,000 4,600 16,500 4,400 16,000 15,500 4,200 NYダウ平均(左軸) ナスダック総合指数(右軸) 15,000 2015/01 4,000 2015/07 2016/01 2016/07 (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成 米国株式市場バリュエーション 指数 予想PER(倍) PBR(倍) 17.4 18.5 22.5 ダウ平均 S&P500 ナスダック総合指数 予想配当利回り 3.2 2.9 3.6 2.6% 2.1% 1.2% (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成(2016年8月26日時点) S&P500と騰落レシオの推移 ドル円と米国長期金利の推移 (%) 2,250 2,200 180 ドル円(左軸) S&P500(左軸) 騰落レシオ(右軸) 160 2,150 2,100 140 米国10年債利回り(右軸) 125 2.1 120 2,000 1.9 110 1,950 100 1,900 80 1,850 60 2015/05 2015/09 2016/01 2016/05 (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成 2.5 2.3 120 115 2,050 1,800 2015/01 (%) (円) 130 105 1.7 100 1.5 95 2015/01 1.3 2015/05 2015/09 2016/01 (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成 –1– Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved. 2016/05 米国株 MARKET PICK UP 業種別リターン S&P500 業種別年初来リターン S&P500 業種別週間リターン 電気通信サービス 14.5 金融 エネルギー 14.0 情報技術 公益事業 素材 -0.6 資本財・サービス -0.7 12.9 素材 11.5 資本財・サービス 9.3 情報技術 一般消費財・サービス -0.7 電気通信サービス -0.7 8.6 生活必需品 生活必需品 7.1 一般消費財・サービス -5 0 -1.8 公益事業 0.8 -10 -1.3 ヘルスケア 1.1 金融 -1.2 エネルギー 3.4 ヘルスケア 0.4 0.0 5 10 15 20 25 -2.3 -6 30 -4 -2 0 2 4 (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成 ダウ平均採用銘柄 6 (%) (%) (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成 週間騰落率ランキング 値上がり率ランキング(8/22-8/26) 値下がり率ランキング(8/22-8/26) ティッカー 銘柄名 週間騰落率(%) ティッカー 銘柄名 週間騰落率(%) CSCO シスコシステムズ 2.7 UNH ユナイテッドヘルス・グループ -3.8 MSFT マイクロソフト 0.7 WMT ウォルマート・ストアーズ -2.3 JPM JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 0.5 AAPL アップル -2.2 PG プロクター・アンド・ギャンブル 0.3 UTX ユナイテッド・テクノロジーズ -1.7 NKE ナイキ 0.2 BA ボーイング -1.6 V ビザ 0.1 CAT キャタピラー -1.4 INTC インテル 0.1 KO コカ・コーラ -1.4 DIS ウォルト・ディズニー -1.2 AXP アメリカン・エキスプレス -1.1 IBM IBM -1.1 (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成 (出所)Bloombergのデータをもとにマネックス証券作成 <上昇> ダウ平均採用の 30 銘柄中上昇は 7 銘柄にとどまりました。シスコシステムズ(CSCO)は 3% 近く上昇したものの残る 6 銘柄はいずれも 1%未満の小幅な上昇となりました。 <下落> ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が週間で 4%近く下落したほか、ウォルマート・ストア ーズ(WMT)とアップル(AAPL)も 2%以上下げています。 –2– Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved. 米国株 MARKET PICK UP 先週発表された主な経済指標 イエレン FRB 議長 ジャクソンホール講演 26 日にイエレン FRB 議長のジャクソンホールでの講演が行われました。議長は講演の中で 「労働市場の回復など追加利上げの条件が整ってきた」との主旨の発言を行い、早期利上げに含 みをもたせました。今週発表される 8 月の米雇用統計が堅調な内容であれば、9 月 20 日から 21 日にかけて行われる連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが実施される可能性が高ま りました。 さらにフィッシャー副議長がイエレン議長の発言について、「9 月利上げおよび年内の複数利 上げの可能性があることと整合性がある」と述べたこともあり、26 日の米 2 年債利回りは前日 比 0.05%の大幅上昇となりました。 今後発表される主な経済指標 8 月分米雇用統計 非農業部門雇用者数(前月差) 市場予想 +18.0 万人 平均時給(前年比) 市場予想 +2.5% 前月 前月 +25.5 万人 +2.6% 非農業部門雇用者数と失業率 9 月 2 日に 8 月分の雇用統計が発表されま (千人) (%) 600 す。上述したようにイエレン FRB 議長やフィ 10.5 非農業部門雇用者数(前月差・左軸) 500 ッシャーFRB 副議長は米労働市場の堅調な改 失業率(右軸) 9.5 400 善を背景に、利上げ時期が近づいているとの認 8.5 300 識を示しています。 200 そして、9 月の FOMC で利上げを行うかど 7.5 100 うかの最大の判断材料が 9 月 2 日に発表され 6.5 0 2010 2011 2012 2013 2014 る米雇用統計でしょう。非農業部門雇用者数が -100 市場予想の 18 万人程度の増加、平均時給や失 -200 業率も前月同様堅調な内容であれば 9 月利上 (出所)トムソン・ロイターデータよりマネックス証券作成 げの可能性が大きく高まるとみられます。 –3– Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved. 2015 2016 5.5 4.5 米国株 MARKET PICK UP マーケットビュー-2 日発表の雇用統計が最大の注目材料に- 先週のマーケットビューではイエレン FRB 議長の講演が注目材料で、年内利上げを示唆する発言 があれば金利上昇・ドル高が進みやすそうと記しました。議長が年内利上げを示唆する発言を行うと ともに、フィッシャー副議長も議長の発言に同意したことから米金利は大きく上昇しました。 今週はなんといっても 2 日に発表される米雇用統計に注目が集まります。雇用統計が堅調であれば いよいよ 9 月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが実施される可能性が高まりそうで、 週の前半はそれを織り込む動きが出て金利上昇・ドル高が進みやすいとみられます。 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕 当社は、本書の内容につき、その正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。 記載した情報、予想及び判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するも のではございません。過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではございません。 提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。当社は本書 の内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定 は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。本書の内容に関する一切の権利は当社にありま すので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。内容に関するご質問・ご照 会等にはお応え致しかねますので、あらかじめご容赦ください。 マネックス証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 –4– Copyright (C) 2016 Monex, Inc. All rights reserved.
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