事業投資サイクルマネジメント 成長性・効率性・健全性のバランスを 保ちながら経営資源を活用 当社は財務健全性を維持しながら、強みを生かせる分野へ厳選して投資を実行するとともに、リスク管理にも注力し、企業価値向上を 図っています。 定量基準の厳格運用による投資リターン向上 投資方針 ● 投資は営業キャッシュ・フローの範囲内で厳選 を発揮できる新規案件に注力 ●「豊田通商らしさ」 投資改善に向けての取り組み 当社は長期的な戦略に基づき、市場成長性が高く、当社の強みが発揮できる分野への投資に注力しています。一方で、 これまでの投資案件の振り返りを行い、当初の計画通り進まなかった案件から、見えてきた課題を社内で共有し対策を検討、 学びを次世代につなげることで、今後の投資改善に生かしています。 ■ 見えてきた課題 ■ 対策 環境分析・ 事業評価 パートナー選択 専門性・経験値・ 経営力 顧客ニーズ・ 市場環境への対応 ・豊田通商の知見を最大限に生かし、当社だけ が描ける新しい未来、事業に注力 ・コーポレート担当者が長期的に案件をフォロー することで支援と牽制を強化 リスクマネジメント方針 リスクマネジメントについては、ERM 部を設置し、全社的なリスクアセットマネジメントだけでなく、投融資リスク、信用リスク、 カントリーリスクなどの各種リスクを定量的に評価し、連結ベースでのリスクマネジメント体制の構築・強化を図っています。 当社のリスクマネジメントの基本方針は、①リスク総量を体力の範囲内に収める②リスクに対する収益性の把握・確保です。 14/3 期 15/3 期 16/3 期 実績 実績 実績 21/3 期 リスクアセット (RA) 8,900 9,800 8,500 ̶ リスクバッファー (RB) 7,900 9,900 7,900 ̶ 1.13:1 0.99:1 (単位:億円) 2016 年 3月期実績ではリスクアセット(*1)は リスクバッファー(*2)の範囲を超えております が、既存資産の見直し、資金効率の改善、新 規投資の厳選により、リスク収益性を高め、 健全かつ安定した財務体質を目指します。 *1 リスクアセット:主にBSの資産額に最大予想損失率であるリスク RA:RB 16 TOYOTA TSUSHO CORPORATION 1.08:1 1.0 倍以内 ウェイトを乗じた、リスクが顕在化した際に被る最大想定損失額 *2 リスクバッファー:経営体力=自己資本 新規投資案件の検討プロセス ・各営業本部内で本部方針・戦略に合った投資案件を発掘・選定し、全社方針との整合確認ができた案件について、検討を進め ています。 ・コーポレート本部の担当者が検討初期段階から参加することで、複数の視点から案件を協議・検討し、実施を決定しています。 実施事項 Step 1 案件発掘・絞り込み Step 4 ● 各種リスク分析 など 投資候補案件を発掘、戦略性や 成長性を検証し、絞り込みを実施 ● 全社方針との整合性確認 など 全社優先順位を議論 ● Due Diligence 協業し、投資の精度を上げるため、 ● 各種リスク分析の深掘り さらなる深掘り検証を実施 ● 事業計画・収益性の妥当性 など ● 各種投融資の会議体・取締役会 ● 社内定量基準のクリア など での審議を経て、投資案件を決定 投資意思決定 Step ● 投資の意義・成長戦略 ● 担当営業部とコーポレート本部で 3 投資検討 Step ● 全社方針に基づき本部方針策定 ● 営業本部方針・戦略に合致する ● 経営と部門長による戦略性および 2 経営との方向性議論 Step 検討項目 5 ● 検討時の許可条件や契約要件を 満たした段階で、投資を実行 投資実行 既存投資案件のモニタリング ・投資実行後は計画通りに投資リターンを得て、リスク資産に見合った利益を確保しているかなどの社内定量基準の厳格運 用により、モニタリングを実施しています。社内定量基準を下回った場合、その事業の継続の可否を検証、判断し、撤退 ルールを厳格に運用しています。 モニタリング 現状把握 事業計画の精査 再建可否判断 再建計画実行 Exit INTEGRATED REPORT 2016 17
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