(2016年7月) (PDF/290KB)

グローバル・マクロ・
トピックス
2016/
8/15
投資情報部
シニアエコノミスト
宮川 憲央
個人消費の伸びが一服
~米国・小売売上高(2016年7月)
 7月の米国・小売売上高(飲食サービスを含む)は前月比±0.0%、GDPの推計に用いられる
ベースの小売売上高(全体から自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービスを除いたもの)
は同±0.0%となり、ともに市場予想を下回る結果となった。
 4-6月期の力強い伸びは一服したものの、個人消費が堅調に推移する見通しに変化はない
と考えている。雇用や賃金の増加が続いていくことに加えて、家計純資産の増加や、低水準
のガソリン価格も消費者の購買力やマインドの下支えとなろう。
雇用・所得等、個人
消費を取り巻く環境
は引き続き良好
7月の米国・小売売上高(飲食サービスを含む)は前月比±0.0%となり、市場予想
(ブルームバーグの集計は同+0.4%)を下回る結果となった。また、GDPの推計に用
いられるベースの小売売上高(全体から自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービ
スを除いたもの)も同±0.0%となり、こちらも市場予想(同+0.3%)を下回った。なお、7
月の水準は4~6月平均と比べて年率換算で+1.8%となっている。
内訳をみると、自動車・部品が同+1.1%となる一方、価格の下落を受けてガソリンが
同▲2.7%となった。そのほかでは、無店舗販売等では6月から増加したものの、飲食
料品、スポーツ用品・書籍・趣味用品、建材・園芸、衣料品・アクセサリ、飲食サービ
ス等を中心に減少している。幅広い分野で6月から減少となる一方で、インターネッ
ト通販を含む無店舗販売は好調であり、販売チャネルが伝統的な小売店からネット
販売等へシフトする傾向が続いている。
7月の小売売上高は市場予想を下回る弱めの結果となったものの、4-6月期に個
人消費が力強い伸びを示した後であるため、一定の減速は避けられないだろう。
もっとも、個人消費は引き続き堅調に推移するという見通しに変化はないと考えてい
る。雇用の増加が続き、賃金上昇率も緩やかに高まっているため、雇用・所得環境
は引き続き良好とみられる。加えて、株価や住宅価格の上昇にともなう家計純資産
の増加、一時よりは上昇してきているものの依然として低水準にあるガソリン価格等
も、消費者の購買力やマインドの下支えとなろう。
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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グローバル・マクロ・トピックス
また、今回の結果でも、無店舗販売が堅調な動きとなったように、ミレニアル世代と
呼ばれる若年層の台頭を受けて、個人消費がモノからサービス、または販売チャネ
ルが伝統的な小売店からネット販売等へシフトしていく傾向が続いていく可能性は
高いと考えられる。こうした変化にもあわせて注目していきたい。
米小売売上高の推移
(前月比:%)
16/06
小売売上高(飲食サービスを含む)
小売
自動車・部品
家具
電気製品
建材・園芸
飲食料品
ヘルスケア
ガソリン
衣料品・アクセサリ
スポーツ用品、書籍、趣味用品
総合小売
その他小売
無店舗販売
飲食サービス
16/07
0.8
0.9
0.5
1.5
▲ 0.4
4.2
0.2
0.9
2.2
0.0
1.7
0.2
▲ 0.2
1.3
0.3
0.5
※小売売上高(自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービス除く)
0.0
0.0
1.1
0.2
▲ 0.1
▲ 0.5
▲ 0.6
0.1
▲ 2.7
▲ 0.5
▲ 2.2
▲ 0.1
0.3
1.3
▲ 0.2
0.0
出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成
米小売売上高と個人消費(前年同月比)
( 月次:2010/1~2016/7)
(%)
7
小売売上高
個人消費
6
5
4
3
2
1
0
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(注) 個人消費は名目値、2016/6まで。小売売上高は自動車、ガソリン、建材・園芸、飲食サービスを除くベース
出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
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グローバル・マクロ・トピックス
米小売売上高と雇用者報酬(前年同月比)
( 月次:2000/1~2016/7)
(%)
10
5
0
▲5
雇用者報酬
▲ 10
小売売上高
▲ 15
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
米小売売上高と株価(前年同月比)
( 月次:2000/1~2016/7)
(%)
15
小売売上高(左目盛)
16
(年)
(注) 雇用者報酬は2016/6まで
出所:米商務省のデータよりみずほ証券作成
(%)
60
S&P500(右目盛)
10
40
5
20
0
0
▲5
▲ 20
▲ 10
▲ 40
▲ 15
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
▲ 60
(年)
出所:米商務省、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
米ガソリン小売価格の推移
(週次:2011/1/3~2016/8/8)
(1ガロン=ドル)
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
11
12
13
14
15
16
(年)
出所:米エネルギー情報局(EIA)のデータよりみずほ証券作成
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金融商品取引法に係る重要事項
グローバル・マクロ・トピックス
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