山小屋便り 2016年8月号

(1)
002 黄色い王様、トウモロコシの収穫! あみ 004 みんなを笑顔にするトウモロコシ ひろこ 005 夏本番! 早朝作業が始まりました! まなみ 006 小豆の種まき りな 006 小豆の定植 ふみ
008 みんなで列になって! ――白大豆、黒大豆の土寄せ―― ゆみ 009 待ちに待ったジャガイモ掘り! きほ
011 宝さがし! ――ジャガイモ掘り―― あおい
012 毎日が発見! ――石の下畑で育つオクラたち―― あん
013 『ベストピーマン』を目指して なるみ
014 初めて育てるズッキーニ! よし
014 古畑のブルーベリー すてら
山小屋便り
8
Aug
2016
目次
2016 年 8 月 1 日 発行
※タイトルをクリックすると
そのページにジャンプします
015 梅の剪定 ゆきえ
016 山小屋の畑で生き生きと育つエゴマたち さとえ
017 良い作物が育つ環境に ――毎日の田んぼ、畑の草刈り―― ゆい
018 田んぼの除草機がけ あけみ
020 樹熟し桃 あんな
021 一つひとつの実の重さを感じて ゆり
023 お魚の日! 仲屋食品さんから届いたカジキマグロ すてら
024 美味しさの秘密 ――タマネギペースト作り―― なつみ
025 セブンブリッジ・百人一首大会 ゆう
026 簿記部6期生スタート! ゆず
027 なのはな簿記部6期生 初めての授業 ゆうな
029 みんなで戦ったソフトボール大会 のぞみ
031 勝央町民バレーボール大会 ――なのはなレッド―― なるみ
032 最初のステージ
――なのはなイエローとして戦った勝央町民バレーボール大会―― まき
035 みんなで作る『シーサイド・ランデブー』 まゆみ
036 みんなを感じて
――『シーサイド・ランデブー』の考案と発表会―― やよい
038 ようこそ! なのはなファミリーへ
――池田さんのおじいちゃんと過ごした3日間―― ゆりか
039 フラダンス練習 ――みんなで踊る『フラガール』―― るりこ
040 待ちに待っていた、夏祭りに向けて ――盆踊りの練習―― ちさ
発行 なのはなファミリー
岡山県勝田郡勝央町石生 495
☎︎ 0868-38-3571
URL http://
nanohanafamily.main.jp
041 地域の伝統を踊る ――勝間田天神涼み 道中流し―― あやか
―日本の文化、心を感じて―― よしえ
042 勝間田天神涼み あみ
い風が頬にあたり、その澄んだ空
気を感じると心と体が活き活きと
してくるのが分かりました。
(さぁ、畑に行くぞ!)
私は胸を躍らせながら、トウモ
ロコシが植わっている保育園前畑
へ向かいました。
「あぁ、楽しみ〜!」
畑に着くと、チームのみんなの
姿がありました。
(あぁ、眠れない…!)
「ついにやってきたね!」
みんなの笑顔が眩しくて、嬉し
い気持ちでいっぱいになりまし
た。
トウモロコシ畑は
大賑わい
途中からはカメラマンのゆうか
ちゃんとかにちゃんも来てくれ
て、トウモロコシ畑は大賑わい。
活気のあるなか、待ちに待った
トウモロコシの収穫が始まりまし
た。
前日にチームのみんなと収穫の
段取りを確認し、当日はその段取
りに沿って、収穫作業が進んでい
きました。
◇
最初にカラスなどの鳥から守る
ために新聞紙で作ったトウモロコ
シキャップを取っていく人、その
後に続いてトウモロコシを収穫す
用意して収穫をしている人の補助
限られた時間のなかで、一人ひ
(次ページへ続く)
をする人。
る人、獣ネットの外でコンテナを
この日は早朝作業の時間に、畑
のチームのみんなとトウモロコシ
をする人、畑の中で皮むきの準備
この日も外に一歩出ると、涼し
私は四季を問わず、早朝の時間
が大好きです。
の初収穫をしました。
七月十日――。
さぁ、畑に行くぞ!
ついにこの日がやってきました。
摘果、人工授粉などの手入れをし、
コ シ の 収 穫 の 日! 日 々、 畑 の
チ ー ム の み ん な と 追 肥、 土 寄 せ、
そう、明日は今季初のトウモロ
夜が深くなるにつれて、興奮と
緊張が全身を包む。
頭の中には光り輝く黄色い王様
が何度も浮かぶ。
布団の中で寝返りを打ちなが
ら、気持ちがソワソワ。
トウモロコシの収穫!
黄色い王様、
(2)
収穫作業はスムーズに流れていき
と り が そ れ ぞ れ の 役 割 を こ な し、
ちでいっぱいになりました。
嬉しい気持ちと信じられない気持
シも形や実の揃いが良くて、私は
第 一 弾 で 約 二 百 株 育 て た う ち、
合計で百九十五本収穫することが
シが植わっています。
には合計で第十弾までトウモロコ
してくれて、今現在、保育園前畑
(前ページからの続き)
ました。
トウモロコシの形、大きさ、太
さ、粒の揃い方。どのトウモロコ
できました。
くて、それはまさに黄色い王様で
シを見てもお父さんのように大き
◇
私は野菜の収穫の中で、トウモ
ロコシの収穫が大好きです。
美味しいトウモロコシを
畑のチームのみんなと手入れを
重ねてきて、こんなにも立派なト
した。
言ってもトウモロコシの皮をむく
ウモロコシが収穫できたこと。
トウモロコシの実を茎からもぎ
取 る と き の 感 触、 そ し て な ん と
瞬間がすごく興奮します。
そ し て、 な の は な の お 父 さ ん、
お母さん、みんなの元へトウモロ
これからさらにトウモロコシの
品 質、 味 を 高 め て い け る よ う に、
と美味しいトウモロコシを届けた
チームのみんなと日々の手入れを
まだまだなのはなの夏、トウモ
ロコシの夏は終わりません!
この日も収穫が終わったあと
に、チームのみんなとトウモロコ
コシを届けられること。
い気持ちでいっぱいになりまし
シの皮をむいていきました。
ていて、思わず顔がほころびまし
しっかりと行い、なのはなのお父
た。
ずっと夢に見ていたトウモロコ
シ の 収 穫 が で き て、 本 当 に 嬉 し
た。
さん、お母さん、みんなのもとへ
皮をむく前からトウモロコシの
大きさにびっくり!
かったです。
力をいれてむかないと上手にむ
けないほど皮が厚くて、しっかり
いです。
トウモロコシの長さが二十五セ
ン チ か ら 三 十 セ ン チ く ら い あ り、
まりのちゃんとまりこちゃんが
トウモロコシの種まきから定植を
とした立派なトウモロコシに嬉し
みんなの手元にあるトウモロコ
り輝いていました。
い粒がぎっしりと詰まっていて光
皮をむいたトウモロコシは虫食
いや歯抜けがなく、先端まで黄色
その場にいたみんなから歓喜の
声が上がりました。
「綺麗だね!」
「見て、見て!すごいよ!」
「わぁ!」
皮をむいてみると、ぷくっとし
た黄色い粒が見えました。
黄色い王様
手で実を握ってみるとしっかりし
(3)
みんなを笑顔にするトウモロコシ
てさせてもらえる喜びを感じてい
て、楽しくて、トウモロコシを育
作業も気持ちが入り、愛着がわい
ぐに茹でられました。
わらせることができ、朝食後にす
で、収穫、皮むき、洗いまでを終
私は、収穫と皮むきをさせてい
た だ き ま し た。 収 穫 は 喜 び で す。
と言いながら歩いていたと聞い
て、とても嬉しい気持ちになりま
前日、お父さんがふと、
「トウモロコシが食べたいな」
した。 お父さん、お母さん、みんなと
一緒にトウモロコシをいただきま
ひろこ
ます。
そして、発表会のティータイム。
おやつの時間にトウモロコシが登
定植から八十八日。土寄せ、
追肥、
した。
場しました
人工授粉、
摘果……。愛情込めて、
収穫前がドキドキ、ワクワクし
て、遠足前の小学生の気持ちのよ
第二弾は、七月十九日に収穫し
ました。
七月十日の朝、歓声があがりま
した。畑で、農産倉庫前で、食堂
手入れをしてきたトウモロコシの
台所でさとわちゃんが、事前に
お湯を用意して、すぐに茹でられ
味しい。こんなに美味しいトウモ
シを洗い、茹で、塩を振りました。
で……至るところで。その目の先
門出。ポキッと折るとみずみずし
る準備をしてくれました。とても
こ の 日 は、『 シ ー サ イ ド・ ラ ン
デブー』の発表会がある日でした。
ロコシを食べたことがないと思う
」
には、黄色く輝くトウモロコシ。
くふっくらと成長したトウモロコ
あ り が た か っ た で す。 ト ウ モ ロ
早朝作業はなく、朝食前の時間に
くらい美味しくて、驚きました。
「わぁ
なのはなの夏。お父さんの大好
きなものと言えば……トウモロコ
シを見て、嬉しさがわき上がりま
コシも喜んでいるように思えまし
チームのみんなで収穫に行きまし
て、大きくて美味しいトウモロコ
シでした。
なにも実が揃って大きくて綺麗な
キラキラと輝いていました。こん
食堂に入った誰もが喜びの笑顔
ん な に 届 け る こ と が で き ま し た。
収穫して朝食に間に合うように
段取りを組んでくれて、朝食にみ
た。一時間という限られた時間内
これから毎週一回のペースで収
穫を予定していて、第十弾まであ
でくれて、とても嬉しかったです。
トウモロコシが大好きなお父さ
んが喜んでくれて、みんなも喜ん
第一弾よりも大きく見えまし
た。本当に大きく綺麗で甘くて美
です。
トウモロコシは見たことがないと
で、歓声があがりました。みんな
ります。
シの初収穫をしました。ちなみに
「なんでこんなに
お 父 さ ん が、
美味いんだ」と言うくらい、甘く
シ
いよいよ今年もトウモロコ
シの季節がやってきました。
した。
た。
前日の夜にチームで集まり役割
分担を確認しました。確認をして
思 う ほ ど 綺 麗 な ト ウ モ ロ コ シ で、
が驚いて、喜んでくれて、みんな
く水がしたたってきました。大き
こ の 日 の 朝 は、 早 朝 作 業 が あ
り、チームのみんなでトウモロコ
皮を剥く瞬間が楽しみで、ドキ
ド キ し ま し た。 緑 の 皮 を 剥 く と、
おいたおかげで、作業がスムーズ
とても嬉しかったです。歓声が上
違いはあるのか、楽しみです。
に 進 み ま し た。 あ み ち ゃ ん リ ー
第 一 弾 の ト ウ モ ロ コ シ は、
百九十五本、収穫ができました。
毎週この喜び、ワクワクを味わ
えるのが嬉しく、楽しみです。
の笑顔が嬉しかったです。
トウモロコシを育てるのは楽し
いなと、改めて感じます。定植か
がりました。
ら、 追 肥、 土 寄 せ、 摘 果、 収 穫、
みんなを笑顔にするトウモロコ
シ。なのはなの夏は始まったばか
「すごーい」
そしてみんなといただく。トウモ
りです。
ダーのEチームで、あみちゃんが
効率よく作業が進むよう計画を立
みんなで喜び合い、この時間が
至福の時間だなと思いました。
ロコシのためにと思ったら、どの
ナで受け取り、皮を剥き、摘果を
プを外し、収穫をし、収穫コンテ
コンテナを積んで軽トラックで
畑へ向かい、トウモロコシキャッ
「大きい!」
ててくれて、
ありがたかったです。 「綺麗だね」
そして、収穫後にすぐに茹でて
てくれました。
第三弾は収穫一週間前に追肥を
する事ができたので、成長や味の
うになります。
品 種 は、
『 お ひ さ ま コ ー ン 8 8』
!!
黄色い粒がずらりと綺麗に並んで
!!
で、収穫まで八十八日という品種
!!
し、古吉野に帰って、トウモロコ
(4)
夏本番!
早朝作業が
ていたりと、自然界の朝にも元気
をもらえます。
『早起きは三文の得』と言いま
すが、早起きして身体を動かすの
は、身体にも心にも健康的で素晴
らしいと実感しました。
夜十時には寝て、朝六時前には
身 体 を 起 こ す。 そ の サ イ ク ル が、
身体に染みついてきました。
早朝作業が始まり、シエスタと
呼ばれるお昼寝の時間も加わった
ので、その日の疲れを身体に残す
ありません。また、小鳥のさえず
れます。
ことなく、毎朝気持ち良く起きら
りが聞こえてきたり、霧が覆われ
めての経験です。程良い睡魔に包
大家族で、体育館を真っ暗にし
て、茣蓙の上で横になることも初
まなみ
始まりました!
夏と言えば……なのはなの早朝
作業!
朝は五時半起床し、六時にはみ
んなで作業に取りかかります。初
り、鶏糞を播いたり、トマトやア
まれ、安眠できます。
朝六時。寝起きの眼をこすりな
がらリビングに集合すると、静ま
スパラ、ピーマンにオクラ、ズッ
めての早朝作業に、不安半分、ワ
りかえった部屋の中でみんなと作
キーニにキュウリ、ゴーヤの収穫
クワクした気持ちが半分でした。
業発表を聞く空気が新鮮で、シャ
など、早朝の作業は盛りだくさん
朝六時の畑に行き、溝切りをし
たりトウモロコシの摘果をした
キッと目が覚めます。
早 朝 の 畑 に 行 く と、 収 穫 す る
ピーマンのヘタ部分のくぼみに
です。
です。
を感じたり、見るもの全てが新鮮
を吸っていたり、朝日が差す瞬間
コントラストは、見るだけで元気
穫後すぐに食卓に並ぶカラフルな
した栄養満点の夏野菜を育て、収
なのはなに来たばかりのころ
は、噂に聞いていた真夏の早朝作
業 が、 ど れ 程 ハ ー ド な の だ ろ う
これからが夏本番です。これか
らもっと暑くなりますが、早朝作
になります。 は、朝露が溜まっています。
です。
た。
業のできる夏が大好きになりまし
心も身体もハッピーになる早朝
作業が楽しくて、シャキシャキと
朝ならではの自然界からの贈り
物に、様々な発見があって面白い
……と不安だったのですが、実際
また、ミツバチがナスの花の蜜
とれてしまいます。
に早朝の畑を体感すると、本当に
早朝作業で収穫したとれたての野菜たち
そのピーマンに溜まった滴が神
秘的で、みずみずしく、綺麗で見
気持ちの良い朝のスタートです。
昼間とは違って涼しく、身体の
エネルギーが奪われていく感じが
(5)
りな
ツヤツヤ、ふっくらした、綺麗
な小豆たちを見て、こんなに立派
ビワの木畑に小豆の種まきをし
ました。
小豆の種まき
な小豆だったら美味しい小豆が育
(6)
小豆の定植
「小豆の定植をお願いします」
ふみ
らせてもらいました。私は、定植
の作業発表を聞いて、
(もう定植できるんだ)
と、小豆の成長の早さに驚きま
した。
崖崩れハウス下畑に着くと、み
かちゃんとまりのちゃんが、三十
セ ン チ 間 隔 で 穴 を 掘 る よ う に と、
三十センチのばか棒を渡してくだ
さいました。みんながばか棒を手
ちそうだなと思って、嬉しくなり
で、( こ れ で い こ う!) と 思 い、
か棒のサイズとぴったりでしたの
私は、一週間ほど前に、ビワの
木畑に、小豆の種まきの作業に入
にとり、自分の手を使って、どの
ました。
かかった後のまっすぐな線に、穴
作業発表がありました。
くらいかを計っていました。
なのはなで育てる野菜は、いつ
も本当に立派で綺麗で、みんなで
を掘っていきました。
私は、手の親指と、人差し指で
L字をつくった長さ二個分が、ば
こうして育てられることが幸せだ
列だと大変だね、ペアで一列を終
「 一 列 の 長 さ が 長 い か ら、 一 人 一
移植ごてを持って、トラクターが
なと改めて思いました。
一人一列を担当していたのです
が、
畝の上につけた筋に、小豆を均
等に並べていき、小豆が並んでい
これだけたくさんの家族がいた
ら 小 豆 達 は 寂 し く な い だ ろ う な、
しました。
つもみんなのことを守ってくれる
みかちゃんは、いつも畑に出て
いて、自分が先立って経験し、い
みかちゃんが声をかけてくれま
した。
わらせていこうか」
る姿がとても可愛かったです。
と思いほっこりした気持ちになり
から、大変な人の気持ちがすぐに
小豆の子供がたくさん並んでい
て、ずっと寄り添っている感じが
ました。
理解できるのかなと感じました。
(次ページへ続く)
今年も小豆が立派に成長したら
いいなと思います。
定植をしていると、ヒグラシが
ないていたり、夕方になるにつれ
の重要さ、責任を感じました。
ました。
る気が出て、作業がしやすく感じ
と声を掛けてくれたことも、力
になりました。みかちゃんが作っ
と、愛おしく、そして、定植作業
て吹く、涼しい風に、夏を感じま
(前ページからの続き)
みかちゃんのことを尊敬してい
した。夏を乗り越え、収穫を迎え
崖崩れハウス下畑に小豆を定植
した次の日は、池上桃畑に小豆を
てくださるあたたかい空気に、や
て、だいすきです。
る小豆。私も、小豆のように、夏
定植しました。
穴を掘ったあとは、苗を定植し
ていきました。
の暑さにも負けない気持ち、身体
集中して
苗の根っこの部分には、豆がつ
いていて、土のなかで種の小豆か
をしました。
自分に言い聞かせながら定植作業
付けないように、(集中、
集中)と、
~八センチくらの小さい苗を、傷
長も早そうだなと思いました。七
れる姿が可愛らしかったです。
が美しく、時折吹く風で、苗か揺
す。畑に整然と小豆の苗が並ぶ姿
らせることができて嬉しかったで
ペースが速くて、一枚の畑を終わ
中で来てくれたり、みんなの作業
で す が、 他 の 作 業 の み ん な も 途
を 終 わ ら せ る と い う 目 標 で し た。
り難く思いました。
作業に入りやすいように、準備
をしてくださっていることが、有
印を付けてくれてありました。
桃の木の周りに、米ぬかを使って、
私は、イメージがなかなかつか
な か っ た の で す が、 畑 に い く と、
に植わるのだろう)
作りをしていこうと思いました。
池上桃畑は、名前の通り、桃の
崖 崩 れ ハ ウ ス 下 畑 は 広 い 畑 で、 木があります
当初の目標は、畑の半分まで定植 ( 桃 の 木 が あ る の に、 小 豆 は ど こ
ら芽が出た成長過程を思い浮かん
種まきをしてから、苗となるま
での成長が早かったので、苗の成
で、その苗が定植されてからもど
かにいさせてもらえることが幸せ
だと感じています。
池上桃畑の土は、ふわふわで定
植しやすかったです。ふわふわし
て い た 理 由 は、 前 の 日 に や す よ
ちゃんが、トラクターをかけてく
れていたのだと知りました。知ら
ないところで、動いてくださる人
がいて、感謝の気持ちでいっぱい
でした。
桃の木の周りに
せてもらえることが、本当に幸せ
み ん な が み ん な の こ と を 思 い、
動いている場所、人のなかにいさ
ます」
ために動く姿で、みんなに還元し
で、私も、感謝の気持ちを、人の
みかちゃんの声が聞こえまし
た。声のする方を見てみると、他
ていこうと思いました。
みんなの力で、あっという間に、
定植から水やりまでの作業が終わ
りました。畑全体をみると、定植
いるように感じました。
定植されることを歓迎してくれて
畑に入ると、ふわっと桃の優し
い香りがしました。桃も、小豆が
ない作業の助っ人にくるというあ
他の作業を終えたみんなが当た
り前のことのように、終わってい
がヒーローに見えました。
ることが本当に嬉しくて、みんな
ゆうかちゃんの声が聞こえまし
た。他の作業のみんなが来て下さ
で、安心して、大きく成長してく
なんの繋がりもない二種類の作
物だけれど、一緒にいられること
の木の周りに小豆たちが集まって
でいて、畑がにぎやかでした。桃
された小豆の苗が、桃の木を囲ん
米ぬかの印の上に、移植ごてで
穴を掘り、苗を定植していきまし
たたかい空気に、私は、何度も気
れたら嬉しいなと思います。 その光景があたたかかったです。
きて、
お話をしているように感じ、
た。
持ちを救われていて、みんなのな
暫くすると、
「五人ほど入れまーす」
り、嬉しかったです。
の作業をしていたみんなの姿があ
「 十 人 く ら い、 定 植 作 業 に 加 わ れ
池上桃畑に植わった小豆たち
定植をしていると、みかちゃん
が、
ふわふわの土に
みかちゃんが作業の途中で、
「すごくいいペースだよ」
んどん成長していくんだと思う
(7)
みんなで列になって!
――白大豆、黒大豆の土寄せ――
り 土 寄 せ を し て い き ま し た。 私
ゆみ
くれました。スピードも大切です
寧に愛情を込めてやると、教えて
ように、スピードも大事ですが丁
込みながら、畝の間に隙間が無い
以前、お父さんが土寄せについ
て教えてくれました。雑草を埋め
を感じて、嬉しかったです。
凄く嬉しいなと思いました。
達成感を感じます。それが、もの
わ っ て、 綺 麗 に な っ て い ま し た。
き て い て、 最 初 と 畑 の 景 色 が 変
終えた畑を見ると、綺麗に畝がで
きです。楽しいです。土寄せをし
体力がいる作業です。大変ですが
お父さんが、
「 畑 に 出 て、 汗 を 流 す こ と は、 生
その分、やり甲斐があり、私は好
が、大豆の気持ちを考えて愛情を
込めて育てないとだめだなと思い
ました。
きていくなかで大切なこと、自然
なってしまいました。
大豆たちは、
と白大豆の土寄せの時期が遅く
目標に向かっていて、一畝ずつ完
です。みんなが近くにいて、同じ
て、土寄せをしていく過程が好き
り、有りがたいなと思いました。
フさんなどが耕運機をかけて下さ
ん、永禮さん、須原さん、スタッ
をやりやすくするために、お父さ
私は、みんなの中で一緒に畑に
出て作業をして、自然からパワー
と、教えてくれました。
みんなでやると広い畑も、あっ
という間に終わりました。土寄せ
大きく育ってきていて、土を欲し
成させていく。そのことが、暖か
ちが良いなと思います。畑作業か
は、みんなで列になって、協力し
がっているようでした。
くて嬉しいです。
みんなで土寄せをすると、耕運
機が追いつかないほどの、スピー
ら、 学 ぶ こ と も た く さ ん あ っ て、
から色々なことを学べる」
一 年 は、 三 百 六 十 五 日 あ っ て
も、野菜の手入れを適切にできる
ドでした。多い時は、三十人くら
勉強になるなと感じます。これか
今年は、雨の日が多く畑に出ら
れる日が限られてしまい、黒大豆
土 寄 せ は、 結 構 な 力 が 必 要 で、
のは、ワンチャンスぐらいしかな
いで土寄せをしました。みんなの
らもっと、畑から色々なことを吸
汗を流して、畑作業をする。誰
かのために惜しみなく動くこと
いました。
収して、成長していきたいなと思
をもらったりと安心するし、気持
いと、お父さんが教えて下さいま
力は、凄いなと改めて感じました。
も多く作業が進められるようにし
ていきたいなと思いました。
夕方や早朝の動きやすい時間帯
に、みんなで畑に出て土寄せをし
いざ畑に出発。
寄せが慣れている人は、慣れてい
標に向かって、作業を進める。土
大人数での作業が、楽しくて嬉
しかったです。みんなで一つの目
育ってくれたら嬉しいなと思いま
そして立派な黒大豆と白大豆に
土寄せをして、根が力強くはっ
て く れ た ら 良 い な と 思 い ま し た。
を、大切にしたいなと思いました。
お父さんを始め、みんなが大好
きな豆。
ない人のヘルプをしたりと、みん
ま し た。 鍬 を、 一 人 一 本 持 っ て、
( 絶 対 に 成 功 さ せ た い な、 頑 張 る
す。これからみんなで手入れして、
ぞ!)
ます。
なで助け合いながら進めていきま
気持ちが一つに
す。畑作業ができる日は、少しで
山畑の土寄せ完了!
成長を見守っていきたいなと思い
て、気持ちが一つになっているの
した。周りにはみんなの姿があっ
と思いました。
みんなで一畝に入って、列にな
(8)
待ちに待った
するのが適期だと教えて下さいま
きほ
のはなに来て下さってジャガイモ
した。
できました。
スコップ隊で両側から掘ってい
きました。
掘り進めていくとメークインが
いろいろなところから白く顔を出
しました。
大きく立派に育った実が、眩し
く照らす太陽の下で今まで過ごし
てきた土の中から解放されて気持
ちよさそうに見えました。
みんなが掘り進めていった畝の
上に白くて大きくて立派なジャガ
イモたちがまとまって佇んでいる
風景が一面に広がっていて、すご
くうれしい気持ちになりました。
ました。
ナを持ってジャガイモ掘りに行き
ジャガイモ畑にスコップやコンテ
いいとこ下畑、夕の子畑の四枚の
な で 下 町 川 下 の 畑、 吉 畑 奥 の 畑、
た。その中でも何者にでも慣れて
の四人の寸劇が面白くて見事でし
ジャガイモの立場で演じる演劇派
〝傷イモを出してしまわないよ
うに〟そんな意味が込められた
が繰り広げられました。
あゆみちゃんのジャガイモの寸劇
めまでの作業があっという間に終
みんなで掘ると発掘から葉っぱ集
現 場 に い ら れ て う れ し か っ た し、
あちこちで収穫の喜びの歓声が
響き渡っていて、そのあたたかい
少し濃いめの茶色の絨毯に、白
いジャガイモのコントラストが綺
下町川下の畑はお父さんが、
「ジャガイモの栽培に適したサラ
しまうゆうかちゃんの迫真の演技
トラックの荷台に詰んだコンテ
ナに、たくさんのジャガイモたち
な、と感じました。
した。改めてみんなの力はすごい
われたことがすごいな、と思いま
麗だな、と思いました。
サラした砂質の土質で、四枚の畑
だろう」
と予測してくれました。大人数
で、何人かドライバーさんが運転
し て く れ て、 畑 に 向 か い ま し た。
傷イモを出してしまわないよう
に、株元からスコップ一個分を開
いました。
イモが大豊作でうれしいな、と思
が入っているのを見て、春ジャガ
けたところから慎重に様子を見な
そしてみんながぞろぞろと畑の中
に集まってきました。
がら掘っていこう、と思うことが
(次ページへ続く)
み ん な が 畑 に 集 う と、 ゆ う か
ちゃんとあみちゃん、みかちゃん、
土の中から
がすごいな、と思いました。
「ジャガイモ掘りが始りまーす!」
の中で一番立派な実がなっている
ダイナミックな大人数作業でみん
梅雨で雨が止んで畑に入れる日
を ス タ ッ フ さ ん が 組 ん で く れ て、
畑の葉っぱの茂りがちょうど収穫
ジャガイモ掘り!
六月も後半に向かっているある
日のこと、盛男おじいちゃんがな
(9)
(前ページからの続き)
て、いつも身近に感じていて、そ
に、精一杯尽くして掘りました。
に少しでも沿うことができるよう
れていました。
着くと既にみんなが掘り進めてく
夕の子畑は面積が広くて、リー
ダーのあみちゃんがスピード重視
こをみんなで収穫できることがう
で進める方針で考えてくれまし
れしいな、と思いました。
作業の短い時間の中でもっと深い
た。
ジャガイモは他の野菜と比べて
種芋の植え付けから収穫まで時間
ジャガイモを
ところで考えて作業をしているみ
ここの畑は面積が狭くて、すぐ
に終わってしまったけれど、その
いる国もあって、短期間の間で立
んなの中で、自分の考えの浅さな
下町川下の畑を全収穫したあと
に、 吉 畑 奥 の 畑 に 向 か い ま し た。
い感謝です。
だけることも贅沢でありがたく思
さって、採れたて新鮮なままいた
どをちゃんと考えて掘っているの
スコップを入れるベストな位置な
を引き上げたりするタイミングや
ないようにと、丁寧に慎重に、株
てもらうと、ジャガイモを傷つけ
なつみちゃんとペアで掘りまし
た。なつみちゃんと一緒にやらせ
後に何人かのメンバーがジャガイ
いいとこ下畑には、下町川と吉
畑奥の畑を全収穫したその日の午
す。
くて勉強になってうれしかったで
を与えてもらったことがありがた
し、次の課題にしていく良い機会
どを改めて思い知ることができた
かい合って、
と思うし、これから台所さんがみ
がかからない作物で、主食として
派に育ってくれることがすごいな
想う気持ち
みんなが入っている畝に混じら
せてもらって、ゆきなちゃんと向
吉畑奥の畑はチームの野菜の様子
を感じて、私もなつみちゃんのそ
モ掘りで行ってくれていて、あり
んなの分を美味しく調理して下
を見に行ったり、収穫に行かせて
のジャガイモを想う真剣な気持ち
がたいなと思いました。
透明に、誠実に誰にも沿わせるこ
体育館に干したジャガイモ
(次ページへ続く)
とのできるゆきなちゃんに助けら
れて、感謝です。
かせてもらって、坂を上って畑に
れてあゆちゃんの運転する車で行
最後の夕の子畑は明くる日に行
かせてもらいました。私が少し遅
という実感が湧いてきてうれし
い気持ちになりました。
(本当に新ジャガなんだ~!)
りが漂ってきて、
ジャガイモのデンプン質の良い香
手でジャガイモに付いた泥を軽
く 落 と し た だ け で 外 皮 が 向 け て、
と思いました。
て干すことができて、よかったな
げていくいく光景が面白くて、全
たジャガイモたちをコロコロと広
シートを敷いて、コンテナに入っ
雨が降って古吉野に戻ってき
て、 体 育 館 の 後 ろ の 方 に ブ ル ー
目の前の人に合わせて自分を無色
の声かけで息を合わせて掘って
いくのが楽しかったです。いつも
「行きますか! せーのっ!」
もらうときには必ず通る道にあっ
(10)
か、粘質の土であまり実がなって
それと、お父さんが心配されて
いた梅雨でダメになっていない
(前ページからの続き)
(次は何が植わるのだろう?)
い尽くしていて、
シンプルな茶色が広大に一面を覆
と、収穫開始までは大きな葉っぱ
次の新しい野菜が植わるときま
でにトラクターで綺麗に耕してく
と思いドキドキワクワクした気
持ちでいっぱいになりました。
が 茂 っ て 賑 わ っ て い た 緑 の 畑 が、
いないのではないか、ということ
も掘ってみると、株の下には沢山
の実が成っていてうれしかったで
成長する糧となってくれたのか
れるのだと思うと、自分の知らな
す。みんなの願いがジャガイモの
な、と感じてうれしかったです。
くれている人がいること、本当に
いところでみんなのために動いて
途中からメークインから男爵系
の『北あかり』に変わっていまし
ズに掘っていくことができてうれ
て、間隔をあまり開けずにスムー
男爵系ということもあって、株
の真下にまとまって実が成ってい
と思いました。
紫 色 の 品 種 で、 す ご く 可 愛 い な、
と分かち合えたことがうれしかっ
感じられない贅沢な喜びをみんな
てうれしかったです。収穫でしか
てくれて無事収穫することができ
は収穫できるか危機的な状態から
今回は本当に大人数でのジャガ
イモ掘りに行かせてもらい、一度
ありがたく思い、感謝です。
しかったです。見慣れていない丸
たです
た。 な ん と び っ く り! 『 北 あ か
り』はジャガイモの芽の部分が赤
い男爵形のジャガイモに、新鮮な
ありがたいなと思いました。収穫
一・五 ト ン ト ラ ッ ク に い っ ぱ い
の大豊作のジャガイモが、本当に
できてよかったです。
に株の回収まで終わらせることが
みんなが強い意識を持って作業内
全部で二十を超える畝数で最初
は 終 わ る か 不 安 も あ っ た け れ ど、
ことが楽しみです。
で育てていけること、収穫できる
秋にはまた秋ジャガイモも植え
付けをするみたいで、またみんな
きたいです。
ことで、感謝して美味しくいただ
まいただけることが本当に幸せな
ら一生懸命育てた野菜を新鮮なま
挽回して沢山のジャガイモが成っ
気持ちになりました。
今 こ う し て 植 え 付 け か ら 追 肥、
土寄せなどみんなと汗水流しなが
を終えて畑を振り返って見てみる
(11)
宝 さがし!
――ジャガイモ掘り――
あおい
の!」と同時にスコップでじゃが
い も を 掘 り 返 し ま し た。 じ ゃ が
いもがどんどん出てきて、たくさ
んのお宝を見つけているようでし
た。
メークインという品種はいもが
株元から遠いところにもできてい
るので、意外なところから出てき
たりします。そんなジャガイモを
見つけると嬉しくなりました。
時々、スコップでいもをスライ
スしてしまう時がありました。で
も今回は、傷いも少なかったと聞
の植え付けをしたので収穫ができ
じゃがいもは、大迫力でした。
体育館にきれいに並べられている
収 穫 を し た あ と は、 体 育 館 で
じ ゃ が い も を 広 げ て 干 し ま し た。
いたので良かったです。
ることがとてもうれしかったで
じゃがいもの収穫の日がついに
やってきました。私もじゃがいも
す。
みんなでスコップをもって畑に
向かいました。畑につくとあゆみ
ちゃんたちが収穫の説明をしてく
れました。
二人一組になって畝の両側から
少しずつ掘り進めるやり方でし
た。説明の途中で寸劇みたいなも
のも入れてくれて面白かったで
す。
私はあみちゃんとペアになりま
した。二人で両側から掘り進めて
いきました。
掘り進めて一気に掘り返せそう
に な っ た ら 息 を 合 わ せ て、
「せー
その中の一つとして、オクラを
担当しています。ナスとピーマン
す。
思いました。
いないのに実ができているのかと
りで、私は初め、まだ花が咲いて
実と蕾の外見があまりにもそっく
毎 日 ぐ ん ぐ ん 大 き く 成 長 し ま す。
気 が 付 く と 節 に 蕾 が で き て い て、
と よ く 似 て い ま す。 六 月 中 旬 頃、
オクラは、蕾も花も実のなり方
も面白いです。オクラの蕾は、実
ます。
す。蕾の形状も花の容姿も似てい
立葵とオクラの花はよく似ていま
い う こ と を 知 り ま し た。 確 か に、
オクラは、実のなり方もユニー
クです。太い茎から、逆さまに実
ができます。
方には萎み、数日後には小さな実
ます。その花は、早朝に咲いて夕
を出し、暫くすると大輪を咲かせ
リームのように渦を巻いた形で顔
せ ま す。 ク ル ク ル ッ と ソ フ ト ク
花は、実のような容姿の蕾を突き
オクラの花は、全体がクリーム
色で、中心が濃い茶色です。その
嬉しさを感じました。
毎日が発見!
あります。毎朝、チームのみんな
と同じ、
石の下畑で育てています。
私のチームで育てている作物
は、夏が最盛期の夏野菜が数多く
あん
ります。頭が下でお尻が上、ちょ
くさん付いています。
が、今はもう数え切れないほどた
破るようにして中心から顔を覗か
で 分 担 し て 収 穫 に 行 っ て い ま す。
――石の下畑で育つオクラたち――
数人では持ち帰れないほどの収量
うど逆立ちをしているような状態
です。背筋をピンと真っ直ぐに伸
り、触ると確実に判断ができるよ
きました。見ても分かるようにな
細かな産毛が生えているのに気付
蕾の表面がツルッとしているの
に対し、実は表面にフサフサした
りました。
た。そうしたら、新たな発見があ
オクラと同じ目線で暫く眺めまし
た。視線をオクラの高さまで下げ、
どこが違うかじっくり観察しまし
蕾と実の両方ができ始めたこ
ろ、 私 は 蕾 と 実 の 区 別 が 付 か ず、
派に成長し、もう一メートルを超
今現在のオクラは順調に育って
います。背丈も見る見る大きく立
からは毎日畑に足を運びました。
態にまで成長するので、開花して
ら一週間後にはもう収穫できる状
になります。花が咲いたと思った
果実の生育は、一日約一センチ
です。開花から約一週間で穫り頃
最も美味しいサイズです。
す。オクラは長さ七センチ程度が
オクラを育てる上で最も重要な
のは、収穫適期を逃さないことで
持ちを共有できる仲間がいること
手 入 れ や 水 や り な ど 共 に 育 て、
共に作物の成長を見守り、同じ気
だけで、嬉しくなりウキウキしま
みんなが喜ぶ姿や笑顔を想像する
早 く 伝 え た い 思 い に 駆 ら れ ま す。
外のみんなにも、この喜びをいち
と、チームのみんなにもチーム以
オクラに限らず、畑に出るなか
で新たな気付きや発見、昨日とは
早く伝えたい
うになりました。新たな気付きに
え て い る と 思 い ま す。 蕾 も 実 も、
ばし、姿勢良く実っています。
出会った瞬間は、謎が解けたよう
初めは指折り程度だったのです
す。
(次ページへ続く)
違う作物の成長の様子を目にする
なクイズが解けたような、心躍る
発見!
野菜の本でオクラについて調べ
ていると、オクラがアオイ科だと
を迎えている夏野菜も多くありま
オクラの畝の草取りをしています
(12)
しく暖かく見守っていきます。作
合っていきます。作物の立場に立
(前ページからの続き)
はじめは、その張り具合の基準
が、収穫チーム一人ひとりのなか
のだろう、と思います。
収穫時期を逃してしまったり、甘
先 日 は、 ピ ー マ ン の 整 枝 を 行
い、混み合った枝を剪定ばさみで
ち、作物と同じ気持ちで考え、心
くなって若いものを採ってしま
切り、風通し、日当たりを良くし
物に心を寄り添わせ、目の前の作
う、ということがありました。
び、更に成長してくれると思いま
が嬉しいです。毎朝朝食前に収穫
は ま だ 起 き て い な か っ た 身 体 も、
リーダーのなるちゃんと相談を
し て、 毎 日、 収 穫 が 終 わ っ た ら、
す。
ピーマンの最盛期は、まだまだ
これからです。
収穫から帰って来た頃にはスッキ
収穫チームのみんなと確認をする
でズレがあり、厳しくなりすぎて、
リと目覚めています。朝起きて朝
時 間 を 設 け ま し た。『 ベ ス ト ピ ー
ピーマンの手入れも、収穫量が
増えるに従い、忙しくなってきま
の眼で育てていきます。
食前に活動し、身体を目覚めさせ
マン』を目に、心に焼き付けまし
す。
物に誠実な心で真っ直ぐに向き
です。
た。
ピーマンが長期に渡って、良い
ものが収穫できるように、日々の
に行くことで、収穫に出掛ける前
同時期に複数の作物を育ててい
るので、それぞれの作物の特徴や
水平から見て、ピーマンのヘタ
の 部 分 が 見 え な い く ら い、 肩 が
手入れを怠らず、愛情をたっぷり
てから朝食を頂けることも嬉しい
分も少々ありますが、様々な作物
をたくさん育てていけるのが楽し
今 で は、 私 の 中 で『 愛 す る 野 菜 』
今まで、ピーマンとは、あまり
縁 が あ り ま せ ん で し た。 け れ ど、
た。畑から、ピーマンを持って帰
量が収穫できるようになりまし
三キロだったのが、十キロを越す
み ん な と 気 持 ち を 揃 え、 心 を
使って、ピーマンを収穫する時間
穫に臨んでいます。
『ベストピーマン』を目指して、
ピーマン収穫チームは、毎日の収
てやりました。光をいっぱいに浴
育て方を調べ覚えるのは大変な部
張っているもの。
『ベスト
ピーマン』
を目指して
くて嬉しいです。これからも畑作
注いでいきます。
なるみ
業を頑張りつつ、作物の成長を楽
です。
のトップに君臨していると言って
るための容器も、収穫かごから発
が、嬉しいです。そのピーマンが、
私は、今年初めて、ピーマンの
担当になりました。
も過言ではないほどに、近い存在
泡スチロールへ。そして、コンテ
七月に入ってから、グンと収穫
量が増えました。これまで、二〜
になっています。
食卓に並んだときの喜びはひとし
新鮮な、旬の野菜を、頂けるこ
とは、何て贅沢で、幸せなことな
の。
ほろ苦さが、身体に染み渡りま
す。まさに、身体が欲していたも
「これ、これ!」
お。
ナへと移り変わっていきました。
です。
ピーマンの収穫基準は、大きさ、
太 さ で は 無 く、〝 肩 の 張 り 具 合 〟
気持ちを揃えて
『石の下畑』は、支柱の畑です。
ナス、ピーマン、オクラ……ずら
りと並ぶ、竹の支柱は、まさに建
造物。その中で、ピーマンは、伸
び 伸 び と、 順 調 に、 葉 を 茂 ら せ、
実を太らせています。
毎朝のピーマンの収穫と、ピー
マンの観察が、私の楽しみの一つ
収穫されたピーマン
綺麗なピーマン。
お店で売っているような、種の
パ ッ ケ ー ジ に な っ て い る よ う な、
しゃがむと、葉っぱの下に入って
しまいます
(13)
きそうだなと思いました。
ズッキーニだなんて、料亭に出て
と 教 え て く れ ま し た。 何 だ か
と っ て も お 洒 落 な 感 じ で す。 花
よー」
食べる品種もあるくらいなんだ
「 花 ズ ッ キ ー ニ と い っ て、 お 花 を
私たちの畑のチームのリーダー
であるまきちゃんが、
す。
お世話をしていきたいなと思いま
なで愛情を込めて、ズッキーニの
なので、引き続き、チームのみん
これから、また新たに第二弾の
ズッキーニの苗が定植されるよう
しかったです。
収穫させてもらえた事がすごく嬉
ジョキ……記念すべき第一本目を
初収穫です。剪定ばさみでジョキ
そう思え、夢が膨らみ、おじい
ちゃんにブルーベリーのこと、土
う)
(おじいちゃんの言葉はきっと叶
を感じ、
な一本線を辿って私の心に届くの
おじいちゃんが長年の経験で深
められていった言葉が、真っ直ぐ
じゃろう」
「昨年よりたくさんの実がつく
子を見て行って下さりました。
初めて育て る
ろうか……)
そして、いよいよズッキーニの
ズッキーニ!
ま ず、 ま り の ち ゃ ん や ま り こ
ちゃんによって、心を込めて育て
たと無いチャンス到来です。
に無いのではないでしょうか。ま
ニを栽培する機会などはそう滅多
す。
ですが、
自分で実際にズッキー
らずいるのではないかと思いま
咲き、鮮やかな山吹色が目を引い
そして、ズッキーニの花は、握
りこぶし大くらいの華麗なものが
模様があります。
てしまいそうな白いモザイク状の
一見するとウドンコ病と見間違え
大 き く て ビ ラ ビ ラ と し た も の で、
ニの葉っぱは、異国らしさの漂う
想像以上に株が大きくなってい
く様子には、
驚きました。
ズッキー
ました。
なり葉がわっさわっさと茂り始め
向かって北の斜面にブルーベリー
のショーウィンドーである古畑の
グの窓からものぞける、なのはな
青々と葉を茂らせ、ぷっくらコ
ロコロ実をつける。校舎のリビン
「 す て ら ち ゃ ん! 今 年 は た く さ
んの実をつけさせるぞ~!」
た。
担当させて頂くようになりまし
てくれたもので、昨年から、私も
性が強い場所を調べて挿し木をし
ちゃんが、なのはなの畑で一番酸
三年前の初夏、ボーイングチー
ムのたかこちゃんと卒業生のまみ
います。
の苗木が六本、横並びで植わって
気温が上がり半袖一枚で過ごせ
るようになった六月下旬辺りに入
りたいと思いました。
分も同じように心で動ける人にな
ちゃんの気遣いが有りがたく、自
誰も見ていないところで小まめ
に手入れをしてくれているまあ
(どのタイミングで草取りをして
ちになりました。
あり、見に行くたび、嬉しい気持
(本当に元気に育ってくれるのだ
も嬉しかったです。
私が最初にズッキーニの苗を目
にしたときは、
まだひ弱な感じで、
て と て も 綺 麗 で す。 ズ ッ キ ー ニ
日には、ビー玉サイズまで成長し
私がなのはなに来て、
「育ててみたい野菜は?」
よし
と若干の不安を抱えてのスター
トでした。
ズッ キ ー ニ !
と尋ねられたとき、真っ先に名
前を挙げたのがこの野菜でした。
それでも、野菜というのは逞し
いもので、みんなのお世話の甲斐
のことを教えて頂けた時間がとて
最近はすっかり地元のスーパー
にも出回るようになり、見たこと
もあり、しばらくすると茎が太く
古畑の
や口にしたことのある人も少なか
風よけや虫除けのために四方をあ
は何となく小さくて可愛らしいお
甘い空気が漂ってくる五月、盛
男さんのおじいちゃんがいつもと
た一番花が淡いオーロラブルーか
五枚の花びらの小さな白い蕾た
ちが散ってからも、苗木の周りは
んどんで囲まれてありました。と
花を付けるのかなと思っていたの
変わらない大らかな笑顔で、土を
ら濃いインディゴブルーに色づい
すてら
ころどころ葉っぱが虫に喰われて
で、大きくて綺麗な花がバッと咲
酸性にする塩化カリ・過リン酸の
(次ページへ続く)
ブルーベリー
いたりなんかもして、ズッキーニ
いているのを初め見たときはびっ
肥料を持って来て下さり、苗の様
が、畑に定植されたところから始
まります。
ると一気に実の数が増え、七月一
くれているのだろう?)
いつ見てもキレイに草取りされて
どころか初めて野菜を育てる野菜
くりしました。
上げられたズッキーニの苗たち
ビギナーの私にしてみては、
(14)
て、また様子を見ることにしたの
実から全て食べられてしまうよう
(前ページからの続き)
「私で良いの?」
嬉しそうに一粒掴んで、口にし
た ゆ ち ゃ ん が 浮 か ば せ た 表 情 は、
手の平に乗っけた粒がぷっくら
肩を膨らませ、丸っこい体を凛々
し く 正 し て い る 姿 が 可 愛 ら し く、
言葉にするまでもないほどに、甘
になりました。
魅力的でした。
酸っぱい味を通じて、心から喜ん
ですが、やはり、翌日も、そのま
「 あ ゆ ち ゃ ん、 ブ ル ー ベ リ ー を 初
でくれているのを感じ、みんなで
ているのを見つけました。
まあちゃんもたかこちゃんも同
じ気持ちで一緒に考えてくれ、試
収穫したんですけれど、食べて頂
育てたブルーベリーが人の口に届
「どうしたら良いのだろう?」
しに不織布を折り紙サイズに切
けませんか?」
た翌日も、実はどこか自分の知ら
ない所へと消えさっていました。
( 鳥 に 食 べ ら れ て い る の で は? 土のコンディションが悪いので
り、実のついた枝を囲って見たり
実のつく枝を教えてもらいまし
た。
三人で確認をしながら、剪定を
進めていきました。 合っている枝は切ること」
「内側に向いて伸びていて重なり
「下から伸びている枝は切ること」
私で中心になって進めました。
昨年剪定の作業をさせてもらっ
た、ゆりかちゃん、ちさとちゃん、
今はみんなの食卓にブルーベ
リーが載っています。
いたことが嬉しいと感じました。
もしてみました。
「 や り 過 ぎ か な? で も、 早 い う
ちに対策を取らないと実が全部食
べられてしまう……」
一粒だけ。一粒だけでもみんな
の口に行き渡って欲しい。
畦により掛かるようにしてブ
ル ー ベ リ ー の 実 を 眺 め て い た ら、
今度はみかちゃんが同じ気持ちに
なって気にかけてくれました。
「いっそのこと、全部囲ってしまっ
たらどうなんだろう?」
た。
ス タ ッ フ の あ ゆ ち ゃ ん に、 ブ
ルーベリーの味をみてもらいまし
「色づいたね」
「色づいた!」
三人で目を見あわせた瞬間、
(私たちの中で感じる喜びは同じ
なんだっ!)
鳥対策や、あげられる肥料を調
べ始めたころ、お父さんが同じ気
は?)
持ちになって気にかけて下さりま
と、繋がっているのを感じ嬉し
くなりました。以前、まあちゃん
と 調 べ た 本 に は、
「色づいてから
した。
「 僕 も 調 べ て 見 た ん だ け れ ど、 こ
三~七日してから収穫します」と
で判断できるものではないのだ
の資料に目を通してくれない
書かれてあり、簡単に色や大きさ
と、心で判断して収穫することが
か?」
「夏の暑い時期に肥料はやっては
した。
どが詳しくまとめられていた物で
手渡して下さったのはブルーベ
リーの育て方や向いている肥料な
基本なんだと思い、
(一番甘い時期に収穫できるよう
に、美味しい実が見分けられるよ
うになるために)
と、一番花に輪ゴムで印を付け
て、しばらく観察して見ることに
ダメなんだ、それよりか、鳥対策
梅の木の剪定をしました。
ていたかを思い出しました。
しました。けれども、翌日になる
みかちゃんの言葉に目がキラキ
ラしました。
で行いました。
上の方で長く伸びている徒長枝
は、全て二十センチ~三十センチ
と印を付けていた実がまるで無
「嬉しい!」
不 織 布 を 持 っ て 来 て く れ ま し た。
教 え て 頂 い た こ と を、 ゆ り か
ちゃんが記録として残してくれて
の長さで、切り揃えました。
をしたらどうなんだ? スズラン
テープではなく、畑用のテグスで
目の前の人のために全てを尽くせ
いました。
かったかのように消えてしまって
一緒になって心配をして下さっ
て考えて下さるお父さんに、気持
るみかちゃんが、美しいなと感じ、
長さを切り揃えた梅の木は、見
た目もすっきりとして綺麗で気持
私は、春に、梅の実を見に行っ
た時に、どのような枝に実がつい
ち が 持 ち 上 が る の を 感 じ、 早 速、
尊敬し、みかちゃんが助けてくれ
「 桜 切 る 馬 鹿 梅 切 ら ぬ 馬 鹿 」 と
いう諺があって、梅は剪定をした
ちが良いです。
梅の木の剪定は、昨年水戸のお
ばあちゃんが教えて下さった方法
鳥対策をしました。
たことがとても嬉しかったです。
方が沢山実を付けるのだというこ
株周りを囲って見たら良いよ」
テグスで囲ったブルーベリー
は、一時、鳥に実を食べられずに
とを、水戸のおばあちゃんは言わ
剪定をして、実がたくさん付い
たら良いなと、来年が楽しみです。
いて、
すんでいたのですが、あまりにも
鳥対策をしてから十日後。無事
に初収穫を向かえることができま
れていました。
( い や、 た ま た ま 落 ち て し ま っ た
と心配する気持ちが湧き上がっ
て来たりもしたのですが、
ろうか? 肥料不足で実が落ちて
しまったのだろうか?)
だけのことだろう)
美味しい実を付けるせいか、鳥た
した。
私の一言にみかちゃんは迷わ
ず、その場で、そのタイミングで、
ゆきえ
ちは勢いを取り戻して、色づいた
(受粉が上手くいかなかったのだ
梅の剪定
気 持 ち を 入 れ 替 え、 も う 一 度、
次に色づいた実に印を付け替え
(15)
山小屋の畑で
で、エゴマの畝間の土を耕してく
取りまで行きたい」
さとえ
れました。畑の土は、フワフワと
柔らかく、
朝露で湿っていました。
この日の目標
「 帰 り の 時 間 を 考 え る と、 作 業 は
した。
全員で、エゴマの株周りの草取
りと、草集めをし、土寄せをしま
作業を始めたのは、六時四十分
過ぎでした。
と、この日の目標をみかちゃん
が伝えてくれました。
生き生きと育つエゴマたち
七月十一日の早朝作業。
この日、みかちゃんをはじめ約
十二人のみんなと、山小屋の畑に
植わっている、エゴマの土寄せ作
業に行きました。
石生田んぼの道を通ると、田ん
ぼが一面、
霧で覆われていました。
二十メール先は霧で覆われて見え
「 一 畝、 三 十 秒 で 進 ん で 行 き た い
そして、土寄せをしました。六
人 ず つ の 二 グ ル ー プ に 分 か れ て、
六人で一畝ずつ、土寄せを進めま
した。
土がフカフカで、鍬がサクッ
……と土の中に入る感覚が、とて
も気持ち良かったです。
エ ゴ マ の 背 丈 は、 大 き い 株 で
八 十 セ ン チ く ら い の 高 さ ま で、
育っていました。葉に艶があって、
葉茎の緑色が、
太陽の光を浴びて、
光っていて、とても綺麗だなと思
いました。
香ばしい匂い
た。山小屋の木々の、高いところ
か ら、 蝉 の 鳴 き 声 が 聞 こ え ま し
た。言葉にしなくても、ただみん
なと、山小屋の空気を感じている
だけで、安心して、嬉しい気持ち
になりました。
みんなの力で目標の八時前に山
小屋の畑と梅林の隣の畑のエゴマ
八時半までに終えたい。山小屋と
マの香ばしい匂いがしました。
ちゃんの畑に植わっている落花生
ませんでした。
山小屋の木々に囲まれた畑。ひ
んやりと冷たく、湿った空気に包
の草取りも進めることができまし
草取りや土寄せのときに、エゴ
マに顔が触れそうになると、エゴ
まれて、エゴマが安心して生き生
た。
と思います」
畝に進んで行きました。
きと育っているように感じまし
梅林の、二か所の畑の、エゴマの
み か ち ゃ ん の 声 は 弾 ん で い て、
草取りをしながら、
た。
落花生は、淡いオレンジ色の花
がついていて、子房柄が、地面に
土寄せを終えること。そして、盛
い ま し た。 同 じ 車 に 乗 っ て い た、
「一、二、三、四……」
山小屋のエゴマの土寄せを終え
たとき、みかちゃんが、
ひんやりとした湿った空気。朝
露の、ミストのような、水玉が顔
なるちゃん、あおい君と見られて
と数えてくれていました。
「 み ん な、 紫 陽 花 見 た?、 す ご く
……と思います。
粒の大きな、味の濃い、エゴマ
と落花生の収穫ができたら良いな
たいと思いました。
またみんなと、エゴマと落花生
の成長を見て、手入れをしていき
向かって伸び始めていました。
の 土 寄 せ を 終 え て、 盛 男 お じ い
嬉しかったです。
隣の人との間隔は、五十センチ
ほどしかなく、畝が進んで行くご
綺麗に咲いてるんだよ」
みかちゃんが、号令をかけてく
れて、全員で一畝を終えて、前の
エゴマは、約四百株、山小屋の
畑と、山小屋の坂道を下ったとこ
とに、時間は早まっていきました。
男おじいちゃんの畑の落花生の草
ろにある、梅の木の隣の畑に、植
一番短い時間では、十八秒でした。
と言ってくれて、みんなと紫陽
花を見ることができました。
に触れました。
わっていました。
エゴマは、全部で二十四畝あり
ました。抜いた草の回収を、二分
薄ピンク色の合歓の木の花々
が、山道の両脇にたくさん咲いて
初めは山小屋の前の畑に行きま
した。
間で、全員で一斉に進めました。
坂道の片隅に、薄い青と紫色が
混ざった紫陽花が咲いていまし
前日に、みかちゃんが、耕耘機
(16)
たちも勢いづいてしまいます。み
かん照りで、野菜だけでなく雑草
ですが、連日の雨とその後のかん
二〜四人のチームで刈っていくの
い畑に見えます。
た後は、手入れが行き届いた美し
防げます。
そして何より、
草を刈っ
が大きくなって種を落とすことを
草を頻繁に刈ることで、畑に虫
の住み処を作らせないことや、草
タントに草刈りをします。
伸びてくるので、夏の間はコンス
と、わざと綺麗に刈り揃えたよう
ます。クローバーの柔らかな感触
たあとは一瞬にして滑らかに整い
クローバーの絨毯の上に、刃を
置いてそっとなでると、刃が通っ
るチャンスがあります。
ローバーの密集地帯を思い切り刈
畑の中も刈る必要があるので、ク
梅 林 や 桃 畑 で は、 畦 だ け で な く、
を 刃 の 草 刈 り 機 で 刈 る こ と で す。
きなのは、クローバーの密集地帯
難しい場所を刈るのも面白いで
すが、私が一番気持ちがよくて好
重くなります。
られたのかと思うくらいに濡れて
て、着ている作業着が、大雨に降
力も増し、斜面にたって踏ん張る
す。夏が終わる頃には、握力や腕
手になっていくのだろうと思いま
り、こうして仕事がしやすい強い
きに少しひりひりする感覚があ
いのですが、終わって手を洗うと
草を刈っている最中は気がつかな
草刈りを続けると、握っていた
掌 に ま め が で き て 固 く な り ま す。
いきたいです。
ンテナンスして大事に長く使って
草刈り機がありますが、丁寧にメ
と感じます。なのはなには何台も
り機があるおかげで、広い面積を
り、オイルを補充するとき、草刈
す。草刈り機の泥や草を落とした
夏は草刈りに出陣する機会が多
いです。草刈りが必要な田んぼや
畑 に 優 先 順 位 を つ け、 ほ ぼ 毎 日、
さなどを考慮して最適なところに
草刈りに出掛けたら、草刈り機
のエンジンをかけて、草の丈、多
と に、 私 は や り が い を 感 じ ま す。
い作物が育つような環境にするこ
保ち、自分たちも使いやすく、良
ます。作物を育てる場所を美しく
や、草刈り機を抱えた腕の筋肉が
す。そうして刈っていると、足腰
履いて、足をしっかり踏ん張りま
す。大斜面では、スパイク長靴を
で正しい仕事がしたいと思いま
いうことを考え、できるだけ綺麗
さんだったらどうやって刈るかと
溝があったり、凹凸があって少
し複雑な畦などを刈るとき、お父
た満足感が胸をかすめます。
た畑全体をみながら、ふわっとし
き、その甘い匂いと、綺麗に整っ
た上を歩きながら畑を後にすると
うな匂いに変わります。草を刈っ
られた後に何故か、甘い抹茶のよ
草を刈った後の匂いも、夏を感
じる大好きな要素です。草は、刈
作業のあとはメンテナンス!
も楽しみです。
身体になるだろうと思うと、それ
ほど足腰も強くなって、一段強い
次々に刈ることができてよかった
んなで作物を育てている畑田んぼ
に見える切り口が魅力的です。
良い作物が育つ環境に
を順に刈っていき、一巡終えたと
私は、草刈りをすることは、身
の回りを整えることや、道具を大
スロットルを調節します。オイル
緊張して働いてくれている気がし
仕事を終えて古吉野なのはなに
帰ってきたら、次に使う人が気持
ゆい
ころで、二巡目、三巡目と刈って
事に使うことと同じように感じま
を大事に、刃を大事に、なるべく
ます。
す。お父さんは、綺麗な畑からは
――毎日の田んぼ、畑の草刈り――
いきます。
良い作物がとれるとお話してくれ
綺麗に。でも、やっぱり一番はス
気付かぬ間に汗が全身から流れ
ち良く使える様に片付けをしま
ピーディに。
綺麗に整った畑
つい先日刈ったような気がして
も、雑草は雑草のペースで青々と
桃畑の草刈りに永禮さんが来て下
さいました
(17)
したけれど、一年間で限られた期
間 の 田 ん ぼ の 作 業 が で き る こ と、
初めての除草機を使っての除草が
できることがとても楽しみでワク
ワクしました。
田
「 んぼの作業って気持ちが良く
て嬉しいね 」
田
「 んぼに入ると足の血行も良く
なる気がする 」
〝 ザ バ ザ バ 〟〝 ガ ラ
〝 ザ ブ ザ ブ 〟
ガラ〟〝ガコガコ〟
一条間ずつ機械を押して進みま
す。
した。
田んぼでの除草機がけをしてい
て、思うことは、一緒に作業をす
た。自分にも吸収していきます。
業 中 み か ち ゃ ん の 雰 囲 気 や 笑 顔、
みかちゃんのいつもワクワク感
があるような、楽しそうな雰囲気、
と楽しそうに話しをしてくれま
す。
一年ぶり、田んぼでのリベンジ
の闘い。敵は手強い、ヒエ、アワ、
機械を押して力を込めて一歩ず
つ進みます。水と機械がぶつかる
る人や自然にとても助けられるな
初めての作業はみかちゃんと桃
横田んぼ 三
(反 の
) 半面の除草で
ホタルイ。昨年は雑草の勢力がか
音、機械が泥をかき混ぜる音、と
あということと、良い仕事は良い
で取る除草はなのはなの歴史に残
二人で広い田んぼを進めていく
のは少し体力がいる作業でした
そして、大草原のような田んぼ
(次ページへ続く)
も綺麗でした。
形を表す風、水の音、全てがとて
田んぼの上を風が通り稲を揺らし
遠 く で 雨 を 降 ら し そ う な 黒 い 雲、
見渡してみます。青い空、白い雲、
田んぼの除草中に、少し疲れた
ときに顔を上げて、広い田んぼを
でした。
が、晴れていて青空が見える天気
みかちゃんとした除草機がけの
ときは少し雨雲があったのです
とです。
を繋ぐリレーのようだなというこ
声、言葉にたくさん助けられまし
優しさ強さがとても素敵です。作
る苦い思い出でもありました。
ても気持ちが良くて楽しかったで
仕事を作っていて、作業はバトン
なり強く、みんなで一つひとつ手
しかし! 今年のなのはなの田
んぼは進化しています。丁寧な耕
す。
まきちゃんなるちゃんの除草剤蒔
きがあり、かなり雑草が減ってい
ました。 やってきました。それは、永禮さ
が、みかちゃんはいつも笑顔で、
そして更に! 新しい田んぼの
除草の強い強い味方がなのはなに
んから頂いた〝除草機〟です。永
田
「 んぼをやる期間ってほんと
アッという間だよね 」
と声をかけてくれました。休憩
のときにも、
」
禮さんから、除草機は昭和四十五
年頃までは多くの農家さんが使わ
れていたもので、それ以降は除草
剤が出てきて今はほとんど使われ
なくなったものと教えていただき
ました。博物館などにも置いてあ
るようです。
初めての除草機がけは少し緊張
うか 」
す「ごく綺麗になってるよ
わ「ー楽しいね 」
あ
「 け み ち ゃ ー ん。 ち ょ っ と 休 も
助けられて
し、 代 掻 き、〝 職 人 技 〟 の よ う な
あけみ
田んぼの除草機がけ
那岐山三反田んぼでの除草の様子
(18)
手に除草剤まきをしてくれたから
事を〟と意識を持って動いて次に
ました。自分もしっかり〝良い仕
(前ページからの続き)
です。代掻き、トラクターがけを
繋げられるようにしていかなくて
)
綺麗にしてくれたこともすべてに
な
( のはなのためにありがたいな
と感謝の気持ちとあたたかい気
持ちになりました。永禮さんが田
にみかちゃんが機械を押す後ろ姿
は、麦わら帽子をかぶった大草原
いられるようになりました。能率も1日二十
はいけないなと感じました。
その後回転式の爪を持った除草機が各地で用
繋がっています。
の能率でした。
んぼの中で機械を押している姿を
中へふせていきました。一日に五アールくらい
の女性が描かれた絵画を見ている
で片手で持ち、田を掘り起こしながら草を土の
見ていると、ジブリの映画の世界
柄に湾曲した三枚から四枚の爪がついた道具
ようで綺麗でした。
う)という道具が開発され使われていました。
別の作業でも普段の生活でもプ
ラスのバトンを繋げられるような
回転式の除草機が用いられる前は、雁爪(まんが、かんづめと地域によって呼び名が違
こ れ ま で 真 剣 に〝 良 い 仕 事 を 〟
と作業してきたたくさんの人のバ
稲の根を切り、土の中に空気を入れてやることで、稲の発育を促す効果もありました。
に入り込んだような、のどかで穏
せていきました。田の草とりは、雑草を取るだけでなく、土を掘ることによって、無駄な
人になっていきます。
土を掘りながら草を取り、三番草、四番草は、田んぼを手でならしながら草を土の中へふ
トンをつなぐリレーのように感じ
「二回掘って二回なでる」といわれるように、一番草、二番草は田の草備中かまんがで
やかで、でもワクワクするような
田の草取りは田植えがすんでから4から5回行われていました。
◇
昔から田んぼの除草は大切な作業でした。
気持ちになりました。
田んぼの除草
二回目は永禮さんと河原小田ん
ぼの半面を除草しました。その日
も綺麗に晴れた日でした。蝉の声
する永禮さんやみかちゃんたちの
田んぼの敵であるヒエのことを
学ぶことができてありがたかった
除草機がけは癒やしの音楽と映
像を見ながらの筋トレのような感
笑顔、声、言葉、姿から元気をも
し、嬉しかったです。教えて頂い
も聞こえます。桃横田んぼとは少
木 が 茂 っ て い る と こ ろ の 深 緑、
空の青、田んぼの緑、永禮さんの
らえました。たくさんの自然から
たことを来年にしっかり繋げてい
じです。
シャツのチャック柄、永禮さんの
も癒やしと元気、ワクワクするよ
きたいです。
し風景が違って、また違う自然の
ズボンの白、全部の色がとても綺
うな気持ち、すーっと心に風が吹
表情が感じられました。
麗に映えていました。
くようなさわやかな気持ちをもら
少し疲れてきそうなときもあり
ました。けれども、一緒に作業を
永禮さんが、なのはなの田んぼ
の除草機がけに来て下さり、汗を
のは、まきちゃんなるちゃんが上
てくれたからだし、雑草が少ない
除草機がけをまっすぐにかけら
れるのは、まっすぐに田植えをし
ます。
の人が色々な作業をしてくれてい
田植え、除草剤まきなどたくさん
までにもトラクターがけ、代掻き、
田んぼの作業をしていると、自
分が田んぼの作業をさせてもらう
プラスのバトン
えて、とても助けられました。
永禮さんからは田んぼのことも
色々教えて頂きました。
ヒ
「 エと稲の違いは大きく三つ
あって、葉の白い線、色、大きさ
なんだよ 」
ということや、
こ
「 の田んぼは一回乾かしている
から土が硬い、機械が泥をかき回
しにくくなるから来年はもう少し
早いほうが良いね な
」 どわかりや
すく、丁寧にポイントを押さえて
教えて下さいました。
アールくらいに上がりました。
永禮さんからいただいた除草機
流している姿に、
(19)
樹熟し桃
底なしの袋の中で、ピンク色に染まった浅間白桃
(20)
あんな
なのはなファミリーでは、桃を、
樹で完全に熟してから収穫するこ
とにしています。
理由は、甘さが乗って、美味し
いからです。
樹熟しで収穫するときは、見極
めが、とても難しいと感じます。
や や 青 い う ち に 採 れ ば、「 当 た
り」という、痣や、傷がつきにく
い の で す が、 私 た ち が 目 指 す 味、
甘さには達しません。
私 た ち は、 七 月 に 入 っ て す ぐ、
加納岩白桃の収穫をしました。
つも落ち着いて、一緒に吟味して
加納岩白桃に関しては、諸事情
につき、あまりいい結果になりま
せんでした。
とをせずに済みました。
気がします。
採 っ た 桃 は、 畑 に 持 っ て い く 青
く て 平 べ っ た い 桃 用 コ ン テ ナ に、
二十一穴ウレタンを敷き、その穴
にすぐに置いていきました。
いうと、私は、熟れ過ぎを心配す
う傾向がありました。どちらかと
私は気持ちがせいて、もう採っ
ていいんじゃないかと思ってしま
ます。
手で包み込むようにして、収穫し
した。片手では持てないので、両
浅間白桃は、大きいもので、一
個の重さが四百グラム以上ありま
けているため、頂上のほうがピン
並ぶと、さすがに綺麗でした。浅
重に行いたかったです。
浅間白桃はかなり大きいし、デ
リケートすぎるので、とにかく慎
これなら、運ぶときにも、桃同
士が絶対にぶつかりません。
る か ら で し た。 農 協 で、「 今 年 は
枝 当 た り が 出 な い よ う に と か、
手跡がつかないようにとか、細心
ク色に染まっていて、桃がおめか
慎重に
くれて、自分の判断で早まったこ
浅間白桃の収穫は、七月十四日
から試し採りをはじめ、十七日か
ら本格的な収穫に入りました。
試し採りをした桃は、あゆちゃ
ん、あゆみちゃん、みかちゃんに
一 緒 に、 外 観 や 味 を 見 て も ら い、
果 肉 先 行 型 」「 過 熟 に 注 意 」 と い
の注意を払う必要があります。
相談しました。
うことを、教えてもらっていたこ
ししているみたいに見えました。
(次ページへ続く)
間白桃は、底なしで厚手の袋をか
浅間白桃がコンテナにズラッと
ともあります。
一瞬、クッ
桃を枝から離すとき、
と力を入れるのが、コツのような
しかし、あゆちゃんたちが、い
(前ページからの続き)
毎 朝、 ほ と ん ど 全 て の 実 を
チェックして、樹熟しに至ったも
のだけを、収穫しています。
と、良いような気がしました。
ういったものを、感じながらする
ほんのり優しい空気に包まれまし
い 笑 顔 が 輝 き、 キ ラ キ ラ と 光 る、
た。
収穫メンバーは、まりのちゃん、
なるちゃん、よしえちゃん、ふみ
は、大切だと感じました。
た。
てくれていて、みんなで読みまし
期の判断基準などを、紙にまとめ
とや、その順番を教えてくれまし
センチの小さな青い桃の実の印象
ちゃん、私です。あんなちゃんが、
葉の緑色が反射して、青く見え
て い る の か、 桃 が ま だ 青 い の か、
「桃の実はとても繊細です。ちょっ
種のため、収穫時に、枝当たりが
が強く残っていました。
樹熟しの判断は、頻繁に、メン
バーと確認しました。
その判別が、特に難しいところで
としたことでも傷ついてしまうの
でないように、充分、注意が必要
品種によって収穫の時期が違うこ
す。
で、気を付けてもらえたら嬉しい
です」
石 生 の 桃 畑 に 着 い て、『 加 納 岩
白 桃 』 の 木 を 見 上 げ て び っ く り、
迷ったとき、一緒に考えること
日差しの具合でも、違ったふう
に見えることがあります。
です」
桃の実は、袋がはち切れんばかり
の間)が短いという特徴を持つ品
た。また、収穫の仕方や、収穫時
そんな中でも、熟れてきたとき
の柔らかい雰囲気というのか、そ
「『加納岩白桃』は、首(果実と枝
文面から、緊張感や、求められ
る仕事の質の高さや繊細さ、慎重
に、大きくなっていました。隣に
いたふみちゃんと、
「えーっ! 大きい……!」
と、思わず声を上げてしまいま
した。桃の実の成長がとても早い
ように感じました。
『 加 納 岩 白 桃 』 に は『 二 重 袋 』
が掛けてあり、外側の袋は日光を
外側の袋を自ら破り、ぱんぱんに
桃の実と再会
した。
て、収穫作業に臨みたいと思いま
あんなちゃんに心を沿わせ、同
じ気持ち、同じ意識の高さを持っ
さを感じました。
一つひとつの
実の重さを感じて
ゆり
遮断する作りになっています。特
翌日、石生の桃畑に植わってい
る『加納岩白桃』の収穫をしまし
張っていて、内側の袋が覗いてい
に、 枝 先 に つ い て い る 桃 の 実 は、
た。私は、石生の桃畑に行くのは、
ました。
ちゃんが言いました。
桃 の 収 穫 チ ー ム の み ん な か ら、
驚きや、嬉しさのこもった声が上
袋 掛 け の 作 業 を し て 以 来 で し た。
桃 の 収 穫 作 業 の 前 夜、 あ ん な
ちゃんの呼びかけで収穫メンバー
が り ま し た。 小 さ く 拍 手 す る 人、
袋掛けをしたときの、直径四〜五
が集まりました。
「これから桃の収穫が始まります」
顔を見合わせる人。みんなの優し
(次ページへ続く)
桃 の 栽 培 の リ ー ダ ー、 あ ん な
(21)
(今が収穫時期だよ!)
(もうすぐ収穫できるよ!)
(前ページからの続き)
枝当たりが出ないように、片方
の手で枝先を持ち、もう片方の手
ていました。
葉を聞き、桃を収穫する手元を見
真剣な表情で、あんなちゃんの言
半月後、次の品種、『浅間白桃』
の収穫がありました。私は、あん
ました。
より、意識が高まったように感じ
ち ゃ ん の 手 元 を 見 さ せ て も ら い、
優しく包み込むように、丁寧に
桃 の 実 を 持 ち、 収 穫 す る あ ん な
た。毎日、桃の木のことを気に掛
で、大切なものなのだと思いまし
とつの実が、桃の栽培チームのみ
また、一年間の手入れの結果が、
実に表れるのだと思うと、一つひ
のだと思いました。想いの詰まっ
と、まるで桃の実が伝えてくれ
ているようでした。
が く る よ う に し て 桃 の 実 を 持 ち、
なちゃんと、まりこちゃんと収穫
け、 手 入 れ を し て き た み ん な の、
んなにとって、思い入れ深いもの
た実だと思いました。
あ ん な ち ゃ ん が 収 穫 の 仕 方 や、
注意点を、実演しながら教えてく
そのまま真下方向に引っ張り、収
に行きました。
で、 人 差 し 指 と 中 指 の 間 に『 首 』
れました。収穫メンバーのみんな
穫します。
深 い 思 い は 計 り 知 れ な い け れ ど、
できる限りの、あんなちゃんたち
と 同 じ 慎 重 さ、 緊 張 感、 繊 細 さ、
触れたとき、繊細で柔らかな感触
しりとその重みを感じます。手に
立派な実です。両手で持つと、ずっ
て、集中して、一番良い時期に収
いと思いました。心を繊細に使っ
な時期に収穫できるようでありた
少しの差だけれど、一つひとつ
の桃の、一番良い時期、一番綺麗
れて、全体的に白色でした。
うになっていきたいです。
に、より質高く、作業ができるよ
みんなと同じ気持ちで、より繊細
八月にも、別の品種の収穫の予
定があります。桃の栽培チームの
り組みたいと思いました。
緻密さ、深さを持って、作業に取
の加納岩白桃とは対照的に、実の
一番良い時期に
穫したいと思いました。
ました。
なのはなでは、完全に木で熟さ
せ た『 樹 熟 し 桃 』 を 収 穫 し ま す。
今回、桃の収穫作業をさせても
らい、一つひとつの、桃の実の重
あゆちゃんとあんなちゃんが収穫
れました。収穫する桃と、収穫す
さを感じました。あんなちゃんを
色がかっていました。収穫するに
手入れをして、実った実なのだと
入 れ を さ れ て い ま し た。 一 年 間、
の基準となる桃を二つ、見せてく
るには少し早い桃です。
が、一年間、剪定や防除などの手
は少し早い桃は、果頭部にうっす
思うと、とても、とても大切なも
はじめ、桃の栽培チームのみんな
収穫する桃は、果頭部の青みが
すっかり抜け、全体的にクリーム
らと青みが残っているのが感じら
コンテナに並んだ加納岩白桃
固さや、貫禄のようなものを感じ
浅 間 白 桃 は、 つ い、〝 浅 間 様 〟
と呼んでしまうくらい、大きくて
想いの詰まった実
は あ ん な ち ゃ ん の 周 り に 集 ま り、
桃の実一つひとつを、収穫できるかどうか判断していきます
(22)
河上さんが色々調べて教えて下
さいました。
皮をはいでお刺身の切り身に出
来る状態になったカジキマグロ
は、真っ先に冷蔵庫に入れられて
いきました。
「鮮度を保ちたい」
だと感じ、いつも美味しい食事を
すてら
切ってからすぐ。
切る直前まで、
分かれて入った大きなマグロが届
と、考えて、作って、動いて、教
お魚の日! 仲屋食品さんから届いた
カジキマグロ
きました。
こういた台所での小さな心遣い
がなのはなの食卓を作っているの
を送って下さる境港の仲屋食品さ
えて下さる河上さんとさとわちゃ
んから、宅急便で、トロ箱六つに
んの存在がありがたく、嬉しく感
じました。
肉厚の脂が乗った切り身をまな
板に乗せ、刺身包丁を握ると、ぴ
夕食に添える副菜を仕上げてから
に そ っ て、 役 割 分 担 が 決 め ら れ、
めてで、調理台に寝そべった姿が
なにも大きな魚を見るのは私は始
と、長さ約一メートルほど。こん
お刺身の切り身は分厚くなって
はいけない。一センチ幅を意識し
ました。
倍に開く緊張が体中をめぐってき
り っ と 背 筋 を 正 さ れ、 目 が 一・五
お魚に取りかかりました。
今にも泳ぎ出しそうでした。
針のようなウロコ、つやつやし
た色彩でキラキラ光る厚い皮。
ていくのを感じました。
沿わせた、密度の濃い時間が流れ
台所に入っていたメンバーで河
上さんとさとわちゃんの気持ちに
ます」
美味しい食べ方だと私は感じてい
ぶ高級魚。お刺身で頂くのが一番
大きい方で重さは約五十キロに及
「カジキマグロはマグロの中でも
「二回分のメインがとれそうだね」
カジキマグロを食卓に
新鮮な
ぎゅっと詰まった身は包丁を入
(次ページへ続く)
せたいと心掛けました。
一切れ一切れ誠実に包丁をすべら
になり切った気持ちで、慎重に、
これまで教えていただいたこと
を頭に、河上さん、さとわちゃん
ぎないこと。
動作で切りきること。身を触りす
て、均等に、薄く、一回の包丁の
トロ箱から取り出されたカジキ
マグロの切り身をまな板に並べる
手早く、素速く、ベストなモノ
を限られた時間内で。
配膳まで二時間弱。
河上さんとさとわちゃんが前々
から組んで下さったスケジュール
く進めていきましょう」
「 お 刺 身 で 出 し た い の で、 効 率 良
台所にお魚が届く日は一段と緊
張感が漂っています。
仲屋食品さんから届いたカジキマグロ、重さは約50キロでした!
「今日はカジキマグロだよ!」
いつも、なのはなに新鮮なお魚
(23)
ことができて、一定の手首と腕の
ようになめらかな手応えを味わう
れても崩れることがなく、すべる
せながら頂きました。
嬉しさで膨らませて笑顔を浮かば
お父さんお母さん、みんなと頬を
れ 食 卓 に 並 ぶ と、 と ろ け る 味 に、
三 十 分 く ら い 炒 め た と こ ろ で、 す。
さとわちゃんの、
「うん、良い感じ。良しにしよう」
間炒めます。
げないように、じっくりと約二時
るようです。身体全部で底から焦
な木べらで玉ねぎの海を漕いでい
手で作れることが本当に嬉しいで
レーライスの秘密を、自分たちの
よく『飴色の玉ねぎ』という言
葉 を 聴 く の で す が、 美 味 し い カ
し て も、 具 材 と し て も 入 り ま す。
シチュー、カレーにはペーストと
と思います。 玉ねぎはなのは
なで大活躍です。オニオンリング、
(前ページからの続き)
動きがメトロノームのように、心
失敗と迷惑掛けてばかりな自分
がいても、変わらぬ信用で包丁を
主役にも、脇役にもなれて、美
味しい力になりきる玉ねぎは、す
の『納豆オニオン』。
入れて食べる、村田先生も大絶賛
そして朝の納豆に刻んだ玉ねぎを
と 身 体、 包 丁 と 魚 が 一 体 と な っ
」
「魔法をかけまーす
さとわちゃんのOKサインをも
らって、完成しました。
握らせて頂けること、一人の人間
として受け入れて向き合って頂け
て、台所組さんが作って下さる空
気に乗って動いているのを感じま
という一言と一緒に、塩が投入
されました。
レーに溶け込むのでカレーがさらに美味しくなるようです!
ること、安心できる場で色んな経
ごいなと思いました。
そのタマネギをカレーに入れるとその甘みとうまみがカ
した。
こ の と き は 十 七・四 キ ロ の 玉 ね
ぎ が、 五・六 キ ロ の 玉 ね ぎ ペ ー ス
いうのも甘くなる理由だそうです。
験をさせて頂けることが有りがた
トになりました。
マネギの繊維が細かく崩れるので糖が舌に触れやすくなると
その瞬間、見る見るうちに玉ね
ぎ か ら 水 分 が 溢 れ 出 て き ま し た。
なのはなの美味しいカレーライ
スを支える、強力な影の力、玉ね
炒めることで水分が蒸発してうまみが凝縮されます。またタ
く、自分は恵まれていると改めて
タマネギに豊富に含まれているフラクタンという成分が分
「お疲れ様でした! 頂きます!」
本来持っている甘みだけが残ります。
まさに魔法の塩。
しかし! 辛み成分は加熱によってなくなり、タマネギが
感じ、嬉しくなりました。
なります。これがなのはなでいうタマネギペースト! 長く
ぎペースト。台所で思いを込めて、
さらに炒めると糖分とアミノ酸が加熱されてカラメル色に
鉄板に広げて冷ましていると、
( こ れ が 本 当 に、 あ の 量 の 玉 ね ぎ
これが普通にタマネギを炒めて甘くなった状態です。
炒められています。
解して糖が生成されてさらに甘みを感じるようになります。
だったんだろうか……)
るとタマネギが辛いのはこの成分のせいです。
山になっていた玉ねぎの勢いが
シュンと小さくなって、一気に木
ネギを切ることによって辛みが増してしまいます。生で食べ
べらが優勢の状態に。とても炒め
やすくなりました。
私が炒めているとき、みんなが
扇風機をかけてくれたり、ともか
ちゃんの持って来てくれるお茶で
タマネギには硫化アリルという強い辛み成分があり、タマ
冷たく冷やされたお皿の上にカ
ジキマグロのお刺身が盛りつけら
美味しさの秘密
――タマネギペースト作り――
力を溜めて、炒め続けました。
魔法の塩で水分が出て、炒める
とそれが白い湯気となり蒸発して
なつみ
ところから始まります。
てきます。
山になっていた玉ねぎがどんど
ん小さく、色も形もトロッとなっ
いくと、見た目がどんどん変わっ
一回の玉ねぎペーストを作ると
き二十キロ近くの玉ねぎを切りま
なのはなの日曜日。夕食はお父
さんお母さん、みんなが大好きな
カレーライスです。食堂へ入って
す。切っているとみんなから、嬉
玉 ね ぎ が 切 れ た ら、 台 所 で 大
鍋 に 油 を ひ い て、 玉 ね ぎ を 投 入。
白かった玉ねぎが、透明に、そ
してそれを越えたら、茶色のねっ
ていきます。
という嬉しい声が響きます。な
のはなのカレーライスの美味しさ
ジャーッという勢いの良い音がし
とりとしたペーストになっていき
し涙が溢れます。
きたお父さんの、
カレーだ」
の秘密の一つに、桃ジャムに並ん
て、そこからひたすら炒め始めま
ます。玉ねぎの香ばしくて、甘い
「ヒャッホー
で、玉ねぎペーストがあります。
す。
香りが漂います。
タマネギペーストで
カレーが美味しくなる理由!
!!
最初は大鍋にモリモリで、大き
!!
玉ねぎペーストは、玉ねぎを繊
維を断ち切る方向で薄く薄く切る
(24)
セブンブリッジ・
百人一首大会
どれも今なのはなで作っている
野菜です。
ゆう
フ
「 ル メ ニ ュ ー の あ と、 お 楽 し み
会をするのでリビングに集まって
「このカード出そうか」 い「や、こ
うしたほうがいいと思う」
ペアの人とヒソヒソ作戦を話し
合ったりするので、普段あまり話
すことの無い人でもより親しくな
れる気がします。また、揃いそう
なカードが何枚もあるとき、一人
で 三 秒 以 内 に「 チ ー」 や「 ポ ン 」
は見逃しそうなので、ペアの人が
いて良かったと思います。
をする人もいて、なるほど、そん
慣れてる人とペアになると自分
では思いつかないカードの出し方
のトマトだな)
(
『島さんご』って
なテクニックもあるのかと勉強に
( 恐 竜 の よ う な、 強 そ う な 品 種 名
南の島っぽいな)
ください」
六月二十九日、午前の作業発表
でこう言われました。
( 大 人 数 の と き は 一 回 目 に、 出 せ
るカードを全て出したほうがい
い)
後半のゲームをやって思ったこ
とです。個人的には少人数のとき
のゲームのほうが好きです。
そのあとは百人一首です。まり
のちゃんが強くて、何枚かは下の
句が読まれる前に取っていたのが
印象的でした。私は百人一首と坊
主めくりをするのは、おそらく小
学生以来です。
小学生のときに音読カードで百
人一首の俳句をいくつか覚えたけ
かなりお得になることがわかりま
たほうが回ってくる回数が多くて
と最初聞いたとき、そんな、と
思 っ た け ど、『 親 』 の 近 く に 座 っ
んだよ」
位置でも勝ち負けが変わってくる
「 そ の 日 の 風 向 き に よ っ て、 座 る
私がセブンブリッジをするのは
三、四回目でした。
て気持ち良さそうだなと思いま
上がりをしたら一気に点数が入っ
まだ経験したことないけど、一発
みんなカードを睨む姿から、本
気な感じが伝わってきます。私は
す。
たりするドキドキ感が味わえま
面白さ、点数が上がったり下がっ
まり使わない頭をフル回転させる
カードの使い方の工夫に、普段あ
人一首は、カルタのように絵は楽
ふ と そ ん な こ と を 考 え た け ど、
全く関係ないかもしれません。百
のだろうか)
も早そうだけど、強かったりする
れることもあります。そうなると
取るつもりでいたけど、先に取ら
一、二 行 を 覚 え て、 誰 よ り も 早 く
自分の近くにある取り札は最初の
ど、一つも思い出せませんでした。
て知ったのですが、カードを取っ
した。セブンブリッジはゲームの
す。
なることもあります。 たり捨てたりしながら、最も早く
初めにカードをみんなに配分する
が 試 さ れ な い と こ ろ が 好 き で す。
など思わず気になってしまう
リーグ名でした。 カードが無くなった人が勝つトラ
順番も決まってます。カードの配
後半は二つのリーグが合体して
九ペアになりました。大人数だと
私は瞬発力がかなり鈍いほうなの
もしかしたらセブンブリッジか
な、とフルメニューをしながら考
ンプゲームです。
り方で何が変わるのか、それは私
一回しか順番が回ってこなかった
です。結果ははっきり覚えてない
開かれます。私はなのはなで初め
雨で畑に出られないときなど
に、たまにセブンブリッジ大会が
首、坊主めくりもしました。
ました。セブンブリッジと百人一
えました。私の予想は半分当たり
まずリーグ名とペアの発表があ
りました。今回のリーグ名は、ト
にとってまだ謎です。
り、全く出番が無かったり、少人
けど、私は中の下くらいだった思
なのはなでは、二人一組でゲー
ムします。
ペアの人と
マトの『ホーム桃太郎EX』
、
ゴー
数のときとは違う展開に最初戸惑
『ダイナー』
、トウモロコシの『お
います。
しめないけど、カルタほど瞬発力
悔しいです。 (読書が早い人は取り札を読むの
ヤ の『 島 さ ん ご 』
、ズッキーニの
家ではトランプなんてしないけ
ど、なのはなでは人数や時間がた
いました。
大人数でのセブンブリッジの様子
く さ ん あ り ま す。 意 外 な 展 開 や
ひさまコーン』
。
(25)
あ る も の な の に、 知 ら な い こ と。
何度も見ているのに、ぼんやり
としか覚えていないこと。身近に
くくなるでしょう」
「 安 易 に、 知 っ て る、 っ て 言 い に
先生の問いに、正しく答えるこ
とができません。
小さな扉が、無数にあるのだと思
にも、その、新しい世界へつづく
るのだと思いました。そして日常
新しい世界への扉が、目の前にあ
る。目に見える世界が増えていく。
世界を見ることができるようにな
増 や す。 そ う す る こ と で、 よ り、
を増やすことで、関心のフックを
けれど、それだけではなく、知識
を知ることは楽しいと思っていた
ることに思えました。新しいこと
そのために、勉強する。そう思
うと、勉強が、とてもわくわくす
と思いました。
界を、ほんの片鱗でも、感じたい
見てみたいと思いました。その世
ろ う と 思 い ま し た。 そ の 世 界 を、
ている世界は、どんなものなのだ
た。お父さん、お母さんが見られ
見えているのだろうと思いまし
先生の言葉で、お父さん、お母
さんには、この世界はどのように
るよ」
もっとたくさんのものが見えてい
「お父さん、お母さんは、僕より、
ます。学んだことをすぐにその場
授 業 は、 教 え て 頂 い た こ と を
使って、次へ、次へと進んでいき
じました。
学んでいくことができるように感
さることで、
より内容を整理して、
を振り返って要点をまとめてくだ
の区切りごとに、先生がそれまで
ように感じました。そして、内容
章が何を言いたいのかが、分かる
ストを読むと、そのテキストの文
た。先生に教えて頂いた上でテキ
と入ってくるような気がしまし
み砕いて教えてくださると、何一
そ し て、 具 体 的 な 簿 記 の 目 的。
テキストに沿いながら、先生が噛
とが、簿記。
とになっている利益を計算するこ
れらをまわり、世の中の流れのも
社、個人、国や地方公共団体、そ
ついて教えてくださいました。会
いよいよテキストを開き、簿記
について学んでいきます。はじめ
ても有り難く、嬉しかったです。
簿記部六期生
普段、自分がいかにものを注意し
いました。
第六期なのはな簿記部が始まり
ました。
授業が始まる前日に、明日から
簿 記 六 期 生 が 始 ま る こ と を、 ス
タ ッ フ さ ん が 伝 え て く れ ま し た。
と。そうして、目に見える世界を
増 や し て い く こ と。 世 界 を 見 る
フィルターを増やしていくこと。
「コンビニって知ってる?」
「本当に知ってる?」
村田先生が仰いました。何気な
く頷くと、
待ったような、わくわくする気持
今回は三日間の授業です。待ちに
ち。 そ し て、 少 し の 緊 張 と 不 安。
と、村田先生。
そんな気持ちを抱えて、その日を
迎えました。
初日、教室に向かうと、すでに
村田先生がいらしていました。先
生の姿に、
( あ あ、 帰 っ て き て く だ さ っ た の
「 正 確 な ロ ゴ マ ー ク は? 全 国 に
何店舗あるのか。一日の売り上げ
は い く ら? 売 り 上 げ の 客 単 価
は? 一店舗の商品数は?」
同じものを見ていても、先生と
私では、得る情報量が違う。見え
その言葉から、村田先生のあた
たかいお気持ちを感じました。そ
が抜けたと思います」
うに感じました。
し使うことで、覚えられていくよ
うに感じました。はじめは覚えら
つ簿記の知識が無い私にも、すっ
るものがちがう。そのことを教え
して、そのお心遣いと共に、大き
新しい世界
に先生が、世の中のお金の流れに
だな)
て見ていないかを、実感すること
ゆず
と実感し、嬉しい気持ちになり
ました。ふみちゃんの号令で、拍
ができました。知ろうとしていな
で使う事で、身体に入っていくよ
スタート!
手と共に、授業が始まりました。
いかを、感じることができました。 「 こ れ で 少 し 勉 強 に 対 す る 肩 の 力
さいました。
て頂いて、先生が見られている世
なことを教えて頂いたことが、と
授 業 の は じ め に、 村 田 先 生 が、
勉強の定義について、教えてくだ
勉強とは、関心のフックを増や
すこと。
知識やデータを蓄積して、
界を見てみたいと思いました。
(次ページへ続く)
れないと感じるものでも、繰り返
自分のものの見方を変えていくこ
(26)
れること。
そこに理屈はいらない。
うに、まずは、型を自分の中に入
いうことです。武士道、剣道のよ
理屈と型のバランスが必要だ、と
理屈と型について、
村田先生が、
教えてくださいました。
勉強には、
画表には、イチロー選手の言葉が
業の後に送ってくださった学習計
ぐには出ない。そして、先生が授
やっと、海の上に出る。結果はす
して、
長い時間積み上げていって、
の時間が長いのは当たり前。そう
て、精一杯、学んでいきたいです。
与えて頂いたこの環境に感謝し
こ と。 共 に 学 ぶ 仲 間 が い る こ と。
簿 記 を 学 ぶ 機 会 を 頂 け る こ と。
そして、村田先生に教えて頂ける
積み重ねていきたいです。
先生が教えてくださった、これ
ら の 言 葉 を 胸 に、 日 々、 淡 々 と、
ひとつの道だと思っています」
全 て を 理 解 し よ う と し て い た ら、
書かれていました。
次に先生が帰ってきてくださる日
(前ページからの続き)
先に進まない。長く会計学を学ん
「小さいことを積み重ねることが、
が、待ち遠しいです。
人間は海の底から始まってい
て、だから、積み上げている最中
できた先生にも、まだ分からない
とんでもないところへ行く、ただ
なのはな
り、テキストや電卓が教卓の上に
に可愛い飾り付けがしてあった
前に五年生教室に入ると、黒板前
午前九時半、簿記六期生の第一
回目の授業が始まりました。授業
が感じられて、自分も自分なりに
なの笑顔が見えて、前向きな意識
と不安に思ったけど、近くにみん
の授業を聞いて学んでいくと思う
と、これからこの席に座って先生
簿記部六期生
初めての授業
た。名札から、大きな力を頂いた
準備され ていて嬉しくてありが
頑張ろうと思いました。
ゆうな
ことがある、と教えてくださいま
した。
繰り返し問題を解くことで、
型 を 自 分 の 中 に 入 れ て い く こ と。
そのことを大切に、やっていこう
と思いました。
一日目の午前の授業の最後に
は、村田先生が、簿記部恒例だと
いう名札を手渡してくださいまし
た。先生が一人ひとりの名前を書
いて用意してくださったもので
す。先生のあたたかいお気持ちを
よ う に 感 じ、 そ し て、 こ の 先 も、
限 吸 収 し て い け る よ う、 全 力 で、
たかったです。
この先も、村田先生に教えて頂
ける大切な時間を、
目一杯感じて、
人間は海の底からはじまる。授
業 の 初 め に、 先 生 が 教 え て く だ
教えて頂けること、そして、たく
さんのお話を聴かせて頂けるこ
過 ご し て い き た い で す。 そ し て、
さったことです。
(次ページへ続く)
自分の決めてもらった席に座る
たくさんの力を与えてくれるのだ
本当に有り難くて、かけがえのな
全身で、精一杯向かっていきたい
感じて、とても嬉しい贈り物でし
ろうなと思いました。
い時間でした。
初めての授業はいきなり勉強か
ら始まらず、先生が思う人生で大
三日間の授業は、本当にあっと
いう間でした。村田先生に簿記を
です。
後ろには、村田先生の授業の様
子を撮るカメラが立っていて、
切なことを話してくださいまし
と。村田先生と、簿記部六期生の
先生が教えてくださることを最大
と思いました。
(いよいよ始まるんだな)
みんなと過ごす、
あたたかい時間。
(27)
る世界を広げていくことが、自分
「 関 心 の フ ッ ク を 増 や し て、 見 え
「 人 は、 自 己 実 現 の 為 に 生 き て い
(前ページからの続き)
た。
頑張っていこうとみんなに話して
れど、必ず自分の思いは叶うから
うです。すぐには結果は出ないけ
日々の生活から積み重ねているそ
先生は、その人生になるように
毎 日 一 生 懸 命 努 力 を さ れ て い て、
た。
希望に満ち溢れていると感じまし
さいます。
たり、休憩をこまめにとってくだ
と、何度も空気を変えてくださっ
みんなが退屈にならないように
雑学のお話をしてくださいます。
のお話や社会のできごとのお話や
はなく、みんなのためになる哲学
村田先生の授業は、苦に思いま
せんでした。先生は簿記ばかりで
育っていきながら一緒に学び合
え 合 い、 助 け 合 い、 励 ま し 合 い、
くさんいてくれています。共に支
はなには簿記をしていた先輩がた
くれることに気付きました。なの
ど、私にはたくさんの仲間がいて
簿記に関して全くわからなく
て、ゼロからのスタートだったけ
した。みんなの「意気込み」の思
かったです。
生のことがいろいろ知れてうれし
わかりやすくまとめてあって、先
フ ィ ー ル も 一 緒 に 付 け て あ っ て、
さいました。先生の見本用のプロ
をみんなに書くように配ってくだ
少し安心しました。
と、みんなに教えてくださいま
し た。 私 は、 そ の こ と を 聞 い て、
段をはき違えないように」
「 合 格 が 目 的 で は 無 い。 目 的 と 手
のですが、村田先生は、
とを目的に勉強していると思った
簿記部の人は、試験に合格するこ
ていきたいです。
簿記を通して自分を成長させてい
強 し て い け る こ と が 嬉 し い で す。
す。簿記部六期生として簿記を勉
でもないそんな時間を過ごせま
なのはなファミリーにいると毎
日が充実していて、忙しくも退屈
にありがたいなと感じました。
くれます。私は、そのことが本当
きたいと思いました。努力し続け
いが、先生にしっかり届いている
書く欄に「意気込み」があった
ので、私の意思をしっかり書きま
といいなと感じました。
力を積み重ねる。四、教える喜び
を知る。五、会計を通して社会に
る。そのための手段のひとつとし
です。私は、この目的を聞いてっ
かり、なのはな簿記六期生として
合格を目指します」 貢 献 す る。 六、 誰 か の 希 望 に な
私がなのはなファミリーに来た
ときは、五期生が二級の勉強をし
て、『日商簿記検定試験』
を受験し、
と思っていました。
だろう)
(簿記って聞いたことあるけど何
ている最中でした。 そのときは、
簿記部六期生として
学 ぶ 喜 び を 知 る。 三、 小 さ な 努
なのはな簿記部の目的は、
「一、人生の選択肢を広げる。 二、
う、同じ六期生仲間がそばにいて
頑張っていこうと思 いました。
の成長に繋がる」
くださいました。
私もそう思える、
村田先生は一期生からみんなに
書いてもらっているプロフィール
先生が思う一番良い人生は勇気や
など、他にもいろいろなことを
教えて頂きました。
人間になりたいです。
く」
先生が話してくださった一言ひ
と こ と は、 胸 に 強 く 響 き ま し た。
(28)
のぞみ
今回は、『健康スポーツクラブ』、
『 犬 平 台 』、『 な の は な 』 の 三 チ ー
ソフトボールの部」がありまし
た。
の二試合目。
『 健 康 ス ポ ー ツ ク ラ ブ 』 チ ー ム
と『犬平台』チームが対戦した後
かいました。
試合に向けてお父さんが話して
くださったことを心に、試合に向
ムが出場し、総当たり戦を行いま
ちゃんへ、そう声をかけ続けてく
れました。
その静かな、芯のある声に、私
も心が引き締まりました。
「 ワ ン ア ウ ト、 ラ ン ナ ー、 一、二
塁!」
ゆうかちゃんの明るい声が響き
ました。
(みんなで一つずつアウトを取ろ
う)
焦る気持ちを抑えて、そう思い
ました。
塁 に 出 ら れ る よ う に な っ て い き、
回を重ねるごとに、緊張がほぐ
れていきました。少ない打者でス
そんなとき、ベンチにいてくれ
るあゆちゃんとゆうかちゃんの存
選手のみんなも表情が和らいでい
(次ページへ続く)
リーアウトをとれたり、攻撃では
在に助けられました。
きました。
あゆちゃんはピッチャーのなる
「ゆっくり。きれいな球」
みんなで一つずつ
次 々 と 点 を 入 れ ら れ て し ま い、
気持ちが焦りました。
た。
序盤は緊張が抜けず、守備では
なかなかアウトがとれませんでし
ソフトボール経験者の方が中心
の、優勝候補のチームです。
した。
合をしてください」
「 勝 っ て も 負 け て も、 き れ い な 試
この日、お父さんとお母さんは
出張でした。
私 た ち は、『 健 康 ス ポ ー ツ ク ラ
ブ』チームと対戦しました。
七 月 一 日。「 勝 央 町 民 球 技 大 会
ソフトボール大会
みんなで戦った
(29)
かって走りました。
(前ページからの続き)
途中、二廻り目の打順だったで
しょうか。
三塁側にいる、家族のみんなが
大きな歓声を送ってくれている姿
私は無心で、けれど、ボールの
行方を確かめて、三塁ベースに向
満塁で私に打席が回ってきまし
た。
が見えました。
(ホームまで行ける!)
その瞬間にそう思い、
ホー
私は、
ムをめがけて三塁を回りました。
私は、緊張しました。
(ここで打てなかったら……)
という、後ろ向きな気持ちがよ
ぎりました。
ベ ー ス を 踏 ん だ 瞬 間、 ガ ッ ツ
ポーズが出ました。
自然と、心の奥底から出てきま
した。
けれど、気持ちを入れ換えまし
た。
(次のまえちゃんに繋ごう)
た だ、 そ れ だ け を 思 い ま し た。
すると、心は落ち着きました。
それは、今までに経験したこと
のない自分の姿でした。
あったこと。
て、 相 手 の ナ イ ス プ レ ー を 喜 び
グローブとグローブでタッチし
プレーが出ていました」
刺激されて、他のチームにも良い
いプレーもたくさんあり、それに
というものでした。
私は、なのはなファミリーの気
持ちが広がったことを感じまし
れるみんなが、うちわや手を叩い
と。それが、まだ見ぬ人へ伝わっ
なのはなの子として、強く、美
しく、真面目に、誠実に生きるこ
た。
て喜んでくれたこと。
もう一つ、忘れられないことが
あります。
気持ちが広がる
もう終わってしまうの?)
そ れ は、 審 判 の 方 が 閉 会 式 で
言ってくださった言葉です。
過ごしていきます。
これからも、なのはなの子とし
て恥ずかしくないよう、真面目に
なのはなの子として参加させて
もらえて、本当に嬉しかったです。
ていくということを、今回の試合
で体験させてもらいました。
りも心強かったこと。
あ ゆ ち ゃ ん、 ゆ う か ち ゃ ん が、
ベンチにいてくれたことが、何よ
得 点 が 入 っ た と き、 ナ イ ス プ
レーがあったときに、応援してく
と。
みんなと祈るように、バッター
ボックスに立つ選手を応援したこ
『健康スポーツクラブ』チーム
との対戦は、七対四で負けてしま
いました。
しかし、徐々に自分たちらしい
プレーができるようになり、次の
『犬平台』チームとの対戦に繋が
る試合になったと思います。
伸び伸びと
次の『犬平台』チームとは、四
対一で勝利することができまし
なるちゃんがグラウンドの中央
で、淡々とピッチングをする姿が
この試合では、打者三人を続け
て ア ウ ト に で き た り、 ダ ブ ル プ
お父さんとお母さんが不在のな
か、家族みんなで一つになって戦
た。
レーがいくつかあり、テンポ良く
えたこと。
(来たっ!)
と思ったボールに向かい、バッ
トを振りました。
守りを終えることができました。
きれいだったこと。
ボールは、相手の外野の選手の
間を抜けていきました。
て貪欲に走りました。
みんなで伸び伸びとプレーでき
て、楽しかったです。
と思いました。もう試合がない
ことが、残念でした。
その姿に感動しました。また、良
き な ど、 ず っ と 走 っ て い ま し た。
「 な の は な さ ん は、 守 備 に つ く と
ナ イ ス プ レ ー が あ っ た と き に、
点数が入ったときに、選手のみ
んなとハイタッチをしたこと。
全ての試合を終えたとき、
( ま だ ま だ こ れ か ら な の に ……。
なのはなの
そんな様々な場面が、心に残っ
ています。
応援のみんなも、家族みんなで戦
いました
結果は、準優勝でした
攻撃では、ヒットが出て、相手
の隙をついて次のベースをめがけ
(30)
勝央町民
バレーボール大 会
ま し た。 古 吉 野 で の 練 習 時 間 は、
『 な の は な イ エ ロ ー』 と の 試 合 形
式の練習が中心になりました。
一点をどちらかが取ったごと
に、今のプレーは、何が問題だっ
たか、何が良かったか、どこのポ
ジションにいるべきだったかなど
をチームのみんなで話し合いまし
硬式バレー部は、二月から練習を
す。 ネ ッ ト 際 の せ め ぎ 合 い が 起
私は、バックセンターを守って
います。私の新たな課題は、「ボー
なるみ
ド』
、『なのはなイエロー』
の二チー
はじめました。
こ っ て い る と、 自 分 も つ い つ い、
た。
ムが出場しました。
毎週日曜日の夜は、硬式バレー
の練習日。試合が近付くにつれて、
バレー。
――なのはなレッド――
」
「なのはなレッドーー!」
「オーーッ
私 た ち『 な の は な レ ッ ド 』 は、
六月二日に『ラ・メール』チーム。
木曜日の夜や、日中の作業の時間
強くなっていました。この強打練
タッカーのみんなが打つ球も、力
られました。アタック練習で、ア
六月二日、十六日の試合を経て、
試合を通して、自分たちの課題が
しました。
イメージを持って練習をするこ
とで、やる気も、やり甲斐も、増
(次ページへ続く)
ルをポーンッと落とされる、とい
前に出てしまいます。そうすると、
ルを追ってしまう」ということで
十六日に
『なのはなイエロー』
チー
りました。
にも、練習をさせてもらいました。
ムと『STO』チーム。二十三日
後ろが空いてしまい、そこにボー
に『ラブリーズ』チームと対戦し
硬式バレーのチームは、観戦を
させてもらいました。
毎週木曜日の夜、
六月二日から、
五週に渡って行われた『勝央町民
その時期に合った練習メニュー
を、硬式バレー部のリーダーであ
全日本女子バレーの方々のプ
レーを見たり、お父さんや、しほ
ました。
るしほちゃんが組み立ててくれま
ちゃんの解説を聞かせてもらっ
球技大会・バレーボールの部』に、
した。
チベーションも上がりました。
て、とても勉強になりました。モ
そして、新しく始まったのは強
打練習。強い球を打つための練習
( こ ん な 風 に レ シ ー ブ が し た い、
こんなバレーがしたい)
習は、アタックだけでなく、サー
見えてきました。
と思いました。
ブにも表れました。
「試合慣れしていない」
ということを、お父さんが言い
また、五月十四日からはじまっ
た、リオオリンピック全日本女子
少しずつ強くなっているのを感じ
こ の 強 打 を、 毎 日 行 い ま し た。
日 に 日 に、 ボ ー ル を 打 つ 強 さ が、
です。
な の は な か ら は、
『なのはなレッ
お 父 さ ん を 囲 ん で 円 陣 を 組 み、
『なのはなレッド』はコートに入
!!
この試合に向けて、なのはなの
(31)
しほちゃんが、その二枚ブロッ
クに向かって、アタックを打ちま
(前ページからの続き)
う 失 点 が、
『STO』チームとの
した。
「これは、すごい練習になる!」
試合で何度もありました。
「 バ レ ー ボ ー ル は、 ボ ー ル を 相 手
の穴に落とすゲーム。自分のコー
と、お父さんが教えてくれまし
た。
んがアタッカーのみんなに教えて
トにするには、相手のブロックの
し ほ ち ゃ ん の ア タ ッ ク が、 ブ
ロックマシーンの手に当たり、ア
ボールばかりを追うのではな
く、周りを見て、穴を埋めていく。
くれました。
トで、穴を作らないことが大切」
頭 を 使 っ て、 心 を 使 っ て、
〝自分
どこに当てたら良いか、しほちゃ
ウトになりました。ブロックアウ
がいるべき場所〟にいられるよう
ブロックマシーンのあるアタッ
ク練習は、更に、実のりある練習
になりたいと思いました。
た。
もっと強くなりたい。もっと上
手くなりたい。その気持ちを、強
くしました。
秋の大会に向けて、また練習が
はじまります。
ると思いました。だからボールが
相手を怖がって、百パーセント
本気で向かっていない。一生懸命
れば、本気で向かわなければいけ
う、ここでなんとしてもやめなけ
ても同じことを繰り返してしま
張れなかったら、私はどこに行っ
ないのだと思いました。ここで頑
とれない、繋がらない、攻撃でき
やっているふりをして、逃げてい
目 指 す は、 優 勝。 高 い 意 識 と、
強い気持ちで、向かいます。
最初のステージ
――なのはなイエローとして戦った
ないと思いました。
ました。
と、言ってくれて、私はそのと
きお母さんの笑顔を見て、自分が
は「っぱをかけるのが遅かったね
たのだろうと思ったとき、自分の
実 力 的 に 弱 く て も、 ど う し て
もっと強気に向かっていけなかっ
りでした。 番、積極的に向かっていったつも
こともなかったです。今までで一
てしまっている自分がいて、練習
(次ページへ続く)
」
『ラ・メール』戦の試合が終わっ
たとき、
お母さんに挨拶に行くと、
一試合目の『ラ・メール』戦は、
初戦だったのと、相手の攻撃から
情けなくなり、古吉野にいるみん
お母さんは笑顔で、
気持ちがのまれてしまい、情けな
なに申し訳ない気持ちになりまし
た。でもそれより何より、自分の
ことが嫌になりました。
しほちゃんが、笑顔で言いまし
た。
弱さと、練習不足を痛感しました。
試合に向けての練習で、手を抜
いたことはありませんでした。サ
『なのはなレッド』チーム対『ラ
ブリーズ』チームとの試合は、圧
けれど、試合になると、相手を
怖がっている自分、気持ちが負け
悔しさ
い戦いをしてしまいました。
まき
勝央町民バレーボール大会――
『なのはなレッ
そ し て 迎 え た、
ド』チーム対『ラブリーズ』チー
てきました。
になりました。
ムとの試合では、ブロックマシー
『 な の は な レ ッ ド 』 は、 残 す と
ころ、
あと一戦。『ラブリーズ』
チー
ムとの試合のみとなりました。
ンの効果が発揮され、しほちゃん
春季の硬式バレー大会に、私は
『 な の は な イ エ ロ ー』 と し て 戦 っ
あ る 練 習 の 日。 し ほ ち ゃ ん が、
嬉しそうに体育館に入ってきまし
春季大会は五週に渡って行われ
の打つアタックが、どんどん決ま
りました。相手のブロックに当た
た。
(何だろう?)
ト〟もありました。
り、アウトになる〝ブロックアウ
し ほ ち ゃ ん が、 木 の 棒 の 先 に、
手の形をした板が取り付けられた
二 本 の〝 手 〟 を 持 っ て い ま し た。 「ブロックマシーン、最高!」
の通り、アタックをブロックする
倒 的 な 力 で、
『なのはなレッド』
自分では、一生懸命やったつも
りでした。
でできたことを出せませんでし
た。ネットから出た板の〝手〟は、
ボったこともなかったし、逃げた
ためのもの。早速、ともかちゃん
が勝利を収めました。
けれど、応援に来てくださって
いたお母さんの、声を聞いたとき、
その名も『ブロックマシーン』
とあやかちゃんがブロックマシー
『なのはなレッ
今 回 の 大 会 で、
ド』は、準優勝でした。
本当は違うと思いました。
!!
須原さんと、しほちゃんが作っ
てくれた、この新兵器は、その名
ンを手に、ネット際にに立ちまし
この準優勝は、悔しいものでし
凄みがありました。
(32)
た。
(前ページからの続き)
してもどこまで強気で攻撃した
か、たとえ点が決まらなかったと
で最後までボールを繋ごうとした
チューブで見たり、誰かに聞いて
もう一度ダイジェスト版をユー
日 本 女 子 の 試 合 を 思 い 出 し た り、
のに、そのとき、自分でも驚くく
しほちゃんが言ったことは、今
まで何度も教えてもらったことな
りました。
らい、急に自分に入ったのがわか
出して、確認しあったりしました。
予測すること。それも今まで何
度もお父さんに言われてきたけれ
もらいながら、自分の動きを口に
私はなのはなの子です。なのは
なの子として、みんなに恥をかか
なのはなイエローの目標は、『ラ
ブリーズ』チームに勝つことでし
ど、 で き て い な か っ た こ と で す。
か。問題は試合の内容です。
優 勝 の チ ー ム な の だ か ら ) と か、
せるような、なのはなを下げるよ
た。
(私は
自 分 に は 心 の ど こ か に、
Bチームなのだからしょうがな
そういう言い訳があったと思いま
う な プ レ ー は も う 二 度 と し な い。
いたと思います。
との練習では常に全力で、毎回自
そこからは、時間を見つけては
誰かを誘って強打の練習、みんな
エローの特訓が行われました。
レッドの人も手伝ってくれて、イ
の中で見えていた世界が変わりま
それまで、自分は『ラ・メール』
戦から何も変わっていないと思っ
い ) と か、
(相手は毎回優勝か準
した。その気持ちがプレーに出て
と自分に入ってきました。
分の弱いところを重点的に練習し
それでも、私は全然動けなくて、
自分がとるべきボールをとること
した。
それが練習終了一時間前に、やっ
そう思いました。
『ラブリーズ』チームとは最後
の週に対戦するので、それまでは、
あとで、お父さんから、
ました。しほちゃんには毎回見て
ができず、またお見合いになるこ
と言われたとき、そう思いまし
た。
」
み
「 んなが応援に来なくてよかっ
た。これじゃ気持ちが上がらない
もらって、何が違うのか、細かく
とも多く、攻撃に繋げることが出
勤労者体育館二日目、その日の
夜が『ラブリーズ』チームとの試
いうとき、急に自分の体が動くよ
合、あと一時間で練習が終わると
げされたなと思いました。今夜の
今
「 日 の 練 習 を 見 て、 こ の 一 か 月
でイエローのみんなもだいぶ底上
試合の前の夕食の席で、お父さ
んから、
した。怖くなくなりました。
ていたけれど、このとき、コート
アドバイスをしてもらいました。
来ませんでした。
お父さんもお母さんも、勝ち負
けで怒ったり、非難したりしませ
うになってきました。
いかなと思っています。期待して
試合は、いい試合になるんじゃな
しほちゃんが相手コートから
サーブを出しながら、
場所がなかったので、試合会場の
んであげて。まきちゃんはアタッ
一「本目をとったら、後ろに下がっ
てセミレフトにゆうかちゃんを呼
と思います。
と、お話しを聞いたとき、私は
もう緊張から顔がこわばっていた
き、しほちゃんの気持ちがありが
練習することになったと聞いたと
次のボールもよめるようになりま
く な っ て、 動 け る よ う に な っ て、
と、 言 わ れ た と き、 い き な り、
全てが繋がりました。急に体が軽
と、テーピングの白さが、自分の
いてくれたテーピングのきつさ
の親指の捻挫に、しほちゃんが巻
」
勤労者体育館を借りての練習でし
カーなんだから、その準備をして
います
た。
初戦のような失態は絶対にした
くない。癖になってしまった右手
たくて、私はお父さんやお母さん、
した。
(次ページへ続く)
しほちゃんを裏切れないと思いま
しほちゃんがお父さんに相談し
てくれて、勤労者体育館を借りて
待っていればいいんだから 」
最後の週は、体育館に収穫した
ジャガイモが干されていて、練習
全てが繋がった
疲れたり、気持ちが切れそうに
な っ た と き に、 み ん な で 見 た 全
ん。どう戦ったか、どこまで強気
(33)
気持ちを引き締めてくれて、絶対
として、二対ゼロで負けてしまい
そこから、途中までは競って
いたけれど、結局二セットとも落
終わりました。
繋がらず、落としてしまい試合が
ず、上げたボールが低かったので
んの解説の元、みんなと見た時間
らいました。お父さんとしほちゃ
興奮と、たくさんの夢と希望をも
(前ページからの続き)
に大丈夫だと思えました。
ることはありませんでした。
相手が怖いとか、雰囲気にのまれ
のサーブの予測が曖昧でした。例
ジショニングが悪かったり、相手
落としてしまったり、今思うとポ
後半戦の中盤からは崩れてしま
い、なんでもないボールも連続で
課題が見えてきたと思う。次に向
に何が足りないか、次に向けての
がいい加減なことなど、自分たち
み
「 ん な よ く や っ た と 思 う。 で も
今回の試合で、ネット際のプレー
はできないこと、そのことを知り
しでもあったなら、チームプレー
出さずとも人を責める気持ちが少
ないこと。誰かを責めたり、口に
かったら、ボールは絶対に繋がら
な気持ちや信頼する気持ちがな
が凄く楽しかったです。
ました。
試合が終わったあと、お父さん
から、
あゆみちゃんとなつみちゃんの
アタックが決まったとき、まゆこ
えダメでも、自分で感じたことに
けて頑張ろう 」
その夜の『ラブリーズ』戦では、
コートに入ったときも、
試合中も、
ちゃんのサーブが連続で決まった
根拠を持って、もっともっと自信
と言われました。
クが決まったとき、コートの外か
らお父さんの、
全日本女子の試合観戦と、みん
なとの練習を通して、仲間を好き
とき、
なつみちゃんのフェイント、
を持って動くべきでした。
練習通りにできたこと、練習で
できたのに出せなかったこと、そ
私となつみちゃんで飛んだブロッ
最 後 に は、 ネ ッ ト に か か っ た
ボ ー ル が 落 ち て き た と き、 私 は
れぞれあります。ラブリーズ戦は
逃げなかったけれど、納得のいく
ま せ ん。 心 を 正 し さ な い か ぎ り、
コートの中では、ごまかしがきき
思っていました。
と 思 っ て い ま し た。 で き な い と
まって、私は一生バレーはしない
私は中学ではバレー部でした
が、人間関係から途中でやめてし
ました。
ボールを高く上げきることができ
試合かと聞かれたら、答えはNO
一時的にも繕うこともできませ
よ
「くやった! 」
と言う声が聞こえてきて、みん
なでコートの中心に集まって声を
です。
に、みんなが見て気持ちの上がる
次の試合では、自分の誇りにか
けて納得のいく試合ができるよう
私はバレーを通して自分を変え
ていきます。
ていました。でも、しほちゃんを
ながらも、気持ちは閉じてしまっ
います。今までは、バレー部にい
をする気持ちになれた、やっと最
ん。
掛け合いながら、
( ま だ ま だ、 も っ と い け る。 こ ん
この数か月、練習や試合を通し
て、 自 分 で 感 じ た 自 分 の 課 題 は、
試合になるように、自分の課題を
はじめ、みんなのおかげで、練習
なのはなでバレー部に入らせて
もらってから、今、自分がバレー
ポジショニングの甘さ、予測して
忘れずに、もっと練習していきま
も、試合も、後悔は残っているけ
なもんじゃない。次はもっと)
動くこと、決断力、粘り強さ、最
す。
バレーを通して
るので、あまり点数は見ていませ
後までボールを追いかける諦めな
私は点数を意識すると、気持ち
が焦ってできることもできなくな
き な い と こ ろ を 嫌 で も 感 じ ま す。
出ます。全部見えます。自分ので
たことも、コートに立つと全部が
段の生活で、自分が曖昧にしてい
キューっと締め付けられるような
子 の 試 合 か ら、 何 度 も 胸 が 熱 く、
予 選 と 重 な っ て、 私 は 全 日 本 女
ございました。
て、嬉しかったです。ありがとう
みんなが受け入れてくれて、み
んなと一緒に練習させてもらえ
れど、とても楽しかったです。
初のステージに立てたなと思って
んでした。
い気持ちなど、沢山あります。普
と自分の気持ちが強くなってい
きました。
お父さんがタイムをとってみん
なを集めたときに、
たまたまこの期間、全日本女子
のリオデジャネイロオリンピック
今
「、シーソーゲームになってい
る
」
と、聞いて、自分たちは負けて
いないことを知りました。
(34)
みんなで作る
『シーサイド・ランデブー』
ジにぴったり合うように、服を組
み合わせていきました。スパッツ
を腰に巻いてベルトのようにした
り、腕につけるフリルを重ねてみ
たり、一着の衣装で何通りもの着
方が考えられて、楽しかったです。
十九日が発表の日でした。体育
館を可愛く飾り付けしてくれてい
けでわくわくしてきました。
まゆみ
落ち着いた雰囲気のある、なんだ
て、本当にきれいで、見ているだ
か聞いていて安心するような曲で
当日は朝からダンスの練習やメ
イク、衣装の準備などをみんなで
り、
動画を調べて真似してみたり、
わ く わ く し て う れ し い 気 持 ち と、
い よ い よ 本 番 な ん だ な と 思 っ て、
した。
チームの話し合いの中でも、た
くさんの曲のイメージが出てきま
とにかく思いついた振り付けをど
緊 張 す る 気 持 ち が 入 り 交 じ っ て、
ました。
七月から、新しい曲のダンス考
案 が 始 ま り ま し た。 曲 の 名 前 は、 『シーサイド ラ
・ ンデブー』は『浜
辺のデート』という意味だそうで
とうきうきした気持ちになりまし
した。
ん ど ん 組 み 合 わ せ て い き ま し た。
なんだか落ち着かない、複雑な気
ラ
・ ンデブー』です。
た。思わず踊り出したくなるよう
「少し古風な感じ」「社交ダンスと
最初は真っ白な状態で、みんな頭
『シーサイド
六つのチームに分かれて、それ
ぞれでダンス、衣装を考え、発表
な楽しい曲だけれど、それも行き
か 踊 っ て い そ う 」「 タ ッ プ ダ ン ス
うなステップやポーズが出てきた
いると、自分では思いつかないよ
した。でも、みんなで話し合って
ほど、頭が混乱してきてしまいま
な形にするのは、考えれば考える
んやりとしたイメージを、具体的
で も、 実 際 に ダ ン ス を 作 る の
は、意外と難しいことでした。ぼ
か、楽しみになってきました。
と、みんなで話していると、こ
れからダンスがどんな風になるの
やフラダンスも合いそうだよね」
増していきました。
まったという安心感とうれしさが
とつの動きが完成するごとに、決
もみんなで合わせました。一つひ
位 置 な ど、 細 か い と こ ろ を 何 回
を重ねました。手の向きや目線の
それぞれのチームで、夜の時間
なども使いながら、どんどん工夫
いきました。
習するのもだんだん楽しくなって
ずつダンスが決まっていって、練
を抱えて悩んでいたけれど、少し
の仕方があるんだなと、見ていて
もこれだけ違ったいろいろな表現
フープを使っていたり、同じ曲で
寸 劇 の よ う な も の が あ っ た り、
小人が登場したり、一輪車やフラ
した。
最初のチームから発表していきま
ちゃんの司会で始まって、会場の
お昼過ぎにいよいよ発表会が始
まりました。あゆちゃん、あゆみ
持ちでした。
衣装も、本物の花を使ったり、
(次ページへ続く)
本当に面白かったです。
雰 囲 気 も 高 ま っ て き た と こ ろ で、
りして、新鮮な気持ちになりまし
た。
知っている踊りをアレンジした
にある衣装で、自分たちのイメー
ダンスと比べると、衣装は比較
的考えやすかったです。なのはな
しました。いつもと違う雰囲気で、
することになりました。
過ぎた楽しさではなくて、どこか
す。軽快なリズムで、聞いている
初めて曲を聞いたとき、なんて
うきうきする曲なんだろうと思い
(35)
見てくれているみんなが笑顔でい
な で 踊 っ て い る と い う 一 体 感 と、
自分が発表するときは、やっぱ
り緊張したけれど、チームのみん
くうれしかったです。
んなと一緒に見られることがすご
したり、歓声をあげたりして、み
面が出るたびに、みんなで拍手を
では、面白い動きやかっこいい場
思って、驚きました。発表の最中
どうやって思いついたんだろうと
ツ を シ ャ ツ の よ う に 着 て い た り、
帽子を手作りしていたり、スパッ
かして、もっといいものができた
機会があったら、学んだことを活
ができました。また今回のような
いろいろな表現の仕方を知ること
た 時 間 で し た。 ダ ン ス や 衣 装 も、
でやると本当に楽しくて、充実し
考案のときも発表のときも、大
変なこともあったけれど、みんな
れしかったです。
た。すごく甘くて、おいしくてう
黄金色にキラキラ輝いていまし
た。 実 が ぎ っ し り 詰 ま っ て い て、
ウモロコシをみんなで食べまし
会の途中にはティータイムが
あって、朝に収穫したばかりのト
を苦しめないだろうか、というこ
いのか、私の作る空気で、みんな
リーダーとして、どう動いたらい
た。自分にリーダーができるのか、
い う 言 葉 に、 構 え て し ま い ま し
した。私はそのとき、リーダーと
演出などの考案をさせてもらいま
ち ゃ ん と 一 緒 に、 ダ ン ス や 衣 装、
れもんちゃん、もえちゃん、よし
ん、まりのちゃん、なつみちゃん、
私は、ゆうかちゃん、あんなちゃ
ん、 よ し え ち ゃ ん、 ま な み ち ゃ
きました。
考案は、約一週間を設けてもら
い、六チームにわかれて進めてい
した。
ら出たイメージやアイディアなど
作ることができました。みんなか
テ ン を く ぐ る と、 色 と り ど り で、
衣装合わせで、パソコン室の入
り口のピンク色のビーズのカー
た。
地にいるような気持ちになりまし
のり、歌っている体育館は、遊園
ん な が 笑 顔 で、 踊 り、 リ ズ ム に
とって、練習をしていました。み
リンなど、素敵なアイテムを手に
麦わら帽子や、マラカス、タンバ
フープや一輪車、色とりどりの旗、
なが笑顔で、歌い、踊り、それぞ
体育館に行くと、『シーサイド・
ランデブー』が流れていて、みん
もいました。
(前ページからの続き)
てくれて、ずっと踊っていたいぐ
らいいなと思います。
とが、ありました。
の部門に、切り分けました。
の子イメージ』『女の子イメージ』
を、
紙に書いて、『演出』
『衣装』
『男
い!」と迎え入れてくれました。
て、まゆこちゃんが、
「いらっしゃ
華やかな衣装や小物が並んでい
チームのみんなも、他のチーム
のみんなも、どこに行っても、笑
顔でした。
かったと思えるような気持ち、夢
な甘い歌声、起きたこと全てがよ
が、女の子に気持ちを伝えるよう
作ってくれたり、練習ができるよ
ろ を、
「こうしてみよう」と形を
かわからず、まごついているとこ
した。私がどうまとめたらいいの
みんなは、いつも笑顔でいてく
れて、アイディアを出してくれま
したい、よく生きたい、という気
いて、自分のできることを精一杯
は、いつも一生懸命で、楽しんで
け て も ら っ て い ま し た。 み ん な
くれていて、みんなの笑顔に、助
でした。みんなが、空気を作って
作り上げていく時間
でも実際の考案の時間では、み
んなに助けてもらって、みんなと
れの役を、演じていました。フラ
らい、すごく楽しくできました。
みんなを感じて
――『シーサイド・
新曲『シーサイド・ランデブー』
の、チームでの考案、発表会があ
の世界にいるような楽しげな効果
うに声を掛けてくれたり、考案の
持ちなのだと、思いました。
みんなが気持ちを沿わせてくれ
ていて、私は独りではありません
りました。
音に、心が躍るような気持ちにな
時 間 以 外 で も、
「こんなことを考
ランデブー』の
やよい
考案と発表会――
リビングで、みんなと『シーサ
イド・ランデブー』を聴きました。
り、夏のイベントで披露するのに
(次ページへ続く)
翼が生えて、空へとんでいけそう
えたんだ」と声をかけてくれる子
も、ぴったりな曲だな、と思いま
発表会の始まりです
な、軽快なリズム、恋する男の子
(36)
(前ページからの続き)
た。体育館のステージは、子ども
夜、みんなで体育館に集まりまし
子が女の子に花束として渡せるよ
キア、というお花を摘んで、男の
り越えられていけるということ
の力があれば、どんなことでも乗
んなからの善意や優しさ、みんな
が心待ちにしていたプレゼントの
うにするシーンがあったり、デー
私たちのダンスには、男の子の
幸せな気持ち、女の子がいること
を、 心 の 深 い と こ ろ か ら、 感 じ、
ように、サテン布で飾られていま
トに行く前の前日の夜、楽しみな
で、日々が彩られていくような気
した。白、水色、オレンジの配色
私は、心の深いところから、み
んなを感じられるようになりた
を、 感 じ ら れ る よ う に な り た い、
して、みんなの存在、みんなの力
自分にこだわらず、自分を透明に
すっとなくなっていくのを、感じ
うという、
うっすらとした緊張が、
年のウィンターはどうなるのだろ
進まないことで先を悲観的になっ
サイド・ランデブー』の考案を通
こと、そうなっていけるというこ
そして、自分自身にも、力がある
持ちを、ダンスで表現する小人を
は、
夏を思わせるような爽やかさ、
気持ちや、
恥ずかしさと緊張感で、
作りました。その小人たちの軽快
とを、信じて、立ち向かっていけ
ロリポップを思わせるような可愛
そのことしか考えられない !そ
んな気持ちを、マンボ風のステッ
で、楽しげなステップを、いくつ
るようになりたい、とこの『シー
らしさもあり、今年のウィンター
プで表現した踊りでした。
か考えて、速いテンポの中に収め
コンサートの『チャーリーとチョ
して思いました。そして、いつか
ていくこと、次のフォーメーショ
同じ曲から、いろんな角度、切
り口から、演出が考えられ、気持
コレート工場』というイメージの
は、人の役に立てるように、表現
ンに移動するタイミングなどを考
ちが表現されていました。みんな
中で、みんなの新しい想像は、す
者として生きていけるように、力
えていくことが、難しく感じまし
は、新しい世界を作り出していま
をつけていきたい、
と思いました。
でに広がっているのだと、思いま
した。また、心の奥底にある、今
い、と思いました。自分の海の水
ました。
と思いました。
よ う に な り た い、 と 思 い ま し た。
みんなの発表を見させてもらっ
て、私は、自分から離れていける
ような気持ちになりました。自分
に こ だ わ る こ と は、 本 当 に つ ま
らないことだなと改めて思いまし
撮らせてもらいました。
自分なんかがリーダーで申し訳な
た。
と思いました。
み ん な の ス テ ー ジ は、 ま る で
ミュージカルのようで、どの瞬間
気持ちになりました。
ど、本当は、お母さんが言われる
私は、自分がリーダー、という
こ と に 臆 病 に な り、 こ だ わ っ て、
その日の午後の作業で、発表会
に向けて、何人かの人が体育館の
い と 思 っ た り、 時 間 が な い こ と、
私 が 印 象 に 残 っ て い る の は、
二 人 の 恋 を 繋 げ る た め に、 愛 の
ように、自分が何もできなくても
たりした時もあったけれど、けれ
キ ュ ー ピ ッ ト と な る 小 人 た ち が、
よいのだと、思います。私は、み
そうな、素敵な飾り付けだった」
あゆちゃんがそう話してくれて
いて、チームのみんなと、見に行
とんがり帽子に咲いているルドベ
「ウィンターコンサートが行われ
も、全てを写真に収めておきたい
十九日の午後、発表会がありま
した。私は、発表会中、カメラを
自分から離れて
面から、顔を出して、空を飛べる
した。
た。
」
そして、発表会の前日、私たち
のチームのダンスが完成しまし
た。
「やった! できたね
様々な演出に観客席も大盛り上がり
飾り付けをしてくれていました。
ら こ そ 作 り 上 げ る こ と が で き た、
るみんな、一人ひとりが、いたか
欠けてもできなかった、ここにい
と思いました。この完成には誰が
な い、 そ ん な の は 関 係 な い の だ、
拍手と歓声があがり、みんなと
喜びあいました。誰ができるでき
!!
き た い な、 と 思 い ま し た。 そ の
(37)
ようこそ!
なのはなファミリーへ
んのおじいちゃんが、なのはなに
来てくださいました。
ゆりか
たちが配膳をしてくれました。
んと、体育館の飾り付けを担当し
きの声を上げて私たちを見る、あ
ちゃんが入って来られたとき、驚
な の は な の ハ ワ イ、『 ジ ャ ガ イ
モ・ビーチ』に池田さんのおじい
した。
ビーチ』と、みんなから呼ばれま
身 し た 体 育 館 は、『 ジ ャ ガ イ モ・
イモを砂浜に見立てて、南国に変
そのとき、体育館に並べて干し
ていた、収穫したばかりのジャガ
ました。
い、ハワイアンの飾り付けを施し
というお母さんの言葉から、ヤ
シの木や、色鮮やかなパレオを使
「体育館をハワイにしよう」
ました。
池田さんのおじいちゃんのお話
私は、まえちゃんとまゆこちゃ
体育館で、フラダンスを観なが
ら食べられるようにと、台所の人
でした。
は、新ジャガ、新タマネギのカレー
池田さんのおじいちゃんがい
らっしゃって、一日目の夜。夕食
――池田さんのおじいちゃんと過ごした三日間――
いつも、なのはなファミリーを
応援してくださっている、池田さ
(38)
たたかい笑顔と雰囲気に、うれし
い気持ちになりました。
池田さんのおじいちゃんは、な
の は な の フ ラ ダ ン ス・ シ ョ ー を、
驚きと喜びの表情で見て下さいま
した。
歓迎のフラダンスをみんなと踊
らせてもらって、
その場にいる人、
みんなが笑顔で、明るく、あたた
かい空気を感じました。久しぶり
にメンバーが集まり、踊った曲も
ありました。
大切なお客さまをお迎えするこ
とで、自分たちの中にもおもてな
しの心が働いて、明るい方へと変
わっていくのを感じました。
(次ページへ続く)
演奏も見て頂きました
ます。
感じたことが、今も心に残ってい
まる、楽しい一時でした。
面を知ることができて、心あたた
ちにとっても、みんなの新しい一
という間の二日間でした。
かく、優しい空気に包まれて、あっ
を、楽しみにしています。 また、池田さんのおじいちゃん
がなのはなに来てくださること
池田さんのおじいちゃんがなの
はなにいてくださった間、あたた
ゆっくりと丁寧に一つひとつの動
らせてもらえるなんて思ってもい
をもらいました。それを自分も踊
すが、きれいで上品な踊りに感動
ている姿を見たことがあったので
以前ある機会に、一度だけ、他
のみんなが『フラガール』を踊っ
します。まるで手話のようです。
にもってきて『キス』などを表現
を 下 に 広 げ て『 大 地 』
、手を口元
が出てます。それに合わせて、手
や『光』『虹』
『キス』などの言葉
ル 』 の 歌 詞 の な か に は、『 大 地 』
るりこ
――みんなで踊る『フラガール』――
フラダンス練習
紺色の布を張られ、
音楽室には、
中心には、銀の月と、金の蝶を飾
り付けて、二日目の夜の会の準備
が進められていました。
二 日 目 の 夜 は、 五 台 の ド ラ ム
を 並 べ て、
『 フ ァ ー ス ト・ フ ラ イ
ト』
、
『イエロー・ストーン』とい
う、ドラム・アンサンブルの二曲
と、バンドメンバーによる『メラ
ンコリー・ブルース』の演奏を聞
いていただきました。
演奏の合間には、隣の人の紹介
をする、
『他己紹介』をしました。
た。
なかったので、いきなりの発表で
きを教えてくれました。『フラガー
七月十二日の雨降りの午後、体
育館でフラダンスの練習が行われ
したがとても嬉しくなりました。
「 今 か ら み ん な で『 フ ラ ガ ー ル 』
お花を作られていたお話、北海道
ました。今回教えてもらうフラダ
わ た し は な か で も、 頬 に 手 を
もってくる『笑顔』という振りが
池田さんのおじいちゃんは、一人
に旅に出て、いろんな人との出会
ン ス は『 フ ラ ガ ー ル 』。 映 画『 フ
( で き る か な? い や、 で き る よ
たくさんの振りがあったのです
で育ったというお話や、園芸科で
の練習をします」
いがあったお話など、たくさんの
ラガール』の主題歌に合わせて踊
うになりたい! 自分もこんなに
すてきな踊りを踊れるようになり
が、どれも意味が込められていて
ひとりの顔を見て、時に大きく頷
お話を聞かせてくださいました。
るフラダンスです。
たい!)
「次は足の動きです」
き、拍手をしながら、
『他己紹介』
「草取りは農家の基本です」
体育館には、まだ『フラガール』
を踊ったことのないメンバーが約
そう思い、気持ちがますます高
まっていくのを感じました。
(前ページからの続き)
「 本 当 に、 た く さ ん の 人 に 支 え て
二十人ほど集まりました。みんな
「まずは手の振りからやってみよ
ゆりかちゃんの一言に、みんな
は顔を見合わせ、歓声を上げまし
もらいました」
が少し緊張した、でもとても嬉し
うと思います」
を聞いてくださいました。自分た
「おじいちゃんは諦めなかったで
そうな表情をしていました。わた
ゆ り か ち ゃ ん が 前 に 立 っ て、
池田さんのおじいちゃんは滞在
された間、子どもの頃、農家の家
す」
しも同じ気持ちでした。
(次ページへ続く)
右に二ステップ、左に二ステッ
プ。それに腰の動きを合わせてい
魅力的でした。
好きだなぁと思いました。他にも
池田さんのおじいちゃんの言
葉、笑顔や空気、一つひとつから
(39)
で踊っているゆりかちゃんの動き
こんがらがってしまいました。前
きます。フラダンス初心者のわた
を真似るのに精一杯で、
(前ページからの続き)
しは、腰が全然動かず、カクカク
(覚えるのって大変だ)
ですが、踊れば踊るほど、みんな
の顔に笑顔が生まれてきて、凄く
でした。
(次はいつ教えてもらえるかな?)
一緒に踊っても、凄く嬉しくなり
キ ラ キ ラ し て い て、 見 て い て も、
今から待ち遠しいです。自分も
早 く 完 璧 に 踊 れ る よ う に な っ て、
ます。
まいました。前で手本を見せてく
改めてそう感じました。
練習時間を大切にして、多くのこ
そう考えるだけで、凄く嬉しく
なりました。同じ踊りでも、世界
したぎこちのない動きになってし
みんなと踊れる日が来るのが楽し
れ て い る ゆ り か ち ゃ ん を 見 る と、
気がつくと、あっという間に一
時 間 が 経 っ て い て、 終 了 時 間 と
とを吸収できるように集中して取
が広がりました。地域の方々と一
踊れるようになれて嬉しかったで
毎日練習を積み重ねて、みんなと
らに詰めては、練習し、みんなと
です。
ました。夏祭りがとっても楽しみ
みんなで楽しめたらいいなと思い
も、 み ん な で 夏 を 感 じ ら れ た り、
踊りによって、踊っている自分
たちも、そして、見ている人たち
涼祭など、とても楽しみです。
神祭や、なのはなのイベント、納
緒に踊らせて頂く、道中流し、天
(浴衣を着て踊るんだ)
とてもきれいにキュッキュッと腰
な っ て し ま い ま し た。 少 し 難 し
り組んでいきたいです。
――盆踊りの練習――
す。
れる時間が、とても暖かくて、楽
て、みんなで体育館に広がって踊
ちゃんが中心になって教えてくれ
私にとって、初めての夏で、凄
く 楽 し み な こ と で し た。 ゆ き え
を踊り。
夏 に し か な い 楽 し み、 夏 祭 り。
みんなで浴衣を着て、
『勝央音頭』
いました。
『勝央音頭』、
『ヤットサ節』、
『サ
ンサン勝央』の三曲を教えてもら
違う楽しさもありました。
たのですが、違う難しさがある分、
慣れない振りが上手くできなかっ
い、 腰 が 振 れ て し ま っ て い た り、
した。フラダンスが混ざってしま
初めは、難しさに集中力が必要
で、踊ることでいっぱいだったの
す。
す。みんなと踊れる時間が貴重で
なっているのを感じ、他の踊りに
踊りを踊ると、踊ること自体も
楽しいのですが、みんなと一つに
じて、暖かい気持ちになります。
と、みんなで声を出し、回ると
ころが好きで、みんなの存在を感
私は、ヤットサ節の
「ヤットサー、ヤットサー」
しくて、この時間が好きです。
三曲が混同してしまいそうでし
たが、教えてもらい、練習し、さ
ない暖かさを感じ、嬉しくなりま
フラダンスや、
なのはなで踊る、
モダンダンスとはまた違って、初
めて踊ったときは難しさを覚えま
ちさ
夏祭りに向けて
待ちに待っていた、
みです。そのためにも一回一回の
が動いています。
かったけれど、とても楽しい時間
「 練 習 し て い く う ち に、 腰 が 動 く
ようになるよ」
ゆりかちゃんはそう教えてくれ
ました。
「 そ れ じ ゃ あ 最 後 に、 曲 を 流 し な
がら手と足を合わせて踊ってみま
しょう」
最後に曲に合わせて,教えても
ら っ た 振 り を 一 通 り 踊 り ま し た。
手と足を合わせると、どちらか片
方に気を取られてしまって、頭が
(40)
地域の伝統を踊る
はなファミリーのみんなの姿があ
あやか
石畳の道にずらりと並ぶ揃いの浴
りました。
スタート地点の橋の上で二列に
並んで待機しているとき、浴衣姿
で駆けつけてくれた応援のみんな
が笑顔で手を振ってくれている姿
が 見 え ま し た。( み ん な が 見 て く
れている)そう思うと、勇気が湧
いてきました。
一曲目の『勝央音頭』が流れ始
め、いよいよ踊りのスタートです。
初めは緊張で、手足が強張りま
した。
( 落 ち 着 い て、 練 習 を 思 い 出 し な
方に手伝っていただきながら、着
は河上さんや、勝央音頭保存会の
思い出しながら、わからない部分
ていただいていた着付けの手順を
教室を開いて下さいました。教え
前にスタッフの河上さんが着付け
神涼みで浴衣を着るにあたり、事
私はまりのちゃんとペアになっ
て、着付けをしました。今回の天
ました。
出演を控えた午後五時頃、福祉
センターで浴衣の着付けが始まり
した。
三十名が出演し、盆踊りを踊りま
員としてなのはなファミリーから
は地域の伝統の盆踊りである『勝
りながら往復します。今回踊る曲
田宿の石畳の道を、列になって踊
道中流しでは、勝間田神社から
勝間田駅前までの旧出雲街道勝間
ちがしゃんとしました。
最後の仕上げに赤いたすきを掛
けると、すっと背筋が伸び、気持
そう思うと、気持ちが高まりま
した。
踊るんだ……!)
( 本 当 に、 今 か ら み ん な と 一 緒 に
いの浴衣を着て盆踊りを踊ること
や、なのはなのみんなと一緒に揃
道中流しで勝央音頭保存会の方々
に止めを作ること、女性らしい柔
手足の先までピンと伸ばして美
しく踊ること、ひとつの動作ごと
がら、笑顔で踊ろう)
付けをしていきました。
サ節』で、この三曲を繰り返し踊
央音頭』『サンサン勝央』『ヤット
(次ページへ続く)
赤い裾よけに、白地に紺の模様
が入った揃いの浴衣に身を包む
りながら列が進みます。
は、私にとって大きな憧れでした。
と、嬉しさが込み上げてきました。
七月二十四日、勝間田天神祭の
道中流しに、勝央音頭保存会の一
衣姿の女性たち。その中に、なの
―勝間田天神涼み 道中流し――
赤い提灯の光に彩られ、大勢の
人で賑わう旧出雲街道勝間田宿の
(41)
気持ちをしっかり持って踊りの歩
の ひ と つ ひ と つ 思 い 出 し な が ら、
……練習で教えていただいたこと
て 何 よ り、 笑 顔 を 忘 れ な い こ と
場して、活気に溢れました。お祭
元の方で賑わい、御神輿なども登
は、学生さんや家族連れの方、地
ました。屋台の建ち並ぶ街道沿い
だんだんと辺りが暗くなるにつ
れて、お祭りの賑わいも増してき
と踊ることができました。
を進めました。
まって踊りを見て下さる方や、踊
(前ページからの続き)
盆 踊 り の 練 習 を し て い る と き、
私はヤットサ節の足のステップが
りの列に向けて声援を送って下さ
らかい動きを意識すること、そし
苦手で、なかなかできませんでし
る方もいらっしゃり、嬉しかった
です。
り の お 客 さ ん の 中 に は、 立 ち 止
た。
( 本 当 に、 天 神 涼 み ま で に 踊 れ る
ようになるだろうか……)
私は列の前の方に並んでいたの
で す が、
『ヤットサ節』の振り付
が 練 習 に 付 き 合 っ て く れ ま し た。
踊りの列が目に飛び込んできまし
の光に照らされながら進む、長い
て自分も一緒に踊っている、とい
かったです。その中のひとりとし
けで後ろを向いたとき、赤い提灯
できなかった足のステップの踏み
た。 全 員 の 振 り 付 け が ピ タ リ と
不安に思っていたとき、盆踊り
の練習のリーダーのゆきえちゃん
方を丁寧に教えてくれて、そのお
うことがとても幸せで、信じられ
ない経験になりました。
にとって感動に満ちた、忘れられ
勝間田天神祭の道中流しにみん
なと一緒に出演できたことは、私
で、胸がいっぱいになりました。
頭保存会の方々への感謝の気持ち
と、暖かく支えて下さった勝央音
踊りの練習や、着付け、本番当日
に 盆 踊 り を 踊 れ た こ と の 嬉 し さ、
るようでした。みんなの中で一緒
列がゴールに辿り着き踊りが終
わってからも、暫くは夢の中に居
ないような気持ちでした。
揃った瞬間は、はっとする程美し
道中流しが終わり、保存会の方と記念撮影をしました
かげで本番では自信を持って堂々
(42)
――日本の文化、心を感じて――
よしえ
た気持ちになりました。
お母さんの笑顔や、色鮮やかな
浴衣を着たみんなの姿に、安心し
に入りました。
ス タ ー ト 地 点 で 待 っ て い る と、
お母さんや、応援組のみんなが目
みんなとおそろいの浴衣を着
て、道中流しが始まりました。
暑さもやわらぎ、日も暮れ始め
た午後七時――。
勝間田天神涼み
今回は、『勝央音頭』『サンサン
勝 央 』『 ヤ ッ ト サ 節 』 の 三 曲 に 合
わせて踊りました。
この日のために、保存会の方々
と練習をさせて頂いたり、ゆきえ
ちゃんが、踊りを丁寧に教えてく
れて、古吉野でみんなと練習をし
たりして、準備をしてきました。
指先を綺麗に伸ばすこと、目線
を意識すること、流れないように
踊 る な ど、 お 父 さ ん に 教 え て も
らったことを思い出し、綺麗に踊
れるように、
表情も意識して、帰っ
て来るまで踊り続けようと思いま
した。
(次ページへ続く)
行きは、まだ日が暮れきってい
なくて、少し明るい中を踊ってい
で、笑顔で踊れました。
また、ゆきえちゃんが教えてく
れ た、 女 性 ら し く、 し な や か に。
たのですが、帰り道は、道の両側
(前ページからの続き)
ということも意識しました。
した。
浴衣や和踊り、提灯や古い街並
み、とても情緒があって、それだ
もっと踊っていたい
にある、提灯の明かりが印象的で
踊っている途中、お母さんやみ
んなの姿、ビデオやカメラを撮っ
てくれていた、かにちゃんやゆう
かちゃん、やよいちゃんの姿が目
に入る度に、嬉しくて笑顔になれ
けで心穏やかになれました。
ました。
岡 本 さ ん も 来 て 下 さ っ て い て、
応援組のみんなや、地域の方々が
昔 か ら あ る 日 本 の 風 景、 文 化、
そう言ったものを、大切にする気
何 だ か、 少 し 寂 し い 気 が し て、
もっと踊っていたいと思いまし
いました。
着れるように見あいながら着付け
した。
石畳やレトロな街並み、雰囲気
のある場所が、浴衣や踊りを、更
て、最後まで着崩れせずに踊れる
そして、ペアを組んで浴衣を着
たのですが、自分たちで着れたこ
に際立たせてくれていたように思
ことができました。
二つの場面が一つの場所で広
がっているような、でも、その絵
いました。
保存会のみなさんと、天神涼み
のお祭りを作る一人として、そし
とも嬉しかったです。
あっと言う間に片道を踊り終
え、少し休憩を挟んで、もと来た
て、なのはなの子として、暖かい
がとてもしっくりきているよう
道を、帰ります。
と が、 と て も あ り が た く て 嬉 し
な。そんな感じがしました。
帰り道も、地域の方々が声援を
送って下さったり、手拍子をして
かったです。
空気のなかで、踊らせて頂けたこ
下さったり、ずっと暖かい気持ち
私は、まえちゃんとペアになっ
たのですが、まえちゃんと綺麗に
事前に、河上さんが浴衣講座を
開いて下さり、丁寧に教えて下さ
ても楽しくて嬉しかったです。
時間にして、約一時間半。保存
会の皆さん、河上さん、みんなと
手拍子をして下さっているのも聞
中、おそろいの浴衣を着て、綺麗
持ちを、忘れないでいようと思い
曲に合わせて、前へ前へ進んで
いき、もう道中流しも終わりにさ
こえてきて、とても暖かい気持ち
に 並 ん で 踊 っ て い る 私 た ち だ け、
た。
一緒に踊り続けられたことが、と
になれました。
ます。
しかかりました。
神輿や、屋台、お祭りの雑踏の
違う空間にいるような感じがしま
(43)