Newsletter 04.2016

Kienbaum Consultants International
日系企業グループ ニュースレター
2016 年 04 月
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Japanese Corporate Business Newsletter 04_2016
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記事
個人情報保護―人事関係者の 10 人中 8 人がクラウ
ドに懐疑的
キーンバウムとビットコム(Bitkom)が共同して行った個人情報保
護と人事マネジメントに関する調査
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当調査報告 “Datenschutz in
Personalmanegement 2016“ は
www.hr-und-datenschutz.de にて
無料でダウンロードできま
す(ドイツ語)。記事に関
するご質問は日系企業グル
ープまでお願いいたしま
人事関係者はデジタル化戦略を推進
人事マネジャーの 89%は個人情報違反によるブランドイメージの低下を懸
念
個人情報保護の複雑化により社員のトレーニング、能力開発が必要
産業のデジタル化により、人事部門も大きな挑戦を前にしている。人事部長の
82%が、デジタル化された個人情報をクラウドに保存することに懐疑的とのことで
ある。これは、キーンバウムコンサルタンツとデジタル産業協会であるビットコム
(Bitkom - Federal Association for Information Technology, Telecommunications and New Media)
が共同で行った調査が明らかにしたものである。この調査は、キーンバウムとビッ
トコムがデータ保護財団(Stiftung Datenschutz)の協力を得て、ドイツの計 211 の企
業における人事マネジャーおよび情報保護担当者を対象に行ったものである。
す。
「人事マネジメントのデジタル化が進むほど、個人情報保護関連の議題が多くな
る。多くの企業は問題解決に向け何らかのアクションを起こしたいと考えている。
IT、人事、法律知識の 3 つの要素が複雑に絡み合うこの分野において、既存の知識
でのみ問題を解決しようと戦っている企業もある。」キーンバウムのコンサルタン
トであり当調査のリーダーである Horst-Dieter Bruhn はこのように語る。
当調査では更に、回答者の 79%が人事関連のプロセスをデジタル技術によって簡
略化することを重要と認識していることがわかった。ただし、個人情報保護の条件
を満たしつつ必要なデジタル化を推進するには、従業員に必要な能力開発を行うこ
とが不可欠である。調査対象である人事マネジャーのうち 57%がこのように回答
している。
人事関係者はデジタル化戦略を推進
調査対象の過半数の企業では、デジタル化へ向けての企業戦略を打ち出している。
調査対象の 70%がこれに該当する。この回答は大企業のほうが小規模の企業より
多かった。人事部のみに焦点を当てると、63%がデジタル化戦略を構築中、または
すでに移行済みとの結果である。
個人情報保護違反は脅威
個人情報を確実に保護できると回答したのは数名に過ぎず、78%は個人的な見解と
して個人情報保護に悲観的、と回答している。また 3 分の 2 の回答者が自身の経験
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から高い危険認識を持っているということである。これらのことから、情報保護の
ミスは大変危険であるという認識はより強まっている。人事マネジャーの 10 人中
9 人が、人事マネジメントにおける個人情報保護違反が発生した場合、雇用者およ
び企業のブランドイメージが低下することを危惧している。84%は情報保護ミスは
人事部内で決して許されないという脅威認識があり、また 86%はミスが公表され
た際の企業のイメージ低下を恐れる、と回答している。
クラウドには非常に慎重
人事部門のデジタル化にはクラウドという解決法が存在するが、実際に人事プロセ
スをサポートする形でクラウドを使用している企業は回答者のうち半数に過ぎず、
また 40%はデータ損失の恐れから利用していない、ということが明らかになっ
た。特にデジタル化した人事ファイルや給与計算のクラウド上での情報保護につい
て、回答者は懐疑的な回答を示している。これに対し、人材獲得という枠内での個
人情報保護の心配はずっと小さい。ソーシャルネットワーク上で潜在的候補者向け
に積極的に企業情報を公表することについては、回答者の 58%は危険はないとし
ている。「情報の積極的な公表という方法を人材獲得戦略の中心とすることは、今
日の企業にとってはほぼ必然化している。デジタル化が進むにつれ、インターネッ
トを情報源とし、個人データとのつながりを広げることは、人事マネジメントにお
いてより重要となっている。」と Horst-Dieter Bruhn は語る。
情報保護についてのトレーニングの多くが持続性不足
情報保護のノウハウについては、ほぼ全領域で評価が低いことがわかった。調査対
象の 4 分の 3 が人事マネジメントにおいて情報保護のスキル向上を非常に望んでい
ると回答、また半数が自身も非常なスキル不足を感じると回答している。法律で義
務付けられた講習にはすでに 84%が参加済みと回答しているものの、この参加を
十分と判断しているのはわずかに 45%に過ぎなかった。すなわち、人事マネジャ
ーのわずかに 4 分の 1 のみが、情報保護の問題に対処できる適性を持つということ
になる。
 出所: Kienbaum Consultants International
ロシアのカントリーマネジャーに Susanne Doenitz が
就任
キーンバウムが新しく HR コンサルタントをモスクワオフィスに獲得
こちらの記事に関するご質
問は日系企業グループまで
お願いいたします。
モスクワにあるキーンバウムロシアに、新しく‎
Susanne Doenitz がカントリーマネジ
ャーとして就任した。Doenitz は日本学の博士号取得者で、今回の就任前はコンサル
ティング会社 Alexander Hughes CIS のマネージングパートナーとしてロシアでのビジ
ネス拡大に尽力、20 年以上のマネジメント経験を持つ。
Susanne Doenitz はキーンバウムモスクワ事務所の代表としての責務に加えて、特に
自身の豊富な経験に基づく長期、多岐にわたるエグゼクティブサーチ分野での活躍
が期待される。ドイツ人である Doenitz は、モスクワの大学で東洋学を‎
修了、メデ
ィア分野におけるいくつかの職歴を経た後、Amrop Hever ロシアのシニアコンサルタ
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ントとして、コンサルタントとしてのキャリアをスタートさせた。ドイツ、ロシア
の多くの企業とのビジネス豊富な経験を持ち、ロシアおよび CIS に広いネットワー
クを有する。
「今回、キーンバウムは Susanne Doenitz という優秀なリーダーシップを持つオール
ラウンダーを獲得した。ロシアおよび CIS における広いネットワーク、国際的バッ
クグラウンド、新ビジネスの立ち上げ・拡張のノウハウの 3 点を併せ持つ同氏は、
キーンバウム社のモスクワオフィスの牽引者として適任である。」キーンバウム・
コンサルタンツ・インターナショナルの代表である Jochen Kienbaum はこのように語
る。
 出所: Kienbaum Consultants International
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サーベイ
スイスの給与はドイツ、オーストリアよりも高い
キーンバウムの給与比較 2015 年:DACH(ドイツ・オーストリ
ア・スイス)
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こちらの給与レポートをご希望
の際は日系企業グループまでお
問い合わせください。
取締役レベルではオーストリアの給与が最も低い
ドイツではポジションレベルごとの給与格差が最も大きい
オーストリアでは高インフレのため給与の実質上昇率は低い
スイスの給与はドイツやオーストリアと比べ高い。取締役を例に取ると、スイ
スでは平均年収が 385,000EUR と、ドイツの 366,000EUR より高いことがわかっ
た。オーストリアの取締役の給与は最も低く、平均 292,000EUR であった。これ
はキーンバウムコンサルタンツが行った最新のドイツ、オーストリア、スイス
の給与調査が明らかにしたものである。
「スイスの給与は、ドイツ、オーストリアと直接比較した際、最も高いという
のは事実である。しかし、スイスの生活費は他のヨーロッパ諸国と比べ高いこ
とも忘れてはならない。生活費を差し引いた額はドイツ、オーストリアとあま
り代わらないということである。」と、キーンバウムで給与を専門とする Julia
Zmitko はコメントする。
ポジションレベル別の給与は各国により大きな差
ドイツではポジションレベル別の給与に最も大きいな格差があることが明らか
になった。ドイツの取締役の年収は平均 366,000EUR であるが、これは事務員の
年収である 48,000EUR の 8 倍である。スイスとオーストリアではドイツほどの差
は見られない。オーストリアでは、取締役の年収は事務員の年収である
41,000EUR のおよそ 7 倍である。またスイスの事務員の年収は 80,000EUR であ
り、取締役の年収はその約 5 倍である。
給与上昇率ではスイスが最も低い
2014 年からの給与の動向を比較すると、ドイツが最も高くなっていることがわ
かる。ドイツでは、昨年より取締役で平均 3 パーセント、専門職で 3.8%の上昇
を示している。スイスにおいては、給与上昇率はより緩やかで、どのポジショ
ンレベルにおいても昨年比で 1%の上昇である。また、これにより、スイスの
給与上昇速度は以前よりもずっと遅くなっていることがわかる。
オーストリアでは、給与の上昇率はポジションレベルにより大きな違いがあ
る。具体的には、ポジションレベルが高く責任が大きくなるほど、低い上昇率
である。事務員は 5%の上昇、取締役は 2014 年より 2%のマイナスとなった。
物価上昇中のオーストリアでは実質給与の低下を懸念
2016 年の給与動向は、ドイツ、オーストリア、スイス、共に緩やかと予測され
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る。ドイツの 2016 年の給与上昇率は 2.7%と予想される。インフレーション率を
考慮すると、実際の上昇率は 1.3%となると思われる。
オーストリアでは 2.7%の上昇が見込まれるが、インフレ率が高いと予測される
ため実質 0.5%の上昇に過ぎないと思われる。物価の高騰が主原因である。スイ
スの上昇は 1.6%が見込まれる。ここではインフレ率がマイナス 0.1%と予測され
るため、実際の上昇率は 1.7%の予想である。
ボーナス:トップマネジャーはほぼ全員に支給
ドイツ、オーストリア、スイスの取締役レベルの 95%以上がボーナス受給者で
ある。ドイツでは 126,000EUR で、全収入の 31%に相当する。スイスの取締役の
ボーナスは 80,000EUR で年収の 22%相当、オーストリアでは 60,000EUR で年収の
25%分がボーナスからの受給となる。
更に、特に上級管理職においては各種手当の充実が注目される。企業年金や追
加健康保険(法定以外の)に加え、保育所、カンパニーカー、携帯電話の負担
を行う企業が増えている。「各種手当は雇用者、被雇用者の双方にとって利益
をもたらす。自己の仕事が適切に評価されていると社員が判断すれば、モティ
ベーションが上がり、これまで以上の意欲で仕事に取り組んでもらえる。これ
は企業にとってプラスに働く。」Julia Zmitko はこのようにコメントする。
 出所: Kienbaum Consultants International
ドイツの新卒者の給与トップはエンジニア
キーンバウムがドイツの新卒者の給与についてのサーベイを発表
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キーンバウムの給与レポート
「新卒者の給与 2015」は、
250EUR(税別)で PDF 版をお求
めいただけます(プリント版は
税別 100EUR の追加)。日系企
博士号取得は就職活動に有利
法学部出身者の初年度年収は最も高い
IT 系新卒者の需要高
新卒者の年収は分野によりさまざまである。キーンバウムがこのほど発表した
調査によると、最も高い新卒年収は企業の研究・開発部門で約 50,000EUR であ
る。第 2 位は企画・ビジネスデベロップメント部門で 48,300EUR である。これは
例えば広報部門の初年度給与 41,900EUR より 6,400EUR も高い。最も低いのはイ
ンターン参加者で 37,800EUR である。
業グループまでお問い合わせく
ださい。
「若い人材の獲得には企業のポジティブなブランドイメージが大きな意味を持
つ。魅力的な初任給のほか、各種手当やサービス、特別条件などは、新卒者を
獲得し早期に企業と結びつけるための大きな要素となる。このことは、人口統
計的に見ても、またすでに発生している専門職不足の観点からも、ますます重
要となっている。」キーンバウムで給与を専門とするコンサルタントの Julia
Zmitko はこのように指摘する。実際、調査対象企業のうち 43%が、企業年金ま
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たは能力開発プログラムを提供している。これは、このほど発表したキーンバ
ウムの新卒者の給与に関するサーベイが明らかにしたものである。この調査は
計 58 の企業を対象に、初任給を設定する際に影響を及ぼす要素について分析し
たものである。
学歴が高いほど初任給は高い
ディプロムまたは修士号取得者は学士(Bachelor)取得者より高い給与を受け
る 。 具 体 的 に は 、 修 士課程 修 了 者 は 平 均 46,300EUR 、 デ ィ プ ロ ム 取 得 者 は
45,600EUR、学士は 43,100EUR の年収となっている。博士号取得者の年収は平均
で 60,500EUR であり、新卒者の給与では最も高い。
学部別初任給トップは法学
初任給を学部別に分析すると、トップは技術および工学部と法学部である。エ
ンジニアの初任給は年収 49,100EUR が平均、法学者は 46,800EUR である。これに
対し、人文学、言語学(外国語含む)出身者の初任給は年収で平均 42,600EUR
と低い。
業種別トップはコンサルティング会社
コンサルティング企業の初任給は最も高く、年収で平均 51,400EUR である。機
械および設備メーカーは 45,600EUR である。業種別調査結果の最下位は貿易の
42,300EUR である。
IT 系新卒者の需要は高い
新卒者の必要性を特に感じているのは研究・開発部門であり、調査対象の企業の
うち 57%が需要高と回答している。また、35%は IT 関連の新卒者を緊急に必要
としており、新卒採用者のうち最も優先順位を高くしている。技術、工学、経
済の各学部出身者のほか、大卒であれば出身学部不問という新卒者の需要も高
い。
新卒者が就職活動を有利に運ぶには、特殊分野における能力の証明、または資
格が必要である。調査対象企業の 91%が新卒者の分析能力、戦略構築能力に特
に着目するとしている。これに加え、出身学部や専攻、実務経験、成績が採用
の際の規準となる。
企業は、新卒者需要をカバーするために、さまざまな採用活動を行っている。
そのうち、77%の企業はインターネットの求人・求職サイトを企業自身のホー
ムページと同等に活用している。「新卒者採用のために SNS を活用する企業は
ますます増えている。より多くの潜在的な求職者にアプローチできるため、こ
の傾向は今後数年においてますます強まると予想される。」キーンバウムの
Julia Zmitko はこのようにコメントする。
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