平成 28 年度 訪問看護人材育成事業「看‐看連携研修

平成 28 年度
訪問看護人材育成事業「看‐看連携研修」実習要項
1.研修目的
地域住民が、住み慣れた地域で安心して在宅療養が続けられることを支援するために、病院、訪問
看護事業所及び介護関連施設の看護職が、現場の体験を通して互いにそれぞれの役割や専門性を理解
し、協力できる関係性を構築する。合わせて、医療・介護の連携した地域包括ケアの推進に向け、自
立した質の高い看護師を育成することを目指す。
2.研修目標
1)病院における実習
(1) 病院内での退院調整体制や担当者の役割を理解し、連携強化のために必要な情報等を把握する。
(2) 外来や病棟における治療や看護の実際を知り、暮らしを支える看護師として退院調整や退院後の
看護実践において必要な役割を理解する。
(3) 看護に必要な最新の医療情報を収集する。
2)訪問看護事業所における実習
(1) 在宅療養者の実態を知り、訪問看護師の役割やケアの内容・方法等を理解する。
(2) 在宅における退院調整の実際を理解し、連携強化のために必要な収集すべき情報等を把握する。
(3) 在宅療養支援に係る多職種との連携や、各種サービス内容について理解する。
3) 介護関連施設における実習
(1) 施設利用者の実際と、自宅復帰や在宅生活の自立を目的とした施設看護師の役割学ぶ。
(2) 施設における退所調整の実際や、他職種の役割及び連携の実態について学ぶ。
3.研修内容
研修受入れ施設(病院、訪問看護事業所及び介護関連施設)を募集(様式1)し、研修受入れを承
諾した施設(以下「研修協力施設」という。
)において看護師の相互実習を行う。
1)病院における実習
(1) 医療制度の現状について学ぶ
(2) 病棟や地域連携部署等において見学実習を行う。
(3) 退院時共同指導などの在宅移行支援に関する会議を見学する。
(4) 実習で経験した内容等について、指導看護師等と意見交換を行う。
2)訪問看護事業所における実習
(1) 患者が在宅療養を行うために必要な制度の概要を学ぶ。
(2) 訪問看護師との同行訪問による見学実習を行う。
(3) 多職種及び関連機関との連携現場を見学する。
(4) 実習で経験した内容等について、指導看護師等と意見交換を行う。
3) 介護関連施設における実習
(1) 介護関連施設に関する制度の概要を学ぶ
(2) 入所者の実態と、施設看護師の役割を理解する。
(3) 多職種及び関連機関との連携現場を見学する。
(4) 実習で経験した内容等について、指導看護師等と意見交換を行う。
4.研修受講要件
兵庫県内のすべての医療機関、訪問看護事業所及び介護関連施設に勤務する看護師の内、次の要件を
満たす者。
1) 病院看護師
臨床経験概ね 3 年以上の看護師
2)訪問看護師
訪問看護実務経験概ね 3 年以上の看護師
3) 介護関連施設看護師
看護業務経験概ね 3 年以上の看護師
5.研修受講方法
1)研修申込手順 (別紙:平成 28 年度訪問看護人材育成事業『看-看連携研修』フローチャート参照)
(1)看護協会作成の兵庫県内の「研修協力施設リスト」を基に、研修受講を希望する施設(以下「研
修受講施設」という。
)が、地域内で連携が必要な研修協力施設と直接交渉して、施設間において
研修時期等を調整する。
マッチング
(研修協力施設リスト)
研修受講施設
研修協力施設
※県内全ての
施設が対象
研修受講施設と研修協力施設間で直
接、時期・人数等を連絡・調整する。
(2)研修協力施設、日程等が確定した時点で、研修受講施設は「看‐看連携研修 参加申込書」
(様式
2)に研修者の所属(施設名)
・氏名・経験年数・研修日程を記入し、
「研修協力施設」と「看護協
会」に FAX にて報告する。
(3) 研修実施における事前準備や注意事項について(服装、持参する物、昼食に関すること、在宅の
場合は自転車等の利用について等)事前に調整しておくこと。
(4)研修協力施設は研修 2 日目に意見交換会を実施し、研修終了後、
「看-看連携研修 報告書」
(様
式3)と「看-看連携研修 アンケート」
(様式4)を看護協会に速やかに提出する。
(5)謝金については、研修受け入れ人数に応じて、全研修期間終了後に提出された「看-看連携研修 研
修指導料請求書」
(様式5)に基づき、看護協会から研修協力施設の口座に振り込む。
(研修者1~4人/年間:5,000 円、5 人以上/年間:10,000 円)
2)実施期間
平成 28 年 9 月~平成 29 年 2 月の内研修協力施設の受入れ可能な期間で原則連続 2 日間
※2 日間連続で参加出来ない場合は、双方の調整により間隔をあけて設定する。
3)実施時間
(1) 午前 9 時 30 分~午後 4 時 30 分を基本とする
※研修協力施設の運営内容等により、双方で調整する。
4)実施内容
【講義】2 時間程度
実習施設ごとに、制度や機能等の基礎知識について講義
※各施設の状況に応じて実施する。
【実習】1.5 日程度
① 研修協力施設において、それぞれの目的に応じた見学実習等を行う。
② 実習終了後に、それぞれの実習場所で、実習の成果や今後の連携の在り方等について意見
交換会を行う。
≪実習例≫※これは、1 つの例として示すもので、各施設にあった方法で実施する。
1 日目
実習場所
1
講義(集合研修)9:30~2 時間程度
2 日目
1
見学実習:9:30~15:00
1 日目に続く
相互理解のための基礎知識として
病院
①
病院の機能や特徴
②
在宅療養支援体制と看護師の役割
③
病床機能の変化など医療制度の動向・課題等
2
見学実習:講義終了後~16:30
①
最新医療や外来及び入院における治療の実
2
意見交換会:15:00~16:30
実習での学びを振返り、今後の
看-看連携の在り方等について意
見交換を行う。
≪講義資料≫
際を学ぶ
②
医療機関での退院調整体制や担当者の役割
各施設で作成している資料等を活
用する。
を理解する
1
講義(集合研修):9:30~2 時間程度
1
見学実習:9:30~15:00
1 日目に続く
相互理解のための基礎知識として
①
介護保険制度等による訪問看護の概要
②
訪問看護師の役割と業務内容
③
地域完結型移行に伴う訪問看護事業の動向
や課題等
訪問看護事業所
2
意見交換会:15:00~16:30
実習での学びを振返り、今後の
看-看連携の在り方等について意
見交換を行う。
見学実習:講義終了後~16:30
①
同行訪問により、在宅療養者の実態と訪問看
護師の役割を学ぶ
②
1
2
在宅における退院調整の実際や、在宅療養支
≪講義資料≫
『「訪問看護活用ガイド」公益財団
援に係る他職種(通所を含む)の役割や連携の
法人在宅医療助成勇美記念財団』を、
実態について学ぶ
看護協会から配布する。
講義(集合研修):9:30~2 時間程度
1
見学実習:9:30~15:00
1 日目に続く
相互理解のための基礎知識として
介護関連施設
2
①
介護保険制度等による施設看護の概要
②
施設看護師の役割と業務内容
③
地域完結型移行に伴う施設の動向や課題等
2
実習での学びを振返り、今後の
看-看連携の在り方等について意
見学実習:講義終了後~16:30
①
入所者の実態と、施設看護師の役割を学ぶ。
②
施設内での他職種の役割や連携の実態につ
いて学ぶ
③
意見交換会:15:00~16:30
見交換を行う。
≪講義資料≫
各施設で作成している資料等を活
用する。
在宅復帰に向けた取組の実際を学ぶ。
5)実習指導者
指導は、実習協力施設における実習担当者が担う。
6.実習指導体制
1) 実習指導者の役割
(1) 研修生に対して、以下のオリエンテーション及び講義を行う。
(病院における実習)
・スタッフ紹介
・施設の構造(更衣・食事の場所、必要物品の場所等含む)について
・実習病院の理念・機能・特徴・勤務体制等
・地域連携部署等在宅療養支援に係る体制や役割
・看護記録類について
・病院看護業務における動向や課題等
(訪問看護事業所における実習)
・スタッフ紹介
・施設の構造(更衣・食事の場所、必要物品の場所等)について
・訪問看護ステーションの特徴・機能等
・訪問看護制度における診療報酬及び介護報酬について
・他の関連職種および関連機関との連携について
・訪問看護師の役割
・訪問看護記録類について
・訪問看護業務における動向や課題など
(介護関連施設における実習)
・スタッフ紹介
・施設の構造(更衣・食事の場所、必要物品の場所等含む)について
・施設の理念・機能・特徴等
・在宅復帰支援体制や役割
・看護記録類について
・施設看護業務における動向や課題等
(2) 研修生の実習内容の調整と指導及び研修結果の報告を行う
(病院における実習)
・実習病棟や関連部署の選択と、患者等へ実習目的など研修生についての説明を行い、必要に応
じて同意を得る。
・実習病棟や関連部署の概要と見学実習時の注意事項等について説明する。
・実習終了にあたり、研修生と意見交換会を行う。
・研修修了時に、研修生にアンケートの記入を依頼し、その場で回収する。
・研修終了後、速やかに看護協会へ研修結果を報告する(意見交換会議事録及びアンケート)
・必要に応じて、看護協会担当者と連絡・調整を行う。
(訪問看護事業所における実習)
・訪問先の選択と、利用者および家族へ実習目的や研修生についての説明を行い、同行訪問の同
意を得る。
・同行訪問する利用者に関する情報提供を行うとともに、訪問時の注意事項等について説明する。
・必要に応じて、関係機関や他職種へ実習に関する情報提供を行う。
・実習終了にあたり、研修生と意見交換会を行う。
・研修修了時に、研修生にアンケートの記入を依頼し、その場で回収する。
・研修終了後、速やかに看護協会へ研修結果を報告する(意見交換会議録及びアンケート)
・必要に応じて、看護協会担当者と連絡・調整を行う。
(介護関連施設における実習)
・実習部屋や関連部署の選択と、入所者等へ実習目的など研修生についての説明を行い、必要に
応じて同意を得る。
・実習部屋や関連部署の概要と見学実習時の注意事項等について説明する。
・実習終了にあたり、研修生と意見交換会を行う。
・研修修了時に、研修生にアンケートの記入を依頼し、その場で回収する。
・研修終了後、速やかに看護協会へ研修結果を報告する(意見交換会議事録及びアンケート)
・必要に応じて、看護協会担当者と連絡・調整を行う。
2) 研修生の役割
(1) 研修生は、研修協力施設の指導者の指示に従って、秩序ある態度で実習に参加する。
(2) 研修に係る不測の事態が起こった場合は、所属機関及び研修協力施設指導者に速やかに報告
するとともに、指示に従って行動する。
(3)研修生は研修終了時点でアンケートに記入し、その場で実習指導者に提出する。
(4)研修生は研修にて学んだ事を所属施設内のルールに従って報告書を作成し、所属施設内で他の職
員に対して報告の機会を持ち情報を共有する。
3)看護協会担当者の役割
(1)研修協力施設のリストを作成し、研修案内を通知する。
(2)研修協力施設との調整及び謝金の支払い
(3) 研修結果の集計・評価(まとめ)
。
7.研修評価
研修終了後に実施した、研修生に対するアンケートの結果を、今後の事業企画及び運営の参考とする。
8.その他
1)訪問看護人材育成事業『看-看連携研修』フローチャート
2)様式一覧
様式2
『看-看連携研修』参加申込書
様式3
『看-看連携研修』報告書
様式4
『看-看連携研修』アンケート
様式5
『看-看連携研修』研修指導料請求書
3) 連絡先
公益社団法人兵庫県看護協会 地域ケア事業部 担当:原田・小田
〒650-0011 神戸市中央区下山手 5 丁目 6-24
TEL:078-341-0190(代表)
FAX:078-361-6652