参考資料 鶴甲団地における 既存住宅流通促進による 団地再生の取り組み (平成 26 年度・27 年度の取り組み報告) 一般財団法人神戸すまいまちづくり公社 1 2 はじめに 神戸市では、かつての計画的開発団地が抱える共通の課題、人口減少、少子超高 齢化、空き家の増加、地域活力の低下といったいわゆる「オールドニュータウン」 化によって団地の活力低下が懸念されている。神戸市内には、こうした計画的開発 団地が 51 団地あり、今後、「オールドニュータウン」化する団地が増えていくと みられる。計画的開発団地におけるオールドニュータウン化の課題解決に向けたリ ノベーションの総合的推進は神戸市の重要施策の一つである。 このような課題に対して、神戸すまいまちづくり公社では神戸市と連携しながら、 灘区鶴甲団地において、既存住宅の流通を促進することで住宅ストックを有効活用 し、地域の魅力の発見・発信事業やコミュニティミックスに配慮した若年居住者の 呼び戻しを行うことによって、団地の活力を再生させるモデル事業を平成 26 年度 から2ヵ年にわたって実施した。事業の実施にあたっては、国土交通省の「住宅団 地型既存住宅流通促進モデル事業」を活用した。 本書は、鶴甲団地の現状把握や課題の抽出、公社賃貸住宅を活用したリノベーシ ョンモデルルームの整備・公開、新たなすまい方についての実験的取り組み、既存 住宅流通促進イベントや普及啓発等、この 2 年間の取り組み及び成果についてまと めている。 このような取り組みを通して、画一的イメージから敬遠されていたオールドニュ ータウンにおいても、住空間を時代や居住者のニーズにきめ細かく合わせる工夫と ともに、豊かな周辺環境をもつエリアであるということへの関心を高める工夫によ り、若年世代に対して魅力ある住宅・住宅地へと転換しうると考えている。公社で は今後も持続可能な流通をめざして具体的な取り組みを進めていく。 3 目 次 1.事業の背景と目的 2.鶴甲団地の概要 3.事業の流れ 4.事業概要 (1)平成 26 年度の取り組み (2)平成 27 年度の取り組み 5.取り組みのまとめ (1)現状分析や住民・不動産事業者等意見聴取を通して (2)リノベーションモデルルーム、シェアハウスの整備について (3)実験的取り組みの成果と全体流通量について 6.今後の展開 4 1.事業の背景と目的 人口減少、少子高齢化、空き家の増加、地域活力の低下など、かつての計画的 開発団地が抱える共通の課題による、住宅流通価格の下落や、潜在的な空き家の 存在、居住者の高齢化などを勘案すれば、今後急激に空き家が増加し、管理不全 となるマンションの発生や治安の悪化など団地全体の活力を低下させるリスク が懸念される。 公社は、団地内にある公社賃貸住宅や公社が分譲したマンションを足がかりに、 空き家の流通促進事業に実験的に取り組み、その成果を神戸市の住宅政策に還元 すべく、若年世代の呼び込み等を通じた健全なまちの維持管理および地域の活性 化を目ざす。 【取り組みの方針】 ●モデル団地の検討・選定(鶴甲団地) ●既存住宅の流通促進に向けた現状把握、分析 ●調査結果を踏まえた実験的な取り組み ●既存住宅の流通促進及びリノベーションの普及啓発 ●取り組み成果の確認、フィードバック 5 2.鶴甲団地の概要 昭和 42 年から神戸市灘区の山の手 に開発された約 40ha の団地で、標高 約 200m の立地は豊かな六甲山系の自 然を身近に感じられるとともに、大阪 湾を一望できる。 昭和 43 年に一斉に入居が始まり、住 宅形態は戸建てよりもマンションの戸 団地と六甲山系 数割合が多い。このうち神戸市住宅供給公社が分譲したマンションが大半を占め ている。計画的に造成された団地であるため、道路や公園などの都市インフラは 整っている。団地内に小学校を内包し、神戸大学が隣接する立地でもあり、住環 境は整っている。一方で商業施設は、コープこうべがある。以前はうどん屋や喫 茶店があったが、現在飲食店がない状況である。 ●戸建 295 戸 ●共同住宅(分譲)48棟 ●共同住宅(賃貸) 1,736 戸(内、公社分譲 7棟 35棟 1,242 戸) 87 戸 ※当初の公社供給住宅は 37 棟。内、1 棟(16 号館)は市民病院医師宿舎後、民 住宅の構成 間企業に売却され、戸建住宅として分譲された。1棟(15 号館)は公社一般賃貸 住宅として現在も活用。 ●公社供給住宅の状況 ・住戸専有面積 50~60 ㎡、エレベーターなし5階建て ・階段室型 27 棟、一部メゾネット型 9 棟 アクセス 生活利便施設 ●JR六甲道駅や阪急六甲駅からは 2 系統のバスで接続可能 ●一日 250 本を超すバス便があり、駅から約 10~15 分程度 ●文教施設 鶴甲幼稚園、鶴甲児童館、鶴甲小学校、神戸大学 ●商業施設 コープ、郵便局 ●医療施設 内科、歯科 ●福祉施設 鶴甲地域福祉センター、養護老人ホーム、デイケアセンター ●その他 交番、鶴甲会館 戸建て住宅は敷地が 200 ㎡以上あるものが多く、一部に建替えがあるもの の、流通戸数は少ない。マンションは、戸当たりの床面積が 50~60 ㎡程度の 流通状況 ものが多数で、毎年変動はあるものの年間 20 戸程度流通している。 戸建て住宅や、マンションは管理が行き届いており、管理不全状態の空き家 やマンションはほとんど見られない。 6 【主な課題】 <マンション> ●エレベーターがない、時代に合わない間取りや住宅設備の老朽化など様々な 条件が重なり、流通価格の下落、空き家化や賃貸化が顕在化しつつある。 ●今後、人口が減少し高齢化が進めば、空き家が増えることが見込まれる。 <戸建て住宅> ●一部建て替えが進むなど共同住宅に比べて流通量が少ないものの、管理不全 を危惧する居住者の声も聞かれるようになっている。 <交通図> <位置図> <鶴甲団地 区域図> 7 3.事業の流れ 事業の目的 公社賃貸住宅を活用した空き家の流通促進事業への実験的な取り組みや、 まちの魅力の掘り起こしによって、若年世代の流入等を通じた健全なまち の維持管理及び地域の活性化 現状把握 ●人口動態の分析 ●目視による空き地・空き家調査 ●土地・建物の登記簿による所有形態・所有権移転状況の分析 課題の抽出 <現状> <今後懸念される課題> ●住宅価格の下落 ●空き家の増加のおそれ ●潜在的な空き家の存在 ●管理不全マンションの発生 ●居住者の高齢化 ●団地の治安の悪化、活力低下 平成 26・27 年度の主な取り組み ●不動産事業者等との意見交換 ●既存住宅流通促進策の検討 ●居住者WS、アンケート調査 ●実験的な取り組みの実施 ●リノベモデルルーム整備・公開 ●リノベーションの普及啓発 ●新たなすまい方の提案に関する 公募プロポーザル ●リノベーションブック作成 など ●学生リノベ案の検討 ●神戸大学との連携 ●地域魅力の発見・発信事業 ●シェアハウスの検討WS など ●すまいるネットの活用 ●すまいの相談・情報提供 普及啓発 出張相談会、セミナーの実施 ●流通促進・すまいのイベント実施 ●インスペクションの普及啓発 など 取り組み成果 ●若年世代の流入・・・公社賃貸住宅4戸への 30~40 代世帯の入居 ●既存住宅の価値向上・・・公社賃貸住宅での一部家賃の引き上げ ●既存住宅への活用波及・・・リノベモデルルーム見学者の自室改修への波及 8 4.事業概要 (1)平成 26 年度の事業内容 1)現状把握・基礎データの分析 人口動態の分析、空き家・空き地の現地調査の実施、土地・ 建物の登記簿による所有形態・所有権移転状況の分析を行っ た。また、所有者アンケートや住民ワークショップにより、 現状のすまいの状況や改修意向等の把握を行った。 2)既存住宅流通促進策に関する意見聴取 不動産事業者や学生にヒアリングするなかで、既存住宅を流 通させる有効な手段として、リノベーションのモデルルーム を整備し公開する重要性が確認された。また、モデルルーム の整備イメージを明確にするため、不動産事業者・神戸大学・ 公社による円卓会議での意見交換や、居住者ワークショップ、 アンケートなどを実施し、ターゲットやコンセプトを明確に した。 3)リノベーションモデルルームの整備 公社賃貸住宅 2 住戸を活用して、リノベーションモデルルー ムを整備した。整備にあたっては、リノベーション事業者を 公募・選定した。 モデルルームは平成 27 年 12 月まで一般公開した。 4)神戸大学との連携 神戸大学大学院工学研究科と連携し、学生によるリノベーシ ョン案を作成した。また、新たなすまい方として注目される シェアハウスに関する学生アンケートを実施した。 5)すまいの相談・情報提供 リノベーションや空き家の活用に関する相談対応では、公社 が運営する「すまいるネット」の相談対応のしくみを活用し た。また、現地でも出張相談会(「すまいのなんでも相談会」) を実施した。 6)既存住宅流通促進イベント これらの事業の総括として、平成 27 年 2 月 7 日・8 日に、 鶴甲コーポ 15 号館でリノベーション住戸の公開やすまいに 関するセミナー、すまいに関するパネル展示など既存住宅流 通促進イベントを開催した。(来場者数:310 名) 9 (2)平成 27 年度の事業内容 1)リノベーションの普及啓発 ●リノベーションモデルルームの運営 昨年度リノベーションした公社所有賃貸住宅 2 住戸を、引き続 き公開した。 ●リノベーションブックの作成 公募したリノベーション提案を中心に、大学生によるリノベ案 や建築士によるリノベーション事例などをまとめ、リノベーシ ョンの普及啓発に役立てる冊子を作成し、団地の住民や不動産 事業者、区役所等で配布した。 2)新たなすまい方の検討 新しい賃貸形式のすまい方を検討するため、公社賃貸住宅の空 き室 4 住戸を使い、シェアハウスを含めた新しいすまい方を提 案する事業者を公募し、整備を行った。 3)大学との連携(団地の魅力発信等) 6 月に神戸大学大学院工学研究科と連携協定を締結し、連携し た取り組みを行った。 ●団地の魅力発信:現地調査、住民ヒアリング、魅力冊子の作成 ●シェアハウスのニーズ把握:学生ワークショップ、ヒアリング等 ●実験的 DIY の実施:改修住戸での DIY の実施 ●発達科学部との連携:地域貢献型イベント、コミュ二ティ実験など 作成した冊子は団地の住民や不動産事業者、区役所等で配布した。 4)既存住宅流通促進イベント これらの事業の総括として、平成 28 年 1 月 23 日・24 日に、 鶴甲コーポ 15 号館でリノベーション住戸の公開及び賃貸募 集、セミナー、魅力冊子やリノベーションブックの配布など既 存住宅流通促進イベントを開催した。 5)相談対応および情報提供 引き続き「すまいるネット」を活用した相談対応、イベントで の「すまいのなんでも相談室」 (出張相談)を実施した。また、 平成 27 年 11 月から「空き家活用相談」を開始した。 6)インスペクション インスペクション募集チラシを住民に配布し、普及啓発を行う とともに、応募のあったマンション(鶴甲コーポ)で実施した。 10 5.取り組みのまとめ (1)現状分析や住民・不動産事業者等意見聴取を通して ●将来的な課題への対応 空き家・空き地現地調査では、戸建て住宅で 1.7%(5 戸)、マンショ ンで 6.9%(100 戸)の空き家率となった。住宅全体に占める割合は約6% と市内平均に比して低い。空き地についても 5 敷地と少ない状況である。 また、居住者はAAA(所有者も居住者一致していること)が多く、情 報の伝達がしやすい状況にある。 公社分譲マンション(5階建、エレベーターなし)の階数別の空き家状 況は5階が約 30%と比較的多い。 現時点では、表向き問題がないように思われるが、取引価格は下落傾向 にあり、所有者の高齢化とあいまって今後の空き家の増加、特にエレベー ターのないマンションの高層階での空き家の増加が懸念される。 ●魅力発信 居住者は居住環境や治安、景観などの点で鶴甲団 地に対する満足度が高い。一方で、学生や不動産事 業者は、バス便によるアクセスや商業施設の少なさ などに起因して団地に対する評価が低く、両者の意 識にギャップがみられた。 これらのギャップを埋める取り組みとして、団地 の魅力やリノベーション情報を発信するツールを 作成し、地域や不動産事業者への配布を通して、鶴 甲団地への興味や既存住宅を有効活用したすまい 魅力冊子 の魅力を「見える化」した。 ●リノベーション情報の効果的発信 整備したモデルルームのしつらえなどの 工夫や、イベント等でのモデルルームの活用 など意義のある公開方法を検討した。 また、DIY体験を通した普及啓発の取り 組みや、リノベーション情報を発信するツー ルの作成を行い、モデルルームとあわせた情 リノベーションブック 報発信によって、リフォームに対する意識的なハードルを下げ、既存住宅 活用へと誘導した。 11 ●売買・賃貸への不安等の解消 所有者アンケートでは、売却時には希望の条件で売却できるか、賃貸時 には賃借人とのトラブルが発生しないかといった売買・賃貸への不安が顕 著であった。こうした不安を、すまいるネットを活用した相談や情報提供 などで解消しつつ、安心した取引の基礎となるインスペクションについて も同時に啓発を行った。 (2)リノベーションモデルルーム、シェアハウスの整備について 円卓会議での意見交換や学生へのヒアリング、アンケートなどから、モ デルルームの整備の意義や、シェアハウスの需要が見込まれたため、整備 内容や賃料等を精査し、実験的に取り組んだ。 ●リノベーションおよび新しいすまい方について 2 年間で 6 住戸の住宅を利用し、若年向けリノ ベーションおよび新しいすまい方(DIY賃貸、 カスタマイズ賃貸、ルームシェア型賃貸)の実験 を実施した。リノベーションモデルルーム(402 号室、502 号室)では、600 名弱もの見学者が あり、貴重な意見も多く寄せられた。 見学者のなかには、自室のリノベーションを考 える方、鶴甲団地への移住を検討している方、賃 貸しようとしている方などが見られた。 モデルルーム(402 号室) リノベーションした住戸(4 戸)の入居者募集 では 30~40 代の世帯の応募があり、若年世帯の 入居促進に効果があったと考えられる。既存の間 取りのままの住戸(1 戸)も同時に募集したが、 応募がなかった。このことを加味すると、オール ドニュータウンの階段室型マンションにおいて、 居住者ニーズにマッチしたリノベーションの実 施が、賃貸での活用拡大や住宅流通に寄与するこ とは間違いないものと思われる。 モデルルーム(502 号室) 今回の事業は、設計施工一貫方式や賃貸経営サポート一貫方式の公募に より、事業の迅速化やコスト削減を追及し、事業としての成立条件を検証 することも目的のひとつであった。今後同様の事業展開を模索する民間事 業者に対して成功事例を提供する上でも成果があった。 12 (3)実験的取り組みの成果と全体流通量について ●実験的取り組みの成果について 公社所有賃貸住宅で2ヵ年にわたってリノベーションを行った 4 住戸に ついて、入居者募集を平成 28 年 1 月 23 日(土)から開始した。 当初、募集期間を平成 28 年 1 月 31 日(日)までとして、公社のみで の賃貸受付を行った結果、応募者がいなかった。その後、仲介業者との連 携により、先着順で募集を行ったところ、約 1 週間でリノベーションを行 った募集住戸すべてに応募があった。一方、同時募集した既存のままの住 戸については応募はなかった。 なお、106・107 号室については、神戸大学と賃貸借契約を締結し、留 学生向けのルームシェア住宅として活用することとなった。 ◆募集住戸◆ 号室 賃貸形式 家賃 契約方式 306 号室 おこのみ賃貸 53,000 円 定期借家契約(4 年) 406 号室 おこのみ賃貸 51,000 円 定期借家契約(4 年) 402 号室 DIY賃貸 58,000 円 定期借家契約(4 年) 502 号室 リノベーション賃貸 69,000 円 定期借家契約(4 年) 405 号室 一般賃貸(既存住戸) 51,000 円 定期借家契約(4 年) ◆事業の実現性◆ 号室 投資額 改修前の 改修後の 家賃 家賃 内、管理費 回収期間 (※1) 306 号室 950,000 円 53,000 円 53,000 円 1,000 円 1 年 11 ヶ月 406 号室 950,000 円 51,000 円 51,000 円 1,000 円 2年 402 号室 1,597,000 円 51,000 円 58,000 円 1,000 円 2 年 10 ヶ月 502 号室 3,300,000 円 51,000 円 69,000 円 1,000 円 5年 (※1)稼働率は 80%と想定 家賃設定は、おこのみ賃貸では通常 20 年程度入居していた住宅の修繕に要す る費用とほぼ同等の費用で可能であるため、これまでの家賃と同額設定とし ている。一方、402 号室や 502 号室は通常の空き家改修費用を上回る改修費 用を、3~4 年程度の家賃収入で回収できるよう設定し、402 号室は 7 千円ア ップ、502 号室は 18 千円アップとした。 13 ◆入居者◆ 号室 家族構成 世帯人数 年代 備考 306 号室 単身世帯 1 30 代 市外から転入 406 号室 子育て世帯 2 40 代、子 1 名 402 号室 子育て世帯 3 30 代、子 2 名 502 号室 子育て世帯 2 30 代、子 1 名 県外から転入 一部家賃設定を上げての募集にも関わらず、早期に入居希望者が決まるという 結果は、「バス便で不便」「商業施設が不足」といったマイナスイメージを補う インパクトのあるリノベーションが高く評価されたと考えられる。想定した若 年世帯の入居にも繋がっており、既存住宅の流通促進の効果的な実行策が得ら れた。 ●全体流通量について 住宅流通量を確認するため、不動産情報ネットワーク「レインズ」による 平成 26 年度と平成 27 年度の売買物件および賃貸物件の情報を整理した。 ①売買物件について 戸建て H26.4.1~ H27.3.31 H27.4.1~ H28.2.15 マンション 成約件数 価格帯(千円) 2 37,600~ 43,000 1 41,000 成約件数 価格帯(千円) 22 2,500~41,000 (うち公社分譲) (うち公社分譲) 15 3,300~6,800 22 1,900~19,800 (うち公社分譲) (うち公社分譲) 13 1,900~5,800 公社分譲の平均価格は、価格に開きはあるものの平成 26,27 年度とも 440 万 円程度となっている。 ②賃貸物件について マンション H26.4.1~ H27.3.31 H27.4.1~ H28.2.15 成約件数 価格帯(千円/月) 21 37~76 (うち公社分譲 13) (うち公社分譲 50~65) 22 41~91 (うち公社分譲 8) (うち公社分譲 55~65) 戸建ての賃貸物件はなく、マンションのみとなる。公社分譲貸しの家賃は 50 千円から 65 千円と安定している。 14 6.今後の展開 これまでの2ヵ年において、すまい手、賃貸住宅オーナーなどへの提案を目 的としてモデル事業を実施してきた。今後は、民間事業者主体となって、流通 に関わる「買い取り・再販事業」での実験的な取り組みを行うことで、より活 用策の幅を広げていくことが必要である。 ●分譲住宅でのモデル事業 分譲マンションをターゲットに、公社が買取再販などの事業手法を実 験・実施し、事業継続の可能性やその条件を検証しつつ、広く情報発信し ていく。 ●円滑な流通を担う民間事業者の仕組みづくり モデル事業を継続的な取り組みとするためには、民間事業者の参画が不 可欠である。団地好きの若年世代などに効果的に PR できる事業者との連 携を通した団地に特化した流通促進施策の検討を行うなど、公社主体のモ デル事業に広く民間事業者の参画を求め、そのノウハウをもとに継続的に 事業を実施する体制の整備に取り組む。 ●継続的な情報発信 公社が運営する、市の空き家活用促進事業の中核をなす「すまいるネッ ト」での事業と連携して、既存住宅流通活用に繋がる情報や民間事業者の 取り組みを継続的に発信していく。 < 取り組みイメージ図 > 公 社 すまいるネット 一般相談 連携 団地再生 支援チーム 情報提供 活用 相談・依頼 リフォーム 事業者 建築士 オーナー 依頼 仲介 業者 事業者グループ 買い手 施工 業者 買取 再販業者 15 団地への 転入相談 (物件探しなど) 借り手 依頼
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