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2016/
原油価格週間動向
8/15
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
五里霧中の原油相場。非公式会合の行方がカギに
原油相場が上昇に転じている。9 月 26~28 日にアルジェリアで開催される国際エネルギーフォーラム
(IEF)に合わせ、OPEC 非公式会合を行うことが明らかにされたことで、世界的な供給過剰に歯止めがか
かるとの期待が高まっているためだ。ただし、4 月のドーハ会合が物別れに終わったことを考えると、今回
も合意が形成されるかどうかは不透明との見方が強い。OPEC の増産意欲は強く、いまだ過去最高を更
新し続けている。2016 年下半期は新興国を中心に需要が拡大する一方、世界的に供給が減少すること
から、供給過剰幅が縮小すると予想されているが、実現性は低いとみている。
6 月の石油輸出国機構(OPEC)の定時総会で増産凍結が見送られて以降、下落基
原油相場、3週間
ぶりの高値を回復
調が続いていた原油相場だが、ここへきて上昇に転じている。国際指標であるウエス
ト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物相場は先週、一時 1 バレル=44 ドル
台を回復し、およそ 3 週間ぶりの水準に値を戻した。
今月 8 日、OPEC の議長国であるカタールのサダ・エネルギー産業相が、9 月 26~28
日にアルジェリアで開催される国際エネルギーフォーラム(IEF)に合わせ、非公式会
合を行うことを明らかにしたことで、世界的な供給過剰に歯止めがかかるとの期待が
高まっていることが背景にある。会合では原油価格の上昇に向け、増産の凍結や
生産目標の設定等の対応策を協議するものとみられている。
ただし、4 月のドーハ会合が物別れに終わったことを考えると、今回も合意が形成され
るかどうかは不透明との見方が強い。しかも、非 OPEC 最大の産油国であるロシアの
ノバク・エネルギー相は「増産凍結に関する協議を再開する必要はない」との姿勢を
示しており、実際に会合に参加したとしても、協議が難航する可能性が高い。
原油価格動向
W T I原油先物価格とドルインデックス
2016/8/1
~
~
2016/8/8
期間
前週比
2016/8/12
始値
WTI
北海
ブレント
高値
2016/8/5
41.99
44.78
41.35
42.10
(週次:2013/1/4~2016/8/12)
(1バレル=ドル)
120
76
110
78
80
100
0.64
2.68
82
90
84
80
86
安値
41.10
39.19
1.91
終値
44.49
41.80
2.69
始値
44.34
43.11
1.23
高値
47.25
44.49
2.76
安値
43.46
41.51
1.95
30
終値
46.97
44.27
2.70
20
88
70
90
60
92
50
94
40
96
WTI原油先物(左目盛)
ドルインデックス(右逆目盛)
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
98
100
15/7
(注)価格は 1 バレル=ドル
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
16/1
102
16/7
(年/月)
2016/8/15
原油価格週間動向
OPEC 原油生産量
は過去最高を更新
一方、OPEC の増産意欲はいまだ旺盛だ。先週 10 日に発表された OPEC の月報に
よると、7 月の OPEC の生産高は日量 3,311 万バレルと過去最高を更新する結果と
なった。2014 年 11 月の OPEC 定時総会でサウジアラビアがスイングプロデューサー
(生産調整役)としての役割を放棄して以降、右肩上がりに増加している。サウジアラ
ビアのほか、イラン、イラクの増産意欲も強い。
なお、2016 年下半期は新興国を中心に需要が拡大する一方、世界的に供給が減少
することから、供給過剰幅が縮小すると予想されている。しかし、供給量に陰りがみら
れないうえ、需要見通しが強気過ぎることを考えると、実現性は低いと思われる。
ただし、ブルームバーグのデータをみる限り、各産油国ともに余剰生産能力(生産能
力-生産量)は上限に近づきつつあり、最も多いサウジアラビアですら残り日量 100
万バレル程度にまで減少している。財政赤字の拡大により、新規油田開発にかける
投資資金が減少しつつあるなかで、ここから先も過去最高の生産高を更新し続けるこ
とは難しい。次回 11 月に開催が予定されている OPEC 総会において、増産凍結に向
けた何らかの動きが出てくる可能性はあるだろう。
OPEC 原油生産量
OPEC 加盟国生産量増減幅
(百万バレル/日)
(2014/11 → 2016/7)
33.5
ナイジェ リア
33.0
アルジェ リア
32.5
アンゴラ
32.0
2016年
31.5
過去3年最多
クウェ ート
31.0
過去3年平均
UAE
過去3年最少
イラン
30.5
30.0
サウジアラビア
29.5
イラク
29.0
0
▲ 500
1
2
3
4
5
6
7
8
9
1,000
1,500
2,000
(千バレル/日)
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
OPEC 加盟国余剰生産能力
世界原油需給
(四半期:2013/3~2017/12)
(百万バレル/日)
500
10 11 12 (月)
(2014/11 → 2016/7)
(百万バレル/日)
98
3
インドネシア
エクアドル
96
アルジェ リア
2
94
イラク
1
クウェ ート
2014年11月
アンゴラ
2016年7月
カタール
92
UAE
ベネズエラ
0
イラン
リビア
90
過不足(右目盛)
需要(左目盛)
供給(左目盛)
88
13/3
14/3
15/3
16/3
17/3
▲1
ナイジェ リア
サウジアラビア
▲ 500
▲2
(年/月)
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
(千バレル/日)
出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2016/8/15
原油価格週間動向
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 19 日
8 月 19 日
8 月 19 日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
前回
8 月 12 日
8 月 12 日
8 月 12 日
8 月 12 日
8 月 12 日
8 月 12 日
8 月 12 日
8 月 12 日
8 月 19 日
8 月 19 日
8 月 19 日
1,055,000
1,163,000
▲2,807,000
▲1,959,000
▲1.10%
16,698
10,223.3
5,202.9
481
83
396
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
8 月 15 日
8 月 15 日
8 月 15 日
8 月 15 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 16 日
8 月 17 日
8 月 17 日
8 月 18 日
8 月 18 日
8 月 18 日
8 月 18 日
8 月 18 日
8 月 18 日
8 月 18 日
8 月 18 日
8 月 18 日
米国
米国
米国
米国
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
欧州
欧州
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
イベント
ニューヨーク連銀製造業景気指数
NAHB 住宅市場指数
ネット TIC フロー合計
ネット長期 TIC フロー
貿易収支(季調前)
ZEW 調査(期待)
住宅着工件数(前月比)
住宅建設許可(前月比)
消費者物価指数(前月比)
CPI 指数(季調前)
CPI コア指数 季調済
実質平均週賃金(前年比)
鉱工業生産(前月比)
設備稼働率
製造業(SIC)生産
MBA 住宅ローン申請指数
FOMC 議事録
ECB ユーロ圏経常収支(季調済)
経常収支(季調前)
建設業生産高(前月比)
消費者物価指数(前月比)
ECB 理事会議事要旨
新規失業保険申請件数
失業保険継続受給者数
フィラデルフィア連銀景況
先行指数
期間
前回
8月
8月
6月
6月
6月
8月
7月
7月
7月
7月
7月
7月
7月
7月
7月
8 月 12 日
7 月 27 日
6月
6月
6月
7月
0.55
59
▲11,000,000,000
41,100,000,000
24,600,000,000
▲14.7
4.8%
1.5%
0.2%
241.038
247.495
1.2%
0.6%
75.4%
0.4%
7.1%
8 月 13 日
8月6日
8月
7月
266,000
2,155,000
▲2.9
0.3%
30,800,000,000
15,400,000,000
▲0.5%
0.2%
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
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2016/8/15
金融商品取引法に係る重要事項
原油価格週間動向
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投
資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ
きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手
数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域
の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ
とがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ
ります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の
高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ
まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の
流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ
とがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基
づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額
は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで
お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込
み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対
して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お
よび諸費用はかかりません。
○国内委託取引
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担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を
委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理
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外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替
レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け
資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160815-17
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