記者発表資料 稲の高温障害対策のため、かんがい取水の期間を延長

国土交通省 北陸地方整備局
信濃川下流河川事務所
記者発表資料
平成28年 8月 25日
取 扱 い : 配 付 後 解 禁
稲の高温障害対策のため、かんがい取水の期間を延長しました。
信濃川下流河川事務所にて、信濃川下流水利用情報連絡会が開催され、稲の高温
障害対策について、かんがい水利権の取水期間の延長等を協議しました。
北陸農政局信濃川水系土地改良調査管理事務所と新潟県農地部から、今後、水稲
の生育・品質低下が生じる恐れがある気温となった際の、取水期間の延長の必要性に
ついて説明がなされました。
他の水利権者から異議がなかったことから、緊急かつ暫定的な措置として取水期間
の延長等が了解されました。
(①該当水利権、②平成28年8月25日付け登熟期における高温に伴う取水期間の延
長について(要旨)は別紙のとおり)
※信濃川下流水利用情報連絡会とは
信濃川下流部(大河津分水洗堰より下流)における渇水、冷夏、その他の異常気象時などにおい
て、関係機関の水利使用や現況についての情報連絡、情報交換、水利使用の方針の決定等を円滑に
進めることを目的として、平成16年2月10日に設立。会長は、信濃川下流河川事務所副所長(技術)。
お問い合わせ先
国土交通省北陸地方整備局 信濃川下流河川事務所
同時配布先
県政記者クラブ
新県政記者クラブ
市政記者クラブ
新市政記者クラブ
三条市記者室
副所長(技術)大熊 義史
電話:(025)266-7131
占用調整課長 長部 孝
電話:(025)266-7135
別紙
農林水産省所有水利権
水利権名
水系名・河川名
大島頭首工
信濃川水系信濃川
(水田揚水機)
信濃川水系信濃川
水田揚水機及び車場揚水機
(車場揚水機)
信濃川水系小阿賀野川
水利権上の
取水期間
13.796㎥/s
~8月31日
取水量
0.968→13.796㎥/s 9月1日~5日
7.020㎥/s
~8月31日
2.340→7.020㎥/s 9月1日~5日
4.200㎥/s
~8月31日
1.400→4.200㎥/s 9月1日~5日
備考
大島頭首工は、取水期間の延長は無く、9
月1日から5日までの取水量のみ、0.968㎥
/sから13.796㎥/sに増加するものである。
水田揚水機は、取水期間の延長は無く、9
月1日から5日までの取水量のみ、2.340㎥
/sから7.020㎥/sに増加するものである。
車場揚水機は、取水期間の延長は無く、9
月1日から5日までの取水量のみ、1.400㎥
/sから4.200㎥/sに増加するものである。
新潟県所有水利権
水利権名
水系名・河川名
大島揚水機
信濃川水系信濃川
水利権上の
延長する取水期間
取水期間
1.408㎥/s
~9月1日 9月2日~9月5日
五十嵐川下流部頭首工
信濃川水系五十嵐川
6.035㎥/s
~9月2日 9月3日~9月5日
3日
栗林揚水機
信濃川水系信濃川
1.522㎥/s
~9月2日 9月3日~9月5日
3日
取水量
延長日数
4日
平成28年8月25日
登熟期における高温に伴う取水期間の延長について(要旨)
1 要望経緯
8月5日
登熟期における高温に伴う取水期間の延長について北陸農政局から北陸地方
整備局へ要請
8 月8日
北陸地整から北陸農政局へ要望の回答。(詳細は、他機関と調整すること)
8月9日
信濃川下流水利用情報連絡会運営要領第5条に基づく開催要請。
2 気象概要
○8 月 18 日時点の気象状況
(1)概況
気象庁の発表によれば、今年の北陸地方の梅雨入りは6月13日ごろ(平年より1日遅
い)、梅雨明けは7月22日ごろ(平年より2日早い)となっている。
(2)気温
北陸地方における8月18日発表の1か月予報では、「高い見込み」となっている。
(3)降水量
北陸地方における8月18日発表の1か月予報では、「平年並みの見込み」となってい
る。
(4)日照時間
北陸地方における8月18日発表の1か月予報では、「平年並みの見込み」となってい
る。
3 水稲の生育情報
7月26日時点では、新潟県におけるコシヒカリの出穂期は、平年より3日程度早ま
る見込みとの情報があったものの、地域差があるものと思われる。
4 出穂後におけるかん水の必要性
出穂期から登熟最盛期に当たる出穂後の25日間は、良質米を生産するために水分を
最も必要とする時期であり、この期間は土壌が乾かないような水管理に努める必要が
ある。特に夜間のかん水は地温を下げるとともに、昼間の地温の上昇を抑えるので、根
の活力維持による白未熟粒の発生防止に効果的である。
このため、落水期の目安は、通常25日となっているが、高温が予測される場合には、
新潟県は、出穂後30日までかん水を行うよう営農指導を行っている。
(参考)
出穂期(しゅっすいき) 穂を形成する作物において、4~5割の穂が出穂した時期
登熟期(とうじゅくき) 農作物が結実して次第に成熟していく時期
5 取水期間の延長要望
平年より気温が高くなることが見込まれることから、登熟期の高温傷害を回避するため、
登熟後半までかん水を継続したいので、取水期間を延長(5日間程度)させていただきた
い。