ヨシゴイなど 21 種確認

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佐鳴湖の野鳥たち
東岸
2016 年 9 月 1 日発行 (第 16 号) さなるこ地域住民ネットワーク
ヨシゴイなど 21 種確認
西岸 カワセミなど 24 種 浜松野鳥の会、グルッと一周観察会
毎月 1 回、30 年以上にわたり佐鳴湖の野鳥の生息状況を記録し続けてい
る浜松野鳥の会が、8 月 7 日に定期の野鳥観察会を開いた。会員ら 10 数人
による調査の結果、東岸で、最近では珍しい夏鳥、ヨシゴイ(サギの仲間、県
の絶滅危惧種、イラスト)やアオバトなど 21 種、西岸ではカワセミなど 24 種が
確認された。塩水を飲むアオバトは最近では観察例が少なく、飛ぶ美しい姿
に会員の間でも注目された。湖の水辺にはどんな野鳥がやってきたり、ある
いは年中ここで暮らしたりしているのか。夏休みの子どもたちでにぎわうな
か、湖をグルッと一周、同行取材した(イラストはマルチメディア野鳥観察ガイドブック(アスキー出版局)から)。
水辺の野鳥観察をするにあたって鳥たちと出会える
見かけるのが珍しくなったヨシゴイ 1 羽が観察された。
ポイントがいくつかある。第一は、入野の東岸船着場
サギの仲間で体の色はやや茶色。ヨシ原からふわりと
(東岸南駐車場)から北上、ヨシ(アシ)原や植生浄化い
飛び出し、別のヨシ原に移動していった(下の写真はそ
かだが湖岸に点在する場所。第二は小薮の遊歩道の
のときの観察会の様子=南岸船着場)。
先にある湿地帯のなかにある木道のあたり。さらに北
東岸をさら
の段子川がサギ島に向かって湖に流れ込むふれあい
に北上、親
橋もいい。また新川が流れ込むであい橋も格好の観察
水空間せせ
ポイント。言うまでもないが、西岸の太田築瀬、明善築
らぎ水路に
瀬は四季を問わず、趣きのある出会いが待っているポ
はよく、アオ
イントである。
サギを見か
● 東岸では 3 羽のアオバトも確認
ける。その
この日、観察会をはじめてすぐの船着場付近で最近
先を湖岸に
沿って北上すると小藪の遊歩道に出る。その先の湿地
帯のなかには木道があり、見晴らしがよく、アオバト 3
羽を観察。このあたりもバードウォッチングの好適ポイ
ントで、観察会ではしばし小休止。ここからは向こう岸、
西岸の岸辺にカワウとアオサギが築瀬で並んで止まっ
ているのが双眼鏡や望遠スコープで観察できた。
● 西岸の築瀬にはカイツブリの幼鳥
この小休止の間にサギ島方向に向けた三脚付望遠
スコープ越しに樹木のこずえにとまっているサギの仲間、
コサギ、同じくサギの仲間のダイサギを観察させてもら
った。コサギは後頭部から特徴的な美しい飾り羽をな
びかせている。足は黄色っぽい。いずれも体全体の色
は真っ白だった。
西岸 台風による崩落壁面の植生変化
段子川までが東岸調査対象。西岸の新川にかかる
写真上が今年 5 月 3 日の様子(西岸の野外ステージ
であい橋あたりは
前)。佐鳴湖公園北岸管理棟によると、2015 年 9 月の台
人気のカワセミの
風で崩落した壁面には、メドハギ、ヤハズソウ、イタドリ、
出会い観察ポイ
コマツナギの 4 種が緑化対策として壁面に吹き付けら
ント(写真上は、
れた。この時点ではほとんど芽吹いていない。
観察結果を記録
写真下が、3 か
用紙に記入する
月後の 8 月 7
日の様子。い
幹事の河合孝佳さん)。
記者も会員の見つけたカワセミ(メス)に出会う。水辺
ずれも、西岸
のほんの少し上の木陰の枝に止まっている。ある大ベ
野外ステージ
テラン会員の説明によると、メスは下くちばしがやや赤
前で撮影。
この時点で
っぽいのでそれとわかるという。いわば、口紅をつけて
いるのがメスというわけだ。
は雑草も、30 センチをこえるものもあるなど目立つ雑草
西岸の築瀬のあたりの湖中にカイツブリのまだ小さ
面になっている。植えた種子が外来植物由来の可能性
い幼鳥 2 羽を見つけた。幼鳥かどうかは、双眼鏡などで
がないのかど
見たときの、いわゆる〝ウリ坊〟色と形でわかることを
うか、景観を
知った。湖中に潜るのでも判別できる。臨江橋では夏
損なうことは
鳥、腰が赤いコシアカツバメの徳利型巣も確認できた。
ないか、今後
● 「まず生息状況を直接自分の五感で」
も植生変化に
浜松野鳥の会代表、浅井勝さん(写真下)は、野鳥観
注目していく
必要がある。
察のポイントとして「基本は、見つけたら、どんな状況で
生息しているのか、まわりの環
境をまず自分の目、耳、鼻など
記者ノート あかいささふね 論説ノート
の五感で感じること。その五感
さなるこ地域住民ネットワークの 8 月の学習講座は
を助けるのが双眼鏡。あくまでも
「東日本の空に「あかいささふね」インいわき市」だった。
それは五感を助ける補助手段」
現地の
と強調していた。図鑑などで鳥
イベント
の名前を調べたり覚えたりする
に、プロ
のはその後でいいとも話してく
ジェクト
れた。感覚を研ぎ澄ますことで鳥に興味を持ち、その魅
代表の
力を肌で感じるのが先だという。佐鳴湖は面積が小さ
中村昌
い割には野鳥の種類が多い。これにはヨシ原の存在も
司さん(掛川市)とともに参加した日置俊二さんがビデオ
大きい。加えて海鳥、水鳥、都市型と種や科の多様性
で報告をおこなった(写真上=佐鳴台協働センター)。
にも富んでいる。野鳥の会では 9 月 18 日日曜日午後 2
記者も学習会に参加したが、「あかい」で先の戦争や
時から「佐鳴湖の野鳥たち」と題して初心者向けの学習
原発事故の犠牲者の怒りを表現した。東日本の復興と
会を開く予定(佐鳴台協働センター)。
希望を支援する願いが込められていることも知った。
次号 どうなる「市民の森」、住民反響詳報
編集発行人 井上正男 (浜松市中区佐鳴台 3 丁目)
053-489-9189
[email protected]