浦山 ダムと滝沢 ダム - 独立行政法人 水資源機構

うらやま
たきざわ
浦山 ダムと滝沢 ダム
「防災操作」で河川水位上昇を緩和、貯水位も回復
どくりつぎょうせいほうじんみず し げ ん き こ う あらかわ
独立 行 政 法人水資源機構荒川ダム総合管理所の管理する浦山ダム及
び滝沢ダムでは、台風第9号の降雨により増加した河川水の一部をダム
に溜め込む「防災操作」を行うことにより、下流河川の水位上昇を抑え
るとともに、ダムの貯水量を回復させました。
浦山ダムでは、台風によりダムに流れ込む水の量が毎秒約161立方
メートルに増加しましたが、その大部分をダムに貯留することにより、
はな み ど う
下流の花御堂地点において河川の水位をダムがない場合の水位に比べ
て約0.55メートル低下させました。また、滝沢ダムでは、平成20
年4月以降で最大となる毎秒約316立方メートルの水がダムに流れ
たいへいばし
込みましたが、その大部分をダムに貯留することにより、下流の太平橋
ちてん
地点において河川の水位を同様に約3.0メートル低下させました。
なお、この防災操作を行ったことにより浦山ダムの貯水率は73%
(平成28年8月22日0時時点)から89%(平成28年8月23日
12時時点)に、滝沢ダムの貯水率は78%(同時刻)から96%(同
時刻)に回復しました。※
※防災操作とは、大雨などの際、流れ込む水の一部をダムに一時的に溜め込むことでダムから下流へ流
す量を減らし、下流の川の水位を低減させるダムの操作方法です。
平成28年8月24日
独立行政法人 水資源機構
荒 川 ダ ム 総 合 管 理 所
発表記者クラブ
秩父記者クラブ
問い合わせ先
独立行政法人 水資源機構
荒川ダム総合管理所
おおいわ
総 務 課 長
大岩
第一管理課長
尾島
お じ ま
埼玉県秩父市荒川久那4041
TEL 0494-23-1431(代表)
浦山ダム及び滝沢ダムが効果を発揮
台風第9号に伴う浦山ダム、滝沢ダムの防災操作の効果
【台風9号の出水】
台風第9号の影響により、浦山ダム流域で8月22日3時過ぎに降り始め
た雨は、22日19時までに総雨量220.5ミリに達し、浦山ダムに流れ
込んだ水の最大量は、毎秒約161立方メートルに達しました。
また、滝沢ダム流域で8月21日23時過ぎに降り始めた雨は、22日1
8時までに総雨量137ミリに達し、滝沢ダムに流れ込んだ水の最大量は、
ダムの管理を開始した平成20年4月以降最大となる、毎秒約316立方メ
ートルに達しました。
【浦山ダムで最大毎秒約160立方メートルの防災操作を実施】
この出水に対し浦山ダムでは、ダムに流れ込んだ水のうち、約327万立
方メートルをダム湖に貯めて、川の水を減量しました。これは東京ドーム約
2.6杯分になります(添付資料1参照)。 最も多くダムに水が流れ込ん
だ22日15時頃には、流れ込む毎秒約161立方メートルの水の大部分を
ダムに貯留し、ダムから下流へ流す水の量を毎秒約0.7立方メートルに減
らしました。
なお、この洪水を貯留したことによりダムの貯水率は73%(平成28年
8月22日0時時点)から89%(平成28年8月23日12時時点)に回
復しました。(ダムの水位は約6.5メートル上昇)
【滝沢ダムで最大毎秒約309立方メートルの防災操作を実施】
この出水に対し滝沢ダムでは、ダムに流れこんだ水のうち、約347万立
方メートルをダム湖に貯めて、川の水を減量しました。これは東京ドーム約
3杯分になります(添付資料2参照)。 最も多くダムに水が流れ込んだ2
2日16時頃には、流れ込む毎秒約316立方メートルの水の大部分をダム
に貯留し、ダムから下流へ流す水の量を毎秒約6.9立方メートルに減らし
ました。
なお、この洪水を貯留したことによりダムの貯水率は78%(平成28年
8月22日0時時点)から96%(平成28年8月23日12時時点)に回
復しました。(ダムの水位は約5.3メートル上昇)
【浦山ダムの防災操作による下流河川の水位低減効果】
今回の出水における防災操作により、ダム下流の花御堂(秩父市荒川久
那)地点(添付資料4参照)において、0.55メートル水位を低下させた
ものと推定されます。
【滝沢ダムの防災操作による下流河川の水位低減効果】
今回の出水における防災操作により、ダム下流の太平橋(秩父市大滝)地
点(添付資料5参照)において、3.0メートル水位を低下させたものと
推定されます。
※ 数値は速報値です。
※ 雨量は浦山ダム及び滝沢ダム各々の流域平均の雨量です。
資料1
■浦山ダムの防災操作 0
時
20
間
40
雨
60
量
80
100
(mm) 400
貯
水
位
390
(m)
360
380
最大時間雨量52.9mm
総雨量220.5mm
雨量
設計最高水位 EL398.40m
洪水時最高水位 EL393.30m
洪水調節開始時貯水位 EL362.03m
洪水調節終了時貯水位 EL365.91m
貯水位は3.88m回復
洪水貯留準備水位 EL372.00m
370
貯水位
350
300
250
200
流
入
150
・
放
100
流
量
(m3/s) 50
ダムの効果
最大流入時には、およそ160m3/sの防災操作を実施
(ダムへの最大流入量 161m3/s→ ダムからの放流量 0.7m3 /s
放流量
流入量
最大流入量 161m3/s
防災操作中のダムへの貯め込み量
327万立方メートル(東京ドーム約2.6杯分)
洪水流量60m3/s
最大放流量 0.7m3/s
0
時 刻 4:00 5:00 6:00 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00
出水日 8/22
8/23
※グラフは1時間毎の速報値を示しており、分単位のデータは反映しておりません。
2016/8/23 9:00
2016/8/23 8:00
2016/8/23 7:00
2016/8/23 6:00
2016/8/23 5:00
時間雨量(mm)
累加雨量
137.3mm
100
1時間最大雨量
8/22 14時~15時 33.2mm
貯水位は8/22 0:00 EL530.54m
(貯水率77.7%)から23日9:00で
EL.535.83m(貯水率95.7%)に回復
3
放流量 m /s
貯水位(EL.m)
最大流入量
8/22 16:00 316 m3/s
最大流入量時にダムで調節(貯留)した流
量
洪水流量の100㎥/s以上の時間
でダムに溜め込んだ水の量 約
347万m3(東京ドーム約3杯分)
534
533
100
532
50
531
0
530
累加雨量(mm)
0
貯水位(EL.m)
累加雨量(mm)
2016/8/23 4:00
2016/8/23 3:00
2016/8/23 2:00
2016/8/23 1:00
2016/8/23 0:00
200
2016/8/22 23:00
2016/8/22 22:00
2016/8/22 21:00
2016/8/22 20:00
350
2016/8/22 19:00
40
2016/8/22 18:00
2016/8/22 17:00
2016/8/22 16:00
2016/8/22 15:00
2016/8/22 14:00
2016/8/22 13:00
2016/8/22 12:00
2016/8/22 11:00
2016/8/22 10:00
2016/8/22 9:00
2016/8/22 8:00
2016/8/22 7:00
250
2016/8/22 6:00
2016/8/22 5:00
2016/8/22 4:00
300
2016/8/22 3:00
1時間雨量(mm)
20
2016/8/22 2:00
150
2016/8/22 1:00
2016/8/22 0:00
流入量 放流量(m3/s)
滝沢ダム防災操作図(平成28年8月22日 台風9号)
資料2
0
200
流入量 m /s
3
537
536
535
資料3
位置図
荒川ダム総合管理所管内流域
滝沢ダム
滝沢ダム
花御堂地点
太平橋地点
ダム
ダム位置図
浦山ダム
浦山ダム
参考資料
資料4
■浦山ダム 下流河川の水位低減効果 花御堂地点(秩父市荒川久那)
左岸
右岸
ダム無し水位 H = 3.38m[推定]
0.55m (ダムによる水位低下の効果)
ダム有り水位 H = 2.83m[実績]
台風によるダムへの貯留(模式図)
今回出水の最高水位 367.71m
8/23 12:00 貯水率89%
ダムがなかった場合
の水位(推定)
6.45m上昇
出水前 361.26m
8/22 00:00 貯水率73%
橋立川キャンプ場
(洪水調節中の状況)
ダムがある場合
の水位(実績)
■ 滝沢ダム 下流河川の水位低減効果 太平橋地点(秩父市大滝)
参考資料
資料5
左岸
右岸
[推定]ダム無し水位 4.1m, 316m3/s
3.0m
[実績]ダム有り水位
1.1m, 7m3/s
台風によるダムへの貯留(模式図)
ダム無し(推定)
今回出水の最高水位 535.86m
8/23 12:00 貯水率96%
ダム有り(実積)
5.32m上昇
出水前 530.54m
8/22 00:00 貯水率78%
太平橋を上流から望む
太平橋を上流から望む