平成28年度 県 平 均 74.3 1 新潟県小学校教育研究会 学習指導改善調査【結果分析】第6学年 理科 「ふりこの運動」の集計および分析について 1 - (1) 1 - (2) 1 - (3) 1 - (4) 1 - (5) 1 - (6) 1―① 1―② 1―③ 1―④ 1―⑤ 1―⑥ 正答率 71.0% 63.3% 79.1% 96.5% 73.5% 73.2% 誤答率 28.3% 35.8% 19.5% 3.3% 24.6% 25.6% 無答率 0.8% 0.9% 1.4% 0.2% 1.9% 1.3% 問題番号 (1) 条 件 制 御 に つ い て 理 解 す る 力 「体重とブランコが1往復するための時間の関係を調べるための条件制御について理 解 す る 力 を 見 る 問 題 1 - ① の 正 答 率 は 71.0% と や や 高 か っ た 。 誤 答 を 見 る と ,揃 え な け れ ば な ら な い 2 つ の 条 件 で あ る「 ふ れ は ば 」 「 長 さ 」の う ち ,1 つ の 条 件 し か 記 述 さ れ て い な い も の が 見 ら れ た 。ま た ,体 重 が 異 な っ て い る こ と の み 記 述している様子も見られた。 授業では,実験方法を考える際に,統一する条件を明確にして確認させたり,なぜ統 一しなければならないのかを話し合わせたりするなどして,条件統一の大切さを確認し ていく必要がある。 (2)(3) 実 験 の 目 的 理 解 と 結 果 を 考 察 す る 力 実 験 結 果 を 考 察 す る 問 題 1 - ② の 正 答 率 は 63.3% と 低 か っ た 。B さ ん と D さ ん の 比 較 実 験 の 意 味 理 解 を 見 る 問 題 1 - ③ の 正 答 率 は 79.1% と 高 か っ た 。 問 題 1 - ② の 誤 答 の 多 く が , 「体 重 の 違 い に よ っ て 1 往 復 す る 時 間 に 差 が あ る の か 」を 調 べ る 実 験 で あ る に も か か わ ら ず ,「ふ れ は ば 1 5 °」の 記 述 に の み 着 目 し て し ま い , 「ふ れ は ば を 同 じ に す る と , 1 往 復 の 時 間 は 同 じ 」と 記 述 し て い た 。 授 業 で は , 何 を 調 べ る た め に 実 験 を 行 う の か (課 題 )を は っ き り さ せ る と と も に , 考 察 が課題に正対した記述となっているかを確認しつつ,進めていく必要がある。 (4)(5) グ ラ フ を 読 み 取 り , 考 察 す る 力 グ ラ フ を 読 み 取 る 問 題 1 - ④ の 正 答 率 は , 96.5% と か な り 高 か っ た 。 ま た , グ ラ フ を 読 み 取 っ て 考 察 す る 力 を 見 る 問 題 1 - ⑤ の 正 答 率 は , 73.5% と や や 高 か っ た 。 問 題 1- ⑤ の 誤 答 と し て は , 「 ブ ラ ン コ の 1 往 復 す る 時 間 は ,D さ ん の 方 が 短 い 」の よ うに,結果のみを記述しているものが見られた。また,ブランコの長さと1往復する時 間を関連づけて記述することができない様子が見られた。 授 業 で は , ノ ー ト を 書 か せ る 際 に 「予 想 」「実 験 」「 結 果 」 「考 察 」な ど , 項 目 を し っ か り 分けて書かせるようにするなど,実験結果と考察を明確に区別する指導が重要である。 (6) 学 ん だ こ と を 活 用 し て 考 え る 力 活 用 す る 力 を 見 る 問 題 1 - ⑥ の 正 答 率 は 73.2% と や や 高 か っ た 。 誤 答 と し て は ,周 期 に 関 係 な い「 ふ れ は ば を 変 え る 」や , 「 長 さ を 変 え る 」な ど ,ど う 変えるのかの記述がない解答が見られた。 授 業 で は , 単 元 終 盤 に お い て , 「1 秒 ふ り こ 」を 作 る 活 動 な ど , 既 習 事 項 を 生 か し な が ら問題解決していく活動に取り組ませるなどして,より深い理解につなげることが大切 である。 2 種子の発芽と成長の集計および分析について 問題番号 2 ― (2 ) 2 ― (1 ) 2-① 2-② 2-③ 2-④ 2-⑤ 2-⑥ 正答率 75.2% 88.4% 87.4% 88.1% 86.2% 35.8% 誤答率 24.5% 10.7% 12.2% 10.8% 13.5% 60.8% 無答率 0.3% 0.9% 0.3% 1.1% 0.3% 3.5% (1 )条 件 を 制 御 す る 力 , 結 果 を 分 析 す る 力 , 実 験 結 果 を 読 み 取 る 力 植物の成長について,実験の目的に合わせた条件制御への理解を問う問題2-①の正答 率 は 75.2% と 高 く , 2 - ③ の 正 答 率 は 87.4% と か な り 高 か っ た 。 実 験 の 目 的 に 合 わ せ て , 変える条件,そろえる条件を区別し,選択する力が養われていると考えられる。 結 果 を 分 析 す る 力 を 問 う 問 題 2 - ② ,2 - ④ の 正 答 率 は そ れ ぞ れ 88.4% ,88.1% と か な り高かった。実験の結果と観察記録を関連付けて考える力が養われていると考えられる。 実 験 結 果 を 読 み 取 る 問 題 2 - ⑤ の 正 答 率 は 86.2% と か な り 高 か っ た 。目 的 に 合 わ せ て 複 数の実験結果から総合的に考える力が養われていると考えられる。 (2 )条 件 を 制 御 し , 実 験 を 構 成 す る 力 種子の発芽について,目的に合わせて条件を制御し,実験方法を考える力を問う問題2 - ⑥ の 正 答 率 は , 35.8% と か な り 低 か っ た 。 誤 答 を 見 る と ,そ ろ え る 条 件 で あ る「 水 を 入 れ る こ と 」,変 え る 条 件 で あ る「 日 光 を 当 て ないこと」のどちらかは書いてあるが,両方が書いてある回答が少なかった。 問題文やイラストを的確に読み取り,決められた条件の中で,目的に合った実験方法を 構成する力を高めていくこと大切である。 授業では,課題を解決するために必要な情報を整理した上で,変える条件,そろえる条 件を判断し,実験方法を構成する活動が大切である。また,単元の終末に,学習のまとめ として,知識や条件制御の考え方を活用する学習を位置付けることも考えられる。 3 「実や種子のでき方」の集計および分析について 3 ― (1 ) 3 ― (2 ) 3 ― (3 ) 3-① 3-② 3-③ 正答率 58.4% 81.3% 57.5% 誤答率 40.8% 18.5% 38.8% 無答率 0.8% 0.2% 3.8% 問題番号 (1 )顕 微 鏡 の 操 作 の 習 得 顕 微 鏡 の 使 い 方 を 問 う 問 題 3 ― ① の 正 答 率 は 58.4% と 低 か っ た 。 誤 答 を 見 る と ,「 ピ ン ト を 合 わ せ る 」 操 作 と ,「 倍 率 を 上 げ る 」 操 作 を 混 同 し て い る 誤 答 が ほ と ん ど で あ っ た 。原 因 と し て ,授 業 の 中 で「 ピ ン ト を 合 わ せ 」た り , 「 倍 率 を 上 げ 」た りする操作指導が十分おこなわれず,身についていないことが考えられる。 顕微鏡を利用して観察するのは 5 学年が初めてである。そのため,授業では,教科書の 巻 末 等 の「 実 験 器 具 の 使 い 方 」を 利 用 し て , 「 ピ ン ト の 合 わ せ 方 」や「 倍 率 の あ げ 方 」な ど , 1 つ 1 つ の 操 作 を 丁 寧 に 指 導 す る こ と が 大 切 で あ る 。な お ,5 学 年 で 顕 微 鏡 を 使 う の は ,メ ダカの卵やプランクトンを観察するときや,花粉の形を観察するときである。これらの場 面で,繰り返し操作方法を確認したり,一人一人に操作させたりすることで, 操作方法を 確実に身に付けさせていく必要がある。 (2 )調 べ た 結 果 か ら 共 通 性 を 見 付 け る 力 顕微鏡を使った観察結果を分析し,共通性を見付ける力を問う問題3-②の正答率は, 81.3% と や や 高 か っ た 。 授業で,実験結果を基に,的確に考察する力が養われてきていると考えられる。調べた 結果を基に,考察する場面を授業の中で設けてきた成果がうかがえる。 (3 )花 の つ く り の ち が い に 着 目 し て , 考 え る 力 ヘチマとアサガオ,ホウセンカの花のつくりの違いをもとにした仲間分けの根拠を問う 問 題 3 - ② の 正 答 率 は , 57.5% と 低 か っ た 。 誤答としては,ヘチマとアサガオなどとの違いを,めしべ,おしべという言葉を使って 整理して記述できていないものが多かった。原因としては「おしべとめしべが別々か一緒 にあるか」という観点で比較,整理したり,それを記述したりすることができなかったと 考えられる。 授 業 で は ,雄 し べ ,雌 し べ ,雄 花 ,雌 花 と い う 用 語 を そ れ ぞ れ の 役 割 と 関 連 づ け た 上 で , つくりの特徴を理解させたり,分類の観点を明確にさせたりする活動が有効である。
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