平成 28 年度事業計画(案)について

平成 28 年度事業計画(案)について
この数年でインバウンドは飛躍的に増加しており、平成 25 年は 1,036 万人、平成 26 年
は 1,341 万人、平成 27 年は 1,974 万人と 2 年間でほぼ倍増しました。 旅館ホテル業もそ
の恩恵を受け、まだら模様ではありますが総じて堅調となっております。
しかしながら宿泊施設の不足を理由として違法な民泊までも認めようとする動きがあり、
憂慮すべき事態です。当協会としては全国旅館ホテル生活衛生同業者組合連合会と協同し、
あらゆる場で、安全・安心の確保、対等な立場での競争を訴えると同時に、旅館ホテルに
課せられている厳しい規制の緩和も求めてまいります。
28 年度は観光庁の予算も倍増以上となりました。当協会も観光立国の推進の一翼を担う
ための積極的な事業展開を計画します。
昨年 6 月安倍総理から直々にサービス業の生産性向上について指示を受けました。宿泊
業の従業員一人当たりの付加価値額は全 66 業種のうち下から 9 番目です(平成 25 年度中
小企業実態基本調査)。モデル旅館ホテル 8 軒で得た生産性向上のノウハウを会員旅館ホテ
ルへ展開するとともに、国の事業にも積極的に参画し、会員施設の生産性向上を図り、収
益力を高め人手不足にも対処して参ります。旅館ホテル業を成長産業にするために生産性
の向上は不可欠です。
協会基盤の確立、インバウンドの会員施設への誘客、IT戦略の推進、クレジットカー
ド手数料の低減化も引き続き推進して参ります。
また、全会員にクラウドによる「宿泊実績調査」を実施したいと思います。旅館ホテル
業の正確で素早い統計調査を官公庁やプレス等に提供することにより、業界及び当協会の
プレゼンスを高めることになり、スピーディーな対策が可能となります。
本年度も会員目線でスピード感をもって協会と旅館ホテル業界の発展のために事業を推
進して参ります。
1. 委員会
² 総務委員会
会員が有意義な事業活動ができるように本部、支部連合会、支部に係る制度規程、
様式等を見直すとともに、会員、支部連合会等からの提言、改革案に取り組みます。
①会員調書の内容検討及びデータベース化
②連合会予算項目統一化の推進
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③宿泊実績調査制度設立の推進
④政府系金融機関に対する要望の集約
⑤会員への約款、会社規程等モデルの提供
⑥旅館ホテルにおけるリスクマネージメント対策
⑦総会時提出の本部提出議題への対応
⑧旅館ホテルに対する規制の緩和
⑨会長、正副会長会、理事会提案への対応
² 観光立国委員会
「地方創生」に役立つ集客交流・観光産業の政策立案のためにポジションを確立
し、同時に地域を主導する産業として社会的役割を高度化する。
① インバウンドの会員旅館ホテルへの誘客
政府観光局とのより緊密な事業連携を図る
②政府登録旅館制度改正に向けての活動
観光庁との連携を図る
③観光地経営の視点から「観光まちづくりの人材」を育成していくための方策研究
各地域のDMO組織の実現
地域観光の新指数の確立研究
² クレジットカード委員会
旅館業界のクレジットカード決済手数料引き下げに向け、各カード会社との交渉
を進めるにあたり、以下の項目を重点的に進めていきます。
①インバウンド顧客ネット決済に関わる手数料率の引き下げ
対面式のカード決済に比べ、ネット上での決済は比較的歴史も浅い。したがっ
て新規参入業者が多く、様々なサービスが次から次と生まれています。我々業界
にとって有益な契約等を調査・提案し、協会としてまとまった契約を締結してい
きます。
②観光業全体へのクレジットカード決済の普及と手数料の引き下げ
現状では「旅館業」という括りで決済手数料を引き下げる事は非常に難しく、
今までとは違った手段での交渉が必要です。
「観光業」等、既存の業種ではない括りを提案し、新しい手数料率をカード会社
に認めてもらう事が必要です。観光庁等の公的な組織と連携しながら進めていき
ます。ここの部分では、新規参入のカードブランド等との交渉も同時に進めてい
きます。
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③クレジットカード決済機器の整備・提案
日進月歩で進む様々な分野のハイテク化は、カード決済の世界にも広がってい
ます。特に決済機器は現在我々業界に普及している物は次の 5年ももちません。
もっと簡単で安価、そしてセキュリティーの機能も充実した新しい機器が多く出
回っています。
さらに次世代の「非接触型カード決済」機器の普及がハード部分のコストを大幅
に削減し、手数料率の見直しに拍車がかかると考えています。カード会社等と連
携した対応を進めます。
² IT戦略委員会
①やど日本ホームページのリニューアルの推進
・多言語化ページの充実
・英語版スマートフォン対応ページの作成
・政府観光局ホームページとの連動
②Open Web の販路拡大、会員への啓蒙
・取り扱い金額拡大に向けての取り組み
③サイトエージェントに関する諸問題への対応
・業界及び会員の利益に繋がるよう、大手サイトとの定期的な意見交換
² 労務委員会
①労働生産性の向上に関する事業の実施
・モデル旅館ホテルに対するコンサルティングの実施
・旅館ホテル生産性向上ガイドブック等の発信
・オンライン講座e-ラーニングへの参加
②外国人労働者の雇用に関する諸問題解決に向けた運動の実施
・旅館ホテルにおける外国人就労者の在留資格の緩和要求
・外国人研修制度の旅館ホテル業への拡大要求
2. 調査事業
² 会員旅館の営業状況等統計調査
3. 旅館ホテル会計実務研究会
² 月次決算による収益改善を推進するための研究会設置
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4. 耐震問題
² 全国旅館政治連盟・耐震問題対策本部を通じての、耐震改修に関する政治活動、情
報提供、新技術の紹介等
5. 民泊問題
² 全国旅館ホテル生活衛生同業者組合連合会と協同(旅館業法=厚生労働省所管)
² 「安全・安心」「イコールフッティングの原則」の陳情
6. 関係省庁、関係団体との連携協調
² 観光庁、日本政府観光局(JNTO)、日本観光振興協会
² 全国旅館ホテル生活衛生同業者組合連合会、同青年部
² 日本旅行業協会、全国旅行業協会、おもてなし検定委員会、(財)JTB等
7. 広報
² 機関誌「日本の宿」(年 4 回)の発行
² ツーリズム EXPO ジャパンへの参画
² HOTERES JAPAN 、FOODEX JAPAN の共同開催
8. 保険事業
² 損害保険の代理店業務
旅館賠償責任保険、トコジラミ駆除費用保険、駐車場保険、食中毒休業補償保険等
9. 国、国会議員(協会顧問の議員、観光産業振興議員連盟)等への要望
² 耐震問題、税制、公営宿泊施設問題、地方創生、業法等
10. 各種表彰の実施と推薦
² 会員施設の永年勤続従業員、女将表彰
² 会員の叙勲、褒章、国土交通大臣表彰の候補者の推薦
11. その他
² 当協会目的達成に必要な事業
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