アバゴ・テクノロジー 高温車載用途向けフォトカプラ ハイブリッド電気自動車(HEV)技術の採用に伴い、車載 用途での新しいアイソレーションデバイスへの必要性が高 まっています。一般に、50Vacまたは70Vdcを超える電圧で は、安全のための絶縁が必要です。また、回路の安定動作 のために、 また必要なEMC特性を満足させるためにも信号 伝送経路に絶縁が必要になります。回路設計エンジニアは 必要な機能を設計しながら、このような要求もみたさな ければなりません。フォトカプラはこれらの要求を簡単に しかも機能をまったく損なわずに満たすことができるアイ ソレーションデバイスです。 図1は、絶縁を行うフォトカプラがHEVのどこに配置される のかを示した例です。 アバゴ・テクノロジーの工業グレード・フォトカプラは、10年 以上にわたりハイブリッド自動車プロジェクトに採用され、 成功を収めています。 しかし、工業グレード製品は、新たな 車載用途で求められるすべてのニーズに対応できるわけで はありません。特に、125° Cまでの高い周囲温度で長期間に わたり信頼性の高い動作が要求されるHEV用途はフォト カプラにとっても厳しい環境ですが、アバゴは2006年に 最初の車載グレード・フォトカプラシリーズを発表し、その 後も車載用途向け高温フォトカプラ製品のラインナップを 拡充し続けています。 インバータ・システム モータを制御するインバータは通常エンジン・ルームの フードの下に配置されているため、動作周囲温度は125° C まで要求されます。 また、 フォトカプラは、 スイッチング中の インバータ・システムが受ける大きくて高速なコモンモード 電圧が制御回路に影響を及ぼさないように優れた絶縁が できなくてはなりません。 フォトカプラはこのスイッチング・ ノイズへのイミュニティを高め、インバータ・システムの 安定した動作を保証します。 インバータ・システムで使用されるIGBTの駆動回路の設計 には、アバゴ A C P L - 3 1 2 T が お 使 い い た だ けます。この 製品は、2.5Aのピーク出力電流を実現し、最大1200V/100A のIGBTを単 体で 駆 動できます。より大きな 電 流 容 量 の IGBTを駆動するためには、コンプリメンタリトランジスタ バッファを追加します。 インテリジェント・パワー・モジュール(IPM)を採用される 場合には、ACPL-M43TとACPL-M46Tをお使いください。 IPM向けの仕様がされていて設計が容易になります。 図1 ハイブリッド自動車におけるフォトカプラの用途 アイソレーション・アンプ または磁気センサ シャント DC-DC コンバータ 温度センサ インバータ モータ ローノイズアンプ - BMS - -+ + -+ + アイソレーション ゲート・ドライブ/ アイソレーション ・アンプ IPMドライブ・フォトカプラ ・アンプ SSR - + -+ バッテリ 電圧/電流/温度モニタ - + アイソレーション ・アンプ デジタル・ フォトカプラ デジタル・ フォトカプラ CANBUS デジタル・ フォトカプラ マイクロコントローラ -+ マイクロコントローラ バッテリ・システム モータ駆動システム エアコン・システム デジタル・ フォトカプラ マイクロコントローラ 他のサブシステム デジタル・ フォトカプラ アイソレーション ・アンプ インバータ エアコン アナログ検知 図2 5000時間の加速ストレスのもとでの正規化CTR性能 1.1 1.0 0.9 正規化電流伝達比 多くのアナログ・センサでは、モータ駆動システムおよび バッテリ管 理システムの 性 能をモニタする必 要 がある ため、危険な高電圧環境での絶縁が必要です。 このような 用途には、ACPL-782Tアイソレーション・アンプが理想的 です。シグマ・デルタ変換を応用した構成になっており、 HEV用途で必要な精度とドリフト性能を実現しています。 優れた絶縁性能が、高電圧とコモンモード・ノイズの両方を ブロックします。 ここでの最も一般的な用途は、DCレール 電圧検知です。 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 Avago Automotive Grade LEDs @150ºC mean 0.2 通信 Avago Automotive Grade LEDs @150ºC mean 3sigma 0.1 ポテンシャルが異なったシステム間、あるいはコモンモード 電流が発生しやすいシステム間の通信では、ACPL-M43T が1MBd、ACPL-M61Tが10MBdのデジタル・データ送信速度 を実現します。優れた絶縁性能がここでも安全で安定した 通信性能と必要なEMC特性を満たすために貢献します。 高電圧の安全と規制 微小ボイド(空間) と空間電荷劣化の組み合わせが高電圧 劣化に影響し、その結果、安全な絶縁に影響が出ることが 知られています。アバゴの車載グレード・フォトカプラは、 ポリイミドテープとシリコーンの厚い複合構造を用いた 二重絶縁で構成されており、信頼性の高い高電圧性能を 実現しました。アバゴの車載グレード・フォトカプラは、 UL1577、IEC60747-5-2、IEC60747-5-5の認証を受けてい ます。様々な絶縁耐電圧および動作定格電圧を持つ異なる パッケージを表1に示します。 表1 アバゴの車載グレード・フォトカプラの定格電圧 部品番号 パッケージ UL1577定格 IEC動作電圧 ACPL-M43T SO5 3.75kVrms 567Vpeak ACPL-M46T SO5 3.75kVrms 567Vpeak ACPL-M61T SO5 3.75kVrms 567Vpeak ACPL-312T DIP8 3.75kVrms 630Vpeak ACPL-782T DIP8 3.75kVrms 891Vpeak LEDドライブ電流の検討 実際の設計では、LED電流値はスレッショルド電流に30% 程度のマージンを加えた値にすることが多いようです。 LED劣化分を見越して過度な電流マージンを加えると、 最適な動作条件からはずれてしまうこともあります。 アバゴ 0.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 の社内III/V族 R&Dの技術的蓄積と同製造部門の長い経験 の結果として、アバゴの車載グレード・フォトカプラの電流 伝 達 比 は 図 2 に 示 すとおり、高 温で 順 方 向 電 流 の 加 速 ストレス条件のもとでも、アバゴの車載グレード・フォト カプラの電流伝達比は安定しています。ここで示される 持続時間は、アバゴのお客様から提供されたミッション・ プロファイルに基づく現場寿命である30年を超えてい ます。 したがって、アバゴの車載グレード・フォトカプラを お使いになれば、過度な電流マージンは必要ありません。 結論 アバゴ・テクノロジーは、ハイブリッド電気自動車市場で ますます高まる需要および技術的要求に応えるため、非常 に優れたフォトカプラ・アイソレーションデバイスを提供し ています。アバゴの車載向けフォトカプラは、Automotive Electronic Council AECQ100半導体ストレステストガイド ラインに適合しているため自動車の動作条件への適合が 保証されており、TS16949に準拠して製造されています。 これは、厳しい自動車用途での使用に適するよう最高の 品質基準が遵守されていることを保証するものです。 ハイブリッド電 気自動 車 に は、非 常 に 高 速で 振 幅 幅 の 大きいスイッチング・コモンモード・ノイズと安全対策が 必要な高電圧が存在しますが、アバゴ・テクノロジーの 車載グレード・フォトカプラは、ハイブリッド電気自動車の 動作システムの厳しい絶縁要件を完全に満たしています。 そしてこのようなデバイスは設計上のEMC対策を容易に するものです。 無償サンプルキャンペーン実施中:http://www.avago-optocouplers.com/20 アバゴ・テクノロジー製品のお問い合わせ・ご購入は、販売代理店へ http://www.ryoyo.co.jp http://www.teldevice.co.jp http://www.btc.macnica.co.jp アバゴ・テクノロジー株式会社 〒153-0042 東京都目黒区青葉台4-7-7 青葉台ヒルズ7F レスポンスセンター TEL : 0120-611-280 www.avagotech.co.jp Avago、Avago Technologies、およびAのロゴは、米アバゴ・テクノロジー社、 またはその子会社もしくは関連会社の商標です。 Copyright©2009 アバゴテクノロジー株式会社 記載事項は予告なく変更になる場合があります。 5.0 高温動作寿命ストレス (1000時間) htpp://www.tachibana.co.jp http://www.fujiele.co.jp
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