平成28年度高知県最低賃金の改正答申について

高 知 労 働 局 発 表
高知労働局賃金室
担 賃金室長 前田悦男
当 高知市南金田1番39号
電話 088-885-6024
平成 28年8月17日(水)
平成28年度高知県最低賃金の改正答申について
― 22円引上げ(引上げ率3.17% )―
高知地方最低賃金審議会(会長 中川 香代 高知大学教授)は、本年7月5日(月)
高知労働局長(園田 智幸)から「高知県最低賃金の改正決定について」の諮問を受け、
高知県最低賃金専門部会を設置して調査審議を重ねてきたが、本年8月17日(水)に
結論を取りまとめ、同日高知労働局長に対し「時間額715円」とする旨の答申を行った。
高知地方最低賃金審議会においては、去る7月28日に中央最低賃金審議会から示された
目安(高知県の場合21円引上げ)を参考にしつつ、最低賃金法に基づき高知県における労
働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を総合的に勘案して慎重に審議
され、答申をまとめられたものである。
今後は、この答申の内容についての異議申出(申出締切日:9月1日)に関する諸手
続を経て、高知県最低賃金が改正されることとなる。
【参考:高知県最低賃金額及び対前年上昇率、上昇額】
平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度
最低賃金額
645円
652円
664円
677円
693円
715円
対前年度上昇率
0.47%
1.09%
1.84%
1.96%
2.36%
3.17%
対前年度上昇額
3円
7円
12円
13円
16円
22円
㊢
平成28年8月17日
高知労働 局長
園田
智幸
殿
高知地方最低賃金審議会
会長 中川 香代
高知県最低賃金の改正決定について(答申)
当審議会は、平成28年7月5日付け高労発基0705第1号をもって貴職
から諮問のあった標記のことについて、慎重に調査審議を重ねた結果、別紙 1
のとおりの結論に達したので報告する。
また、別紙2のとおり平成20年8月6日付け中央最低賃金審議会の「平成
20年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)」の考え方に基づき最新の
データにより比較したところ、平成26年10月26日発効の高知県最低賃金
(時間額677円)は平成26年度の高知県の生活保護水準を下回っていなか
ったことを申し添える。
なお、今回の答申に当たっては、地域最低賃金額の大幅な引上げにより、経
営基盤の脆弱な中小零細事業者や中山間地域の零細事業者に多大な影響が及ぶ
ことが懸念されるため、①従来の経営力強化、生産性向上等の支援策に加え、
賃金の大幅な引上げに伴い経営が悪化する一定の事業者に対し、助成金等の直
接的かつ実効性のある支援策を検討すること、②公正取引の観点から、取引条
件や契約内容等の改善について強力に取組むこと、③引上げ後の倒産・廃業や
雇用縮小の状況について把握を行い、増加する場合は適切な支援措置を講じる
こと、④以上の取組み状況については、当審議会の場において報告すること、
を要望する。
別紙1
高 知 県 最 低 賃 金
1
適用する地域
高知県の区域
2
適用する使用者
前号の地域内で事業を営む使用者
3
適用する労働者
前号の使用者に使用される労働者
4
前号の労働者に係る最低賃金額
1時間715円
5
この最低賃金において賃金に算入しないもの
精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
6
効力発生の日
法定どおり
別紙2
高知県最低賃金と生活保護との比較について
1
最低賃金
(1) 件
名
(2) 最低賃金額
(3) 発 効 日
2
高知県最低賃金
時間額677円
平成26年10月26日
生活保護水準
(1) 比較対象者
12∼19歳・単身世帯者
(2) 対象年度
平成26年度
(3) 生活保護水準(平成26年度)
生活扶助基準(第1類費+第2類費+期末一時扶助費)の高知県内人口
加重平均に住宅扶助の実績値(高知県内生活保護受給世帯数加重平均)を
加えた金額(91,611円)
3
生活保護に係る施策との整合性について
平成26年10月26日発効の高知県最低賃金の1箇月換算額(註)と上
記2の(3)に掲げる金額とを比較すると高知県最低賃金が下回っているとは
認められなかった。
(註)1箇月換算額
677円(高知県最低賃金)×173.8時間(1箇月平均法定労働時間)
×0.833(可処分所得の総所得に対する比率※)=98,013円
※時間給 677 円で月 173.8 時間働いた場合の平成 26 年の税、社会保険料を
考慮した可処分所得の総所得に対する比率