【相談 68】地域医療連携推進法人、地域医療構想、地域包括ケアシステムなど似たような制度や構想 を耳にしますが、それぞれの関係を教えてください。 キーワード:地域医療連携推進法人、地域医療連携推進評議会、地域包括ケアシステム、地域医療構想、地域医療介護総合 確保基金に基づく計画、医療介護総合確保推進法、地方自治法、医療法 病院勤務者です。 地域医療連携推進法人、地域医療連携推進評議会、地域包括ケアシステム、地域医療構想、地域医療介 護総合確保基金に基づく計画など、似たような制度や構想を耳にしますが、個々の制度や構想については 説明を読めばそれなりに理解できますが、それぞれの違いや関係がわかりません。どれも似ているように も思えますが、すべて各地域でつくる必要があるものでしょうか?違いや関係を整理して教えてください。 【回答】 医療介護総合確保推進法に基づいて、①地域医療介護総合確保基金、②地域医療構想、③地域包括ケア システムなどが整備される仕組みになっています。 ①地域医療介護総合確保基金は、同法における都道府県計画に掲載された都道府県事業に要する経費の 全部又は一部を支弁するために設けられる地方自治法第 241 条の基金のことです。 ②地域医療構想は、都道府県が、医療法における医療計画を策定する際に、地域における病床の機能の 分化及び連携を推進するための将来の医療提供体制に関する構想です。 ③地域包括ケアシステムは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有す る能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日 常生活の支援が包括的に確保される体制のことです。 ④地域医療連携推進法人は、複数の病院等を一体的に運営し、経営効率を高め、地域医療・地域包括ケ 1 Medical-Legal Network Newsletter Vol.68, 2016, Aug. Kyoto Comparative Law Center アシステムの充実を促進することが期待されます。 ⑤地域医療連携推進評議会は、地域医療連携推進法人に置かれ、その社員総会に対し必要な意見を述べ る評議会です。 以上のうち、都道府県等がつくる必要があるものは、①の地域医療介護総合確保基金、②の地域医療構 想です。 ③の地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地 域の特性に応じて作り上げていくことが想定されています。しかし、地域住民、医療機関等の協力が不可 欠です。 (回答者:籔本恭明 弁護士 M.D. Ph.D MBA 中小企業診断士) (2016 年 8 月執筆) *会員用ウェブサイトの「知恵袋(相談コーナー)」には、もう少し詳しい説明を掲載しております。 2 Medical-Legal Network Newsletter Vol.68, 2016, Aug. Kyoto Comparative Law Center
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