微生物を用いる金属イオンセンサーとタン パク質発現 名古屋工業大学 大学院工学研究科 物質工学専攻 教授 田中俊樹 助教 水野稔久 技術背景、内容 金属イ オ ン ・ ・ 生体内で 重要な 役割を 持つが各細胞内で の濃度が限定さ れて いる 。 金属イ オ ン ・ ・ 今ま で に Ca 2 + と Zn 2 + イ オ ン セ ン サーが報告。 Zn 2 + イ オ ン セ ン サー 有機化合物 Ca 2 + イ オ ン セ ン サー 有機化合物、 タ ン パク 質 異な る 金属イ オ ン セ ン サーと な る タ ン パク 質の開発 金属イ オ ン と し て 、 Cu 2 + 、 N i 2 + や Cd 2 + 、 H g 2 + な ど 。 金属イ オ ン の存在で 蛍光を 発する タ ン パク 質 従来技術と問題点 有機低分子を 用いる た め細胞への負荷がかかる 。 有機化合物を 外部から 加え る た めに細胞内で の非局在化 し 、 目的の場所に 入れる こ と は難し い。 Ca 2 + 又はZn 2 + の金属イ オ ン のみで 、 他の金属イ オ ン はな い。 金属イオン存在下で会合し構造が 形成されるペプチド 金属イ オ ン Ni2+,Cu2+ 2 8 ア ミ ノ 酸のペプ チ ド Zn2+, Co2+ 金属イオンセンサーに用いるタンパク質 緑蛍光タ ン パク 質 Green fluorescence protein (GFP) N C 金属イオンペプチド誘導型蛍光タンパク質 新し いN末 D190-G191 P75-D76 D197-N198 T9-G10 D82-F83 元のC末 リ ンカ ー 元のN末 (GGSGG) E132-D133 新し いC末 金属イ オン P211-N212 ペプチドの構造形成による蛍光の回復 D 1 9 7 -N 1 9 8 P7 5 -D 7 6 D 8 2 -F8 3 T 9 -G1 0 D 1 9 0 -G1 9 1 O2 1 1 -N 2 1 2 E1 3 2 -D 1 3 3 D 1 9 0 -G1 9 1 金属イオンペプチドの設計 H1 金属結合部位が一つ E I E A HEQEHEA I EQE I E A I EQE I EA I EQ KQK I AEHKQKH AE I KQK I AE I KQK I AE I 20 aa H2 20 aa K I E A HEQKHEA I EQK I EA I EQK I EA I EQ 金属結合部位が二つ E I E A HEQEHEA I EQE I E A HEQEHEA I EQ 20 aa KQK I AEHKQKH AE I KQK I AE HKQKH AE I K I E A HEQKHEA I EQK I E A HEQKHEA I EQ 20 aa 大腸菌内で緑蛍光タンパク質の形成 PT7 His tag 191 CPG 190 Stop 20aa CPG191-CC1 p amp+ 大腸菌 GSAG GSSGGG 金属イ オ ン 大腸菌内の蛍光による金属イオンセンサー タ ン パク 質 タ ン パク 質 合成後 合成前 M ( -) Cu2+ Ni 2+ Zn2+( 500 μM ) 0.5 5 50 500 [ μM] 2+ Cu 新技術の特徴・従来技術との比較 細胞への付加の軽減。 細胞内で の局在化。 従来と は異な る 金属イ オ ン 依存性。 実用化に向けた課題 ・ 感度を 1 0 , 0 0 0 倍よ く する 。 ・ 金属イ オン の選択性を 高める 金属イオン選択性の変化 カ ド ミ ウムや水銀を 結合する ペプ チ ド K E A K E C K C K E E A M A A M = Cd 2 + , Hg 2 + C Cu 2 + , Ni 2 + , Zn 2 + は結合 E E A K K A し ない 大腸菌の転写による目的タンパク質の発現 リ プ レ ッ サー 転写 -35 -10 遺伝子 イ ン ド ー ルア ク リ ル酸 リ プ レ ッ サー の除去 RN A ポ リ メ ラ ー ゼ RN A ポ リ メ ラ ー ゼ σ7 0 α2 ββ’ σ4 -35 σ2 -10 転写 リ プ レ ッ サー 遺伝子 金属イオン誘導による目的タンパク質の発 現 A siA σ4 RN A ポリ メ ラ ーゼ λcI α2 ββ’ σ2 H SE -10 TACAAT 転写 遺伝子 タンパク質の発現と蛍光感度の改良法 金属イ オン 大腸菌 タ ン パク 質の量が増える 蛍光の効率が良い A siA σ4 λcI α2 ββ’ σ2 HSE -10 TACAAT 転写 想定される用途 ・ 細胞内の金属イ オ ン のセ ン サー ・ 溶液中の金属イ オ ン のセ ン サー ・ 有害金属イ オン の除去 ・ 金属イ オ ン によ る 微生物内で のタ ン パク 質合成 企業への期待 感度に関し て は蛍光タ ン パク 質を 大量発現さ せ る 技術で 克服で き る と 考え て いる 。 金属イ オン で タ ン パク 質を 大量発現さ せる こ と で 企業と の共同研究を 希望。 金属イ オン 選択性。 想定される業界 ・ 分析企業 ・ 薬品企業 ・ 遺伝子工学用の試薬会社 ・ 水質浄化企業 本技術に関する知的財産権 発明の名称 : 金属イ オ ン 応答性蛍光発色タ ン パク 質 出願番号 : 特願2 0 0 6 -2 4 7 0 0 8 出願人 : 名古屋工業大学 発明者 : 田中俊樹、 水野稔久、 村尾香織 お問い合わせ先 名古屋工業大学 産学官連携コ ーディ ネ ータ ー 岩間 紀男 T E L 0 5 2 -7 3 5 -5 7 8 7 F A X 0 5 2 -7 3 5 -5 5 4 2 e -m a il iw a m a @ n it e ch . a c. j p お問い合わせ先 名古屋工業大学 産学官連携センター TEL FAX e-mail 企画・管理部門 052-735-5627 052-735-5542 c-socc.all@ml.nitech.ac.jp
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