大都市行財政制度に関する特別委員会 委員長報告(案) 大都市行財政制度に関する特別委員会の活動状況について,ご報告申し上 げます。 本委員会は,大都市税財政制度の確立と大都市制度及び広域連携のあり方 について,国に対する要望や参考人を招いての意見聴取を実施するなど,積 極的に活動してまいりました。 大都市税財政制度の確立に関しましては,当局が実施した国への要望活動 について,経過等に関する報告を求めるとともに,大都市財政の実態に即応 する財源の拡充を図るため,本委員会としても,指定都市の議会の関係委員 会と連携して,政府及び国会に対し要望活動を行いました。 大都市制度及び広域連携のあり方に関しましては,大都市制度の議論の状 況及び関西広域連合の取組について,当局に報告を求め議論を深めました。 また,今後の人口減少を見据えた大都市のあり方について,学識経験者を参 考人として招致し意見聴取を行うなど,調査を進めてきたところです。各委 員からは,特別自治市に関する動向や総合区制度,指定都市都道府県調整会 議等について,議論が及びました。更に,民泊事業や訪日外国人旅行者の受 入施策,移住・定住施策をテーマに,行政調査を実施しました。 続きまして,本委員会が行った要望活動について,その概要をご報告申し 上げます。 税制関係では,真の分権型社会を実現するための国・地方間の税源配分の 是正,大都市特有の財政需要に対応した税源の拡充強化,事務配分の特例に 対応した大都市特例税制の創設などを求めました。 財政関係では,国と地方の役割分担の見直しを行った上で地方が担うべき 分野の国庫補助負担金を廃止し所要額を全額税源移譲すること,国直轄事業 負担金については国が行うこととされた事業の地方負担を廃止すること,地 方交付税については地方の財政需要や地方税などの収入を的確に見込むこと で必要額を確保するとともに臨時財政対策債を速やかに廃止することなどを - 1 - 求めました。 また,本市独自の要望として,地方創生・人口減少社会への対応,都心の 再整備の推進に対する支援,大規模国際スポーツイベント開催等の推進,環 境貢献都市KOBEの実現への支援,子ども・子育て支援新制度の充実,介 護保険制度の円滑な運営及び在宅医療・介護連携の推進,地方分権のさらな る推進などを求めました。 その結果,地方財政計画では,引き続き地方創生等の重要課題に取り組み つつ安定的に財政運営を行うことができるよう,前年度を上回る一般財源が 確保されるとともに,地方税が増収となる中でも地方交付税総額は前年度と ほぼ同程度の額が確保され,臨時財政対策債についても発行額が大幅に抑制 されるなどの成果を得ることができました。本市の平成28年度予算において も前年度とほぼ同程度の額の一般財源総額が確保されております。 また,平成28年度政府予算において,自由度の高い新型交付金の本格実施, ポスト「京」の開発・整備の促進,「京」等の世界最高水準の計算基盤を活用 したイノベーション拠点の形成に向けた支援,神戸港の機能強化,水素エネ ルギー利活用システム技術の開発及び実証事業の継続,教育・保育給付及び 地域子ども・子育て支援事業のための財政措置,介護人材の育成・確保及び 介護サービスの質の向上にかかる財政措置,南海トラフ巨大地震や土砂災害 などの自然災害に対する強力な支援について,予算計上されるなどの成果を 得ることができました。 以上のように,委員各位の党派を超えた熱心な要望活動により一定の成果 が得られたところではありますが,大都市共通の行政需要に対しては引き続 き厳しい財政運営が続くものと予想されます。 少子超高齢・人口減少社会や東京一極集中など喫緊の課題がある中, 国や他の指定都市の動向も踏まえつつ,当委員会として大都市制度及び広域 連携に関する議論をより一層深めていく必要があると考えるところでありま す。 以上,委員会の活動状況についての報告といたします。 - 2 -
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