マタハラ指針とマタハラ パタハラ ケアハラ指針 比較表

マタハラ(妊娠・出産等ハラスメント)指針と
マタハラ・パタハラ・ケアハラ(育児休業等ハラスメント)指針の比較表
*新聞等では「マタハラ指針」としか報道されていませんが、今回、厚生労働省が決定した指針は改正男女雇
用機会均等法に基づくマタハラ(妊娠・出産等ハラスメント)指針および改正育児・介護休業法に基づく
マタハラ・パタハラ・ケアハラ(育児・介護休業等ハラスメント)指針という二つの指針になります。
そこで、二つの指針の共通点と相違点を理解しやすくするためにマタハラ(妊娠・出産等ハラスメント)
指針とマタハラ・パタハラ・ケアハラ(育児・介護休業等ハラスメント)指針の比較表を作成しました。
なお、マタハラ(妊娠・出産等ハラスメント)指針およびマタハラ・パタハラ・ケアハラ(育児・介護
休業等ハラスメント)指針は、厚生労働省ホームページより引用しています。
*改正男女雇用機会均等法および改正育児・介護休業法が2017年(平成29年)1月1日から施行
され、マタハラ(マタニティハラスメント)防止措置(就業規則・相談窓口など)およびマタハラ・パ
タハラ(パタニティハラスメント)
・ケアハラ(ケアハラスメント)防止措置(就業規則・相談窓口など)
が企業や病院(医療機関)や介護施設(社会福祉法人)等に義務づけられます。
*厚生労働省は、マタハラ(妊娠・出産等ハラスメント)防止措置およびマタハラ・パタハラ・ケアハ
ラ(育児・介護休業等ハラスメント)防止措置の詳細を記載したマタハラ指針(職場における妊娠・出
産等ハラスメント防止措置指針=正確には「事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因す
る問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」
)およびマタハラ・パタハラ・ケアハラ指針(職
場における育児・介護休業等ハラスメント指針=正確には「子の養育又は家族の介護を行い、又は行う
こととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に
関する指針」
)を2016年(平成28年)7月22日付で決定し、改正男女雇用機会均等法および改正
育児・介護休業法の施行日と同日の2017年(平成29年)1月1日から適用されます。
*マタハラ(妊娠・出産等ハラスメント)指針とマタハラ・パタハラ・ケアハラ(育児・介護休業等ハ
ラスメント)指針を比較して理解できることがあります。つまり、マタハラ(妊娠・出産等ハラスメン
ト)指針には女性労働者を対象とした「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」があ
りますが、マタハラ・パタハラ・ケアハラ(育児・介護休業等ハラスメント)指針には女性労働者と男
性労働者を対象とした「制度等の利用への嫌がらせ型」のみとなっています。
2016年8月4日
佐伯社会保険労務士事務所
特定社労士 佐伯博正
URL:www.roumupro.com/
1
マタハラ指針
マタハラ・パタハラ・ケアハラ指針
妊娠・出産等ハラスメント防止措置指針
育児・介護休業等ハラスメント防止措置指針
はじめに
法(育児・介護休業法)第 25 条の規定により、事
この指針は、雇用の分野における男女の均等な
業主が職場における育児休業等に関する言動に起
機会及び待遇の確保等に関する法律(以下「法」
因する問題に関して雇用管理上必要な措置を講ず
という。
)第 11 条の2第1項に規定する事業主が
るに当たっての事項
職場において行われるその雇用する女性労働者に
法(育児・介護休業法)第 25 条に規定する事業
対する当該女性労働者が妊娠したこと、出産した
主が職場において行われるその雇用する労働者に
ことその他の妊娠又は出産に関する事由であって
対する育児休業、介護休業その他の育児休業、介
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の
護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に
確保等に関する法律施行規則(昭和 61 年労働省令
関する法律施行規則(以下「則」という。
)第●条
第2号。以下「均等則」という。
)第●条で定める
で定める制度又は措置(以下「制度等」という。
)
もの(以下「妊娠、出産等」という。
)に関する言
の利用に関する言動により当該労働者の就業環境
動により当該女性労働者の就業環境が害されるこ
が害されること(以下「職場における育児休業等
と(以下「職場における妊娠、出産等に関するハ
に関するハラスメント」という。
)のないよう雇用
ラスメント」という。
)のないよう雇用管理上講ず
管理上講ずべき措置について、事業主が適切かつ
べき措置について、法第 11 条の2第2項の規定に
有効な実施を図るために必要な事項については、
基づき事業主が適切かつ有効な実施を図るために
次のとおりであること。
必要な事項について定めたものである。
2
職場における妊娠、出産等に関するハラスメ
1 職場における育児休業等に関するハラスメン
ントの内容
トの内容
(1) 職場における妊娠、出産等に関するハラスメ
(1) 職場における育児休業等に関するハラスメン
ントには、上司又は同僚から行われる以下のもの
トには、上司又は同僚から行われる、その雇用す
がある。なお、業務分担や安全配慮等の観点から、 る労働者に対する制度等の利用に関する言動によ
客観的にみて、業務上の必要性に基づく言動によ
り就業環境が害されるものがある。なお、業務分
るものについては、職場における妊娠、出産等に
担や安全配慮等の観点から、客観的にみて、業務
関するハラスメントには該当しない。
上の必要性に基づく言動によるものについては、
イ その雇用する女性労働者の労働基準法(昭和
職場における育児休業等に関するハラスメントに
22 年法律第 49 号)第 65 条第1項の規定による休
は該当しないこと。
業その他の妊娠又は出産に関する制度又は措置の
利用に関する言動により就業環境が害されるもの
(以下「制度等の利用への嫌がらせ型」という。
)
ロ その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産
したことその他の妊娠又は出産に関する言動によ
り就業環境が害されるもの(以下「状態への嫌が
らせ型」という。
)
(2) 「職場」とは、事業主が雇用する女性労働者
(2) 「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業
が業務を遂行する場所を指し、当該女性労働者が
務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業
通常就業している場所以外の場所であっても、当
している場所以外の場所であっても、当該労働者
該女性労働者が業務を遂行する場所については、 が業務を遂行する場所については、
「職場」に含ま
「職場」に含まれる。
れること。
(3) 「労働者」とは、いわゆる正規労働者のみな
(3) 「労働者」とは、いわゆる正規労働者のみな
らず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる
らず、パートタイム労働者、契約社員等のいわゆ
非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者
る非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する男女
のすべてをいう。
の労働者のすべてをいうこと。
また、派遣労働者については、派遣元事業主の
また、派遣労働者については、派遣元事業主の
みならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者に
みならず、労働者派遣の役務の提供を受ける者に
ついても、労働者派遣事業の適正な運営の確保及
ついても、労働者派遣事業の適正な運営の確保及
び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和 60 年法
び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和 60 年法
律第 88 号)第 47 条の2の規定により、その指揮
律第 88 号)第 47 条の3の規定により、その指揮
命令の下に労働させる派遣労働者を雇用する事業
命令の下に労働させる派遣労働者を雇用する事業
主とみなされ、法第 11 条の2第1項の規定が適用
主とみなされ、法第 25 条の規定が適用されること
されることから、労働者派遣の役務の提供を受け
から、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、派
る者は、派遣労働者についてもその雇用する労働
遣労働者についてもその雇用する労働者と同様
者と同様に、3の措置を講ずることが必要である。 に、2の措置を講ずることが必要であること。
(4) 「制度等の利用への嫌がらせ型」とは、具体
(4) (1)に規定する「その雇用する労働者に対
的には、イ①から⑥までに掲げる制度又は措置(以
する制度等の利用に関する
下「制度等」という。
)の利用に関する言動により
言動により就業環境が害されるもの」とは、具
就業環境が害されるものである。典型的な例とし
体的にはイ(イ)から(ヌ)までに掲げる制度等
て、ロに掲げるものがあるが、限定列挙ではない
の利用に関する言動により就業環境が害されるも
ことに留意が必要である。
のであること。典型的な例として、ロに掲げるも
のがあるが、限定列挙ではないことに留意が必要
であること。
イ 制度等
イ 制度等
① 妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(母
(イ) 育児休業
性健康管理措置)
(ロ) 介護休業
② 坑内業務の就業制限及び危険有害業務の就業
(ハ) 子の看護休暇
制限
(ニ) 介護休暇
③ 産前休業
(ホ) 所定外労働の制限
④ 軽易な業務への転換
(ヘ) 時間外労働の制限
⑤ 変形労働時間制がとられる場合における法定
(ト) 深夜業の制限
労働時間を超える労働時間の制限、時間外労働及
(チ) 育児のための所定労働時間の短縮措置
び休日労働の制限並びに深夜業の制限
(リ) 始業時刻変更等の措置
⑥ 育児時間
(ヌ) 介護のための所定労働時間の短縮措置
ロ 典型的な例
ロ 典型的な例
(イ) 解雇その他不利益な取扱い(法第9条第3項
(イ) 解雇その他不利益な取扱い(法第 10 条、第
に規定する解雇その他不利益な取扱いをいう。以
16 条、第 16 条の4、第 16 条の7、第 16 条の 10、
下このロ及び2(5)ロにおいて同じ。)を示唆する
第 18 条の2、第 20 条の2及び第 23 条の2に規定
もの
する解雇その他不利益な取扱いをいう。以下この
女性労働者が、制度等の利用の請求等(措置の
ロにおいて同じ。
)を示唆するもの
求め、請求又は申出をいう。以下同じ。
)をしたい
労働者が、制度等の利用の申出等をしたい旨を
旨を上司に相談したこと、制度等の利用の請求等
上司に相談したこと、制度等の利用の申出等をし
をしたこと、又は制度等の利用をしたことにより、 たこと又は制度等の利用をしたことにより、上司
上司が当該女性労働者に対し、解雇その他不利益
が当該労働者に対し、解雇その他不利益な取扱い
な取扱いを示唆すること。
を示唆すること。
(ロ) 制度等の利用の請求等又は制度等の利用を
(ロ) 制度等の利用の申出等又は制度等の利用を
阻害するもの
阻害するもの
客観的にみて、言動を受けた女性労働者の制度
客観的にみて、言動を受けた労働者の制度等の
等の利用の請求等又は制度等の利用が阻害される
申出等又は制度等の利用が阻害されるものが該当
ものが該当する。
すること。
① 女性労働者が制度等の利用の請求等をしたい
① 労働者が制度等の利用の申出等をしたい旨を
旨を上司に相談したところ、上司が当該女性労働
上司に相談したところ、上司が当該労働者に対し、
者に対し、制度等の利用の請求等をしないよう言
制度等の利用の申出等をしないよう言うこと。
うこと。
② 労働者が制度等の利用の申出等をしたところ、
② 女性労働者が制度等の利用の請求等をしたと
上司が当該労働者に対し、申出等を取り下げるよ
ころ、上司が当該女性労働者に対し、請求等を取
う言うこと。
り下げるよう言うこと。
③ 労働者が制度等の利用の申出等をしたい旨を
③ 女性労働者が制度等の利用の請求等をしたい
同僚に伝えたところ、同僚が当該労働者に対し、
旨を同僚に伝えたところ、同僚が当該女性労働者
繰り返し又は継続的に制度等の利用の申出等をし
に対し、繰り返し又は継続的に制度等の利用の請
ないよう言うこと(当該労働者がその意に反する
求等をしないよう言うこと(当該女性労働者がそ
ことを当該上司又は同僚に明示しているにもかか
の意に反することを当該同僚に明示しているにも
わらず、さらに言うことを含む。)
。
かかわらず、さらに言うことを含む。
)
。
④ 労働者が制度等の利用の申出等をしたところ、
④ 女性労働者が制度等の利用の請求等をしたと
同僚が当該労働者に対し、繰り返し又は継続的に
ころ、同僚が当該女性労働者に対し、繰り返し又
申出等を撤回又は取下げをするよう言うこと(当
は継続的に請求等を取り下げるよう言うこと(当
該労働者がその意に反することを当該同僚に明示
該女性労働者がその意に反することを当該同僚に
しているにもかかわらず、さらに言うことを含
明示しているにもかかわらず、さらに言うことを
む。
)。
含む。
)
。
(ハ) 制度等の利用をしたことにより嫌がらせ等
(ハ) 制度等の利用をしたことにより嫌がらせ等
をするもの
をするもの
客観的にみて、言動を受けた女性労働者の能力の
客観的にみて、言動を受けた労働者の能力の発
発揮や継続就業に重大な悪影響が生じる等当該女
揮や継続就業に重大な悪影響が生じる等当該労働
性労働者が就業する上で看過できない程度の支障
者が就業する上で看過できない程度の支障が生じ
が生じるようなものが該当する。
るようなものが該当すること。
女性労働者が制度等の利用をしたことにより、上
労働者が制度等の利用をしたことにより、上司
司又は同僚が当該女性労働者に対し、繰り返し又
又は同僚が当該労働者に対し、繰り返し又は継続
は継続的に嫌がらせ等(嫌がらせ的な言動、業務
的に嫌がらせ等(嫌がらせ的な言動、業務に従事
に従事させないこと、又は専ら雑務に従事させる
させないこと又は専ら雑務に従事させることをい
ことをいう。以下同じ。
)をすること(当該女性労
う。以下同じ。)をすること(当該労働者がその意
働者がその意に反することを当該上司又は同僚に
に反することを当該上司又は同僚に明示している
明示しているにもかかわらず、さらに言うことを
にもかかわらず、さらに言うことを含む。
)
。
含む。
)
。
(5) 「状態への嫌がらせ型」とは、具体的には、
イ①から⑤までに掲げる妊娠又は出産に関する事
由(以下この(5)において「妊娠等したこと」とい
う。
)に関する言動により就業環境が害されるもの
である。典型的な例として、ロに掲げるものがあ
るが、限定列挙ではないことに留意が必要である。
イ 妊娠又は出産に関する事由
① 妊娠したこと。
② 出産したこと。
③ 坑内業務の就業制限若しくは危険有害業務の
就業制限の規定により業務に就くことができない
こと又はこれらの業務に従事しなかったこと。
④ 産後の就業制限の規定により就業できず、又は
産後休業をしたこと。
⑤ 妊娠又は出産に起因する症状により労務の提
供ができないこと若しくはできなかったこと又は
労働能率が低下したこと。なお、
「妊娠又は出産に
起因する症状」とは、つわり、妊娠悪阻、切迫流
産、出産後の回復不全等、妊娠又は出産をしたこ
とに起因して妊産婦に生じる症状をいう。
ロ 典型的な例
(イ) 解雇その他不利益な取扱いを示唆するもの
女性労働者が妊娠等したことにより、上司が当該
女性労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いを
示唆すること。
(ロ) 妊娠等したことにより嫌がらせ等をするも
の客観的にみて、言動を受けた女性労働者の能力
の発揮や継続就業に重大な悪影響が生じる等当該
女性労働者が就業する上で看過できない程度の支
障が生じるようなものが該当する。
女性労働者が妊娠等したことにより、上司又は同
僚が当該女性労働者に対し、繰り返し又は継続的
に嫌がらせ等をすること(当該女性労働者がその
意に反することを当該上司又は同僚に明示してい
るにもかかわらず、さらに言うことを含む。
)
。
3
事業主が職場における妊娠、出産等に関する
2 事業主が職場における育児休業等に関する言
言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措
動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置
置の内容
の内容
事業主は、職場における妊娠、出産等に関する
事業主は、職場における育児休業等に関するハ
ハラスメントを防止するため、雇用管理上次の措
ラスメントを防止するため、雇用管理上次の措置
置を講じなければならない。なお、事業主が行う
を講じなければならないこと。なお、事業主が行
妊娠、出産等を理由とする不利益取扱い(就業環
う育児休業等を理由とする不利益取扱い(就業環
境を害する行為を含む。
)については、既に法第9
境を害する行為を含む。)については、既に法第 10
条第3項で禁止されており、当然に自らの行為の
条、第 16 条、第 16 条の4、第 16 条の7、第 16
防止に努めることが求められる。
条の 10、第 18 条の2、第 20 条の2及び第 23 条
の2で禁止されており、当然に自らの行為の防止
に努めることが求められること。
(1) 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
(1) 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
事業主は、職場における妊娠、出産等に関する
事業主は、職場における育児休業等に関するハ
ハラスメントに対する方針の明確化、労働者に対
ラスメントに対する方針の明確化、労働者に対す
するその方針の周知・啓発として、次の措置を講
るその方針の周知・啓発として、次の措置を講じ
じなければならない。
なければならないこと。
なお、周知・啓発をするに当たっては、職場に
なお、周知・啓発をするに当たっては、職場に
おける妊娠、出産等に関するハラスメントの防止
おける育児休業等に関するハラスメントの防止の
の効果を高めるため、その発生の原因や背景につ
効果を高めるため、その発生の原因や背景につい
いて労働者の理解を深めることが重要である。そ
て労働者の理解を深めることが重要であること。
の際、職場における妊娠、出産等に関するハラス
その際、職場における育児休業等に関するハラス
メントの発生の原因や背景には、
(ⅰ)妊娠、出産
メントの発生の原因や背景には、
(ⅰ)育児休業等
等に関する否定的な言動(他の女性労働者の妊娠、 に関する否定的な言動(他の労働者の制度等の利
出産等の否定につながる言動(当該女性労働者に
用の否定につながる言動(当該労働者に直接行わ
直接行わない言動も含む。
)をいい、単なる自らの
ない言動も含む。
)をいい、単なる自らの意思の表
意思の表明を除く。以下同じ。
)が頻繁に行われる
明を除く。以下同じ。)が頻繁に行われるなど制度
など制度等の利用又は制度等の利用の請求等をし
等の利用又は制度等の利用の申出等をしにくい職
にくい職場風土や、
(ⅱ)制度等の利用ができるこ
場風土や、
(ⅱ)制度等の利用ができることの職場
との職場における周知が不十分であることなども
における周知が不十分であることなどもあると考
あると考えられる。
えられること。
そのため、これらをなくしていくことが職場に
そのため、これらをなくしていくことが職場に
おける妊娠、出産等に関するハラスメントの防止
おける育児休業等に関するハラスメントの防止の
の効果を高める上で重要であることに留意するこ
効果を高める上で重要であることに留意すること
とが必要である。
が必要であること。
イ 職場における妊娠、出産等に関するハラスメン
イ 職場における育児休業等に関するハラスメン
トの内容(以下このイにおいて「ハラスメントの
トの内容(以下このイにおいて「ハラスメントの
内容」という。
)及び妊娠、出産等に関する否定的
内容という。」)及び育児休業等に関する否定的な
な言動が職場における妊娠、出産等に関するハラ
言動が職場における育児休業等に関するハラスメ
スメントの発生の原因や背景となり得ること(以
ントの発生の原因や背景になり得ること(以下こ
下このイにおいて「ハラスメントの背景等」とい
のイにおいて「ハラスメントの背景等」という。)、
う。)
、職場における妊娠、出産等に関するハラス
職場における育児休業等に関するハラスメントが
メントがあってはならない旨の方針(以下このイ
あってはならない旨の方針(以下このイにおいて
において「事業主の方針」という。
)並びに制度等
「事業主の方針」という。
)並びに制度等の利用が
の利用ができる旨(以下このイにおいて「制度利
できる旨(以下このイにおいて「制度利用」とい
用」という。
)を明確化し、管理・監督者を含む労
う。
)を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周
働者に周知・啓発すること。
知・啓発すること。
(事業主の方針等を明確化し、労働者に周知・啓
(事業主の方針等を明確化し、労働者に周知・啓
発していると認められる例)
発していると認められる例)
① 就業規則その他の職場における服務規律等を
① 就業規則その他の職場における服務規律等を
定めた文書において、事業主の方針及び制度利用
定めた文書において、事業主の方針及び制度利用
について規定し、当該規定と併せて、ハラスメン
について規定し、当該規定と併せて、ハラスメン
トの内容及びハラスメントの背景等を労働者に周
トの内容及びハラスメントの背景等を、労働者に
知・啓発すること。
周知・啓発すること。
② 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広
② 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広
報又は啓発のための資料等にハラスメントの内容
報又は啓発のための資料等にハラスメントの内容
及びハラスメントの背景等、事業主の方針並びに
及びハラスメントの背景等、事業主の方針並びに
制度利用について記載し、配布等すること。
制度利用について記載し、配布等すること。
③ ハラスメントの内容及びハラスメントの背景
③ ハラスメントの内容及びハラスメントの背景
等、事業主の方針並びに制度利用を労働者に対し
等、事業主の方針並びに制度利用を労働者に対し
て周知・啓発するための研修、講習等を実施する
て周知・啓発するための研修、講習等を実施する
こと。
こと。
ロ 職場における妊娠、出産等に関するハラスメン
ロ 職場における育児休業等に関するハラスメン
トに係る言動を行った者については、厳正に対処
トに係る言動を行った者については、厳正に対処
する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の
する旨の方針及び対処の内容を就業規則その他の
職場における服務規律等を定めた文書に規定し、
職場における服務規律等を定めた文書に規定し、
管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。 管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
(対処方針を定め、労働者に周知・啓発している
(対処方針を定め、労働者に周知・啓発している
と認められる例)
と認められる例)
① 就業規則その他の職場における服務規律等を
① 就業規則その他の職場における服務規律等を
定めた文書において、職場における妊娠、出産等
定めた文書において、職場における育児休業等に
に関するハラスメントに係る言動を行った者に対
関するハラスメントに係る言動を行った者に対す
する懲戒規定を定め、その内容を労働者に周知・
る懲戒規定を定め、その内容を労働者に周知・啓
啓発すること。
発すること。
② 職場における妊娠、出産等に関するハラスメン
② 職場における育児休業等に関するハラスメン
トに係る言動を行った者は、現行の就業規則その
トに係る言動を行った者は、現行の就業規則その
他の職場における服務規律等を定めた文書におい
他の職場における服務規律等を定めた文書におい
て定められている懲戒規定の適用の対象となる旨
て定められている懲戒規定の適用の対象となる旨
を明確化し、これを労働者に周知・啓発すること。 を明確化し、
これを労働者に周知・啓発すること。
(2) 相談(苦情を含む。以下同じ。
)に応じ、適切
(2) 相談(苦情を含む。以下同じ。
)に応じ、適切
に対応するために必要な体制の整備
に対応するために必要な体制の整備
事業主は、労働者からの相談に対し、その内容
事業主は、労働者からの相談に対し、その内容や
や状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために必要
状況に応じ適切かつ柔軟に対応するために必要な
な体制の整備として、次の措置を講じなければな
体制の整備として、次の措置を講じなければなら
らない。
ないこと。
イ 相談への対応のための窓口(以下「相談窓口」 イ 相談への対応のための窓口(以下「相談窓口」
という。
)をあらかじめ定めること。
という。
)をあらかじめ定めること。
(相談窓口をあらかじめ定めていると認められる
(相談窓口をあらかじめ定めていると認められる
例)
例)
① 相談に対応する担当者をあらかじめ定めるこ
① 相談に対応する担当者をあらかじめ定めるこ
と。
と。
② 相談に対応するための制度を設けること。
② 相談に対応するための制度を設けること。
③ 外部の機関に相談への対応を委託すること。
③ 外部の機関に相談への対応を委託すること。
ロ イの相談窓口の担当者が、相談に対し、その内
ロ イの相談窓口の担当者が、相談に対し、その内
容や状況に応じ適切に対応できるようにするこ
容や状況に応じ適切に対応できるようにするこ
と。また、相談窓口においては、職場における妊
と。また、相談窓口においては、職場における育
娠、出産等に関するハラスメントが現実に生じて
児休業等に関するハラスメントが現実に生じてい
いる場合だけでなく、その発生のおそれがある場
る場合だけでなく、その発生のおそれがある場合
合や、職場における妊娠、出産等に関するハラス
や、職場における育児休業等に関するハラスメン
メントに該当するか否か微妙な場合等であって
トに該当するか否か微妙な場合等であっても、広
も、広く相談に対応し、適切な対応を行うように
く相談に対応し、適切な対応を行うようにするこ
すること。例えば、放置すれば就業環境を害する
と。例えば、放置すれば就業環境を害するおそれ
おそれがある場合や、妊娠、出産等に関する否定
がある場合や、職場における育児休業等に関する
的な言動が原因や背景となって職場における妊
否定的な言動が原因や背景となって職場における
娠、出産等に関するハラスメントが生じるおそれ
育児休業等に関するハラスメントが生じるおそれ
がある場合等が考えられる。
がある場合等が考えられる。
(相談窓口の担当者が適切に対応することができ
(相談窓口の担当者が適切に対応することができ
るようにしていると認められる例)
るようにしていると認められる例)
① 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内
① 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、その内
容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門
容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門
とが連携を図ることができる仕組みとすること。
とが連携を図ることができる仕組みとすること。
② 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらか
② 相談窓口の担当者が相談を受けた場合、あらか
じめ作成した留意点などを記載したマニュアルに
じめ作成した留意点などを記載したマニュアルに
基づき対応すること。
基づき対応すること。
ハ 職場における妊娠、出産等に関するハラスメン
ハ 職場における育児休業等に関するハラスメン
トは、育児休業等に関するハラスメント(子の養
トは、妊娠、出産等に関するハラスメント(事業
育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労
主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起
働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるよ
因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置につ
うにするために事業主が講ずべき措置に関する指
いての指針(平成 28 年厚生労働省告示第●号)に
針(平成 28 年厚生労働省告示第●号)に規定する
規定する「職場における妊娠、出産等に関するハ
「職場における育児休業等に関するハラスメン
ラスメント」をいう。)、セクシュアルハラスメン
ト」をいう。
)、セクシュアルハラスメント(事業
ト(事業主が職場における性的な言動に起因する
主が職場における性的な言動に起因する問題に際
問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての
して雇用管理上講ずべき措置についての指針(平
指針(平成 18 年厚生労働省告示第 615 号)に規定
成 18 年厚生労働省告示第 615 号)に規定する「職
する「職場におけるセクシュアルハラスメント」
場におけるセクシュアルハラスメント」をいう。
をいう。以下同じ。
)その他のハラスメントと複合
以下同じ。
)その他のハラスメントと複合的に生じ
的に生じることも想定されることから、例えば、
ることも想定されることから、例えば、セクシュ
セクシュアルハラスメント等の相談窓口と一体的
アルハラスメント等の相談窓口と一体的に職場に
に職場における育児休業等に関するハラスメント
おける妊娠、出産等に関するハラスメントの相談
の相談窓口を設置し、一元的に相談に応じること
窓口を設置し、一元的に相談に応じることのでき
のできる体制を整備することが望ましいこと。
る体制を整備することが望ましいこと。
(一元的に相談に応じることのできる体制を整備
(一元的に相談に応じることのできる体制を整備
していると認められる例)
していると認められる例)
① 相談窓口で受け付けることのできる相談とし
① 相談窓口で受け付けることのできる相談とし
て、職場における妊娠、出産等に関するハラスメ
て、職場における育児休業等に関するハラスメン
ントのみならず、セクシュアルハラスメント等も
トのみならず、セクシュアルハラスメント等も明
明示すること。
示すること。
② 職場における妊娠、出産等に関するハラスメン
② 職場における育児休業等に関するハラスメン
トの相談窓口がセクシュアルハラスメント等の相
トの相談窓口がセクシュアルハラスメント等の相
談窓口を兼ねること。
談窓口を兼ねること。
(3) 職場における妊娠、出産等に関するハラスメ
(3) 職場における育児休業等に関するハラスメン
ントに係る事後の迅速かつ適切な対応
トに係る事後の迅速かつ適切な対応
事業主は、職場における妊娠、出産等に関するハ
事業主は、職場における育児休業等に関するハラ
ラスメントに係る相談の申出があった場合におい
スメントに係る相談の申出があった場合におい
て、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確
て、その事案に係る事実関係の迅速かつ正確な確
認及び適正な対処として、次の措置を講じなけれ
認及び適正な対処として、次の措置を講じなけれ
ばならない。
ばならないこと。
イ 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認す
イ 事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認す
ること。
ること。
(事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認して
(事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認して
いると認められる例)
いると認められる例)
① 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会
① 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会
等が、相談を行った労働者(以下「相談者」とい
等が、相談を行った労働者(以下「相談者」とい
う。
)及び職場における妊娠、出産等に関するハラ
う。
)及び職場における育児休業等に関するハラス
スメントに係る言動の行為者とされる者(以下「行
メントに係る言動の行為者とされる者(以下「行
為者」という。
)の双方から事実関係を確認するこ
為者」と
と。
いう。
)の双方から事実関係を確認すること。
また、相談者と行為者との間で事実関係に関す
また、相談者と行為者との間で事実関係に関す
る主張に不一致があり、事実の確認が十分にでき
る主張に不一致があり、事実の確認が十分にでき
ないと認められる場合には、第三者からも事実関
ないと認められる場合には、第三者からも事実関
係を聴取する等の措置を講ずること。
係を聴取する等の措置を講ずること。
② 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとした
② 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとした
が、確認が困難な場合などにおいて、法第 18 条に
が、確認が困難な場合などにおいて、法第 52 条の
基づく調停の申請を行うことその他中立な第三者
5に基づく調停の申請を行うことその他中立な第
機関に紛争処理を委ねること。
三者機関に紛争処理を委ねること。
ロ イにより、職場における妊娠、出産等に関する
ロ イにより、職場における育児休業等に関するハ
ハラスメントが生じた事実が確認できた場合にお
ラスメントが生じた事実が確認できた場合におい
いては、速やかに被害を受けた労働者(以下「被
ては、速やかに被害を受けた労働者(以下「被害
害者」という。
)に対する配慮のための措置を適正
者」という。)に対する配慮のための措置を適正に
に行うこと。
行うこと。
(措置を適正に行っていると認められる例)
(措置を適正に行っていると認められる例)
① 事案の内容や状況に応じ、被害者の職場環境の
① 事案の内容や状況に応じ、被害者の職場環境の
改善又は迅速な制度等の利用に向けての環境整
改善又は迅速な制度等の利用に向けての環境整
備、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援
備、被害者と行為者の間の関係改善に向けての援
助、行為者の謝罪、管理監督者又は事業場内産業
助、行為者の謝罪、管理監督者又は事業場内産業
保健スタッフ等による被害者のメンタルヘルス不
保健スタッフ等による被害者のメンタルヘルス不
調への相談対応等の措置を講ずること。
調への相談対応等の措置を講ずること。
② 法第 18 条に基づく調停その他中立な第三者機
② 法第 52 条の5に基づく調停その他中立な第三
関の紛争解決案に従った措置を被害者に対して講
者機関の紛争解決案に従った措置を被害者に対し
ずること。
て講ずること。
ハ イにより、職場における妊娠、出産等に関する
ハ イにより、職場における育児休業等に関するハ
ハラスメントが生じた事実が確認できた場合にお
ラスメントが生じた事実が確認できた場合におい
いては、行為者に対する措置を適正に行うこと。
ては、行為者に対する措置を適正に行うこと。
(措置を適正に行っていると認められる例)
(措置を適正に行っていると認められる例)
① 就業規則その他の職場における服務規律等を
① 就業規則その他の職場における服務規律等を
定めた文書における職場における妊娠、出産等に
定めた文書における職場における育児休業等に関
関するハラスメントに関する規定等に基づき、行
するハラスメントに関する規定等に基づき、行為
為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずるこ
者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずるこ
と。併せて事案の内容や状況に応じ、被害者と行
と。併せて事案の内容や状況に応じ、被害者と行
為者の間の関係改善に向けての援助、行為者の謝
為者の間の関係改善に向けての援助、行為者の謝
罪等の措置を講ずること。
罪等の措置を講ずること。
② 法第 18 条に基づく調停その他中立な第三者機
② 法第 52 条の5に基づく調停その他中立な第三
関の紛争解決案に従った措置を行為者に対して講
者機関の紛争解決案に従った措置を行為者に対し
ずること。
て講ずること。
ニ 改めて職場における妊娠、出産等に関するハラ
ニ 改めて職場における育児休業等に関するハラ
スメントに関する方針を周知・啓発する等の再発
スメントに関する方針を周知・啓発する等の再発
防止に向けた措置を講ずること。
防止に向けた措置を講ずること。
なお、職場における妊娠、出産等に関するハラ
なお、職場における育児休業等に関するハラス
スメントが生じた事実が確認できなかった場合に
メントが生じた事実が確認できなかった場合にお
おいても、同様の措置を講ずること。
いても、同様の措置を講ずること。
(再発防止に向けた措置を講じていると認められ
(再発防止に向けた措置を講じていると認められ
る例)
る例)
① 職場における妊娠、出産等に関するハラスメン
① 職場における育児休業等に関するハラスメン
トがあってはならない旨の方針、制度等の利用が
トがあってはならない旨の方針、制度等の利用が
できる旨及び職場における妊娠、出産等に関する
できる旨及び職場における育児休業等に関するハ
ハラスメントに係る言動を行った者について厳正
ラスメントに係る言動を行った者について厳正に
に対処する旨の方針を、社内報、パンフレット、
対処する旨の方針を、社内報、パンフレット、社
社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等
内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に
に改めて掲載し、配布等すること。
改めて掲載し、配布等すること。
② 労働者に対して職場における妊娠、出産等に関
② 労働者に対して職場における育児休業等に関
するハラスメントに関する意識を啓発するための
するハラスメントに関する意識を啓発するための
研修、講習等を改めて実施すること。
研修、講習等を改めて実施すること。
(4) 職場における妊娠、出産等に関するハラスメ
(4) 職場における育児休業等に関するハラスメン
ントの原因や背景となる要因を解消するための措
トの原因や背景となる要因を解消するための措置
置
事業主は、職場における育児休業等に関するハラ
事業主は、職場における妊娠、出産等に関するハ
ラスメントの原因や背景となる要因を解消するた
め、次の措置を講じなければならない。
スメントの原因や背景となる要因を解消するた
め、次の措置を講じなければならないこと。
なお、措置を講ずるに当たっては、
(ⅰ)職場に
なお、措置を講ずるに当たっては、
(ⅰ)職場に
おける育児休業等に関するハラスメントの背景に
おける妊娠、出産等に関するハラスメントの背景
もなる育児休業等に関する否定的な言動は、例え
にもなる妊娠、出産等に関する否定的な言動は、
ば、労働者が所定労働時間の短縮措置を利用する
例えば、妊娠した労働者がつわりなどの体調不良
ことにより短縮分の労務提供ができないこと等に
のため労務の提供ができないことや労働能率が低
より、周囲の労働者の業務負担が増大することも
下すること等により周囲の労働者の業務負担が増
一つの要因となることから、周囲の労働者の業務
大することも一つの要因となることから、周囲の
負担等にも配慮することが重要であること、
(ⅱ)
労働者の業務負担等にも配慮することが重要であ
労働者の側においても、制度等の利用ができると
ること、
(ⅱ)妊娠等した労働者の側においても、 いう知識を持つことや、周囲と円滑なコミュニケ
制度等の利用ができるという知識を持つことや、
ーションを図りながら自身の制度の利用状況等に
周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら自
応じて適切に業務を遂行していくという意識を持
身の体調等に応じて適切に業務を遂行していくと
つことが重要であることに留意することが必要で
いう意識を持つことが重要であることに留意する
ある。
ことが必要である。
イ 業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働
イ 業務体制の整備など、事業主や制度等の利用を
者その他の労働者の実情に応じ、必要な措置を講
行う労働者その他の労働者の実情に応じ、必要な
ずること(派遣労働者にあっては、派遣元事業主
措置を講ずること(派遣労働者にあっては、派遣
に限る。
)
。
元事業主に限る。
)。
(業務体制の整備など、必要な措置を講じている
(業務体制の整備など、必要な措置を講じている
と認められる例)
と認められる例)
① 妊娠等した労働者の周囲の労働者への業務の
① 制度等の利用を行う労働者の周囲の労働者へ
偏りを軽減するよう、適切に業務分担の見直しを
の業務の偏りが軽減するよう、適切に業務分担の
行うこと。
見直しを行うこと。
② 業務の点検を行い、業務の効率化等を行うこ
② 業務の点検を行い、業務の効率化等を行うこ
と。
と。
ロ 妊娠等した労働者に対し、妊娠等した労働者の
ロ 制度等の利用の対象となる労働者に対し、労働
側においても、制度等の利用ができるという知識
者の側においても、制度等の利用ができるという
を持つことや、周囲と円滑なコミュニケーション
知識を持つことや、周囲と円滑なコミュニケーシ
を図りながら自身の体調等に応じて適切に業務を
ョンを図りながら自身の制度の利用状況等に応じ
遂行していくという意識を持つこと等を周知・啓
て適切に業務を遂行していくという意識を持つこ
発することが望ましいこと。
と等を周知・啓発することが望ましいこと(派遣
労働者にあっては、派遣元事業主に限る。)
。
(周知・啓発を適切に講じていると認められる例) (周知・啓発を適切に講じていると認められる例)
① 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広
① 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広
報又は啓発のための資料等に、妊娠等した労働者
報又は啓発のための資料等に、労働者の側におい
の側においても、制度等の利用ができるという知
ても、制度等の利用ができるという知識を持つこ
識を持つことや、周囲と円滑なコミュニケーショ
とや、周囲と円滑なコミュニケーションを図りな
ンを図りながら自身の体調等に応じて適切に業務
がら自身の制度の利用状況等に応じて適切に業務
を遂行していくという意識を持つこと等について
を遂行していくという意識を持つこと等について
記載し、妊娠等した労働者に配布等すること。
記載し、制度等の利用の対象となる労働者に配布
② 妊娠等した労働者に対し、妊娠等した労働者の
等すること。
側においても、制度等の利用ができるという知識
② 制度等の利用の対象となる労働者に対し、労働
を持つことや、周囲と円滑なコミュニケーション
者の側においても、制度等の利用ができるという
を図りながら自身の体調等に応じて適切に業務を
知識を持つことや、周囲と円滑なコミュニケーシ
遂行していくという意識を持つこと等について、
ョンを図りながら自身の制度の利用状況等に応じ
人事部門等から周知・啓発すること。
て適切に業務を遂行していくという意識を持つこ
と等について、人事部門等から周知・啓発するこ
と。
(5) (1)から(4)までの措置と併せて講ずべき措置
(5) (1)から(4)までの措置と併せて講ずべき措置
(1)から(4)までの措置を講ずるに際しては、併せ
(1)から(4)までの措置を講ずるに際しては、併せ
て次の措置を講じなければならない。
て次の措置を講じなければならないこと。
イ 職場における妊娠、出産等に関するハラスメン
イ 職場における育児休業等に関するハラスメン
トに係る相談者・行為者等の情報は当該相談者・
トに係る相談者・行為者等の情報は当該相談者・
行為者等のプライバシーに属するものであること
行為者等のプライバシーに属するものであること
から、相談への対応又は当該妊娠、出産等に関す
から、相談への対応又は当該育児休業等に関する
るハラスメントに係る事後の対応に当たっては、
ハラスメントに係る事後の対応に当たっては、相
相談者・行為者等のプライバシーを保護するため
談者・行為者等のプライバシーを保護するために
に必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者
必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に
に対して周知すること。
対して周知すること。
(相談者・行為者等のプライバシーを保護するた
(相談者・行為者等のプライバシーを保護するた
めに必要な措置を講じていると認められる例)
めに必要な措置を講じていると認められる例)
① 相談者・行為者等のプライバシーの保護のため
① 相談者・行為者等のプライバシーの保護のため
に必要な事項をあらかじめマニュアルに定め、相
に必要な事項をあらかじめマニュアルに定め、相
談窓口の担当者が相談を受けた際には、当該マニ
談窓口の担当者が相談を受けた際には、当該マニ
ュアルに基づき対応するものとすること。
ュアルに基づき対応するものとすること。
② 相談者・行為者等のプライバシーの保護のため
② 相談者・行為者等のプライバシーの保護のため
に、相談窓口の担当者に必要な研修を行うこと。
に、相談窓口の担当者に必要な研修を行うこと。
③ 相談窓口においては相談者・行為者等のプライ
③ 相談窓口においては相談者・行為者等のプライ
バシーを保護するために必要な措置を講じている
バシーを保護するために必要な措置を講じている
ことを、社内報、パンフレット、社内ホームペー
ことを、社内報、パンフレット、社内ホームペー
ジ等広報又は啓発のための資料等に掲載し、配布
ジ等広報又は啓発のための資料等に掲載し、配布
等すること。
等すること。
ロ 労働者が職場における妊娠、出産等に関するハ
ロ 労働者が職場における育児休業等に関するハ
ラスメントに関し相談をしたこと又は事実関係の
ラスメントに関し相談をしたこと又は事実関係の
確認に協力したこと等を理由として、不利益な取
確認に協力したこと等を理由として、不利益な取
扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周
扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周
知・啓発すること。
知・啓発すること。
(不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、
(不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、
労働者にその周知・啓発することについて措置を
労働者にその周知・啓発することについて措置を
講じていると認められる例)
講じていると認められる例)
① 就業規則その他の職場における職務規律等を
① 就業規則その他の職場における職務規律等を
定めた文書において、労働者が職場における妊娠、 定めた文書において、労働者が職場における育児
出産等に関するハラスメントに関し相談をしたこ
休業等に関するハラスメントに関し相談をしたこ
と、又は事実関係の確認に協力したこと等を理由
と、又は事実関係の確認に協力したこと等を理由
として、当該労働者が解雇その他不利益な取扱い
として、当該労働者が解雇その他不利益な取扱い
をされない旨を規定し、労働者に周知・啓発をす
をされない旨を規定し、労働者に周知・啓発をす
ること。
ること。
② 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広
② 社内報、パンフレット、社内ホームページ等広
報又は啓発のための資料等に、労働者が職場にお
報又は啓発のための資料等に、労働者が職場にお
ける妊娠、出産等に関するハラスメントに関し相
ける育児休業等に関するハラスメントに関し相談
談をしたこと、又は事実関係の確認に協力したこ
をしたこと、又は事実関係の確認に協力したこと
と等を理由として、当該労働者が解雇その他不利
等を理由として、当該労働者が解雇その他不利益
益な取扱いをされない旨を記載し、労働者に配布
な取扱いをされない旨を記載し、労働者に配布等
等すること。
すること。
佐伯社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士
佐伯博正
URL:www.roumupro.com/
E-mail:[email protected]