嶋中雄二の月例景気報告 - 三菱UFJモルガン・スタンレー証券

景気循環研究所
嶋中雄二の月例景気報告
No.76 2016 年 8 月 23 日
足元で上向き始めた日本の景気
~手を抜かず、金融・財政政策の発動を~
●2、5月の2番底の後、上昇した世界のPMI
内外の景気動向を、製造業景況指数(PMI)をもとに概観すると、16年2月と同年5月を中心とした2つ
の谷をはさんだ形で、それ以降は明らかに上向き傾向に転じているように見える(図1、表1)。
(ポイント)
図1.世界・先進国・新興国
54
世界(左目盛)
新興国(右目盛)
先進国(右目盛)
53
59
57
52
55
51
50
16/2 16/5
50.0 50.0
49
16/5
50.3
48
47
16/2
48.8
46
(年、月)
45
表1.各国・地域の製造業 PMI
(ポイント)
55
53
51
49
47
12.8 13.2 13.8 14.2 14.8 15.2 15.8 16.2 16.8
(資料)Markit、日本経済新聞社、bloomberg 等資料をもとに
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
世界
先進国
新興国
ブラジル
ロシア
韓国
台湾
インド
インドネシア
マレーシア
ベトナム
16/1
50.8
51.9
49.3
47.4
49.8
49.5
50.6
51.1
48.9
48.6
51.5
16/2
50.0
50.9
48.8
44.5
49.3
48.7
49.4
51.1
48.7
47.8
50.3
16/3
50.6
51.0
50.1
46.0
48.3
49.5
51.1
52.4
50.6
48.4
50.7
16/4
50.1
50.5
49.5
42.6
48.0
50.0
49.7
50.5
50.9
47.1
52.3
16/5
50.0
50.3
49.6
41.6
49.6
50.1
48.5
50.7
50.6
47.2
52.7
16/6
50.4
51.2
49.3
43.2
51.5
50.5
50.5
51.7
51.9
47.1
52.6
16/7
51.0
51.5
50.3
46.0
49.5
50.1
51.0
51.8
48.4
48.1
51.9
(注)先進国は当研究所推計
(資料)Markit、日本経済新聞社、bloomberg 等資料をもとに
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
先進国…米国、日本、欧州11カ国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの16ヵ国・地域
新興国…中国、インド、ブラジル、韓国、メキシコ、ロシア、トルコ、台湾、インドネシア、南アフリカ、マレーシア、シンガポール、
イスラエル、チェコ、ハンガリー、ポ-ランド、ベトナムの17ヵ国・地域
Markit社のPMIには、米国・日本・欧州など16ヵ国・地域から成る「先進国」と、中国・インド・ブ
ラジルなど17ヵ国・地域から成る「新興国」、そしてこれら2つから構成されている「世界」がある。
この中で、「先進国」のPMIは、16年2月が50.9、また5月が50.3と2つの谷を形成した後、7月には51.5
まで上昇している。一方、「新興国」は、2月48.8、6月49.3の2つの谷を見せた後に上昇し、7月は50.3
となった。この結果、「先進国」のウェイトが6割弱とやや高い「世界」は、2月50.0の後、5月50.0の2
巻末に重要なお知らせを記載、ご参照ください。
1
番底を示した後に上昇に転じ、7月には51.0となっている。7月は、「先進国」「新興国」「世界」の3
つのカテゴリーですべて、水準面での分水嶺である50を上回っており、世界景気が全体として、好転し
つつあることを物語っているといえる。
こうした状況は、主要国・地域で見ても変わらない(図2)。米国のISM(サプライ・マネジメント協
会)製造業PMIは、7月に52.6と若干前月に比べ低下したものの水準は高い。中国の財新製造業PMIは、7
月に50.6と15年2月以来17ヵ月振りに50ラインを上回った。また、ユーロ圏製造業PMIは、ブレグジット
(英国のEU離脱)にもかかわらず、7月52.0、8月51.8と安定的に高水準を維持している。日本の日経製
造業PMIは、新興国の減速に加え、熊本地震や円高の影響を受けて水面下に沈んでいたが、7月は49.3、
8月は49.6と50ラインの一歩手前まで戻った。
図2.米国・中国・ユーロ圏・日本の製造業景況指数の推移
(「改善」+「不変」/2)
(%ポイント)
(「改善」+「不変」/2)
(%ポイント)
米国 ISM製造業PMI
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
15
60
55
10
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
75
16/7
52.6
70
65
15/12
48.0
中国 財新製造業PMI
16/7
50.6
08/12
33.1
16/8
51.8
08/11
40.9
16/2
51.2
16/8
49.6
09/2
33.5
16/5
47.7
日本 日経製造業PMI
09/1
29.6
06
07
08
09
55
50
16/2
15/9 48.0
47.2
ユーロ圏 製造業PMI
05
60
10
11
12
13
14
15
45
80
75
40
70
65
60
55
50
45
40
35
30
25
16 (年、月)
(資料)ISM、財新、Markit、日本経済新聞社、Bloomberg より三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
こうした中で注目されるのは、米国景気の好調さである。米国の景気先行指数(コンファレンス・ボ
ード発表)は、7月に前月比0.4%上昇し、124.3(04年=100)と、既往のピーク水準だった4月の123.9
を上回った(図3)。同先行指数と米国の景気の山との間の、1980年代以降における過去3回の景気循環
での平均タイムラグから見ると、今回の景気拡大は少なくとも17年いっぱいは続く可能性がある。これ
は、過去3回について、先行指数がピークアウトしてから景気後退局面入りするまでの平均期間を取る
と、1年半となるためである。
巻末に重要なお知らせを記載、ご参照ください。
2
(04年=100)
図3.先行指数の推移(米国)
81/7
82/11
90/7
01/3 01/11
91/3
07/12
(前年比%)
09/6
20
06/1
125
83/12
115
04/4
00/4
94/10
21カ月
14/7
12カ月
99/3
96/1
85
03/4
18カ月
75
先行指数
(左目盛)
65
122.8
0.0
4.0
-0.2
3.2
0.5
3.3
11
123.7
0.4
3.2
12
123.3
-0.3
2.3
1
123.1
-0.2
2.1
-4
2
123.1
0.0
2.2
-8
3
123.2
0.1
2.0
4
123.9
0.6
1.9
5
123.3
-0.2
0.9
6
123.8
0.3
0.7
7
124.3
0.4
1.2
-12
~先行指数がピークアウトしてから、
景気後退入りするまで平均1年半~
4.2
8
123.2
2016
89/1
-0.1
122.6
0
16/6
前年比
122.8
9
4
13/3
前月比
7
10
8
02/10
85/5
95
2015
12
10/4
97/10
105
55
指数
16
先行指数(前年比)
(右目盛)
-16
-20
80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 (年、月)
(注)
は景気後退期。
(資料)The Conference Board『Business Cycle Indicators』
一方、日本の内閣府発表の景気動向指数・CI先行指数の動きを見ると、16年3月の97.8(10年=100)
を大底に一進一退ながらも、6月は98.4と若干上向きの動きとなっている(図4)。他方、直近のCI一致
指数(10年=100)の動向を見ると、2月と5月に各々109.2という2つの底を形成した後、6月は前月との
差で1.3ポイント上昇して110.5になったものの、全体として足踏み感のある動きとなっている(図5)。
(10年=100)
図4.先行指数の推移(日本)
(前年差、ポイント)
120
先行指数(前年差)
(右目盛)
115
30
20
110
10
105
100
0
95
-10
90
85
-20
先行指数
(左目盛)
80
-30
75
70
2015
6
7
8
9
10
11
12
2016 1
2
3
4
5
6
指数 前月差
105.1
0.8
103.4
-1.7
102.3
-1.1
100.3
-2.0
101.0
0.7
100.3
-0.7
99.1
-1.2
99.1
0.0
97.8
-1.3
97.8
0.0
98.7
0.9
98.4
-0.3
98.4
0.0
前年差
2.9
-0.1
0.0
-3.2
-0.8
-1.3
-3.9
-3.4
-4.6
-5.1
-5.1
-5.9
-6.7
指数 前月差
112.9
1.3
112.5
-0.4
111.8
-0.7
111.6
-0.2
112.7
1.1
111.8
-0.9
110.4
-1.4
111.2
0.8
109.2
-2.0
110.0
0.8
111.8
1.8
109.2
-2.6
110.5
1.3
前年差
1.2
0.5
1.0
-1.1
0.1
-0.1
-2.0
-2.6
-3.1
-1.2
-1.3
-2.4
-2.4
-40
80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(年、月)
(注)
は景気後退期(内閣府調べ)。
(資料)内閣府『景気動向指数』
(10年=100)
図5.一致指数の推移(日本)
(前年差、ポイント)
125
120
30
一致指数(前年差)
(右目盛)
20
115
10
110
0
105
100
-10
95
一致指数
(左目盛)
90
-20
-30
85
-40
80
-50
75
80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(注)
は景気後退期(内閣府調べ)。
(資料)内閣府『景気動向指数』
巻末に重要なお知らせを記載、ご参照ください。
3
(年、月)
2015
6
7
8
9
10
11
12
2016 1
2
3
4
5
6
次に、生産活動について現状と先行きを見てみると、比較的明るい予兆が伺える。6月の鉱工業生産
指数(確報値。10年=100)は、2月(93.2)と5月(94.7)の2番底から脱して、前月比2.3%増の96.9と、
上向き始めた(表2)。先行きについては、大手メーカーの生産計画を表す製造工業生産予測指数で、7
月前月比2.4%、8月同2.3%の大幅増が見込まれている。ただ、生産予測指数の伸びはそのまま実現さ
れるとは考えにくい。そこで、7月については経産省発表の「先行き試算値」を用い、また8月に関して
は、15年2月から16年1月まで(2月以降は、2度の爆発事故や熊本地震に見舞われたトヨタ自動車関連を
中心に、生産が不規則に変動)における予測の実績に対する誤差をもとに推計すると、それぞれ前月比
で0.9%増、1.4%増となる。これを7‐8月平均で見ると、4‐6月期比で2.3%増と、やはり堅調な伸び
が見込まれる。この結果、日本の生産は、1‐3月期の96.1(前期比1.0%減)の後、4‐6月期96.3(同
0.2%増)と踏みとどまり、直近の7‐8月平均では強含みつつあることになる。
表2.鉱工業生産指数の推移(10 年=100)
月
次
鉱 工 業 生 産 指 数
前 月 比 ( % )
前 年 比 ( % )
四
半
期
鉱 工 業 生 産 指 数
前 期 比 ( % )
前 年 比 ( % )
2015年
9月
10月
11月
12月
97.0
0.3
▲ 1.2
98.2
1.2
▲ 1.6
97.1
▲ 1.1
1.4
95.9
▲ 1.2
▲ 2.1
2015年
10-12月
2016年
1-3月
4-6月
97.1
0.1
▲ 0.8
96.1
▲ 1.0
▲ 1.6
96.3
0.2
▲ 1.8
経産省の「先行き試算値」などをもとにした推計 7-9月予測
100.4
4.3
3.4
2016年
1月
2月
98.3
2.5
▲ 4.2
93.2
▲ 5.2
▲ 1.2
5月
6月
94.7
▲ 2.6
▲ 0.4
96.9
2.3
▲ 1.5
98.5
2.3
鉱工業生産
( 8月 は 予 測 の 実 績 に 対 す る 誤 差 〈 15年 2月 -16年 1月 : ▲ 0.9〉 を も と に 推 計 ) 前 期 比
3月
96.7
3.8
0.2
7月
見込み
4月
97.2
0.5
▲ 3.3
8月
予測
99.2
2.4
0.1
101.5
2.3
7.5
97.8
0.9
99.2
1.4
(注)2016 年 7-9 月期は、生産予測指数の前月比で機械的に延長したもの。7-9 月期は、7-8 月値。
(資料)経済産業省『鉱工業指数』
●9月の追加金融緩和で、マネタリーベース目標を「80兆円~100兆円」に
その先の景気動向についても、米国景気が拡大を続けるとみられる中で、2年間で総額28.1兆円規模
の財政出動に加えて、7月に決定された日銀によるETFの追加購入(年2.7兆円の追加)もあり、かなり
期待が持てるだろう。今回の経済対策は16年度と17年度の両年度の実質GDP成長率を0.3%ポイントずつ
引き上げよう(表3、4)。
表3.経済対策、円高の経済への影響
(%、%ポイント)
16年度
17年度
経済対策が実質GDP
(水準)に与える影響
0.3
0.6
経済対策が実質GDP
成長率に与える影響
0.3
0.3
円高(10%)が実質GDP
成長率に与える影響
▲0.1
▲0.4
(注)円高の影響は、16 年 10~12 月期以降、1 ドル=102 円で推移した場合の
111.97 円(日銀短観の企業の想定レート)で推移した場合との比較。
(資料)内閣府資料などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
巻末に重要なお知らせを記載、ご参照ください。
4
表4.16年度経済対策の規模と内訳の想定
経済対策
財源
一億総活躍の関連政策
(最低賃金の引き上げ、保育・介護の受け皿整備・
処遇改善、雇用保険料率の引下げ、育児休暇期
間の延長、給付型奨学金、年金受給資格の短縮)
3.5兆円
16年度補正予算+特別会計
(国費)
公債金(建設国債)
4.5兆円
(2.8兆円)
21世紀型インフラ整備、中小企業対策
(リニア中央新幹線の全線開業前倒し、整備
新幹線の建設、農産物の輸出拡大に向けた
環境整備など)
復興・防災
(平成28年熊本地震の復興基金を創設)
10.7兆円
既存経費の減額など
(国債利払い費の減額、熊本
地震の予備費など)
3.0兆円
17年度当初予算+特別会計
(国費)
(1.7兆円)
1.7兆円
事業規模:28.1兆円
中小企業向け融資
(英EU離脱に対応したドル融資)
10.9兆円
真水
(国・地方の財政支出:7 . 5 兆 円 )
(財政投融資:6.0兆円)
(民間資金:14.6兆円)
(注)17 年度以降の事業も盛り込まれている。
(資料)各種報道資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
しかし、特に金融政策については、これで十分というわけには行かない。第1に、日銀は、課せられ
ている2%の物価上昇目標の未達、それどころか正反対の低下方向への乖離を何とか是正しなくてはな
らないこと、第2に、最近の円高の進行に対して、米国大統領選直前で発動しにくい為替介入以外の方
法で対抗するためには、デフレ脱却という大義名分のある金融政策しかないことが、その理由である。
上記の第1点に関しては、当然ながら、物価目標として日銀が参照している消費者物価指数総合(除
く生鮮食品)つまりコア消費者物価が、6月に前年比マイナス0.4%(2015年基準。改定前は同0.5%)
とデフレを示している上、消費者物価指数総合(除く生鮮食品・エネルギー)つまり日銀版コアコアCPI
が、POSシステムで集計された全国のスーパーの店頭価格を示す日経CPINow(日次)やSRI一橋大学消費
者購買価格指数のここへきての低迷により、6月の前年比0.7%からさらに鈍化していくことが確実視さ
れている点が挙げられる(図6、7)。また、過去1期前の実際のインフレ率が1年後の期待インフレ率に
影響を与えるといった適合的期待もしくはバックワード・ルッキングな期待の作用により、直近までの
実際の物価低迷が今後の期待インフレ率を低下させる状況も続いている(図8)。
1年半前のマネタリーベースが現時点の名目GDPを拡大させるという相関関係をもとに推計すると、20
年度下期に名目GDP600兆円を達成するには、19年度上期までにマネタリーベースを676兆円(年率92兆
円増、20.3%増)に増やさなければならない(図9)。日銀が、9月の金融政策決定会合における「総括
的検証」で、マネタリーベースの目標をこれまでの「80兆円」から「70兆円~90兆円」にするとの説が出
ているが、上述の議論を踏まえれば、それでは駄目であり、「80兆円~100兆円」にするのが適切だ。
第2次補正予算で3兆円弱の建設国債が新たに発行されることを前提とし、社債・地方債・政府関係機関
債・J-REITを買い増しするなど、質的緩和を同時に拡大すれば、十分可能であろう(表5)。
巻末に重要なお知らせを記載、ご参照ください。
5
図6.消費者物価指数の基調的な変動
(前年比、%)
総合(除く生鮮食品・エネルギー)の0.7%の上昇のうち
食料(除く生鮮食品・酒類)の押し上げ寄与は0.2%pt
3
2
16/6
0.7
15/12
1.3
14/4
1.5
2010年基準
2015年基準
1
0.5
0
-0.4
-1
総合(除く生鮮食品・エネルギー=日銀版コアコア)
総合(除く食料・エネルギー=米国式コア)
-2
総合(除く生鮮食品)
-3
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年、月次)
(注)総合(除く生鮮食品・エネルギー)は日本銀行調査統計局算出。
(資料)日本銀行「金融経済月報」、総務省「消費者物価指数」をもとに
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
図7.日経CPINow、SRI一橋大学消費者購買価格指数の推移
(%)
(%)
4.0
4
日経CPINow(日次、7日後方移動平均)
3
3.0
2
2.0
1
1.0
0
0.0
-1.0
-1
-2.0
-2
SRI一橋大学消費者購買価格指数(週次)
-3
07
08
09
10
11
12
13
14
15
-3.0
16
(注)日経 CPINow の 15 年までは日経・東大日次物価指数。
(資料)東大日次物価プロジェクト、ナウキャスト資料、一橋大学経済研究所経済社会リスク研究機構
「SRI 一橋大学消費者購買指数」などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
図8.物価モニター調査による期待インフレ率と消費者物価の推移
(%)
1.2
1.1
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
-0.1
-0.2
-0.3
-0.4
-0.5
-0.6
(%)
2.5
2.4
1年後の期待インフレ率
2.3
(右目盛)
2.15
2.2
4月 6月 7月
2.04
8月
2.03 1.99
2.1
1.86
9月
2.0
1.8010月
1.9
1.8
1.6711月12月16年1月
5月
3月
4月
1.89
1.7
1.561.58 1.60 2月
1.51
1.60
1.51
1.6
5月
1.5
1.47
1.4
7月
8月速 1.3
6月 1.16
1.03 1.2
1.16
1.1
全国・コア消費者物価
都区部・コア消費者物価
1.0
前年比(左目盛)
前年比(左目盛)
0.9
0.8
14.10
15.1
4
7
10
16.1
4
7
(年、月)
14年12月
2.33 15年2月
(注)期待インフレ率は物価モニター調査ををもとに算出。「-5%超」、「-5%程度」は-5%、「-4%程度」は-4%、「-3%程度」は-3%、
「-2%程度」は-2%、「-1%程度」は-1%、「変わらない」は 0%、「+1%程度」は 1%、「2%程度」は 2%、「3%程度」は 3%、
「4%程度」は 4%、「5%程度」、「5%超」は 5%のインフレ率をそれぞれ予想しているとして計算
(資料)消費者庁「物価モニター調査」、総務省「消費者物価指数」などをもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所
巻末に重要なお知らせを記載、ご参照ください。
6
図9.マネタリーベース(平残)の推移
(兆円)
1000
20年度下期 名目GDP600兆円 達成には、
19年度上期までにマネタリーベースを
676兆円に拡大させることが必要に
(年率92兆円増、20.3%増)
500
19年度上期
676兆円
15年度下期
354兆円
100
( 年度半 期)
50
2006
2008
2010
2012
2014
2016
2018
2020
(注)名目 GDP(トレンド除去後)のマネタリーベース(同、3 半期前)の変動に対する
弾性値(0.09、92 年度上期~15 年度上期)をもとに推計
(資料)日本銀行、内閣府資料をもとに三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
表5.日銀の買入対象となりうる資産
残高
日銀保有分
(兆円)
(兆円)
(%)
【 参考】
追 加緩和 10兆 円
の ケース ↓
長期国債
955.0
335.4
35.1
1.5兆円
5.0兆円
社 債
72.1
3.1
4.4
2.0兆円
地方債
76.0
- 社債並みで 3.5兆円
3.3兆円
公募地方債
58.9
-
政府関係機関債
78.4
-社債並みで -
財投機関債
-
34.6
3.6兆円
3.4兆円
4.0兆円
2.0兆円
2.0兆円
1.0兆円
-
ETF
15.8
8.9
56.5
J-REIT
3.8
0.3
8.7
0.1兆円
(注 1)残高は 16 年 3 月末時点(ETF と J-REIT は 16 年 7 月末時点)、
日銀保有分は 16 年 8 月 20 日時点。
(注 2)地方債と政府関係機関債は、時価ベース。但し、内訳の公募地方債と財投機関債は
簿価ベース。政府関係機関債には政府保証債や地方公共団体金融機構債などを含む。
(資料)日本銀行「資金循環勘定」、「営業毎旬報告」、日本証券業協会「公社債発行額・償還額等」、
投資信託協会「契約型公募投資信託の資産増減状況」をもとに
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券景気循環研究所作成
(以上)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所
東京都千代田区大手町 1-9-2
大手町フィナンシャルシティグランキューブ
参与 景気循環研究所長
嶋中 雄二
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7
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