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公開版
ト ヨ タ 自 動 車 田 原 工 場
風 力 発 電 所 設 置 事 業
計 画 段 階 環 境 配 慮 書
〔要約書〕
平成 28 年 7 月
ト ヨ タ 自 動 車 株 式 会 社
本書に掲載した地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の 5 万分 1 土地利用図、
数値地図 25,000(地図画像)、数値地図 50,000(地図画像)、数値地図 200,000(地図画像)
を複製したものである。(承認番号
平 28 情複、第 332 号)
本書に掲載した地図を第三者が複製する場合には、国土地理院長の承認を得ること。
まえがき
本配慮書は、トヨタ自動車田原工場風力発電所設置事業に係る環境影響評価の一環とし
て「環境影響評価法」 * 1、「発電所アセス省令」 * 2、「電気事業法」 * 3に基づき、所要の
事項をとりまとめたものです。
環境影響評価は、下図に示すとおり「配慮書」、「方法書」、「準備書」の各図書に対
して一般の方々や都道府県知事等から意見を頂き、その結果を以降の手続きに反映させる
仕組みとなっています。
本配慮書では、事業への早期段階における環境配慮を可能にするため、事業の位置・規
模等の検討段階において、環境保全のために適切な配慮をしなければならない事項につい
て検討を行い、その結果をまとめました。
現在
配慮書
事業の早期段階における環境配慮を可能にするため、事業の位置・規
模等の検討段階において、環境保全のために適正な配慮をしなければな
らない事項について検討を行い、その結果をまとめた図書
方法書
環境影響評価において、どのような項目について、どのような方法で
調査・予測・評価をしていくのかという計画を示した図書
調査
環境保全
対策の検討
予測・評価をするために必要な地域の環境情報を収集する調査
予測・評価
事業を実施した結果、環境がどのように変化するのかを予測し、環境
への影響を検討
この検討と並行して、環境保全のための対策を検討し、この対策がと
られた場合における環境影響を総合的に評価
準備書
調査・予測・評価・環境保全対策の検討の結果を示し、環境の保全に
関する事業者自らの考え方をまとめた図書
評価書
準備書に対する一般の方々や都道府県知事等からの意見の内容につい
て検討し、必要に応じて準備書の内容を見直した図書
事後調査
環境保全対策の実績が少ない場合や不確実性が大きい場合など、必要
に応じて、工事中や供用後の環境の状態などを把握する調査
報告書
工事中に実施した事後調査やそれにより判明した環境の状況に応じて
講ずる環境保全対策、効果の不確実な環境保全対策の状況について、工
事終了後にまとめた図書
資料)1.環境アセスメント制度のあらまし(環境省 平成 24 年 2 月)
をもとに作成
環境影響評価の手続きの流れ
*1:「環境影響評価法(平成 9 年法律第 81 号、最終改正:平成 26 年法律第 51 号)」
*2:「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る計画段階配慮事項の選定並びに当該計画段階配慮事項に
係る調査、予測及び評価の手法に関する指針、環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測
及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針並びに環境の保全のための措置に関する指
針等を定める省令(平成 10 年通商産業省令第 54 号、最終改正:平成 28 年経済産業省令第 27 号)」
*3:「電気事業法(昭和 39 年法律第 170 号、最終改正:平成 27 年法律第 47 号)」
(白紙のページ)
目
次
ページ
第 1 章 第一種事業を実施しようとする者の名称、代表者の氏名
及び主たる事務所の所在地 ······················································ 1
第 2 章 第一種事業の目的及び内容 ······················································ 3
2.1 第一種事業の目的 ······························································· 3
2.2 第一種事業の内容 ······························································· 6
2.2.1 第一種事業の名称 ··························································· 6
2.2.2 第一種事業により設置される発電所の原動力の種類 ····························· 6
2.2.3 第一種事業により設置される発電所の出力 ····································· 6
2.2.4 第一種事業の実施が想定される区域及びその面積 ······························· 6
2.2.5 第一種事業により設置される発電所の設備の配置計画の概要 ····················· 9
2.2.6 第一種事業に係る電気工作物その他の設備に係る事項 ························· 13
2.2.7 第一種事業に係る工事の実施に係る期間及び工程計画の概要 ···················· 14
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況 ··········································· 17
3.1 自然的状況 ···································································· 17
3.1.1 大気環境の状況 ···························································· 17
3.1.2 水環境の状況 ······························································ 21
3.1.3 土壌及び地盤の状況 ························································ 23
3.1.4 地形及び地質の状況 ························································ 24
3.1.5 動植物の生息又は生育、植生及び生態系の状況 ································ 25
3.1.6 景観及び人と自然との触れ合いの活動の状況 ·································· 31
3.1.7 一般環境中の放射性物質の状況 ·············································· 32
3.2 社会的状況 ···································································· 32
3.2.1 人口及び産業の状況 ························································ 32
3.2.2 土地利用の状況 ···························································· 33
3.2.3 河川、湖沼の利用並びに地下水の利用の状況 ·································· 34
3.2.4 交通の状況 ································································ 34
3.2.5 学校、病院その他の環境の保全についての配慮が
特に必要な施設の配置の状況及び住宅の配置の概況 ··························· 35
3.2.6 下水道の整備状況 ·························································· 35
3.2.7 廃棄物の状況 ······························································ 35
3.2.8 環境の保全を目的とする法令等により指定された地域その他の対象
及び当該対象に係る規制の内容その他の環境の保全に関する施策の内容 ········· 36
3.2.9 関係法令等による規制状況のまとめ ·········································· 42
第 4 章 第一種事業に係る計画段階配慮事項に関する調査、予測及び評価の結果 ············· 45
4.1 計画段階配慮事項の選定の結果 ·················································· 45
4.1.1 計画段階配慮事項の選定 ···················································· 45
4.1.2 計画段階配慮事項の選定理由 ················································ 52
4.2 調査、予測及び評価の手法 ······················································ 53
4.2.1 調査、予測及び評価の手法の選定 ············································ 53
4.2.2 調査、予測及び評価の手法の選定理由 ········································ 53
4.3 調査、予測及び評価の結果 ······················································ 55
4.3.1 騒音及び超低周波音 ························································ 55
4.3.2 風車の影 ·································································· 69
4.3.3 動物 ······································································ 75
4.3.4 生態系 ··································································· 144
4.3.5 景観 ····································································· 159
4.4 総合的な評価 ································································· 187
第 5 章 計画段階環境配慮書を委託した事業者の名称、代表者の氏名及び
主たる事務所の所在地 ························································ 193
第 1 章 第一種事業を実施しようとする者の名
称、代表者の氏名及び主たる事務所の
所在地
事業者の名称
:トヨタ自動車株式会社
代表者の氏名
:代表取締役社長
豊田章男
主たる事務所の所在地:愛知県豊田市トヨタ町1番地
1
(白紙のページ)
2
第 2 章 第一種事業の目的及び内容
2.1 第一種事業の目的
近年の地球環境問題、とりわけ二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスの排出による地球温暖化
問題への対応は国境を超えた緊喫の課題であり、低炭素化社会への移行が求められている。昨
年開かれた COP21(国連気候変動枠組条約第 21 回締約国会議)では、「パリ協定」が採択さ
れ、地球温暖化問題への対応加速に向けた国際的な合意が得られている。COP21 に先立ち日本
が提出した約束草案では、2030 年度に温室効果ガス排出量を 2013 年度比で 26.0%削減すると
いう目標が掲げられている。また、石油をはじめエネルギーの大半を海外からの輸入に頼るわ
が国においては、エネルギー安全保障を確保する観点から、エネルギー自給率の向上、供給源
の多様化に取り組む必要がある。
風力をはじめとする再生可能エネルギーは、低炭素の国産エネルギー源とされ、国の「エネ
ルギー基本計画(平成 26 年 4 月)」及び「長期エネルギー需給見通し(平成 28 年 7 月)」におい
ても、再生可能エネルギーの導入拡大が位置付けられている。
本事業の対象事業実施想定区域とした関係自治体においても、愛知県が平成 26 年に「あい
ちビジョン 2020」を策定し、持続可能なエネルギー社会の構築のために再生可能エネルギー
の活用促進に取り組んでいる。
田原市では、平成 25 年に策定された「第 1 次田原市総合計画」の施策として「新エネルギ
ー導入の推進」が挙げられている。
このように、地球温暖化問題への関心が高まる中、本事業の事業者であるトヨタ自動車株式
会社(以下「トヨタ自動車」という。)では、昨年 10 月に、持続可能な社会の実現に貢献する
ための新たなチャレンジとして、「トヨタ環境チャレンジ 2050」(図 2.1-1)を発表し、その
中で、「工場 CO2 ゼロチャレンジ」(図 2.1-2、図 2.1-3)を掲げ、2050 年にグローバルでの
工場からの CO2 排出ゼロを目指すこととした。このチャレンジに向けた具体的な取り組みとし
て、
①「低 CO2 生産技術の開発・導入と日常のカイゼン」による徹底した CO2 削減
・工場のシンプル・スリム化、エネルギーの利用率向上、エネルギーを使わずに加工や搬送
を行う、からくり仕掛けの導入などの新技術を開発し、世界の各工場に導入。
②さらに、「再生可能エネルギーと水素エネルギーの活用」により 2050 年に CO2 排出ゼロ
を目指す。
・環境性・地域性・経済性を踏まえて、再生可能エネルギーと水素の活用を促進。
・自社の生産用エネルギーとして利用することを目的に、田原工場に、2020 年頃を目指し
て風力発電設備の設置を推進。
等を挙げており、本事業はそのひとつとして位置付けられている。
3
なお、本事業の対象事業実施想定区域であるトヨタ自動車田原工場の立地する田原市は、愛
知県内でも有数の風力発電にとって良好な風況の地域にあたり、すでに、対象事業実施想定区
域の近隣にも既設の風力発電所が多数設置されている。トヨタ自動車の自動車生産に携わる国
内 12 工場の中でも、田原工場は、風力発電の導入に最も適した立地にある。
また、本事業により設置される風力発電所(出力は最大 26,000kW)で発電される電力によ
り期待される CO2 排出低減量は、田原工場の現在の CO2 排出量の約1割に相当する。これは、
トヨタ自動車の 2016~2020 年度までに実施する環境への取り組み「第 6 次トヨタ環境取組プ
ラン」(2015 年 10 月)で掲げている「生産活動における CO2 排出量を台当り排出量で、2020 年
度までに 48%低減(2001 年度を基準、対象は国内のトヨタ自動車)」の目標の達成に対して、
重要な位置づけとなっており、本事業の規模は、適切なものである。
このように本事業は、国の政策及び対象事業実施想定区域とした愛知県、田原市の取り組み
にも即したものであり、純国産かつ再生可能エネルギーである風力資源を利用した風力発電所
を建設し、自社工場への供給並びに地元経済の活性化を図ると共に、地球温暖化対策、さらに
はわが国のエネルギー自給率の向上に寄与することを目的とした事業である。
図 2.1-1 トヨタ環境チャレンジ 2050
4
第 2 章 第一種事業の目的及び内容
図 2.1-2 工場 CO2 ゼロチャレンジ
図 2.1-3 工場 CO2 ゼロチャレンジ
5
2.2 第一種事業の内容
2.2.1 第一種事業の名称
トヨタ自動車田原工場風力発電所設置事業
2.2.2 第一種事業により設置される発電所の原動力の種類
風力発電機(陸上)
2.2.3 第一種事業により設置される発電所の出力
風力発電所の出力(総発電出力) :最大 26,000kW*1
:5~12 基*1
風力発電機の基数
2.2.4 第一種事業の実施が想定される区域及びその面積
(1) 事業実施想定区域の位置
事業実施想定区域は、愛知県田原市緑が浜三号1番地のトヨタ自動車田原工場敷地内であり、
図 2.2-1(1)及び(2)に示す範囲を設定した。
なお、事業実施想定区域の周辺では、表 2.2-1 に示す風力発電所が稼働している。
表 2.2-1 事業実施想定区域の周辺の既設風力発電所
No.
名称
1
田原臨界風力発電所
2
田原風力発電所
3
4
田原リサイクル
センター風力発電所
たはらソーラー・
ウインド発電所
5
田原 4 区風力発電所
6
蔵王山風力発電所
設置者名
株式会社
ジェイウインド田原
株式会社
ジェイウインド田原
株式会社グリーン
エナジーたはら
トランスバリュー信託
株式会社
関電エネルギー開発
株式会社
愛知県田原市
運転開始
年月
平成 16 年
2月
平成 15 年
3月
平成 18 年
12 月
平成 26 年
10 月
平成 25 年
12 月
平成 13 年
3月
資料)1.NEDO HP(http://www.nedo.go.jp/library/fuuryoku/index.html)
をもとに作成
(2) 事業実施想定区域の面積
約 151ha
*1:本配慮書段階の想定
6
単機出力
基数
総出力
2,000kw
11
22,000kw
1,980kw
1
1,980kw
1,980kw
1
1,980kw
2,000kw
3
6,000kw
2,000kw
3
6,000kw
300kw
1
300kw
第 2 章 第一種事業の目的及び内容
5
2
1
4
3
6
注)1.図中の No.は、表 2.2-1 の
番号と対応する。
資料)1.既設風車配置は「NEDO HP
(http://www.nedo.go.jp/libra
ry/fuuryoku/index.html)
をもとに作成(以下、既設風車配
置は同様)
愛知県
図 2.2-1(1)
事業実施想定区域の位置
及びその周辺の状況(平面図)
事業実施想定区域
7
図 2.2-1(2)
事業実施想定区域の位置
資料)1.Google Earth(https://www.google.co.jp/intl/ja/earth/)
をもとに作成
8
及びその周辺の状況(俯瞰図)
第 2 章 第一種事業の目的及び内容
2.2.5 第一種事業により設置される発電所の設備の配置計画の概要
事業により設置される風力発電機の配置を図 2.2-2(1)~(3)に示す。
風力発電機の具体的な配置計画は現在検討中であるため、本配慮書では、概略の風車配置A
案、B案、C案の 3 案を想定した。なお、事業実施想定区域内には、自社の福利厚生施設、車
両走行試験場(テストコース)、産業廃棄物最終処分場用地等が存在するため、これらを考慮し、
風車の配置を計画している。
また、風力発電機の基数については、「2.2.3 第一種事業により設置される発電所の出力」
に記載した総発電出力に対して、次項に記載する風力発電機の単機出力から検討する。
9
*1
図 2.2-2(1)
注)1.*1:このライン上に風力発電機を 12 基設置する案であるが、詳細な配置に
ついては現在検討中である。
10
概略風車配置計画(A案)
第 2 章 第一種事業の目的及び内容
*1
図 2.2-2(2)
概略風車配置計画(B案)
注)1.*1:このライン上に風力発電機を 7 基設置する案であるが、詳細な配置に
ついては現在検討中である。
11
*1
図 2.2-2(3)
注)1.*1:このライン上に風力発電機を 5 基設置する案であるが、詳細な配置に
ついては現在検討中である。
12
概略風車配置計画(C案)
第 2 章 第一種事業の目的及び内容
2.2.6 第一種事業に係る電気工作物その他の設備に係る事項
(1) 風力発電機の単機出力及び基数
「2.2.5 第一種事業により設置される発電所の設備の配置計画の概要」に記載した風力発電
機の配置A案、B案、C案に対応する風力発電機の単機出力及び基数を表 2.2-2 に示す。
項
目
単機出力
基数
総発電出力
表 2.2-2 風力発電機の単機出力及び基数
A案
B案
C案
2,000~2,100kW
3,400kW
5,000~5,200kW
12 基
7基
5基
24,000~25,200kW
23,800kW
25,000~26,000kW
注)1.A案及びC案は、設置する機種の候補に出力の差があるため、単機出力及び総発電出力は、
幅を持たせて記載した。
(2) 風力発電機の主要設備の概要
主要設備の概要を表 2.2-3 に示す。また、標準的な風力発電機の外形図を図 2.2-3 に示す。
設置する機種は現在検討中であり、アップウィンド(ローターがタワーの風上側)、ダウンウィ
ンド(ローターがタワーの風下側)のどちらを採用するかも確定していない。
表 2.2-3 主要設備の概要
項
目
A案
B案
定格出力(定格運転時の出力)
2,000~2,100kW
3,400kW
ブレード枚数
3枚
3枚
ローター直径(ブレードの回転直径)
約 80~86m
約 108m
ハブ高さ(ブレードの中心の高さ)
約 65~78m
約 79.5m
風力発電機の高さ
約 105~121m
約 133.5m
定格回転
約 16.5~17.5rpm
約 15.5rpm
カットイン風速
約 4m/秒
約 3m/秒
カットアウト風速
約 24~25m/秒
約 25m/秒
定格風速
約 12~13m/秒
約 13~14m/秒
C案
5,000~5,200kW
3枚
約 126~136m
約 79~90m
約 142~158m
約 11.7rpm
約 4m/秒
約 25m/秒
約 13~14m/秒
注)1.A案及びC案は、設置する機種の候補に出力、大きさ等の差があるため、定格出力、ローター直径、
ハブ高さ、風力発電機の高さ等は、幅を持たせて記載した。
2.定格回転:定格出力を発生する風車ローター回転数。
3.カットイン風速:風車が利用可能な動力を生むハブ高さにおける最小の風速。
4.カットアウト風速:風車が利用可能な動力を生むハブ高さにおける最大の風速。
5.定格風速: 風車の定格出力が発生するハブ高さにおける規定の風速。
風向
風向
ローター直径
ローター直径
ブレード
ブレード
ハブ高さ
ハブ高さ
地面
地面
図 2.2-3 標準的な風力発電機の外形図(左:アップウィンド、右:ダウンウィンド)
13
(3) 変電設備
変電設備は、田原工場内既設 154kV 受変電設備の利用を原則とし、具体的な仕様については、
現在検討中である。
(4) 送電線
第一種事業により発電した電力は、田原工場内で使用する計画であり、具体的な田原工場内
の送電線の敷設方法(架空、埋設等)及び配置については、現在検討中である。
(5) 系統連系
第一種事業により発電した電力は、田原工場内での使用を基本とする計画であり、既存自家
発電と合わせて系統連系を行うが、固定価格買取制度による売電は行わない計画である。
2.2.7 第一種事業に係る工事の実施に係る期間及び工程計画の概要
(1) 工事内容
陸上の風力発電事業における主な工事内容を以下に示す。
・土
木
工
事 :造成工事及び基礎工事
・風 力 発 電 機 建 設 :風力発電機組立工事(輸送含む)
・電
気
工
事 :変電設備、配電線工事等、試験調整
(2) 風力発電所の施工手順
風力発電所の施工手順を図 2.2-4 に示す。
準備工・仮設工
土木工事
風力発電機建設
電気工事
試運転/使用前検査
図 2.2-4 風力発電所の施工手順
(3) 工事期間及び工事工程(概略)
工事工程の概要は表 2.2-4 に示すとおりであり、平成 31 年に工事着工し、平成 32 年に運転
を開始する計画である。
14
第 2 章 第一種事業の目的及び内容
表 2.2-4 工事工程(概略)
項 目
1 ヶ月目 2 ヶ月目 3 ヶ月目 4 ヶ月目 5 ヶ月目 6 ヶ月目 7 ヶ月目 8 ヶ月目 9 ヶ月目 10 ヶ月目
準備工・仮設工
土木工事
風力発電機建設
電気工事
試運転
/使用前検査
(4) 風力発電機等の輸送計画
風力発電機等の輸送計画は図 2.2-5 に示すとおりであり、神野埠頭から県道 2 号線を輸送す
る経路とトヨタ自動車田原工場敷地内の物流ヤードから輸送する経路の 2 通りを想定する。
なお、事業実施想定区域内は現道を活用し、拡幅等は最小限とする計画である。
15
神野埠頭
物流ヤード
県道 2 号線
図 2.2-5
風力発電機等の輸送計画
(予定)
16
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
事業実施想定区域及びその周辺における自然的状況及び社会的状況について、計画段階
配慮事項の検討に必要と考えられる項目及び範囲を対象に、原則として既存資料等により
把握した。また、既存資料等で対応できない場合は、専門家等へのヒアリングにより補足
した。
対象範囲は、原則として事業実施想定区域が位置する愛知県田原市及びその周辺市町村
とし、項目ごとに適切な範囲を設定した。また、情報の収集期間は、原則として平成 28
年 5 月までとした。
3.1 自然的状況
3.1.1 大気環境の状況
(1) 気象
事業実施想定区域に最も近い豊橋地域気象観測所における 10 カ年の平均気温は 16.2℃、
降水量は 1,626.4mm、平均風速は 3.7m/秒、最多風向は北西である。
(2) 大気質
事業実施想定区域及びその周辺には、一般環境大気測定局(以下「一般局」という。)が
6 カ所設置され、そのうちの 1 カ所で有害物質及びダイオキシンの測定も行っている。自
動車排出ガス測定局は事業実施想定区域及びその周辺には設置されていない。
また、降下ばいじんは田原市内の 2 カ所(田原中部小学校、六連多目的研修集会センタ
ー)で測定されている。
1) 二酸化硫黄
二酸化硫黄は、田原市内の一般局 2 局、豊橋市内の一般局 2 局で測定されている。
平成 26 年度は、長期的評価、短期的評価ともにすべての測定局で環境基準を達成して
いる。
平成 22 年度の年平均値は、大崎局は 0.002ppm、富本局は 0.004ppm であったが、平成
23 年度以降は両測定局とも 0.001ppm と低い値で推移している。一方、童浦小学校及び東
部中学校は両測定局とも 0.003~0.004ppm の間で推移しており横ばいである。
2) 二酸化窒素
二酸化窒素は、田原市内の一般局 3 局、豊橋市内の一般局 3 局で測定されている。
平成 26 年度はすべての測定局で環境基準を達成している。
平成 22 年度~平成 26 年度の年平均値は、いずれの測定局もほぼ横ばいである。
17
3) 一酸化炭素
一酸化炭素は、愛知県内では一般局 2 局、自排局 7 局で測定を行っているが、事業実施
想定区域及びその周辺地域の測定局では測定されていない。
県内の測定局では、長期的評価、短期的評価ともにすべての測定局で環境基準を達成し
ている。
4) 浮遊粒子状物質
浮遊粒子状物質は、田原市内の一般局 3 局、豊橋市内の一般局 3 局で測定されている。
平成 26 年度は、長期的評価、短期的評価ともにすべての測定局で環境基準を達成して
いる。
平成 22 年度~平成 26 年度の年平均値は、ほとんどの測定局で横ばい傾向にある。
5) 光化学オキシダント
光化学オキシダントは、田原市内の一般局 3 局、豊橋市内の一般局 2 局で測定されてい
る。
平成 26 年度は、全測定局で環境基準を達成していない時間と日がある。
平成 22 年度~平成 26 年度の年平均値は、全体的に光化学オキシダント濃度は横ばいで
あるが、田原市設置の童浦小学校及び東部中学校では若干上昇傾向にある。
6) 微小粒子状物質
微小粒子状物質(PM2.5)は、田原市内の一般局 1 局、豊橋市内の一般局 2 局で測定されて
いる。
環境基準との比較可能な豊橋市の大崎測定局、野依測定局の黄砂の影響を除いた長期的評
価は、短期基準、長期基準ともに環境基準を達成している。
平成 24 年度~平成 26 年度の黄砂の影響を除いた年平均値は、年度により多少の変動があ
るが、概ね 15μg/m3 前後で推移している。
7) 有害大気汚染物質
有害大気汚染物質は、豊橋市内の大崎測定局で測定項目 21 物質について毎月 1 回測定さ
れている。平成 26 年度は、環境基準が設定されている 4 物質とも環境基準を達成している。
18
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
8) 降下ばいじん
降下ばいじんは、田原市の 2 地点で毎月 1 回測定されている。
平成 26 年度は、田原中部小学校で 1.86t/km2・月、六連多目的研修集会センターで 2.15
t/km 2 ・月である。「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律の施行について」
(平成 2 年 7 月 3 日 環大自第 84 号)に示されている生活環境の保全が必要な地域の指標
(20t/㎢/月)と比較すると、その指標値を大きく下回っている。
平成 22 年度~平成 26 年度の年平均値は、平成 23 年度に若干高くなったが、近年は減
少傾向にある。
9) ダイオキシン類
ダイオキシン類は、事業実施想定区域及びその周辺では豊橋市の大崎校区市民館(場所は
大崎局に同じ)で毎年 4 回測定されている。
平成 22 年度~平成 26 年度の年平均値は、すべての年度で環境基準を達成している。
10) 大気汚染に係る苦情の発生状況
関係市における平成 25 年度の大気汚染に係る苦情受理件数は、田原市で 34 件、豊橋市で
53 件となっている。
(3) 騒音
1) 環境騒音
田原市では、市独自に環境騒音の測定を行っており、平成 26 年度は市内 17 地点におい
て昼間のみの測定が行われている。また豊橋市では、各地区に分布する 12 の市民館にお
いて環境騒音の測定が行われている。
事業実施想定区域及びその周辺では、これら測定地点のうち田原市に 5 地点、豊橋市に
1 地点が設置されている。
豊橋市の杉山地区市民館では、昼間 49dB、夜間 44dB であり、B 類型の環境基準を達成
している。また、田原市の 5 地点については参考値ではあるが、環境基準を達成している。
19
2) 道路交通騒音
愛知県では、県内の主要道路沿いにおいて、平成 26 年度は合計 996 地点(県実施 18 地
点、県内全 38 市実施 978 地点)で騒音の測定を実施し評価を行っている。
事業実施想定区域及びその周辺においては、平成 26 年度は田原市の 2 地点で道路交通
騒音の評価が行われている。
一般国道 259 号の田原市谷熊町では環境基準達成率が昼間・夜間ともに 75%であり、県
道蔵王山線の田原市田原町では達成率は 100%である。
3) 騒音に係る苦情の発生状況
関係市における平成 25 年度の騒音に係る苦情受理件数は、田原市で 15 件、豊橋市で 51
件となっている。
(4) 振動
1) 環境振動
事業実施想定区域及びその周辺には、公表されている環境振動の測定地点はない。
2) 道路交通振動
愛知県では、県内の主要道路沿いにおいて、平成 26 年度は合計 65 地点(県実施 9 地点、
県内 10 市実施 56 地点)で振動の測定を実施しているが、事業実施想定区域及びその周辺
には測定地点はない。
県内 65 地点の測定結果は、すべての地点で昼間・夜間いずれの時間帯においても要請
限度を下回っている。
なお、田原市では、市独自に道路交通振動の測定を行っており、事業実施想定区域及び
その周辺では 6 地点で測定を実施している。
平成 26 年度は、すべての測定地点で昼間の「道路交通振動に係る要請限度」を下回っ
ている。
3) 振動に係る苦情の発生状況
関係市における平成 25 年度の振動に係る苦情受理件数は、田原市で 0 件、豊橋市で 6 件
となっている。
20
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
3.1.2 水環境の状況
(1) 水象
1) 河川
事業実施想定区域及びその周辺は、大きくは豊川水系に含まれ、その流域は県東部の東三
河地域にあたる。
事業実施想定区域が面する田原湾や渥美湾には二級河川である汐川、蜆川、紙田川、柳生
川等が注いでおり、汐川河口には干潟が形成されている。
2) 湧水
事業実施想定区域及びその周辺では、一般に知られている湧水は確認されていない。
また、環境省の選定による名水百選、平成の名水百選に選定されている湧水も存在しない。
(2) 水質
1) 河川
事業実施想定区域及びその周辺における河川では 9 地点で水質の測定が行われている。こ
のうち、汐川の船倉橋では、水質汚濁防止法に基づく愛知県による測定の他、田原市による
測定も実施されている。
(a) 生活環境の保全に関する項目(生活環境項目)
事業実施想定区域及びその周辺の河川では、類型が設定されているのは汐川だけ
であり、汐川は生活環境項目に係る E 類型、水生生物の保全に係る B 類型に指定さ
れている。
平成 26 年度の測定結果では、汐川の船倉橋(環境基準点)は生活環境項目に係る環
境基準及び水生生物の保全に係る環境基準を達成している。
汐川の船倉橋での生物化学的酸素要求量(BOD)の 75%値は、平成 22 年度~平成 26
年度の 5 年間で 2.6~4.3mg/L の範囲にあり、比較的安定しているものの、わずかに
増加傾向にある。
(b) 人の健康の保護に関する項目(健康項目)
汐川の船倉橋は、県測定による全健康項目(27 項目)で環境基準を達成している。
田原市による測定では、カドミウム、全シアン、鉛、六価クロム、ヒ素、総水銀
が船倉橋及び今田橋の 2 地点で、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素が 5 地点で測定されて
いる。そのうち硝酸性窒素が背戸田川の柴山池入口で 19.50 mg/L と高い値を示して
おり、亜硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素の環境基準(10 mg/L)を超過している。それ以
外の測定項目は環境基準を達成している。
21
(c) ダイオキシン類
河川の水質のダイオキシン類は、平成 26 年度は事業実施想定区域及びその周辺で
測定地点は設定されていない。しかし、汐川(船倉橋)では平成 24 年度に愛知県によ
り測定が行われている。また、豊橋市は、河川の水質のダイオキシン類を毎年異な
る 3 地点で測定しており、そのうちの梅田川(御厩橋)は毎年実施の固定的な測定地
点となっている。
平成 24 年度の汐川(船倉橋)及び平成 22 年度~平成 26 年度の梅田川(御厩橋)では、
両測定地点とも環境基準を達成している。
2) 海域
事業実施想定区域及びその周辺における海域では、8 地点で測定が行われている。
すべての測定地点は渥美湾の神野・田原地先海域にあり、環境基準は生活環境項目に係る
C 類型、全窒素・全燐に係る類型Ⅲが設定されている。
(a) 生活環境の保全に関する項目(生活環境項目)
事業実施想定区域及びその周辺の海域では、全ての地点で環境基準を超えている
項目があり、特に水素イオン濃度(pH)、全窒素、全燐で環境基準を超えている地点
が多い。
県の測定地点(4地点)の化学的酸素要求量(COD)については、神野ふ頭では増加傾
向にあり、平成25年度は8.4mg/Lと環境基準を超過した。他の3地点では、多少変動
しながらも5mg/L前後で推移しており、環境基準を達成している。
(b) 人の健康の保護に関する項目(健康項目)
事業実施想定区域及びその周辺の海域では、すべての測定項目について、人の健
康の保護に関する項目の環境基準を満足している。
(c) ダイオキシン類
事業実施想定区域及びその周辺の海域では、2 地点で水質のダイオキシン類が測定
されており、両測定地点ともダイオキシン類の環境基準を達成している。
なお、平成 22 年度~平成 26 年度に測定された県内の海域の全測定地点において
も、ダイオキシン類の環境基準を達成している。
22
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
3) 地下水
事業実施想定区域及びその周辺では、地下水の水質調査は行われていない。
関係市で見ると、平成 26 年度に田原市赤羽根町において、汚染井戸周辺地区調査の定
期モニタリング調査で調査井戸 10 本のうち 2 本で硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が環境基
準を超過していた。また、豊橋市では、概況調査の定点調査で東赤沢町において硝酸性窒
素及び亜硝酸性窒素が環境基準を超過していた。いずれもその原因は明確となっていない。
4) 水質汚濁に係る苦情の発生状況
関係市における平成 25 年度の水質汚濁に係る苦情受理件数は、田原市で 20 件、豊橋市で
42 件となっている。
(3) 水底の底質
事業実施想定区域及びその周辺における平成 26 年度の河川及び海域の底質の測定結果
のうち、ダイオキシン類は、河川、海域の測定地点ともに環境基準を達成している。なお、
同じ平成 22 年度~平成 26 年度に測定された県内の河川、海域の全測定地点においても、
ダイオキシン類は環境基準を達成している。
3.1.3 土壌及び地盤の状況
(1) 土壌
1) 土壌汚染
愛知県では、県内 24 カ所で土壌中のダイオキシン類の調査を実施しているが、事業実
施想定区域及びその周辺では実施されていない。
また、関係市では田原市には測定地点はないが、豊橋市では 2 地点で測定されており、
両測定地点ともダイオキシン類の環境基準を達成している。
また、田原市では、毎年市内の主な農地を選択して重金属類の測定を実施しており、平
成 26 年度は市内 7 地点で測定している。事業実施想定区域及びその周辺では、汐川河口
の低地に広がる農地 3 地点で土壌中の重金属類を測定しており、そのうち 2 地点でカドミ
ウムが基準値とした 0.4mg/kg を超過している。それ以外の、銅、砒素、亜鉛、総水銀は、
3 地点とも基準値を下回っている。
2) 表層土壌
事業実施想定区域は人工改変地(埋立地)である。
3) 土地利用履歴
事業実施想定区域は埋立地であり、過去に工場や事業場等が存在したことはない。
23
4) 土壌汚染に係る苦情の発生状況
関係市における平成 25 年度の土壌汚染に係る苦情受理件数は、田原市、豊橋市ともに 0
件となっている。
(2) 地盤
1) 地盤沈下
田原市は平成 22 年には有効水準点が 11 地点あり、そのうちの 1 地点で沈下が認められ
たが、他の 10 地点では沈下は認められなかった。平成 26 年は、田原市内で水準測量は実
施されていない。豊橋市は平成 26 年の有効水準点は 28 地点であり、そのうちの 8 地点で
沈下が認められた。
また、両市が含まれる東三河地域全体を見ても、平成 26 年の有効水準点 44 地点のうち
で沈下があったのは全体の 41%(18 地点)であったが、1 年換算で 1cm 以上沈下した水準
点はなく、経年的な地盤沈下の傾向はみられない。
2) 地盤沈下に係る苦情の発生状況
関係市における平成 25 年度の地盤沈下に係る苦情受理件数は、田原市、豊橋市ともに 0
件となっている。
3.1.4 地形及び地質の状況
(1) 地形
事業実施想定区域は渥美湾臨海部の埋立地であり、地形分類では「干拓地・盛土地」と
なっており、地形は平坦である。
豊橋市から田原市にかけての沿岸部はかつて砂州が形成されていたが、江戸時代からの
新田開発や近年の産業開発により、現在は干拓地・埋立地が広がっており、事業実施想定
区域はその一部にあたる。
なお、事業実施想定区域及びその周辺では、重要な地形として蔵王山、姫島海岸、片浜
十三里が確認された。
(2) 地質
事業実施想定区域は、「人為的に撹乱を受けた部分・その他」となっている。
なお、事業実施想定区域及びその周辺では、重要な地質は確認されなかった。
24
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
3.1.5 動植物の生息又は生育、植生及び生態系の状況
(1) 動物
本事業では、「前倒環境調査」 * 1の手法を適用しており、現地調査の結果を用いて配慮
書段階における重大な環境影響の回避又は低減の検討を行うこととした。なお、本配慮書
には、平成 29 年度まで実施する現地調査のうち、平成 28 年 5 月までの結果を記載した。
1) 動物相
事業実施想定区域及びその周辺では、既存資料により哺乳類 26 種、鳥類 325 種、爬虫
類 21 種、両生類 16 種、魚類 67 種、昆虫類 1,029 種、底生動物 174 種、クモ類 232 種、
陸産貝類 75 種が確認された。
また、現地調査により鳥類 130 種が確認された。
2) 動物の重要な種
既存資料により確認された種のうち、哺乳類 10 種、鳥類 107 種、爬虫類 8 種、両生類
8 種、魚類 30 種、昆虫類 70 種、底生動物 76 種、クモ類 21 種、陸産貝類 23 種の合計 353
種が重要な種に選定された。また、現地調査により確認された種のうち、鳥類 30 種が重
要な種に選定された。
3) 動物の注目すべき生息地
事業実施想定区域及びその周辺における動物の注目すべき生息地は、「三河大島ナメク
ジウオ生息地」、「三河湾鳥獣保護区」、「汐川干潟」等の 24 件が確認されたが、事業
実施想定区域内には分布していない。
4) タカの渡り
事業実施想定区域は愛知県南東部の渥美半島の付け根に位置しており、同半島の南西端
に位置する伊良湖岬は、タカの渡りの経路として全国的に著名である。
既存資料によると、事業実施想定区域及びその周辺を渡りの経路とする希少猛禽類とし
て、サシバ及びハチクマの 2 種が想定されている。
サシバは春秋ともに事業実施想定区域及びその周辺を渡りの経路として利用している。
また、ハチクマは秋に事業実施想定区域及びその周辺を渡りの経路として利用することが
ある。
*1:
「前倒環境調査」とは、通常「方法書手続」において調査の対象や方法が確定した後に行われる
調査・予測・評価を「配慮書手続」や「方法書手続」に先行して、あるいは同時並行で進めること
をいう。
なお、平成 25 年 6 月に閣議決定された「日本再興戦略」において、風力発電事業と地熱発電事
業の「環境アセスメントの迅速化」が政府の目標とされたことを踏まえ、経済産業省では、「前倒
環境調査」は、適切な環境配慮を図りつつ環境影響評価の迅速化を実現することができる手法であ
るという認識のもと、その方法論を確立するための実証事業を実施している(なお、本事業は実証
事業ではない)。
25
5) 希少猛禽類チュウヒ
事業実施想定区域の周辺の埋め立て地に成立した高茎草地には、希少猛禽類チュウヒの
繁殖地・越冬地が分布していることが知られている。
配慮書段階においてチュウヒへの影響の回避又は低減の検討を行うため、営巣地、ねぐ
ら、採餌場の分布状況及び飛翔経路を把握することを目的として現地調査を前倒しで実施
した。
現地調査の結果、事業実施想定区域及びその周辺においてチュウヒのねぐら入り行動、
繁殖行動、採餌行動が確認された。
ねぐら入り行動は、_____________________で 12 個体以上、_
______________で 1 個体が確認された。_______________
では、1 月にねぐら入り行動が確認されたが、2 月以降は確認されなかった。
繁殖行動は、__________________________で確認された。
営巣しているのは 1 ペアのみであり、その他の地区では営巣は確認されなかった。
採餌行動は、ねぐら入り行動が確認された 2 地区のほか、_____________
____、___________________________________
___で確認された。
6) 水鳥(ガン・カモ類、シギ・チドリ類等)
事業実施想定区域の南側には、ガン・カモ類やシギ・チドリ類等の渡り鳥の全国有数の
渡来地として知られている汐川干潟が分布している。
配慮書段階においてガン・カモ類やシギ・チドリ類等への影響の回避又は低減の検討を
行うため、採餌場、休息場の分布状況及び飛翔経路を把握することを目的として現地調査
を前倒しで実施した。
現地調査の結果、事業実施想定区域及びその周辺において 60 種の水鳥が確認された。
事業実施想定区域及びその周辺における水鳥の飛翔経路は、汐川干潟及びその周辺の海
域間の飛翔が多かったが、事業実施想定区域の上空を飛翔する個体も確認された。
また、水鳥の分布状況は、いずれの時間帯においても、干潟が広く分布している汐川干
潟及び貯木場が最も多くの個体が分布していることが確認された。さらに、確認種数も、
いずれの時間帯においても、汐川干潟が多いことが確認された。
26
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
7) カワウ
事業実施想定区域の西側の養鰻場跡地には、カワウのコロニー(集団繁殖地)及びねぐら
が分布していることが知られている。
カワウは、水産資源への食害及び住宅等への糞害をもたらす生物として注目されており、
配慮書段階においてカワウの生息状況の変化(分散)の回避又は低減の検討を行うため、コ
ロニー、ねぐらの分布状況及び飛翔経路を把握することを目的として現地調査を前倒しで
実施した。
現地調査の結果、事業実施想定区域及びその周辺の 2 カ所でコロニーが確認されたほか、
事業実施想定区域の上空を通過する個体等が確認された。
コロニーは、既存資料調査で古くから確認されていた事業実施想定区域の西側の養鰻場
跡地で確認されたほか、平成 10 年以降に一時的に形成されていた事業実施想定区域内の
池に再度形成されていることが確認された。
事業実施想定区域の西側の養鰻場跡地では 270~390 巣程度、事業実施想定区域内の池
では 30~50 巣程度が確認された。各コロニーにおける離巣・帰巣の方向は、概ね北方向、
東方向、南方向であり、西方向は比較的少なかった。
また、周辺での個体の飛翔状況は、事業実施想定区域の南側の汐川干潟や事業実施想定
区域の周辺の海沿いで多く確認された。
27
8) 専門家等へのヒアリング
動物は、既存資料のみでは得られない情報が多いことから、地域の専門家等へのヒアリ
ングを実施した。
ヒアリングでは、地域に生息する動物に関する情報のほか、現地調査の手法に関する助
言、事業による動物への影響に関する助言も得られたことから、併せて整理した。
ヒアリングにより得られた助言の概要を以下に示す。
【タカの渡りについて】
・秋のタカの渡りでは、東から来た個体が伊良湖岬の近くでねぐらをとり、翌朝そこ
から飛び立つ個体も多いと考えられる。事業実施想定区域の付近では飛翔高度は高
いと考えられるため、伊良湖岬の付近と事業実施想定区域の付近での飛翔高度の違
いを記録できると良い。
【希少猛禽類チュウヒについて】
・耕作地や耕作放棄地、水路際の土手、牧草地等を採餌に利用しているため、このよ
うな環境も同様に観察すると良い。
・営巣地としては、地表が少し冠水しているヨシ原等を好む。また、近隣に別のつが
いが営巣していても、近くで営巣することがある(ルースコロニー)。その他、小規
模な草地でも営巣することがあるので、このような環境も同様に観察すると良い。
・餌場環境が限定的であるため、個体の行動と今後の計画との関連性を考察し、環境
影響予測評価は慎重に行うこと。
【水鳥(ガン・カモ類、シギ・チドリ類等)について】
・秋の調査時期を、シギ・チドリ類の成鳥の渡り時期のピークとなる 7 月末頃~8 月初
旬頃に 1~2 回、幼鳥の渡り時期となる 8 月末頃~9 月末頃に 2~3 回実施すると良い。
【カワウについて】
・事業実施想定区域内の西側の養鰻場跡地については、数年前に一部の営巣木を伐採
しており、人工の巣台を設置したが、現在は使われていない。
・事業実施想定区域内の池では、過去に個体の追い出しを行ったが、再生している。
養鰻場跡地で、営巣木を伐採された個体がこちらに移動してきた可能性がある。そ
のため、養鰻場跡地の人工の巣台には入らず、利用していないのかもしれない。
・過去にカワウの追い出しを行った際に、音で驚かすだけではなく、営巣木に戻れな
いような対処ができると有効と考えられる。
28
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
(2) 植物
1) 植物相
事業実施想定区域及びその周辺では、既存資料により 2,035 種の植物が確認された。
2) 植生
空中写真判読により、事業実施想定区域及び隣接する既設風車の周囲 3km の範囲で植生
判読図を作成した。
事業実施想定区域及びその周辺では、埋め立てにより造成された地区は主に工場地帯及
び造成地となっており、もともと陸域だった地区は主に畑雑草群落、水田雑草群落、緑の
多い住宅地となっている。また、事業実施想定区域には路傍・空地雑草群落、ゴルフ場・
芝地、アカメガシワ-カラスザンショウ群落等が点在している。
3) 植物の重要な種
既存資料により確認された種のうち、425 種が重要な種に選定された。
4) 重要な植物群落等
(a) 重要な植物群落
事業実施想定区域及びその周辺の重要な植物群落は、「黒川湿地植物群落」、
「牟呂八幡宮のスダジイ林」、「東三河湧水湿地群」等の 14 件及びシデコブシ群落、
ヤチヤナギ群落、ヌマガヤ群落等の 7 群落が確認されたが、いずれも事業実施想定
区域内には分布していない。
(b) 重要な樹木
天然記念物、巨樹・巨木に指定された樹木は 20 件、田原市、豊橋市により指定さ
れた巨木・名木は、70 件が確認されたが、いずれも事業実施想定区域内には分布し
ていない。
29
(3) 生態系
1) 地域の歴史的変遷
「ひがた-シギ・チドリ群れる汐川干潟(汐川干潟を守る会
平成 5 年)」をもとに、事
業実施想定区域及びその周辺の歴史的変遷をまとめた結果の概要を以下に示す。
・愛知県企業局による豊橋港及び臨海工業団地の造成が昭和 36 年より始まり、事業実
施想定区域が位置する「緑が浜」の造成は昭和 47 年に行われた。
・汐川干潟は約 2,000ha にわたり全面的に埋め立てられる計画であったが、干潟の保
護運動等により多くは中止され、埋め立ては汐川河口部の 280ha のみとなった。
・こうした保護運動等により、汐川干潟は水鳥の越冬渡来地として存続し、当該地域
を代表する環境となっている。
2) 地域を特徴づける生態系
事業実施想定区域及びその周辺を特徴づける生態系として、「樹林・緑地等」、「高茎
草地」、「低茎草地」、「耕作地等」、「干潟」、「海域」が抽出された。
3) 生態系の構造
事業実施想定区域の主な生態系は、草地を基盤として成立していると推測される。草地
での生産者は、高茎草地、低茎草地に生育する草本植物である。これらを食す第一次消費
者は、バッタ類や草地性チョウ等の昆虫類、ハタネズミ等の小型草食性哺乳類が考えられ
る。第二次消費者、第三次消費者は、ナゴヤダルマガエルやヌマガエル等の両生類、ツグ
ミやムクドリ等の鳥類、アオダイショウやヤマカガシ等の爬虫類、タヌキ等の中型雑食性
哺乳類が考えられる。また、これらを食す最上位の消費者として、チュウヒ等の中型猛禽
類が考えられる。
一方、事業実施想定区域の周辺には、汐川干潟等の干潟や海域が広がっている。こうし
た場所での主な生産者は植物プランクトンや付着藻類等である。これらを食す第一次消費
者は、貝類やゴカイ類、カニ類、エビ類等の底生動物が考えられる。第二次消費者、第三
次消費者は、ガン・カモ類やシギ・チドリ類、カワウ、ミサゴ等の鳥類、チチブやビリン
ゴ等の魚類が考えられる。また、これらを食す最上位の消費者として、ハヤブサ等の中型
猛禽類が考えられる。
4) 重要な自然環境のまとまりの場
事業実施想定区域及びその周辺における重要な自然環境のまとまりの場は、動物の注目
すべき生息地のうち、汐川干潟等が該当すると考えられるが、いずれも事業実施想定区域
内には分布していない。
30
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
5) 専門家等へのヒアリング
生態系は、既存資料のみでは得られない情報が多いことから、地域の専門家等へのヒア
リングを実施した。
ヒアリングの結果は、「(1) 動物
8) 専門家等へのヒアリング」に示したとおりであ
る。
3.1.6 景観及び人と自然との触れ合いの活動の状況
(1) 景観
事業実施想定区域の周辺には「三河湾国定公園」、「渥美半島県立自然公園」の指定地
域が分布し、特に田原市は、市域の約 94%が自然公園区域に指定されており、海や山、田
園風景等、豊かで多様な景観を有している。
事業実施想定区域及びその周辺の景観を大きく分けると、自然の海岸の風景、渥美半島
内陸の蔵王山や衣笠山等の低山の風景、臨海部埋立地に立地する工業地帯の風景、干拓地
や河口部等に広がる広々とした田園や干潟の風景、臨海部の後背地に広がる農住が一体と
なった集落の風景、鉄道駅や道路を中心に広がる市街地の景観に分けられる。この中で海
岸の風景は、渥美湾側の静かな海と、海食崖が続く広大な太平洋側の海とでその景観は異
なっている。
1) 主要な眺望点
事業実施想定区域及びその周辺には、19 カ所の主要な眺望点が存在する。最寄りの眺
望点としては、笠山、緑が浜エコパーク、汐川干潟、三河港大橋がある。
2) 景観資源
事業実施想定区域及びその周辺には、50 件の景観資源が存在している。
(2) 人と自然との触れ合いの活動の場
事業実施想定区域及びその周辺には、人と自然との触れ合いの活動の場が 5 件存在する。
このうち、事業実施想定区域の南西側には、蔵王山と衣笠山を巡る「蔵王山自然歩道」及
び「衣笠山自然歩道」が整備され、ハイキングや自然観察等に利用されている。また、事
業実施想定区域の南側の汐川河口に広がる「汐川干潟」は、日本有数のバードウォッチン
グの場所として知られ、春と秋には、田原市・豊橋市共催による自然観察会が開催されて
いる。それ以外には、蔵王山のふもとにある自然の木々に囲まれた公園「権現の森」、事
業実施想定区域の南側にほぼ隣接し、スポーツや憩いの場として利用されている「緑が浜
公園」がある。
31
3.1.7 一般環境中の放射性物質の状況
空間放射線量率は、県内 5 カ所に設置されたモニタリングポストにより、通年連続で測
定が行われている。
事業実施想定区域及びその周辺では、事業実施想定区域から東北東へ約 4.5km の位置に
ある愛知県環境調査センター東三河支所(豊橋市富本町字国隠 20-8)において測定が行わ
れている。
平成 25 年度~平成 27 年度の空間放射線量率は、全国平均値を下回っている。
3.2 社会的状況
3.2.1 人口及び産業の状況
(1) 人口
愛知県全体の人口密度約 1,447 人/km2 と比較して、田原市の人口密度は 326.5 人/km2 と
低いが、豊橋市はほぼ同様の値となっている。
人口の推移をみると、田原市はほぼ横ばい、豊橋市は平成 22 年までは増加傾向にあっ
たが、平成 27 年はわずかに減少に転じている。
年齢階層別の人口をみると、田原市、豊橋市ともにつぼ型からひょうたん型の人口構成
となっている。
(2) 産業
1) 産業構造及び産業配置
産業別就業者数の割合は、田原市、豊橋市ともに最も比率が高いのは第 3 次産業である
が、全国平均(70.6%)と比べると低い。田原市の第 1 次産業(28.2%)は全国平均(4.2%)を大
きく上回っている。
産業別就業者の割合は、田原市、豊橋市ともに第 3 次産業が増加する一方、第 1 次産業
が減少傾向にある。
2) 生産量及び生産額
(a) 農業
平成 18 年及び平成 26 年の農業産出額は、田原市は花きが突出して多く、野菜、
畜産が続いている。また、豊橋市は野菜の産出額が多い。両市とも農業が盛んであ
り、市町村別の農業産出額は、昭和 42 年から平成 16 年の統計までは豊橋市が全国
第 1 位であり、平成 18 年の統計では田原市が全国第 1 位となっている。
32
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
(b) 林業
平成 22 年の所有形態別林野面積は、両市ともに私有林が多いが、豊橋市は国有林
の割合も高い。
市域面積に対する林野面積は、田原市及び豊橋市は、県全体と比べるとその比率
は低い。また、産業別就業者数の割合をみると、林業に従事する就業者は田原市、
豊橋市ともに 0.0%となっていることから、両市における林業は盛んではないといえ
る。
(c) 水産業
平成 26 年の漁業種別漁獲量は、田原市は「採貝・採藻」による漁獲量が 8,222t
と最も多く、全漁獲量の 8 割以上を占めている。豊橋市では、その他の漁業の漁獲
量は公表されていないが、神野新田町等を中心とした渥美湾沿岸で鰻の養殖が行わ
れている。
(d) 商業
平成 26 年の年間商品販売額は、田原市は 864 億円、豊橋市は 1 兆 2,096 億円であ
り、豊橋市の商業規模が大きい。また、田原市は小売業の販売額が多く、豊橋市は
卸売業の販売額が多い。
(e) 工業
平成 26 年の工業は、田原市は、事業所数 81、従業者数 14,237 人、製造品出荷額
等 2 兆 536 億 4 千万円、豊橋市は、事業所数 747、従業者数 32,081 人、製造品出荷
額等 1 兆 2,367 億 3 千万円となっている。田原市は事業所数は 81 と少ないが、製造
品出荷額等は 2 兆円を超えており、そのうちの大部分は、輸送用機械器具製造業に
よるものである。
3.2.2 土地利用の状況
(1) 土地利用
土地利用は、田原市、豊橋市ともに農地の面積が最も多い。次いで、田原市は森林が、
豊橋市は宅地が多くなっている。
なお、事業実施想定区域は、昭和 47 年に造成が行われた(詳細は「3.1.5 動植物の生息
又は生育、植生及び生態系の状況」の「(3) 生態系」に示す)。
(2) 土地利用計画
1) 都市計画法
事業実施想定区域は工業専用地域に指定されている。
33
2) 国土利用計画法
事業実施想定区域は全域が都市地域に指定されている。
3.2.3 河川、湖沼の利用並びに地下水の利用の状況
(1) 河川水の利用
事業実施想定区域及びその周辺において、農業用水取水口が 4 カ所分布している。
上水については、田原市ではそのほとんどを豊川用水を水源とした愛知県営水道より給
水を受け、豊橋市は愛知県営水道の他、市独自の水源として、大部分を豊川の伏流水、飯
村町高山の表流水等の河川水を利用している。
(2) 漁業権
事業実施想定区域及びその周辺の内水面、海域において漁業権は設定されていない。
(3) 地下水の利用
田原市及び豊橋市には、生活用、都市用、工業用、農業用等の利用を目的とする井戸が
分布している。また、両市とも、地下水を上水の一部として使用している。
(4) 簡易水道の状況
簡易水道は事業実施想定区域及びその周辺には分布していない。なお、田原市の豊島地
区に存在していた簡易水道は、現在は田原市に移管されて市の上水道に組み込まれている。
3.2.4 交通の状況
(1) 道路
事業実施想定区域及びその周辺には一般国道 23 号、一般国道 259 号、主要地方道豊橋
渥美線、主要地方道田原高松線、一般県道六連杉山線等が通っている。
(2) 交通量
事業実施想定区域及びその周辺では、一般国道 23 号、一般国道 259 号、主要地方道豊
橋渥美線、主要地方道田原高松線等の 10 地点で交通量調査が行われ、3 地点(区間)で実
測値により交通量が推計されている。
事業実施想定区域の近傍を通過する主要地方道豊橋渥美線は交通量が多く、昼間 12 時
間交通量は 14,184 台~24,480 台であり、大型車混入率も高い。
34
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
3.2.5 学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置の状況
及び住宅の配置の概況
(1) 学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施設の配置
学校関連施設は、事業実施想定区域及びその周辺では、6 カ所の小学校、2 カ所の中学
校、1 カ所の高等学校、1 カ所の専修学校が確認された。
医療機関は、事業実施想定区域及びその周辺では、10 カ所の医院が確認された。
社会福祉施設は、事業実施想定区域及びその周辺では、7 カ所の保育園、3 カ所の認定
こども園、1 カ所の障害者支援施設が確認された。
(2) 住宅の配置
事業実施想定区域に隣接して西側に田原市浦町があり、最も近い集落として青尾の集落
が存在する。
3.2.6 下水道の整備状況
(1) 公共下水道事業及び農業集落排水事業
平成 26 年度末の汚水処理人口普及率は、田原市 93.6%、豊橋市は 90.4%であり、愛知県
全体の普及率 88.4%を上回っている。
田原市全域及び豊橋市の中部・南部域は単独公共下水道が供用されている。併せて農業
集落排水施設、合併処理浄化槽、コミュニティプラントによる処理も行われており、田原
市では農業集落排水施設等による処理人口が 41.7%と、下水道による処理人口 48.1%に次
いで多くなっている。
(2) し尿処理の状況
田原市及び豊橋市の水洗化率は、それぞれ 97.1%、98.8%であり、愛知県全体の水洗化
率 97.9%とほぼ同じである。
3.2.7 廃棄物の状況
(1) 一般廃棄物
平成 26 年度の一般廃棄物の総排出量は、田原市で 25,617t、豊橋市で 143,945t、愛知
県全体で 2,551,069t、リサイクル率は田原市で 30.8%、豊橋市で 18.2%、愛知県全体で
22.3%であり、田原市のリサイクル率が高い。また、最終処分量は田原市で 1,718t、豊橋
市で 11,527t、愛知県全体では 212,781t となっている。
(2) 産業廃棄物
平成 25 年度における愛知県の産業廃棄物排出量は 19,471 千 t であり、このうち
15,605 千 t(発生量の約 80.1%)が資源化されている。
また、およそ半径 50km の範囲に、愛知県では 27 市町に、静岡県では 3 市に処理施設が
分布している。
35
3.2.8 環境の保全を目的とする法令等により指定された地域その他の対象及び当該対象に
係る規制の内容その他の環境の保全に関する施策の内容
3.2.8.1 公害関係法令等
(1) 環境基準等
1) 大気汚染
大気汚染物質に係る環境基準は、全国一律に定められている。また、ベンゼン等の有害
大気汚染物質、大気中の微小粒子状物質は基準がそれぞれ定められている。
2) 騒音
一般環境及び道路交通の騒音については、地域の類型ごとに環境基準が定められ、区域
は各市長が定めているが、事業実施想定区域は、類型指定はされていない。
また、航空機騒音及び新幹線鉄道騒音については、地域の類型ごとに環境基準が定めら
れ、区域は愛知県が定めているが、事業実施想定区域及びその周辺に指定地域はない。
3) 水質汚濁
事業実施想定区域及びその周辺の河川及び海域の生活環境項目に係る類型が設定されて
いる主な河川は、豊川、豊川放水路、汐川、梅田川等であり、豊川については上流は AA
類型、中流は A 類型、事業実施想定区域周辺にあたる下流は B 類型、豊川放水路は C 類型
に設定されている。また、汐川は全域が E 類型、梅田川は全域が C 類型である。海域は、
事業実施想定区域が面する神野・田原地先海域は C 類型に設定され、隣接して海洋側の渥
美湾(甲)は B 類型に、渥美湾(乙)は A 類型に設定されている。
4) 土壌汚染
土壌の汚染に係る環境基準は、全国一律に定められている。
5) ダイオキシン類
大気、水質、水底の底質及び土壌の環境基準が定められている。
(2) 規制基準等
1) 大気汚染
地域区分ごとに、いおう酸化物の一般排出基準(K 値)が定められている。法律、条例と
もに豊橋市及び田原市の旧田原町の区域の排出基準値は 8.76、それ以外の田原市(旧赤羽
根町、旧渥美町の区域)は 17.5 とされている。ばいじん、有害物質の一般排出基準は、大
気汚染防止法に基づき、発生施設の種類、規模ごとに排出基準値が定められている。
また、事業実施想定区域及びその周辺は総量規制基準を定める対象地域に指定されてい
ないが、「県民の生活環境の保全等に関する条例」に基づく対象地域となっている。
36
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
2) 騒音
特定工場騒音に関する規制基準、特定建設作業に伴って発生する騒音に関する規制基準
及び自動車騒音の要請限度が定められている。
また、愛知県では「県民の生活環境の保全等に関する条例」においても特定工場騒音、
特定建設作業騒音、作業騒音及び拡声機による騒音について使用制限や規制が行われてお
り、市条例が適用される名古屋市を除く県内 53 市町村のすべての地域が規制対象地域と
されている。
3) 振動
特定工場振動に関する規制基準、特定建設作業に伴って発生する振動に関する規制基準
及び道路交通振動の要請限度が定められている。
また、愛知県では「県民の生活環境の保全等に関する条例」においても特定工場振動、
特定建設作業による振動について使用制限や規制が行われており、市条例が適用される名
古屋市を除く県内 53 市町村のすべての地域が規制対象地域とされている。
4) 悪臭
悪臭物質の規制基準は、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長)が「特定悪
臭物質」の濃度又は「臭気指数」のいずれかの方法を採用し、定めるものとなっている。
愛知県では、特定悪臭物質の濃度又は臭気指数により各々規制地域及び規制基準が定め
られている。事業実施想定区域及びその周辺は臭気指数の規制地域となっている。
(a) 特定悪臭物質の濃度又は流量に係る規制地域及び規制基準
特定悪臭物質の濃度による規制地域は、名古屋市、春日井市等があり、敷地境界
線における規制基準等は、アンモニア、硫化水素、アセトアルデヒド等で指定され
ている。
(b) 臭気指数又は臭気排出強度に係る規制地域及び規制基準
臭気指数は、試料を人間の嗅覚で臭気を感じられなくなるまで無臭の空気(試料
が水の場合は無臭の水)で希釈したときの希釈倍率(臭気濃度)から算定される。
田原市、豊橋市は、「臭気指数」により規制する臭気指数規制を適用している。
なお、事業実施想定区域は第 3 種地域に指定されている。
37
5) 水質汚濁
工場と事業所からの排出水に、全国一律の排水基準(有害物質 28 物質、生活環境 15 項
目)が定められている。
愛知県では、化学的酸素要求量(COD)、浮遊物質量(SS)等 6 項目について、条例で上乗
せ排水基準が設定されている。
なお、水質総量削減の指定水域に伊勢湾(三河湾を含む。)が指定されており、関係市町
村の日平均排水量が 50m3 以上の特定事業場について、化学的酸素要求量(COD)、窒素含有
量、燐含有量の総量規制が行われている。愛知県においては、天竜川水系である北設楽郡
の一部と渥美半島の太平洋側の一部地域を除き、ほぼ全域が指定地域となっている。
さらに愛知県では、水質汚濁防止法対象事業場のうち総量規制が適用されない事業場
(日平均排水量が 50m3 未満のもの)等に対して、「小規模事業場等排水対策指導要領(昭和
56 年制定、最終改正:平成 24 年)」を定め、化学的酸素要求量(COD)、窒素及び燐含有量
の指導値を設定している。
6) 土壌汚染
事業実施想定区域及びその周辺では、「要措置区域」又は「形質変更時要届出区域」の
指定はない。
また、愛知県内には「農用地土壌汚染対策地域」の指定はない。
7) 地盤沈下
愛知県では、一部地域が規制地域に指定されているが、事業実施想定区域及びその周辺
は、指定地域となっていない。また、愛知県は「建築物用地下水の採取の規制に関する法
律」に基づく規制地域の適用を受けない。しかし、田原市、豊橋市の全域は「県民の生活
環境の保全等に関する条例」に規定する水量測定器設置義務の区域に該当しているため、
揚水設備の吐出口の断面積が、19cm2 を超える揚水設備を設置した場合は、水量測定器を
設置し、その設置及び毎年度の地下水揚水量を報告することが義務づけられている。
8) 特定化学物質
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」では、
政令で定める化学物質を製造・使用・生成・排出する事業者は対象化学物質の環境への排
出量と、廃棄物に含まれて事業所の外に移動する量の届け出が義務付けられている。
38
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
9) 産業廃棄物
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、
燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、その他政令で定める廃棄物
を排出する事業者は、自らの責任において適正に処理することが定められている。また、
愛知県では、前述の法律を補う観点から、土地所有者や排出事業者の責務の拡大、廃棄物
処理施設に関する情報の開示、焼却施設への規制の強化等を盛り込んだ「廃棄物の適正な
処理の促進に関する条例」を平成 15 年に制定し、廃棄物の適正処理を進めている。
10) 温室効果ガス
「地球温暖化対策の推進に関する法律」では、事業活動に伴い相当程度多い温室効果ガ
スの排出をする者として政令で定めるもの(以下「特定排出者」という。)に対して、温室
効果ガス算定排出量の報告が義務付けられている。
対象事業の実施にあたっては、第一種エネルギー管理指定工場における定期の報告を行
い、この報告が特定排出者の行う二酸化炭素の排出量に係る報告とみなされることとなる。
(3) その他環境保全計画等
1) 第 4 次愛知県環境基本計画
「第 4 次 愛知県環境基本計画」は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推
進を図るために平成 26 年度に策定したもので、愛知県の環境政策の指針となるものであ
る。
平成 32 年(2020 年)までの環境施策の方向は、「環境と経済の調和のとれたあいち」、
「安全で快適に暮らせるあいち」、「県民みんなが行動するあいち」の 3 つのあいちにつ
いて、「安全・安心の確保」、「社会の低炭素化」、「自然との共生」及び「資源循環」
に向けた 4 つの取組分野ごとに方向性を示し、具体的な取組の推進を提示している。また、
総合的な施策推進に向けて、持続可能な未来のあいちの担い手育成として「人づくり」を
推進するとしている。
2) あいちビジョン 2020
「あいちビジョン 2020」は、2027 年に予定されているリニア中央新幹線(東京・名古
屋)開業後の 2030 年頃を展望し、2020 年までに取り組むべき重点的な戦略を示している。
また、県内各地域別の取り組みの方向性が示されている。事業実施想定区域が含まれる
東三河地域は、「豊かな自然をはじめ、地域資源を生かした東三河の魅力の創造・発信」、
「地域の特色を生かした多様な産業の育成・強化」、「地域のポテンシャルを引き出し、
産業と質の高い快適な暮らしを支える基盤づくり」、「災害に強く安心・安全に暮らせる
地域づくり」、「東三河県庁や地域の各主体が一体となって進める地域力と連携力の強化」
を目指している。
39
3) 田原市環境保全計画 中間見直し版
田原市は、平成 10 年度に環境保全計画を定め、環境保全に関する施策を推進してきた。
また、平成 15 年度に「たはらエコ・ガーデンシティ構想」が環境共生まちづくりの全国
モデルに指定されたことを契機として、渥美半島の豊かな自然を背景に、風力や太陽光等
の自然エネルギーを活用したまちづくりを進めている。
一方、国内においては環境を巡る問題は複雑かつ多岐にわたっていることから、平成
19 年度に環境基本計画を改訂し、平成 25 年 6 月に田原市総合計画との整合や社会動向の
変化、直近の環境問題等に対応した計画とするため、中間見直しを行ったものである。
中間見直し版では、「多様な自然が宿るまち」、「資源が循環する持続可能なまち資源
が循環する持続可能なまち」、「空気や水がきれいでさわやかなまち」、「うるおいのあ
る暮らしやすいまち」を分野別の環境像とし、それぞれ「優れた自然環境の保全」、「環
境と共生する地域の実現」、「製造事業所への対策」、「快適な景観の形成」等を基本施
策としている。
4) 田原市風力発電施設等の立地建設に関するガイドライン
「田原市風力発電施設等の立地建設に関するガイドライン」では、田原市域において風
力発電の施設及び建設に伴う送電線等の付帯設備の建設等を行う事業者が遵守すべき事項
や調整手順を明らかにし、生活環境の保全と風力発電施設等の建設促進との両立を図るこ
とを目的としている。
本ガイドラインでは、対象施設の規模、建設等にあたっての調整手順(届出等)、住宅等
との距離及び騒音等の基準、工事中及び工事完了後においての遵守事項を定めている。
5) 豊橋市環境保全計画
豊橋市は、平成 12 年に環境基本計画を策定し、環境の保全に関する施策を総合的かつ
計画的に推進してきたが、平成 23 年 3 月に第 2 次環境基本計画を策定した。本計画は、
環境の保全に関する長期的な目標及び施策の方向性を定めたものであり、10 年間の計画
としている。
本計画では、「地球の未来 ここから始めよう」を基本理念とし、環境に配慮したエネ
ルギーの利用促進、生物多様性の保全、ごみ減量の推進、大気環境の保全及び騒音・振
動・悪臭の防止、環境に関する教育啓発の推進等を基本施策としている。
3.2.8.2 自然関係法令等
(1) 自然公園等
事業実施想定区域及びその周辺では、「三河湾国定公園」及び「渥美半島県立自然公園」
が指定されているが、事業実施想定区域にはこれらの自然公園は位置していない。
また、事業実施想定区域及びその周辺では、自然環境保全地域の指定地域はない。
40
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
(2) 自然遺産
事業実施想定区域及びその周辺では、自然遺産の指定はない。
(3) 緑地保全地域及び特別緑地保全地区
事業実施想定区域及びその周辺では、緑地保全地域及び特別緑地保全地区の指定はない。
(4) 鳥獣保護区等
事業実施想定区域及びその周辺では、鳥獣保護区が 3 件、特定猟具使用禁止区域(銃)が
14 件指定されている。なお、事業実施想定区域は、「白浜・白磯及び田原緑が浜特定猟
具使用禁止区域(銃)」の区域に含まれている。
(5) 生息地等保護区
事業実施想定区域及びその周辺では、生息地等保護区の指定はない。
(6) 登録簿に掲げられる湿地
事業実施想定区域及びその周辺では、登録簿に掲げられる湿地はない。
(7) 保護水面
事業実施想定区域及びその周辺では、保護水面の指定は、「愛知県漁業調整規則」によ
り規定されており、事業実施想定区域から西南西に約 7kmの田原市仁崎町及び野田町が
面する海域の一部が保護水面に指定されているが、事業実施想定区域及びその周辺には指
定地域はない。
(8) 自然再生事業の対象区域
事業実施想定区域及びその周辺では、自然再生事業の対象区域の指定はない。なお、豊
川下流域は自然再生事業の対象区域となっており、豊川が本来有していた多様な生物の生
息環境であるヨシ原・砂州、干潟環境の復元のための方針や整備内容が示されている。
(9) 史跡、名勝、天然記念物
事業実施想定区域及びその周辺には、田原市内に史跡が 4 件、天然記念物が 1 件存在す
るが、事業実施想定区域には、これらは位置していない。
(10) 周知の埋蔵文化財包蔵地
事業実施想定区域及びその周辺には、「周知の埋蔵文化財包蔵地」が 105 件報告されて
いるが、事業実施想定区域には、周知の埋蔵文化財包蔵地は分布していない。
41
(11) 景観等
1) 景観計画区域
事業実施想定区域及びその周辺には、景観行政団体が景観計画の中で規定し、届け出や
行為の制限が定められているような景観計画区域はない。
2) 風致地区
事業実施想定区域及びその周辺には、指定された風致地区はない。
(12) 保安林、砂防指定地等
1) 保安林
事業実施想定区域及びその周辺では、蔵王山北東山麓の一部に保安林が分布しているが、
事業実施想定区域には分布していない。
2) 砂防指定地
事業実施想定区域及びその周辺では豊橋市杉山町に砂防指定地が分布しているが、事業
実施想定区域には分布していない。
3) 「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」による指定状況
事業実施想定区域及びその周辺には 11 カ所の急傾斜地崩壊危険区域が存在するが、事
業実施想定区域には急傾斜地崩壊危険区域、急傾斜地崩壊危険箇所ともに分布していない。
4) 「地すべり等防止法」による指定状況
事業実施想定区域及びその周辺には、地すべり防止区域は分布していない。
5) 「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」による指定状況
事業実施想定区域及びその周辺には土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域は分布し
ていない。
6)「海岸法」による指定状況
事業実施想定区域及びその周辺には、田原海岸の「波瀬・大原・片浜地区海岸」、「波
瀬・浦地区海岸」、「浦・波瀬地区海岸」、「浦地区海岸」、「吉胡地区海岸」、「谷
熊・豊島地区海岸」、「谷熊地区海岸」、豊橋海岸の「杉山地区海岸」、「神野新田地区
海岸」、「吉前・神野新田地区海岸」が連続して海岸保全区域に指定されている。
3.2.9 関係法令等による規制状況のまとめ
関係法令等による規制状況のまとめを表 3.2.9-1 に示す。
42
第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況
表 3.2.9-1
区分
土地
公害
防止
法令等
国土利用計画法
環境基本法
大気汚染防止法
騒音規制法
振動規制法
悪臭防止法
水質汚濁防止法
土壌汚染対策法
自然公園法
愛知県立自然公園条例
自然環境保全法
愛知県自然環境の保全及び緑化の
推進に関する条例
世界の文化遺産及び自然遺産の保
護に関する条約
自然
保護
都市緑地法
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関
する法律
絶滅のおそれのある野生動植物の
種の保存に関する法律
特に水鳥の生息地として国際的に
重要な湿地に関する条約
水産資源保護法
自然再生推進法
文化財保護法
文化
財
保護
景観
保全
国土
防災
愛知県文化財保護条例
田原市文化財保護条例
豊橋市文化財保護条例
田原市文化財保護条例
豊橋市文化財保護条例
景観法
豊橋市景観条例
都市計画法
森林法
砂防法
急傾斜地の崩壊による災害の防止
に関する法律
地すべり等防止法
土砂災害警戒区域等における土砂
災害防止対策の推進に関する法律
海岸法
関係法令等による規制状況のまとめ
地域地区等の名称
都市地域
農業地域
森林地域
騒音類型指定
総量規制基準を定める指定地域
規制地域
規制地域
規制地域
水質総量削減に係る指定地域
指定区域(要措置区域・形質変
更時届出区域)
国立公園
国定公園
県立自然公園
自然環境保全地域
指定等の有無(○:有 ×:無)
事業実施想定区域
田原市 豊橋市
周辺
内部
○
○
○
○
○
○
○
×
○
○
○
×
○
○
○
×
×
×
×
×
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
×
○
×
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
○
○
×
×
×
×
×
県自然環境保全地域
×
○
×
×
自然遺産
×
×
×
×
緑地保全地域
特別緑地保全地区
×
×
×
×
×
×
×
×
鳥獣保護区等
○
○
○
○
生息地等保護区
×
×
×
×
登録簿に掲げられる湿地
×
×
×
×
保護水面
自然再生事業の対象区域
国指定史跡、名勝、天然
記念物
県指定史跡、名勝、天然
記念物
市町村指定史跡、名勝、天然記
念物
○
×
○
○
○
×
○
×
○
○
○
×
○
○
○
×
○
○
○
×
周知の埋蔵文化財包蔵地
○
○
○
×
景観計画区域
景観形成地区
風致地区
保安林
砂防指定地
×
-
×
○
○
×
○
○
○
○
×
-
×
○
×
×
-
×
×
×
急傾斜地崩壊危険区域
○
○
○
×
地すべり防止区域
土砂災害警戒区域、土砂災害特
別警戒区域
海岸保全区域
×
×
×
×
○
○
○
×
○
○
○
×
43
(白紙のページ)
44