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※本リリースは、株式会社日立ソリューションズ、株式会社安藤・間から配信しております。
重複して配信される場合がございますが、あらかじめご了承下さい。
2016 年 8 月 31 日
株式会社安藤・間
株式会社日立ソリューションズ
トンネル工事現場におけるワイヤレスネットワークを用いた
屋内位置把握システムを実用化
屋内空間でのヒト、モノの位置をリアルタイムに把握し、作業員の安全管理や作業効率化を実現
株式会社安藤・間(本社:東京都港区、社長:野村俊明/以下、安藤ハザマ)と株式会社日立ソリューショ
ンズ(本社:東京都品川区、取締役社長:柴原節男/以下、日立ソリューションズ)は、IEEE802.15.4 対応
無線注(1)を用いた屋内位置把握システム(図 1)を実用化しました。本システムは、日立ソリューションズの
「GeoMation 屋内位置把握ソリューション」をトンネル工事現場に適用したものです。
日立ソリューションズはシステムの開発、実証実験の計画・実施を、安藤ハザマはトンネル工事現場にシ
ステムを実装するために必要な仕様の検討や、適用性の判断、実証実験用の現場の提供を行いました。
本システムにより、トンネル工事現場などの屋内空間における作業員の安全管理や、作業効率化を図るこ
とができます。
なお、本システムは NETIS(新技術情報提供システム) 注(2)に登録されています。(NETIS 登録番号:
KT-160040-A)
【図 1】屋内位置把握システム全体概要図
注(1) IEEE802.15.4:米国に本部を有する IEEE(アイ・トリプルイー)により策定された標準規格で、消費電力も小さく通信距離が数十 m と長い。
ZigBee(ジグビー)という通信規格の下位レイヤ(物理層、MAC 層)としても利用されている。
注(2) NETIS:民間企業などで開発された新技術に係る情報を、共有及び提供するためのデータベースであり、国土交通省によって運営されている。
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1.背景・課題
トンネル工事現場などの屋内空間では、GPS 衛星からの電波が受信できないため、RFID 注(3)による有線
方式のシステムを用いて対象物の位置を特定・管理していますが、トンネルの掘削状況に応じて電気工事
が必要になり、専門技術者によるシステムの運用・管理が必要になります。また、対象物の位置は特定でき
ても、体調不良による転倒などを把握することはできないため、安全面での課題が残ります。人手不足が心
配される昨今、少ない人数で現場の生産性を維持・向上させるためには、現場内における作業員や重機の
位置把握や動線管理を確実に行い、より効率的な現場運営を行う必要があります。
注(3) RFID:IC と小型のアンテナが組み込まれたタグやカード状の媒体から、電波を用いて非接触で情報の読み書きする自動認識技術。
2.本システムの特長
今回、両社で検証したシステムは、従来の RFID による有線方式とは異なり、IEEE802.15.4 対応無線を
用いた無線方式となります。無線方式にしたことで、延伸箇所にルータを置くだけでシステム構築ができま
す。トンネルの延伸(掘削)にあわせて通信ケーブルなどを延長・敷設する必要が無いため、システム構築
にかかる労力・コストが抑えられるほか、トンネル内に設置する機器は「ルータ」のみとなり現場職員による管
理・運用が可能です。また、「タグ」および「タグ」を検知する「ルータ」は 1 つあたり数千円と非常に安価であ
り、「ルータ」を短い間隔で数多く設置することができるため、低コストでより精密に位置を検知することが可
能です。システムは以下の機器で構成されています。
(1) タグ[モノワイヤレス社製 TWE-Lite 2525A](図 2):
・位置を特定する対象(ヒト、モノ)に装着します。
・定期的に電波を発信し、ボタン電池(CR2032)で約 6 ヶ月、稼働します。
・内蔵の加速度センサーによりタグ装着者の動き(転倒など)を検知します。
(2) ルータ[モノワイヤレス社製 MoNoSTICK](図 3):
・位置管理したいブロックごとに設置します。
・タグの電波を受信し、その情報を隣のルータへ転送し続けることで、サーバまで転送します。
・接続しているルータが故障した場合、自動的にひとつ先のルータに接続し情報を転送します。(図 4)
・AC100V もしくはモバイルバッテリーで約1ヶ月(20,000mAh のものを利用時)、稼働します。
(3) サーバ兼監視用コンピュータ(Windows):
・トンネル出入口付近や事務所などに設置します。
・親機となるルータを取り付けることで、ルータからの情報を受信し、データを管理します。
・管理対象の作業員や重機の位置を表示します。
【図 2】タグ
サイズ:25mm x 25mm x 10mm
【図 3】ルータ
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3.実証実験の結果
本システムを安藤ハザマが施工中のシールドトンネルの現場に適用し、以下の効果を確認しました。
(1) 以下の条件で、設置したすべてのルータにおいて無線ネットワークが問題なく構成できることを確認。
【条件】
・ルータ同士は 50m 間隔、ルータは 17 個設置(トンネル入り口から 850m まで)
・トンネル内径 3m
・壁面はスチールセグメント、RC セグメントが混在
・トンネル内に約 90°の急曲線部がある
・所々に障害物あり(トランスや大型ポンプなどの高圧電流ケーブル、手すり、退避場など)
(2) タグをヘルメットに装着した作業員がルータに沿って移動した際に、移動にあわせて、管理パソコン上
で作業員の位置をリアルタイムに表示すること確認。
(3) 任意のルータの電源を落とした際に、そのルータに接続されているルータが、他のルータに自動的に
接続し、電源を落としたルータ以外のシステムが問題なく稼働していることを確認。(図 4)
4.今後について
安藤ハザマと日立ソリューションズは、今後、トンネル現場への導入を推進するとともに、トンネル現場以
外の土木現場や建築現場への適用も視野に入れて、さらなる適用性の検証および技術改良を重ねていく
所存です。
【図 4】ルータが故障した場合の自動転送
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■ 日立ソリューションズの「GeoMation 屋内位置把握ソリューション」について
GPS が届かない屋内や地下のような場所でも、人やモノの位置を把握し、作業員の安全管理や人流管
理、機材の最適な配置を支援するソリューションです。設備工事が不要で、低価格な機器を使用するため、
導入コストを抑えることができます。
・ 商品紹介 URL: http://www.hitachi-solutions.co.jp/geomation/sp/
・ 商品サービスに関するお問い合わせ先
https://www.hitachi-solutions.co.jp/inquiry/
Tel:0120-571-488
■ 報道機関からのお問い合わせ先
安藤ハザマ
担当部署:
担当者:
社長室 CSR 推進部
吉柳
Tel:03-6234-3606
Fax:03-6234-3701
株式会社日立ソリューションズ
担当部署:
経営企画本部 広報・宣伝部
担当者:
竹谷、安藤
Tel:03-5479-5013 Fax:03-5780-6455 E-mail:[email protected]
※
GeoMation は、株式会社日立ソリューションズの登録商標です。
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その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL
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じめご了承ください。
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