利用者の安全・安心をめざして とさないようにと試行錯誤の毎日です。 当施設は、自然豊かな岩室温泉街に つながりを生み、喜びを増やす “ 感謝 ” の言葉 私たち老健施設職員はご利用者の リハビリの終わりに「ありがとうござい 人生の貴重な時間を共有しています。 ました」と挨拶をすると、 「こっちがあ ス・コンプレックス」の一部として、 が、危険・危機に気づく力を高めていく 私は理学療法士ですが、リハビリの りがとうだよ」などの言葉もいただきま 平成3年に開設されました。ご利用者 ことが重要と考えます。そのため、定期 時間だけではなく、常にご利用者の すが、その言葉にまた“感謝”です。 が四季折々の自然にふれ心の安定を保 的に KYT(危険予知トレーニング)の 人生の 1 ページに関わっている、と これはご利用者だけでなく、仲間 たれること、また地域に開かれた施設 ロールプレイングを実施しています。あ いう意識で、経験と時間の“貴さ”を感 である職員にも思うことです。私は であることを大切にしています。 らゆる場面で、危険や危機を感知するこ じながら職務にあたっています。 副施設長を兼任しておりますが、少 知識・技術を高めるのはもちろんです ある、複合型医療健康施設「岩室ヘル 入職して 18年、リスクマネジャーの資 いわむろの里(新潟県) 格を得て2年がたちました。リスクマネ ジャーとしては主に事故防止委員として お 介護(RM) の ざ と まこと 小野里 真 活動し、今年度は「リスクの ABC を大 切に!( 」A:あたりまえのことを、B:びっくりするくらい、 とが重要で、そのためにはリスク管理に 機能改善や在宅復帰という希望を 対する問題解決能力を養わなくてはなり 叶えるためのお手伝いができる“貴さ”、 ません。また、安全について気軽に話し ターミナルであるならば、人生の終 合える環境でなくてはと思っています。 着を共有させていただくという“貴さ” 「事故・ひやりはっと報告書」は、職員の気づきによ はつらつリハビリセンター(千葉県) ふ く PT だ ゆたか 福田 裕 しでも働きやすく、楽しく、仕事の 達成感がある、それを共に喜び合え る職場環境づくりをめざしています。 その一環として、それぞれが仲間 の良い所を探し、感謝の言葉を手紙で綴る「褒め です。 C:ちゃんとやること)を目標に掲げました。職員の気 り年々増加し、対策を講じています。実際にその対 そして、そのような貴重な経験をさせていただ 合い活動」を行っています。ポジティブな発想で づきを促し、意識を高め、重大事故を防止すること 策が効果的であったか、1か月後に検証を行い、継 くことへの“感謝”を常に感じています。時間を共 仲間の良い所を探すこの活動は、職場全体のやる がねらいです。 続的に活用しています。 有させていただくことへの“感謝”、つらい運動を 気の向上につながっていることを実感しています。 「危機への気づき」を増やすことは大切ですが、そ 今後も、ご利用者、ご家族、職員の安全・安心を 嫌な顔もせず実施してくださることへの“感謝”、 これからも人と人が関わるこの職場で“感謝”を大 のことが負担になり、職員やご利用者の活動量を落 守り、笑顔あふれる職場をめざしていきたいと思います。 楽しそうにお話をしてくださることへの“感謝”。 切に生きていきたいと考えています。 私の 仕 事 私 の 思 い 他職種と連携し行うことができました。こうして本人 当施設では平成 20年に口腔衛生推進課が設置さ 私の 仕 事 私 の 思 い の奥深さがわかりました。 私がなぜ介護の職業に就いたかというと、祖父 れ、それに伴い歯科衛生士が入職し、業務を開始し にあった食事が提供できるようになると、食べやすい、 がアルツハイマー型認知症で施設に入所していた 介護施設の素晴らしさというのは、ご利用者の て8年が経ちました。また平成 27年に在宅強化型老 おいしい、食欲が出たという声が聞かれるようになり 際、介護職員や看護師の方が一生懸命にケアをし 方とそのご家族にかかわることができることだと 健施設となり、さらに充実した職場になりました。 ました。ご利用者に喜んでいただいたという達成感 てくれたり、また母も祖父のために尽くしていた 思います。 は忘れられません。 姿を見たからです。 「よし、私は将来、介護の仕 課題としては、職員不足です。賃金が仕事に対 事に就こう!」と決め、介護の学科のある高校へ してともなっていない点もあります。2025年には 当初は介護現場で歯科衛生士として「自分はご利 また、誤嚥性肺炎で入院する人が多かったのです 用者に対して何ができるのか」と考え悩むことがあり ました。しかし現場の職員やご利用者と が、適切な口腔ケアを継続することで減 進み、現在の職場に就職して 13年が 団塊の世代が後期高齢者になり、職 さまざまな話をするなかで、自分のやる 少できたと思っております。 経ちました。 員はますます足りなくなり、ケアの質 在宅復帰に向けては、歯科治療が必 べき仕事をしだいに見つけることができ ました。 ケアした後、 「ありがとう、あんたに くなってしまう状況にあります。こ れは介護の重大な課題だと思います。 高齢者にとって日常生活の楽しみは何 り、口腔ケアの方法を本人や家族に指導 してもらってよかった」と、名前を覚 なのか、まずは食事であることに気がつ したりすることによって、良好な口腔内 えてもらったことでした。 きました。そこでご利用者の口腔内の状 環境を保ち、安心した生活がおくれるよ 態(歯や義歯、口腔内の保湿、舌苔の うに支援しています。 ぜっ たい 付着、口臭)や咀嚼能力、嚥下機能など を評価しました。よりおいしく、楽しく、 フェニックス(北海道) 歯科衛生士 安全に食事がとれるような関わり方を、 にし むら か お り 西村香緒里 050-052私の仕事私の思い_1609.indd 50-51 当たり前のことなのですが、ご利 逆に悲しかったことは、担当して 用者の声に耳を傾けしっかり話を聴 いたご利用者の方が亡くなられたこ き、相手の気持ちを大切に思い日々 これは口腔の専門職である歯科衛生 とです。亡くなられたご利用者の方 士だからこそできる仕事だと思い、これ に感謝し、最期のケアを行い、お見 からも日々邁進していきたいと思います。 送りに立ち会えたことで、この職業 老健には歯科衛生士が必要です 50 ●老健 2016.9 も下がり、満足のいく介護ができな 私が現場で一番嬉しかったことは、 要な人は入所中に歯を治すよう助言した こうじゅえん グリーンヒル幸寿園(佐賀県) まつ もと 介護 か な こ 松本佳奈子 がんばっております。これからも感 謝される介護職員としてがんばって いきたいと思います。 やりがいと課題の中で思うこと 老健 2016.9 ● 51 2016/08/10 14:18
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