URL: www.walden.co.jp 文責: 室谷吉行 E-mail: [email protected] 電話番号:03 (3553) 3769 日本商業開発(3252) 連結通期 (百万円) FY03/2015 FY03/2016 FY03/2017会予 FY03/2016 FY03/2017会予 連結四半期 (百万円) 1Q FY03/2016 2Q FY03/2016 3Q FY03/2016 4Q FY03/2016 売上高 16,252 17,378 25,900 6.9% 49.0% 前年比 前年比 売上高 11,927 177 2,123 3,149 営業利益 3,547 5,955 3,690 67.9% (38.0%) 営業利益 5,769 (206) (55) 447 経常利益 2,987 5,626 2,400 88.3% (57.3%) 経常利益 5,661 (287) (86) 338 純利益 1,863 3,605 4,400 93.5% 22.0% 純利益 3,781 (216) (38) 79 EPS (円) 125.9 209.1 255.2 EPS (円) - DPS (円) 30.0 45.0 50.0 DPS (円) - BPS (円) 496.4 665.3 BPS (円) - 出所:会社データ、弊社計算 1.0 エグゼクティブサマリー(2016 年 8 月 1 日) 多様化と拡大 「JINUSHI ビジネス」 (土地を買う。土地を貸す。貸した土地を売る。)を展開する日本商業開発は、土地の仕 入における多様化などを通した中長期的な業績の拡大を計画している。従来の同社は、 「人口 20 万人都市の好立 地の土地」及び「住宅地としても転用可能な土地」を仕入れて、その土地に建物を建てて入居する食品スーパー に代表される小売業者の店舗を中核としたテナントを誘致する一方、最終的には、安定的な収益を生み出すよう になった土地を、自社が組成した不動産投資商品として売却してきた。ただし、2016 年 3 月期の営業利益に対 して圧倒的に大きな寄与を及ぼしたのは、「ハウスウエディング」のパイオニアとされる事業会社が新規に参入 するホテルをテナントとして誘致した都心の繁華街に隣接した地域(東京都渋谷区神宮前 5 丁目)に所在する土 地の売却である。また、直近の土地の仕入においては、工場や学校の底地など、商業用地以外の土地も含まれる に至っている。これに鑑みれば、同社が仕入れて売却する土地に関しては、多様化が進捗していると考えられよ う。また、その結果、2016 年 3 月期末で販売用不動産の保有額 22,610 百万円(前年比 78.9%増)と、土地の仕 入れ残高が過去最高水準を更新している。更には、2016 年 6 月 9 日に行われた説明会においては、土地の引渡 しが完了していないプロジェクトや優先交渉権が得られているプロジェクトを含めた場合、販売用不動産の保有 額が、30,000 百万円規模にまで拡大していることが明らかにされた一方、2017 年 3 月期末に向けては、50,000 百万円∼60,000 百万円の達成が目標とされている模様である。また、海外での事業展開が視野に入っていること に加えて、自社で運用する私募リートが土地の売却先として想定されるに至っている。両者共に、短期的には先 行投資負担が発生する模様ではあるが、中長期的には、同社の損益を引き上げていくことになる見通しである。 1 2016 年 3 月期は、売上高 17,378 百万円(前年比 6.9%増)、営業利益 5,955 百万円(67.9%増)、営業利益率 34.3% (12.4%ポイント上昇)での着地となった。事業セグメント別では、 「JINUSHI ビジネス」を展開する不動産投 資事業で、売上高 17,071 百万円(8.7%増)、セグメント利益 7,245 百万円(67.8%増) 、セグメント利益率 42.4% (14.9%ポイント上昇)である。また、売上高構成比 98.2%、セグメント利益構成比 99.0%であることに鑑み れば、同社としての損益の実質的にすべてが不動産投資事業の損益によって説明されることが示唆されよう。一 方、弊社が推測するところによれば、不動産投資事業において、売却プロジェクト 5 件による売上高が発生して いるのだが、先述の通り、特に、「ハウスウエディング」のパイオニアとされる事業会社が新規に参入するホテ ルをテナントとして誘致した都心の繁華街に隣接する地域(東京都渋谷区神宮前 5 丁目)に所在する土地の売却 が、同社としての増益に対して大きく寄与した。第 1 四半期に売却された当該土地に関しては、そもそも例外的 に大きな売却額が想定されていたのだが、結果的には、この想定を更に上回る高値で売却されたため、売上総利 益率も例外的に大きくなった。同社による当該土地の保有期間の当初の段階である 2013 年 9 月 7 日に、2020 年に東京で夏季オリンピックが開催されることが公表されたことを受けて、都心部などでの不動産市況が急騰し たことが影響を及ぼしたとのことである。同社としては、売上総利益率 42.7%(14.1%ポイント上昇)での着地 となった。 2017 年 3 月期に対する会社予想では、売上高 25,900 百万円(前年比 49.0%増)、営業利益 3,690 百万円(38.0% 減)営業利益率 14.2%(20.0%ポイント低下)が見込まれている。同社による土地の保有期間が、1 年∼2 年と されていることや、現状に至る土地の仕入状況及び保有高の水準に鑑みれば、想定されている売上高の達成は、 ほぼ確実であると考えられよう。また、営業利益率が低下するのは、売上総利益率が低下する一方、販売管理費 が大幅に増加するためである。売上総利益率に関しては、前年に発生した例外的に規模が大きいと同時に例外的 に売上総利益率が高いプロジェクトが一巡することに加えて、上述にある不動産市況の高騰の後に仕入れた土地 の売却が進捗するためである。また、販売管理費の大幅な増加に関しては、先行投資負担の拡大が大きな影響を 及ぼす模様である。将来の経営陣を育成することを目的とした新入社員の採用が続いていることに加えて、 「JINUSHI ビジネス」の拡大を目的として、「土地を買う。土地を貸す。貸した土地を売る。 」に長けた人材の 中途採用も進捗している。更には、自社で私募リートを運用するに当たっては、社内における専門家チームの創 設に向けての中途採用が進捗している。また、将来的な海外での「JINUSHI ビジネス」の展開を目的として資 本参加したニューリアルプロパティ株式会社が、第 1 四半期より、従来の持分法適用関連会社から連結子会社へ と推移することに起因する販売管理費の増加も発生する。 IR窓口:取締役 総務・人事本部長 西岡卓志(06 4706 7501 [email protected]) 2 2.0 会社概要 「土地を買う。土地を貸す。貸した土地を売る。」 商号 日本商業開発株式会社 Web サイト IR情報 株価情報 設立年月日 2000 年 4 月 7 日 上場年月日 2014 年 12 月 26 日:東京証券取引所 1 部、名古屋証券取引所 1 部(証券コード:3252) 2013 年 4 月 30 日:名古屋証券取引所 2 部 2007 年 11 月 8 日:名古屋証券取引所セントレックス 資本金 2,619 百万円(2016 年 3 月末) 発行済株式数 17,475,800 株、自己株式内数 141 株(2016 年 3 月末) 特色 「JINUSHI ビジネス」 ( 「土地を買う。土地を貸す。貸した土地を売る。」)を展開 海外展開の布石として、ニューリアルプロパティ株式会社に出資 中長期的な成長に向けて、新卒採用及び中途採用を強化中 事業内容 Ⅰ. 不動産投資事業 Ⅱ. サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 Ⅲ. 企画・仲介事業 代表者 代表取締役社長 松岡哲也 主要株主 松岡哲也 36.7%、永岡幸徳 2.3%、西羅弘文 2.3%、(2016 年 3 月末) 本社 大阪府大阪市中央区 従業員数 連結 27 名、単体 25 名(2016 年 3 月末) 出所:会社データ 3 3.0 業績推移 2016 年 3 月期 2016 年 3 月期は、売上高 17,378 百万円(前年比 6.9%増)、営業利益 5,955 百万円(67.9%増)、経常利益 5,626 百万円(88.3%増)、純利益 3,605 百万円(93.5%増)での着地となった。また、営業利益率 34.3%(12.4%ポイ ント上昇)である。一方、売上総利益 7,427 百万円(59.6%増)、販売管理費 1,471 百万円(33.1%増)、売上高 に対する比率としては、それぞれ、42.7%(14.1%ポイント上昇)、8.5%(1.7%ポイント上昇)である。即ち、 売上総利益率の大幅な上昇が同社に大幅な増益をもたらした。 直近の会社予想(2015 年 12 月 14 日公表)との比較では、売上高で 78 百万円(0.5%)上振れ、営業利益で 145 百万円(2.4%)下振れ、経常利益で 126 百万円(2.3%)上振れ、純利益で 105 百万円(3.0%)上振れである。 概ね、想定通りの業績推移である。売上高に関しては、実質的に想定通りであった一方、敢えて言えば、賞与な どの人件費がやや上振れたため、営業利益がやや下振れた。また、金利負担が想定を下回る水準に留まったこと などが、経常利益の上振れに寄与したとのことである。 一方、当初の会社予想(2015 年 5 月 11 日公表)との比較では、売上高で 878 百万円(5.3%)上振れ、営業利 益で 1,175 百万円(24.6%)の上振れである。不動産投資事業において、当初の想定以上に売上高が大きく、売 上総利益率が高くなったプロジェクトの売却が発生したことが、営業利益の上振れの主因であると考えられる。 不動産投資事業における各プロジェクトの売却額 20,000 (百万円) 4 15,000 10,000 5,000 0 FY03/2013 FY03/2014 FY03/2015 FY03/2016 出所:弊社推測 同社の業績動向は、 「JINUSHI ビジネス」 (土地を買う。土地を貸す。貸した土地を売る。)を展開する不動産投 資事業における各プロジェクトによる土地の売却に伴う売上高の計上及びその損益によって決定される度合い が圧倒的に大きい。また、弊社が推測するところによれば、過去 4 年間の実績において売上高が計上されたプロ ジェクトの件数は、年間ベースで 3 件∼6 件である一方、各プロジェクトに関しては、その売上高の規模にもそ の売上総利益率にも大きな格差が存在する。これを主因として、四半期ベースでの業績動向は顕著に大きな振れ を示してきた。ただし、過去 3 年間における年間ベースでは、持続的な増収及び持続的な大幅増益が達成されて いる。 売上高、営業利益率 売上高(百万円) 30,000 31.1% 48.4% 19.0% 20,000 (93.0%) 200.0% (2.6%) 14.2% 14.2% 14.2% 14.2% 14.2% 0.0% (116.3%) (203.0%) 151 9,069 94 6,936 11,927 177 2,123 3,149 6,475 6,475 6,475 6,475 2Q FY03/2015 3Q FY03/2015 4Q FY03/2015 1Q FY03/2016 2Q FY03/2016 3Q FY03/2016 4Q FY03/2016 1Q FY03/2017 2Q FY03/2017 3Q FY03/2017 4Q FY03/2017 (200.0%) 1Q FY03/2015 10,000 0 営業利益率(%) (400.0%) 出所:会社データ、弊社計算(2017 年 3 月期四半期予想:通期会社予想を均等に按分) 2016 年 3 月期第 1 四半期においては、 「ハウスウエディング」のパイオニアとされる事業会社が新規に参入する ホテルをテナントとして誘致した都心の繁華街に隣接した地域(東京都渋谷区神宮前 5 丁目)に所在する土地の 売却による売上高が計上されている。具体的には、同社の説明会資料にある通り、株式会社テイクアンドギヴ・ ニーズによる「TRUNK HOTEL(トランクホテル)」がテナントである。 5 株式会社テイクアンドギヴ・ニーズは、挙式・披露宴やレストラン運営で培った接客力を活かして事業を多角化 する方針に基づいて、新たにホテルの運営を始めるとのことである。敷地面積 3,190 ㎡、延床面積 4,652 ㎡、宿 泊者数 60∼70 人、挙式・披露宴会場 6、レストラン 4、以上の内容をもって、2017 年 5 月に開業が予定されて いる。また、「TRUNK HOTEL」は、 「多種多様な人々の交流のハブとなり、新しい社会貢献のスタイルを生み 出す発信拠点となる、これまでにない新しいコンセプトのホテル」とのことである。以上に鑑みれば、土地の所 在地に関しても、テナントの業務内容に関しても、従来とはかなり様相を異にしていると考えられよう。 従来の同社は、 「人口 20 万人都市の好立地の土地」及び「住宅地としても転用可能な土地」を仕入れて、その土 地に建物を建てて入居する食品スーパーに代表される小売業者の店舗を中核としたテナントを誘致する一方、最 終的には、安定的な収益を生み出すようになった土地を、自社が組成した不動産投資商品として売却してきた。 弊社が推測するところによれば、2013 年 3 月期∼2015 年 3 月期の実績において売上高が計上された土地売却の プロジェクトが総計 15 件であったのに対して、12 件のテナントが食品スーパーであった(ホームセンター併設 1 件を含む)。残る 3 件は、ドラッグストアー、ホームセンター、ゴルフ練習場である。 一方、2013 年 9 月 7 日、ブエノスアイレスで開催された第 125 次 IOC 総会において、2020 年夏季オリンピッ クの開催地として東京が選出されている。また、この直前のタイミングで、食料品業界の最大手級企業から上述 にある土地の仕入を行う契約が成立していたとのことである。一方、東京でオリンピックが開催されることにな ったことを受けて、都心部などで不動産市況が高騰した結果、当初想定していた売却先以上に高い価格で当該土 地を購入したいとする売却先が現れたとのことである。2016 年 6 月、当該土地は、大手商社系の不動産ファン ド運用会社に売却されたとされている。 また、第 2 四半期における土地売却プロジェクトの売上高は発生しなかったのだが、第 3 四半期においては、食 品スーパーを展開する株式会社いなげやの横浜南本宿店(神奈川県)をテナントとした土地が、ケネディクス商 業リート投資法人に売却されている。更には、ドラッグストアーをテナントとする土地もケネディクス商業リー ト投資法人に売却されているが、売却額が限定的であった。そして、第 4 四半期においては、食品スーパーを展 開する株式会社ライフコーポレーションの阿波座駅前店(大阪府)をテナントとする土地が、大手銀行系のリー ス会社に売却されている。更には、同じ売却先にドラッグストアーをテナントとする土地も売却されているが、 売却額が限定的であった。 2016 年 3 月期:不動産投資事業における主要プロジェクト テナント:株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ、 「TRUNK HOTEL(トランクホテル)」(東京都) 6 テナント:株式会社いなげや、横浜南本宿店(神奈川県) テナント:株式会社ライフコーポレーション、阿波座駅前店(大阪府) 出所:会社データ 一方、土地の仕入が順調に推移した。2016 年 3 月期末で販売用不動産の保有額 22,610 百万円(前年比 78.9%増) と、土地の仕入れ残高が過去最高水準を更新している。同社では、同業他社と同様に、土地の仕入に関する契約 を完了したことに加えて、土地の引渡しも完了したことを条件として、仕入れた土地の対価が販売用不動産に新 規に追加される一方、当該土地が売却されたことをもって当該対価が販売用不動産から差し引かれる。第 1 四半 期末においては、特に規模が大きいプロジェクトの売却が発生したことを受けて、販売用不動産が一時的に調整 する局面が発生したものの、第 2 四半期末、第 3 四半期末、第 4 四半期末へと持続的な拡大が続いている。 売上高、販売用不動産 30,000 売上高 (百万円) 販売用不動産 22,610 25,000 20,000 16,682 13,256 15,000 10,000 16,744 16,274 11,734 9,132 11,978 13,453 12,640 8,827 5,114 5,000 0 149 4,227 279 6,171 151 9,069 94 6,936 11,927 177 2,123 3,149 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q FY03/14 FY03/14 FY03/14 FY03/14 FY03/15 FY03/15 FY03/15 FY03/15 FY03/16 FY03/16 FY03/16 FY03/16 出所:会社データ、弊社計算 以上の堅調な推移には、従来からの「人口 20 万人都市の好立地の土地」及び「住宅地としても転用可能な土地」 に加えて、商業用地以外の工場や学校の底地なども同社による土地の仕入の対象となったことが影響を及ぼして いる。2016 年 3 月期の実績においても、先述の通り、テナントの業務内容や土地の所在地が従来とは様相を異 にする案件が発生していることに鑑みれば、同社による土地の仕入は、多様化していく方向性にあると考えられ よう。 また、2016 年 6 月 9 日に行われた説明会においては、土地の引渡しが完了していない案件や優先交渉権が得ら れている案件を含めた場合、販売用不動産の保有額が、30,000 百万円規模にまで拡大していることが明らかにさ れている。更には、2017 年 3 月期末に向けては、50.000 百万円∼60,000 百万円の達成が目標とされている模様 である。同社による土地の保有期間が、1 年∼2 年とされていることに鑑みれば、2016 年 3 月期に引き続く、2017 年 3 月期、そして、2018 年 3 月期に向けて、同社は大幅増収を続けていく方向性にあることが示唆されよう。 7 2016 年 3 月期に対する会社予想と実績 連結通期 (百万円) FY03/2016会予 FY03/2016会予 FY03/2016会予 FY03/2016会予 発表日 2015年 5月 11日 2015年 8月 11日 2015年 11月 10日 2015年 12月 14日 FY03/2016会予 FY03/2016実績 2016年 2月 10日 2016年 5月 10日 FY03/2016会予 FY03/2016実績 2015年 5月 11日 2016年 5月 10日 連結半期 (百万円) 1Q-2Q FY03/2016会予 1Q-2Q FY03/2016会予 1Q-2Q FY03/2016実績 発表日 2015年 5月 11日 2015年 8月 11日 2015年 11月 10日 1Q-2Q FY03/2016会予 1Q-2Q FY03/2016実績 2015年 5月 11日 2015年 11月 10日 連結半期 (百万円) 3Q-4Q FY03/2016会予 3Q-4Q FY03/2016会予 3Q-4Q FY03/2016会予 3Q-4Q FY03/2016会予 2015年 5月 11日 2015年 8月 11日 2015年 11月 10日 2015年 12月 14日 3Q-4Q FY03/2016会予 3Q-4Q FY03/2016実績 2016年 2月 10日 2016年 5月 10日 3Q-4Q FY03/2016会予 3Q-4Q FY03/2016実績 2015年 5月 11日 2016年 5月 10日 出所:会社データ、弊社計算 発表日 イベント 売上高 営業利益 経常利益 純利益 4Q決算発表 1Q決算発表 2Q決算発表 業績予想修正 増減額 増減率 3Q決算発表 4Q決算発表 増減額 増減率 4Q決算発表 4Q決算発表 増減額 増減率 イベント 16,500 4,780 3,900 16,500 4,780 3,900 16,500 4,780 3,900 17,300 6,100 5,500 800 1,320 1,600 4.8% 27.6% 41.0% 17,300 6,100 5,500 17,378 5,955 5,626 78 (145) 126 0.5% (2.4%) 2.3% 16,500 4,780 3,900 17,378 5,955 5,626 878 1,175 1,726 5.3% 24.6% 44.3% 売上高 営業利益 経常利益 2,500 2,500 2,500 3,500 1,000 40.0% 3,500 3,605 105 3.0% 2,500 3,605 1,105 44.2% 純利益 4Q決算発表 1Q決算発表 2Q決算発表 増減額 増減率 4Q決算発表 2Q決算発表 増減額 増減率 イベント 12,104 5,563 5,374 12,104 5,563 5,374 売上高 営業利益 経常利益 3,564 3,564 純利益 4Q決算発表 1Q決算発表 2Q決算発表 業績予想修正 増減額 増減率 3Q決算発表 4Q決算発表 増減額 増減率 4Q決算発表 4Q決算発表 増減額 増減率 4,396 5,196 800 18.2% 5,196 5,274 78 1.5% 5,274 - (783) 537 1,320 537 392 (145) (27.0%) 392 - (1,474) 126 1,600 126 252 126 100.0% 252 - (1,064) (64) 1,000 (64) 41 105 41 - 8 損益計算書(四半期累計、四半期) 損益計算書 ( 百万円) 売上高 売上原価 売上総利益 販売費及び一般管理費 営業利益 営業外損益 経常利益 特別損益 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 1Q 2 Q累計 3 Q累計 連結実績 4 Q累計 0 3 / 20 1 5 03/2015 0 3 /2 0 1 5 03/2015 03 / 2 0 1 6 0 3 / 2 01 6 03/2016 0 3 / 20 1 6 純増減 151 9,220 9,315 16,252 11,927 12,104 14,228 17,378 +1,126 112 7,168 7,234 11,599 5,762 5,828 7,707 9,951 (1,648) 39 2,052 2,080 4,653 6,164 6,276 6,520 7,427 +2,774 180 471 692 1,105 395 713 1,012 1,471 +366 (141) 1,580 1,388 3,547 5,769 5,563 5,507 5,955 +2,407 (128) (314) (465) (560) (108) (189) (220) (329) +231 (269) 1,265 922 2,987 5,661 5,374 5,287 5,626 +2,639 前年比 0 (15) (15) (14) 0 (14) (24) (34) (20) 税金等調整前純利益 (269) 1,250 907 2,972 5,661 5,359 5,262 5,591 +2,618 法人税等合計 (94) 455 337 1,078 1,880 1,797 1,738 1,988 +910 (1) 31 30 30 0 (1) (2) (3) (33) (173) 764 538 1,863 3,781 3,564 3,526 3,605 +1,741 非支配株主に帰属する純利益 純利益 売上高伸び率 +1.2% +110.6% +100.0% +50.1% - +31.3% +52.7% +6.9% - 営業利益伸び率 - +124.8% +94.8% +146.3% - +252.0% +296.7% +67.9% - 経常利益伸び率 - +179.4% +141.1% +206.9% - +324.6% +473.0% +88.3% - 純利益伸び率 - +185.5% +91.3% +179.6% - +366.4% +554.4% +93.5% +14.1% 売上総利益率 25.9% 22.3% 22.3% 28.6% 51.7% 51.9% 45.8% 42.7% 販管費売上高比率 118.9% 5.1% 7.4% 6.8% 3.3% 5.9% 7.1% 8.5% +1.7% 営業利益率 (93.0%) 17.1% 14.9% 21.8% 48.4% 46.0% 38.7% 34.3% +12.4% 経常利益率 (177.8%) 13.7% 9.9% 18.4% 47.5% 44.4% 37.2% 32.4% +14.0% 純利益率 (114.5%) 8.3% 5.8% 11.5% 31.7% 29.4% 24.8% 20.7% +9.3% - 36.4% 37.2% 36.3% 33.2% 33.5% 33.0% 35.6% (0.7%) 損益計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q ( 百万円) 0 3 / 20 1 5 03/2015 0 3 /2 0 1 5 03/2015 03 / 2 0 1 6 0 3 / 2 01 6 03/2016 0 3 / 20 1 6 純増減 151 9,069 94 6,936 11,927 177 2,123 3,149 (3,786) 112 7,056 65 4,364 5,762 65 1,879 2,243 (2,121) 39 2,012 28 2,572 6,164 112 243 906 (1,665) 180 291 220 413 395 318 299 458 +45 (141) 1,721 (191) 2,159 5,769 (206) (55) 447 (1,711) 法人税等合計 / 税金等調整前純利益 売上高 売上原価 売上総利益 販売費及び一般管理費 営業利益 営業外損益 経常利益 特別損益 前年比 (128) (185) (151) (94) (108) (80) (31) (108) (14) (269) 1,535 (343) 2,064 5,661 (287) (86) 338 (1,725) 0 (15) 0 0 0 (14) (10) (10) (10) 税金等調整前純利益 (269) 1,520 (343) 2,065 5,661 (301) (97) 328 (1,736) 法人税等合計 (94) 550 (117) 740 1,880 (83) (58) 250 (490) (1) 32 0 0 0 0 0 0 0 (173) 937 (225) 1,324 3,781 (216) (38) 79 (1,245) 非支配株主に帰属する純利益 純利益 売上高伸び率 +1.2% +114.5% (66.2%) +12.4% - (98.0%) - (54.6%) - 営業利益伸び率 - +118.3% - +196.7% - - - (79.3%) - 経常利益伸び率 - +170.0% - +249.6% - - - (83.6%) - 純利益伸び率 - +170.9% - +244.2% - - - (94.0%) - 売上総利益率 25.9% 22.2% 30.4% 37.1% 51.7% 63.2% 11.5% 28.8% (8.3%) 販管費売上高比率 118.9% 3.2% 233.3% 6.0% 3.3% 179.5% 14.1% 14.6% +8.6% 営業利益率 (93.0%) 19.0% (203.0%) 31.1% 48.4% (116.3%) (2.6%) 14.2% (16.9%) 経常利益率 (177.8%) 16.9% (362.7%) 29.8% 47.5% (161.7%) (4.1%) 10.8% (19.0%) 純利益率 (114.5%) 10.3% (238.3%) 19.1% 31.7% (122.2%) (1.8%) 2.5% (16.6%) - 36.2% - 35.9% 33.2% - - 76.0% +40.2% 法人税等合計 / 税金等調整前純利益 出所:会社データ、弊社計算 9 報告セグメント(四半期累計、四半期) 報告セグメント 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 0 3 / 20 1 5 03/2015 0 3 /2 0 1 5 03/2015 03 / 2 0 1 6 0 3 / 2 01 6 03/2016 0 3 / 20 1 6 純増減 不動産投資事業 73 9,024 9,045 15,707 11,852 11,951 13,999 17,071 +1,364 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 71 144 218 292 74 149 225 302 +10 6 51 52 252 0 3 3 3 (248) ( 百万円) 企画・仲介事業 売上高 連結実績 前年比 151 9,220 9,315 16,252 11,927 12,104 14,228 17,378 +1,126 +301.1% +116.6% +113.7% +52.8% - +32.4% +54.8% +8.7% - (9.3%) (8.3%) +2.0% (5.9%) +4.5% +3.6% +3.4% +3.5% - (87.4%) (1.7%) (75.2%) +4.9% (97.9%) (93.7%) (93.4%) (98.6%) - +1.2% +110.6% +100.0% +50.1% - +31.3% +52.7% +6.9% - 不動産投資事業 23 1,951 1,968 4,318 6,047 6,138 6,359 7,245 +2,927 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 10 21 32 48 17 34 52 71 +22 5 48 48 248 0 3 3 3 (245) +2,704 不動産投資事業 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 企画・仲介事業 売上高( 前年比) 企画・仲介事業 セグメント利益 38 2,020 2,049 4,615 6,064 6,176 6,415 7,320 調整額 (180) (440) (661) (1,068) (295) (613) (907) (1,364) (296) 営業利益 (141) 1,580 1,388 3,547 5,769 5,563 5,507 5,955 +2,407 不動産投資事業 +447.4% +98.9% +89.6% +121.4% - +214.6% +223.0% +67.8% - サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 (52.9%) (50.4%) (7.4%) (27.0%) +72.2% +64.2% +64.0% +46.1% - 企画・仲介事業 (89.7%) (7.2%) (74.7%) +13.6% (97.4%) (93.2%) (93.0%) (98.6%) - (50.0%) +87.8% +62.0% +106.4% - +205.7% +213.0% +58.6% - 不動産投資事業 32.0% 21.6% 21.8% 27.5% 51.0% 51.4% 45.4% 42.4% +14.9% サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 14.1% 14.7% 14.8% 16.6% 23.2% 23.3% 23.5% 23.5% +6.8% 企画・仲介事業 80.8% 93.5% 93.5% 98.7% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% +1.3% (118.7%) (4.8%) (7.1%) (6.6%) (2.5%) (5.1%) (6.4%) (7.9%) (1.3%) +12.4% セグメント利益( 前年比) 調整額 営業利益率 (93.0%) 17.1% 14.9% 21.8% 48.4% 46.0% 38.7% 34.3% 報告セグメント 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q ( 百万円) 0 3 / 20 1 5 03/2015 0 3 /2 0 1 5 03/2015 03 / 2 0 1 6 0 3 / 2 01 6 03/2016 0 3 / 20 1 6 純増減 不動産投資事業 73 8,951 20 6,662 11,852 99 2,047 3,072 (3,589) サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 71 73 73 74 74 74 76 77 +2 6 45 0 200 0 3 0 0 (200) 151 9,069 94 6,936 11,927 177 2,123 3,149 (3,786) +301.1% +115.7% (68.5%) +10.2% - (98.9%) - (53.9%) - (9.3%) (7.4%) +30.7% (23.2%) +4.5% +2.7% +3.1% +3.8% - (87.4%) - (99.9%) +560.8% (97.9%) (93.1%) (0.0%) (99.9%) - 企画・仲介事業 売上高 不動産投資事業 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 企画・仲介事業 売上高( 前年比) 前年比 +1.2% +114.5% (66.2%) +12.4% - (98.0%) - (54.6%) - 不動産投資事業 23 1,927 17 2,349 6,047 91 220 886 (1,463) サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 10 11 11 16 17 17 18 18 +1 5 43 0 200 0 3 0 0 (200) (1,661) 企画・仲介事業 セグメント利益 38 1,981 28 2,566 6,064 112 238 904 調整額 (180) (260) (220) (407) (295) (318) (293) (456) (49) 営業利益 (141) 1,721 (191) 2,159 5,769 (206) (55) 447 (1,711) 不動産投資事業 +447.4% +97.3% (69.3%) +157.7% - (95.3%) - (62.3%) - サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 (52.9%) (47.8%) - (48.4%) +72.2% +57.1% +63.4% +10.8% - 企画・仲介事業 (89.7%) - (99.9%) +650.0% (97.4%) (92.7%) (0.0%) (99.9%) - (50.0%) +98.5% (84.8%) +164.5% - (94.3%) +730.9% (64.8%) - 不動産投資事業 32.0% 21.5% 85.0% 35.3% 51.0% 92.0% 10.8% 28.8% (6.4%) サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 14.1% 15.3% 14.9% 22.0% 23.2% 23.5% 23.7% 23.5% +1.5% 企画・仲介事業 80.8% 95.4% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% +0.0% (118.7%) (2.9%) (233.3%) (5.9%) (2.5%) (179.5%) (13.8%) (14.5%) (8.6%) (93.0%) 19.0% (203.0%) 31.1% 48.4% (116.3%) (2.6%) 14.2% (16.9%) セグメント利益( 前年比) 調整額 営業利益率 出所:会社データ、弊社計算 10 貸借対照表(四半期) 貸借対照表 (百万円) 現金及び預金 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 連結実績 4Q 0 3 / 20 1 5 03/2015 0 3 /2 0 1 5 03/2015 03 / 2 0 1 6 0 3 / 2 01 6 03/2016 0 3 / 20 1 6 純増減 2,712 4,394 8,154 10,404 14,233 14,026 11,662 12,062 +1,658 前年比 営業未収入金 15 14 - - 44 44 28 4 +4 販売用不動産 16,744 11,734 11,978 12,640 8,827 13,453 16,274 22,610 +9,969 その他 771 598 489 378 535 685 1,032 761 +383 流動資産 20,245 16,742 20,623 23,423 23,640 28,210 28,998 35,439 +12,015 有形固定資産 76 71 73 59 56 51 49 135 +75 無形固定資産 1 1 1 1 1 1 4 7 +6 252 250 549 619 708 731 2,993 3,108 +2,488 投資その他の資産合計 固定資産 329 324 624 680 765 783 3,047 3,251 +2,571 資産合計 20,574 17,067 21,247 24,104 24,406 28,993 32,045 38,690 +14,586 営業未払金 24 37 25 32 26 26 18 49 +16 短期借入金 207 8,201 8,211 5,982 1,568 1,542 677 2,965 (3,016) その他 1,064 1,313 1,126 1,875 2,692 2,809 2,816 3,154 +1,279 流動負債 1,296 9,553 9,362 7,890 4,287 4,378 3,513 6,169 (1,720) 17,196 4,445 4,588 7,512 8,175 12,702 16,593 20,470 +12,958 長期借入金 その他 199 196 200 190 187 191 360 349 +159 固定負債 17,395 4,641 4,789 7,702 8,362 12,893 16,954 20,820 +13,117 負債合計 18,691 14,195 14,152 15,593 12,650 17,272 20,467 26,989 +11,396 株主資本 1,824 2,762 6,995 8,410 11,683 11,652 11,617 11,697 +3,287 58 109 99 100 72 68 (38) 2 (97) 1,883 2,871 7,095 8,510 11,756 11,721 11,578 11,700 +3,190 20,574 17,067 21,247 24,104 24,406 28,993 32,045 38,690 +14,586 1,827 2,765 6,989 8,405 11,679 11,645 11,503 11,626 +3,221 有利子負債 17,453 12,693 12,848 13,529 9,776 14,278 17,302 23,464 +9,935 ネットデット 14,741 8,299 4,693 3,125 (4,457) 252 5,639 11,402 +8,276 8.9% 16.2% 32.9% 34.9% 47.9% 40.2% 35.9% 30.1% - 806.8% 300.2% 67.2% 37.2% (38.2%) 2.2% 49.0% 98.1% - ROE (12ヶ月) 36.3% 51.4% 21.1% 35.3% 86.2% 64.7% 52.5% 36.0% - ROA (12ヶ月) 5.7% 12.0% 7.8% 13.4% 39.7% 30.8% 27.6% 17.9% - 当座比率 211% 46% 87% 132% 333% 321% 333% 196% - 流動比率 1562% 175% 220% 297% 551% 644% 825% 574% - 連結実績 その他調整項目 純資産 負債純資産合計 自己資本 自己資本比率 ネットデットエクイティ比率 出所:会社データ、弊社計算 キャッシュフロー計算書(四半期累計) キャッ シ ュ フロー計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 1Q 2 Q累計 3 Q累計 4 Q累計 0 3 / 20 1 5 03/2015 0 3 /2 0 1 5 03/2015 03 / 2 0 1 6 0 3 / 2 01 6 03/2016 0 3 / 20 1 6 純増減 営業活動によるキャッシュフロー - 5,635 - 6,608 - 3,321 - (5,615) (12,223) 投資活動によるキャッシュフロー - 27 - (328) - (96) - (2,316) (1,987) - 5,662 - 6,279 - 3,224 - (7,932) (14,211) - (4,301) - 1,088 - 394 - 9,584 +8,496 (百万円) 営業活動C F+投資活動C F 財務活動によるキャッシュフロー 出所:会社データ、弊社計算 前年比 11 2017 年 3 月期会社予想 2017 年 3 月期に対する会社予想では、売上高 25,900 百万円(前年比 49.0%増)、営業利益 3,690 百万円(38.0% 減)、経常利益 2,400 百万円(57.3%減)、純利益 4,400 百万円(22.0%増)が見込まれている。また、営業利益 率 14.2%(20.0%ポイント低下)である。一方、年間配当金予定 50.0 円(配当性向 19.6%)である。 営業利益の減少幅以上に経常利益の減少幅が大きくなる一方、純利益が増加することが見込まれている。前者に 関しては、営業外損益が悪化(▲392 百万円→▲1,290 百万円)することが織り込まれているためである。年度 末に向けて土地の仕入れが大幅に進み、販売用不動産及び有利子負債の両方が大幅に増加するのに伴い、支払金 利も大幅に増加することが大きな影響を及ぼす。ただし、この支払金利の増加が、販売用不動産の増加に伴うも のであることに鑑みれば、積極的な先行投資による負担が増加するとも考えられよう。 一方、純利益の増加に関しては、将来的な海外での「JINUSHI ビジネス」の展開を目的として資本参加したニ ューリアルプロパティ株式会社が、第 1 四半期より、従来の持分法適用関連会社から連結子会社へと推移するこ とに起因して、特別利益が発生することが大きな影響を及ぼす。具体的には、特別利益として負ののれん発生益 4,570 百万円が発生する一方、段階取得に係る差損が特別損失 1,780 百万円発生する。両者を併せて特別損益で 純益 2,790 百万円が、第 1 四半期に発生するとのことである。 また、同社による土地の保有期間が、1 年∼2 年とされていることや、現状に至る土地の仕入状況及び保有高の 水準に鑑みれば、想定されている売上高の達成は、ほぼ確実であると考えられよう。一方、営業利益率が低下す るのは、売上総利益率が低下する一方、販売管理費が大幅に増加するためである。 売上総利益率の低下に関しては、前年に発生した例外的に規模が大きいと同時に例外的に売上総利益率が高いプ ロジェクトが一巡することに加えて、東京でのオリンピック開催に起因する不動産市況の高騰の後に仕入れた土 地の売却が進捗するためである。 販売管理費の増加に関しては、先行投資負担の拡大が大きな影響を及ぼす模様である。将来の経営陣を育成する ことを目的とした新入社員の採用が続いていることに加えて、「JINUSHI ビジネス」の拡大を目的として、「土 地を買う。土地を貸す。貸した土地を売る。」に長けた人材の中途採用も進捗している。更には、自社で私募リ ートを運用するに当たっては、社内における専門家チームの創設に向けての中途採用が進捗している。また、上 述のニューリアルプロパティ株式会社の連結子会社化に伴う販売管理費の増加も発生する。 12 中長期業績見通し 同社が示唆する土地の仕入の状況や見通しに鑑みた場合、同社は、中長期的にも大幅増収を持続できる方向性に あると考えられる。ただし、2016 年 3 月期においては、売上総利益率 42.7%と、例外的に売上総利益率が高く なったことが、短期的な同社の損益動向に対して大きな反動を発生させることになる。2016 年 3 月期において は、売上高の規模及び例外的に大きいと同時に、売上総利益率が例外的に高いプロジェクトの売却が発生してい る。 中長期業績見通し 45,000 40,000 35,000 売上高(百万円) 売上総利益率(%) 販管費売上高比率(%) 営業利益率(%) 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 13.4% 7.5% 5.9% 18.3% 8.1% 10.2% 21.0% 42.7% 50.0% 34.3% 40.0% 28.6% 30.0% 21.8% 14.2% 13.3% 20.0% 10.0% 7.7% 6.8% 8.5% 0.0% (10.0%) 9,973 6,572 10,828 16,252 17,378 25,900 (20.0%) FY03/2012 FY03/2013 FY03/2014 FY03/2015 FY03/2016 FY03/2017 FY03/2018 FY03/2019 出所:会社データ、弊社計算 また、中長期的な観点からは、 「JINUSHI ビジネス」の海外展開及び自社による「地主私募リート」の運用が新 たな収益源として寄与していくことが期待されている。 2017 年 3 月期第 1 四半期より連結子会社(議決権所有割合:72.08%)となるニューリアルプロパティ株式会社 は、ニューヨーク及びシドニーなどの主要海外拠点で不動産投資事業を展開しており、現在の海外での投資額は 2,000 百万円規模であるとされている。一方、同社の傘下となったことから、同社は、自社の人材・資金力を活 かして、将来に向けて、海外での投資額を 10,000 百万円∼50,000 百万円に引き上げていくことを計画している。 そもそも、ニューリアルプロパティ株式会社は、上述の海外主要拠点において、当該地域に所在する不動産の目 利きができる人的資産及び海外不動産の情報ネットワークを有していることから、これを活用して、 「JINUSHI ビジネス」の海外での展開を進めていくことが計画されている。 一方、 「地主私募リート」とは、 「JINUSHI ビジネス」の展開を通して組成された不動産投資商品に関して、自 社が運用主体となるスキームに言及したものである。即ち、現在の売却先である機関投資家などが創造している 付加価値を自社内に取り込むことを通して、従来以上に大きな付加価値を自社内で創造することが計画されてい る。 13 4.0 ビジネスモデル 「土地を買う。土地を貸す。貸した土地を売る。」 同社は、不動産投資事業、サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業、企画・仲介事業、以上の 3 事業を展開し てきているのだが、現状に至る経緯においては、JINUSHI ビジネス(「土地を買う。土地を貸す。貸した土地を 売る。」 )を展開する不動産投資事業が、圧倒的な収益源として確立されるに至っている。 売上高 20,000 (百万円) 不動産投資事業 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 15,000 企画・仲介事業 8,670 10,000 17,071 15,707 10,277 6,030 5,000 0 FY03/2012 FY03/2013 FY03/2014 FY03/2015 FY03/2016 セグメント利益 8,000 (百万円) 7,000 7,245 不動産投資事業 14 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 6,000 企画・仲介事業 5,000 4,318 4,000 3,000 2,000 1,950 983 891 FY03/2012 FY03/2013 1,000 0 FY03/2014 FY03/2015 FY03/2016 出所:会社データ、弊社計算 同社が標榜する「JINUSHI ビジネス」とは、同社が創出したフロー型の新しい不動産事業である。ここでは、 同社としては、経年により劣化していく建物を保有せず、売却する目的をもって土地だけが保有されている。ま た、同社が設定した事業用定期借地権を通して当該土地を賃貸借することに加えて、自ら建物を建てるテナント を事前に確保したうえで、土地を仕入れ、その「地主」となる一方、安定的な収益(土地の借地料)が発生する ようになった当該土地を、同社が組成した不動産投資商品として売却し、売却益を得るビジネスモデルが展開さ れている。 同社が土地を保有している期間においては、同社がテナントから土地の賃借料を受け取るのだが、不動産投資事 業において、売上高構成比 2%前後に過ぎないと推測される。即ち、各プロジェクトの売却額が、同社の業績推 移に対して圧倒的な影響力を及ぼす不動産投資事業において、売上高の 98%前後に相当する。 また、同社によれば、交通・通信・エネルギーなどと同様に、一種のインフラビジネスといえる「JINUSHI ビ ジネス」を行うことにより、最もリスクの低い不動産投資商品の組成及び提供が可能にならしめられているとの ことである。また、土地の仕入れに際しては、事前に、売却先もほぼ目途がたっているとのことである。 ビジネスモデル 「JINUSHI ビジネス」の 3 つの強み 15 出所:会社データ 現状に至る経緯において、 「JINUSHI ビジネス」が順調に拡大してきた背景には、同社が採用している独自のス キームの奏功が寄与していると考えられる。即ち、同社では、1つの案件に関して1人の担当者が、「土地を買 う。」、 「土地を貸す。」、 「貸した土地を売る。」 、以上のすべてを担っている。換言すれば、1人の担当者が、最終 的に自らが売却を担当する不動産投資商品に関して、当初の土地の仕入から組成までも同時に担当していること になる。 弊社が推測するところによれば、このスキームを通して、土地の仕入先、テナント、そして、売却先におけるそ れぞれの利害が最適に調整され、本来の意味とはやや異なるものの、概念的には、「三方良し」が具現化され、 社会貢献にもなっている模様である。だからこそ、今後に向けても大きな成長ポテンシャルがあると考えられる。 一方、そもそも、既存の経営基盤のうえで土地の仕入を拡大し、中長期的に事業規模の拡大を追及していくため には、資本の充実が不可欠である。2014 年 12 月 26 日、名古屋証券取引所 2 部からの指定替えを通して、東京 証券取引所 1 部への上場を果たした同社は、これと同時に新株を発行し、将来の成長に向けての資金(4,458 百 万円)を調達している。 自己資本、有利子負債、自己資本比率、ROE 40,000 30,000 40.8% 39.4% 36.7% 23.9% 21.9% 20,000 10,000 自己資本(百万円) 有利子負債(百万円) 自己資本比率(%) ROE(%) 4,197 1,465 1,191 1,176 50.0% 35.3% 34.9% 10.6% 36.0% 40.0% 30.0% 30.1% 23,464 20.0% 10.0% 16,834 13,529 0.0% 11,626 8,405 (10.0%) (20.0%) 2,166 (30.0%) 0 (40.0%) FY03/2012 FY03/2013 FY03/2014 FY03/2015 FY03/2016 出所:会社データ 2014 年 3 月期末から 2015 年 3 月期末に向けては、上述の資金調達があったことを 1 つの要因として、同社の 自己資本は大きく増加した(2,166 百万円→8,405 百万円)一方、自己資本比率が大きく上昇(10.6%→34.9%) している。もう 1 つの要因となったのは、高水準のROEが維持された(2015 年 3 月期:35.3%)ことである。 また、2016 年 3 月期に向けても高水準のROEが維持された(36.0%)ことから、2016 年 3 月期の期末の自己 資本は更に増強されている(11,626 百万円) 。 一方、土地の仕入が大きく増加したことから、2015 年 3 月期末から 2016 年 3 月期末に向けて、これに対応する かたちで有利子負債が大きく拡大(13,529 百万円→23,464 百万円)しており、自己資本比率は僅かながらも低 下(34.9%→30.1%)している。ただし、2016 年 3 月期末で、ネットデットエクイティ比率 98.1%であること に鑑みれば、一定の財務の安定を維持しつつ、更なるデットでの資金調達を進めることも可能であろう。 16 5.0 財務諸表 損益計算書 損益計算書 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結予想 通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比 03/2012 03/2013 03/2014 03/2015 03/2016 03/2017 純増減 9,973 6,572 10,828 16,252 17,378 25,900 +8,521 売上原価 8,638 5,369 8,556 11,599 9,951 - - 売上総利益 1,335 1,203 2,272 4,653 7,427 - - 588 672 832 1,105 1,471 - - 746 530 1,440 3,547 5,955 3,690 (2,265) (18) (68) (467) (560) (329) (1,290) (960) 728 462 973 2,987 5,626 2,400 (3,226) (1) 0 90 (14) (34) - - 税金等調整前純利益 726 463 1,063 2,972 5,591 - - 法人税等合計 335 148 385 1,078 1,988 - - (3) (2) 12 30 (3) - - ( 百万円) 売上高 販売費及び一般管理費 営業利益 営業外損益 経常利益 特別損益 非支配株主に帰属する純利益 純利益 393 317 666 1,863 3,605 4,400 +794 売上高伸び率 +773.9% (34.1%) +64.8% +50.1% +6.9% +49.0% - 営業利益伸び率 +134.4% (28.9%) +171.4% +146.3% +67.9% (38.0%) - 経常利益伸び率 +274.1% (36.5%) +110.6% +206.9% +88.3% (57.3%) - 純利益伸び率 +24.0% (19.2%) +109.7% +179.6% +93.5% +22.0% - 売上総利益率 13.4% 18.3% 21.0% 28.6% 42.7% - - 販管費売上高比率 5.9% 10.2% 7.7% 6.8% 8.5% - - 営業利益率 7.5% 8.1% 13.3% 21.8% 34.3% 14.2% (20.0%) 経常利益率 7.3% 7.0% 9.0% 18.4% 32.4% 9.3% (23.1%) 純利益率 法人税等合計 / 税金等調整前純利益 出所:会社データ、弊社計算 3.9% 4.8% 6.2% 11.5% 20.7% 17.0% (3.8%) 46.2% 32.0% 36.2% 36.3% 35.6% - - 17 報告セグメント 報告セグメント 連結実績 通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比 ( 百万円) 03/2012 8,670 03/2013 6,030 03/2014 10,277 03/2015 15,707 03/2016 17,071 03/2017 - 純増減 - 1,006 321 310 292 302 - - 297 220 240 252 3 - - 9,973 6,572 10,828 16,252 17,378 25,900 +8,521 不動産投資事業 - (30.4%) +70.4% +52.8% +8.7% - - サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 - (68.1%) (3.1%) (5.9%) +3.5% - - 企画・仲介事業 - (25.8%) +9.0% +4.9% (98.6%) - - 不動産投資事業 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 企画・仲介事業 売上高 売上高( 前年比) 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結予想 +773.9% (34.1%) +64.8% +50.1% +6.9% +49.0% - 不動産投資事業 86.9% 91.8% 94.9% 96.6% 98.2% - - サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 10.1% 4.9% 2.9% 1.8% 1.7% - - 3.0% 3.4% 2.2% 1.6% 0.0% - - 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% - 983 891 1,950 4,318 7,245 - - 57 83 66 48 71 - - 282 208 218 248 3 - - 企画・仲介事業 売上高( 構成比) 不動産投資事業 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 企画・仲介事業 セグメント利益 1,322 1,184 2,235 4,615 7,320 - 調整額 (576) (653) (795) (1,068) (1,364) - - 営業利益 746 530 1,440 3,547 5,955 3,690 (2,265) - 不動産投資事業 - (9.3%) +118.7% +121.4% +67.8% - サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 - +46.7% (20.3%) (27.0%) +46.1% - - 企画・仲介事業 - (26.2%) +5.0% +13.6% (98.6%) - - - (10.5%) +88.8% +106.4% +58.6% - - 74.3% 75.3% 87.2% 93.6% 99.0% - - セグメント利益( 前年比) 不動産投資事業 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 4.3% 7.1% 3.0% 1.1% 1.0% - - 21.4% 17.6% 9.8% 5.4% 0.0% - - 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% - - 11.3% 14.8% 19.0% 27.5% 42.4% - - 5.7% 26.1% 21.4% 16.6% 23.5% - - 企画・仲介事業 95.0% 94.5% 91.0% 98.7% 100.0% - - 調整額 (5.8%) (9.9%) (7.3%) (6.6%) (7.9%) - - 7.5% 8.1% 13.3% 21.8% 34.3% 14.2% (20.0%) 企画・仲介事業 セグメント利益( 構成比) 不動産投資事業 サブリース・賃貸借・ファンドフィー事業 営業利益率 出所:会社データ、弊社計算 18 貸借対照表 貸借対照表 連結実績 通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比 (百万円) 03/2012 1,482 03/2013 2,293 03/2014 3,055 03/2015 10,404 03/2016 12,062 03/2017 - 純増減 - 現金及び預金 連結実績 連結実績 連結実績 連結実績 連結予想 営業未収入金 1 1 8 - 4 - - 販売用不動産 930 3,593 16,682 12,640 22,610 - - その他 159 473 409 378 761 - - 流動資産 2,574 6,362 20,154 23,423 35,439 - - 有形固定資産 98 99 76 59 135 - - 無形固定資産 - - 1 1 7 - - 投資その他の資産合計 244 243 256 619 3,108 - - 固定資産 343 343 334 680 3,251 - - 資産合計 - 2,917 6,705 20,489 24,104 38,690 - 営業未払金 16 112 24 32 49 - - 短期借入金 112 494 1,210 5,982 2,965 - - その他 319 705 1,248 1,875 3,154 - - 流動負債 449 1,312 2,484 7,890 6,169 - - 1,025 3,656 15,575 7,512 20,470 - - 長期借入金 その他 194 217 197 190 349 - - 固定負債 1,220 3,874 15,772 7,702 20,820 - - 負債合計 1,670 5,187 18,256 15,593 26,989 - - 株主資本 1,190 1,463 2,163 8,410 11,697 - - 56 54 68 100 2 - - 純資産 1,247 1,518 2,232 8,510 11,700 - - 負債純資産合計 2,917 6,705 20,489 24,104 38,690 - - 自己資本 1,191 1,465 2,166 8,405 11,626 - - 有利子負債 1,176 4,197 16,834 13,529 23,464 - - ネットデット (305) 1,904 13,779 3,125 11,402 - - 40.8% 21.9% 10.6% 34.9% 30.1% - - その他調整項目 自己資本比率 ネットデットエクイティ比率 (25.7%) 130.0% 636.2% 37.2% 98.1% - ROE (12ヶ月) 39.4% 23.9% 36.7% 35.3% 36.0% - - ROA (12ヶ月) 18.0% 9.6% 7.2% 13.4% 17.9% - - 当座比率 330% 175% 123% 132% 196% - - 流動比率 572% 485% 811% 297% 574% - - 連結実績 連結実績 連結予想 出所:会社データ、弊社計算 キャッシュフロー計算書 キャッ シュ フロー計算書 連結実績 通期 通期 通期 通期 通期 通期 前年比 (百万円) 03/2012 3,762 03/2013 (2,144) 03/2014 (11,898) 03/2015 6,608 03/2016 (5,615) 03/2017 - 純増減 - 営業活動によるキャッシュフロー 投資活動によるキャッシュフロー 営業活動CF+投資活動C F 財務活動によるキャッシュフロー 出所:会社データ、弊社計算 連結実績 連結実績 (11) (13) (87) (328) (2,316) - - 3,751 (2,158) (11,986) 6,279 (7,932) - - (2,674) 2,954 12,655 1,088 9,584 - - 19 1 株当たりデータ 1株当たり データ ( 株式分割調整前) ( 円) 期末発行済株式数 (千株) 純利益 / EPS (千株) 期末自己株式数 (千株) 1株当たり純利益 (潜在株式調整後) 1株当たり純資産 1株当たり配当金 配当性向 1株当たり データ ( 株式分割調整後) ( 円) 株式分割ファクター 1株当たり純利益 1株当たり純資産 1株当たり配当金 出所:会社データ、弊社計算 連結実績 通期 03/2012 11 11 0 35,452.5 107,256.7 4,000.0 11.3% 連結実績 通期 03/2013 1,111 1,110 0 286.3 1,319.6 70.0 24.5% 連結実績 通期 03/2014 4,738 4,625 0 144.1 126.3 457.3 35.0 24.3% 連結実績 通期 03/2015 16,932 14,803 0 125.9 106.3 496.4 30.0 23.8% 連結実績 通期 03/2016 17,476 17,244 0 209.1 203.1 665.3 45.0 21.5% 連結予想 通期 03/2017 255.2 50.0 19.6% 前年比 純増減 - 連結実績 通期 03/2012 1,200 29.5 89.4 3.3 連結実績 通期 03/2013 12 23.9 110.0 5.8 連結実績 通期 03/2014 3 48.0 152.4 11.7 連結実績 通期 03/2015 1 125.9 496.4 30.0 連結実績 通期 03/2016 1 209.1 665.3 45.0 連結予想 通期 03/2017 1 255.2 50.0 前年比 純増減 - 20 6.0 その他の情報 「JINUSHI ビジネス」の創出と展開 2000 年 4 月 7 日、同社は、兼松都市開発株式会社で不動産業務に従事していた松岡哲也氏(1961 年生まれ)に よって設立されている。現代表取締役社長である松岡氏は、2016 年 3 月期末時点で、発行済株式数の 36.7%を 保有する筆頭株主である。また、かつて、兼松都市開発株式会社における松岡氏のもとで不動産業務に従事して いた人材が、設立以来、次第に同社に集結するようになった結果、彼らが現在の同社の経営陣の多くを占めるに 至っている。 設立当初においては、兼松都市開発株式会社からプロパティーマネジメント(PM)事業を引き継ぐかたちでの 事業が展開されていたのだが、これと同時に、松岡氏が創出した「JINUSHI ビジネス」の提案が開始されてい る。そもそも、この創出のきっかけとなったのは、兼松都市開発株式会社での勤務における松岡氏の経験である。 旧来からのストック型のビジネスモデルに基づいて、テナントの仕様で建てられた建物を自社で保有することを 通して賃料を得ていたのだが、往時の大手小売業者であったテナントの運営会社が経営破綻したことを受けて、 見込まれていた賃料の受取が途絶えてしまったことがあるとのことである。また、これを代替する新たなテナン トを探すことができたものの、旧テナント仕様の建物であったため、賃料が低くならざるを得なかったとのこと である。 2005 年 5 月、上述にあるようなリスクを低減した、フロー型の「JINUSHI ビジネス」を展開する不動産投資事 業を開始した同社は、現状に至る経緯における事業展開において、相当に高い収益性を生み出すビジネスモデル を確立している一方、将来に向けて大きな成長ポテンシャルがあるとされている。 また、松岡氏は、2014 年 12 月 26 日の同社の東証 1 部上場は、同社にとってのゴールや目標達成ではなく、あ くまでも「通過点」であると考えている。また、早くから個人商店的な経営からの脱皮を図っていたためか、同 社においては、松岡氏を含むすべての役職員に関して、その親族の入社(縁故入社)が禁じられている。 従って、松岡氏が、親族による事業継承を目的として大量の株式を保有し続ける必要がないため、むしろ、同社 の公共性、社会性に加えて株式の流動性を高めることを目的として、保有株式を放出していく姿勢が明らかにさ れており、また、これが実行されてきた。 同社は、個人投資家、内外の機関投資家といった各層の投資家層を対象に積極的なIR活動を展開してきている が、特に、内外の機関投資家における「JINUSHI ビジネス」の理解を深めることに注力を続けていき、これを もって、同社の株式の長期保有を促していきたいとしている。 21 沿革 年月 2000 年 4 月 事項 商業施設の企画、開発、運営及び管理事業を主な目的として、 大阪市中央区に当社(資本金 12,100 千円)を設立 企画・開発及び運営・管理業務を開始、 これと同時に「JINUSHI ビジネス」の提案を始める 2001 年 1 月 東京事務所(現東京支店)を開設 2001 年 10 月 宅地建物取引業免許取得 2003 年 11 月 金融機関より不動産物件をバルクで購入し不動産投資事業を開始 2004 年 9 月 不動産流動化のアレンジャー業務の取り組みにおいて、 「JINUSHI ビジネス」を開始 駐車場施設に係るサブリース事業を開始 2005 年 5 月 「JINUSHI ビジネス」を用いた不動産投資事業を開始 2007 年 1 月 名古屋事務所を開設 2007 年 2 月 信託受益権販売業(現第二種金融商品取引業)登録 2007 年 11 月 名古屋証券取引所セントレックスに株式を上場 2008 年 1 月 株式会社長谷工コーポレーションと共同出資により、 「JINUSHI ビジネス」を基本戦略にした新日本商業開発株式会社(資本金 80,000 千円)を 設立 2008 年 3 月 投資助言・代理業登録 2008 年 9 月 本社を現在地に移転 2010 年 8 月 一級建築士事務所登録 2012 年 3 月 不動産私募ファンド「JINUSHI ファンド」に係る業務を開始 2013 年 4 月 名古屋証券取引所市場第二部に市場変更 2013 年 6 月 100%出資の子会社株式会社 J(資本金 10,000 千円)を設立 2014 年 12 月 東京証券取引所市場第 1 部に上場、及び名古屋証券取引所市場第 1 部に指定 Disclaimer ここでの情報は、ウォールデンリサーチジャパンが当該事業会社の発信する「IR情報」を中立的かつ専門的な 立場から要約して、レポート形式にまとめたものである。「IR情報」とは、すなわち当該事業会社に係る①弊 社との個別取材の内容、②機関投資家向け説明会の内容、③適時開示情報、④ホームページの内容等である。 商号: 株式会社ウォールデンリサーチジャパン 本店所在地: 〒104-0032 東京都中央区八丁堀 4-12-4-1110 クイーンズパレス東京中央 URL: www.walden.co.jp E-mail: [email protected] 電話番号:03 (3553) 3769 Copyright 2016 Walden Research Japan Incorporated 22
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