ファーマライズDI No.108 (Drug Information 医薬品情報 ) 2016/7/29 ファーマライズ医薬情報研究所 DI室 1. 使用上の注意(重大な副作用)の改訂 薬品名 解説 改訂年月 ハーボニー配合錠 「重大な副作用」の項に以下が追記 2016.07~ (ギリアド・サイエンシズ) 高血圧:高血圧があらわれることがあり、収縮期血圧 ソバルディ錠 400mg 180mmHg 以上又は拡張期血圧 110mmHg 以上に至った (ギリアド・サイエンシズ) 例も報告されているので、投与中は血圧の推移等に十 レベトールカプセル 200mg〈ソホ 分注意すること。異常が認められた場合には投与を中 スブビルとの併用の場合〉(MSD) 止するなど、適切な処置を行うこと。 コペガス錠 200mg〈ソホスブビル 脳血管障害:脳出血等の脳血管障害があらわれること との併用の場合〉(中外) があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場 合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。 ジクロフェナクナトリウム 「重大な副作用」の項に以下が追記 2016.07~ 〈経口剤・坐剤・注腸軟膏剤〉 消化管の狭窄・閉塞(消化管の潰瘍に伴い、狭窄・閉塞 (各社) があらわれることがある)。 2. ベゲタミン-A・B配合錠(塩野義)が発売中止 2016 年 12 月 31 日をもって塩野義製薬からの供給を停止、以降は流通在庫品限りで販売中止となる。 公益社団法人日本精神神経学会から「薬物乱用防止の観点からの販売中止」の申し入れがあった。 1957 年に発売されたベゲタミンは、鎮静催眠が主な効能・効果として広く使われてきたが、依存性も強く薬物 乱用が問題となっていた。 【ベゲタミン錠の配合成分】 成分名 配合量 作用機序 分類 (成分を含有する医薬品名) ベゲタミン A ベゲタミン B クロルプロマジン 25mg 12.5mg 抗ドパミン D2 作用 抗精神病薬 12.5mg 12.5mg 抗ヒスタミン H1 作用 抗パーキンソン薬 40mg 30mg GABA 促進作用 抗てんかん薬 (コントミン/ウィンタミン) プロメタジン (ピレチア/ヒベルナ) フェノバルビタール (フェノバール) 強力な睡眠薬として難治性の不眠患者に使われることも多いが、現在の不眠治療に関する種々のガイドラ インでは、ベゲタミンの成分でもあるフェノバルビタールを含有する薬剤使用は推奨されていない。 ベゲタミンは急激な中止により離脱症状を起こしやすいなどの特徴があるため、漸減・中止・切替には十分 な注意が必要である。服用している患者には早い段階で医師に相談するように指導する必要がある。 3. 新薬情報 ルコナック爪外用液 5% (佐藤製薬=ポーラファルマ) 〈効能・効果〉適応症:爪白癬 適応菌種:皮膚糸状菌(トリコフィトン属) 〈用法・用量〉1 日 1 回罹患爪全体に塗布する。 〈適用上の注意〉 患者に対し、次の点に注意するよう指導すること。 ◆本剤は抗真菌薬のため、新しい爪が伸びてこない限り、一旦変色した爪所見を回復させるものではない。 このため、治療には相応の期間(爪が生えかわるまでの期間)※(1)が必要になること。 ◆爪白癬の原因菌は爪甲及び爪甲下に存在するため、この部位に薬剤が行きわたるよう皮膚との境界部も 含め爪全体に十分に塗布し、周囲の皮膚に付着した薬剤は拭き取ること。 ◆適用部位周辺に傷口がある場合には注意して使用すること。 ◆必要に応じてやすりや爪切り等で罹患爪の手入れを行うこと。 ◆治療中の爪には化粧品等を使用しないこと。 ◆爪白癬の罹患爪以外には使用しないこと。(予防としては使用しない) ◆眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。誤って眼に入った場合には、直ちによく水洗すること。 ◆本剤は可燃性であるため、火気の近くでは使用しないこと。 ※(1)爪が生え変わるまでには半年、長い場合には 1 年以上かかるといわれています。 〈備考〉 ◆イミダゾール系抗真菌薬、ルリコナゾールを有効成分とする外用爪白癬治療剤。 ◆同一成分でルリコンクリーム 1%、液 1%、軟膏 1%の 3 剤が既に上市されているが、ルコナックは爪白癬 治療剤としての至適製剤化により、高濃度で配合し、かつ爪に対する透過性及び貯留性を高めた製剤。 ◆経口剤による爪白癬治療では、副作用や薬物相互作用に注意が必要で、特に高齢者や合併症を持つ患 者では、治療が制限されることが多い。 主な爪白癬治療薬 外用薬 投与経路 内用薬 商品名 ルコナック 爪外用液5% クレナフィン 爪外用液1 0 % ラミシール 錠1 2 5mg イトリゾール カプセル50 会社 佐藤製薬=ポーラファルマ 科研製薬 ノバルティスファーマ ヤンセンファーマ 規格:薬価 5%1g:997.80 (1本3.5g:3492.30) 10%1g:1,657.50 (1本3.56g:5900.70) 125mg1錠:184.20 50mg1カプセル:354.20 一般名 (分類) ルリコナゾール (イミダゾール系) エフィナコナゾール (トリアゾール系) テルビナフィン塩酸塩 (アリルアミン系) イトラコナゾール (イミダゾール系) 爪白癬に 対する 用法・用量 (通常、成人) 1日1回 罹患爪全体に塗布 1日1回 罹患爪全体に塗布 1回125mg、1日1回食後 【パルス療法】 1回200mg、1日2回 (食直後)を1週間。 その後3週間休薬。 これを1サイクルとし、 3サイクル繰り返す。 薬価収載 2016年4月 2014年9月 1997年9月 1993年8月
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