米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次会議 2016

欧州胸部腫瘍プラットフォームと
共同で作成
米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次会議
2016
2016年6月3~7日
米国シカゴ
Eli Lilly and Companyが支援を提供。
Eli Lilly and Companyは、この公表物の内容に影響を及ぼしていない。
Rolf Stahel教授からの書簡
会員各位
今回、このETOPスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2016年に
開催された主要な学会で発表された、胸部癌に関する重要な所見に焦点を合わせて概要を示すことを目
的としています。このスライドは特に
米国臨床腫瘍学会(ASCO)2016 第52回年次会議に重点を置いており、英語、フランス語、中国語、
日本語の4カ国語でご利用いただけます。
腫瘍学における臨床研究の分野は、絶えず変化し続ける、厳しい環境下にあります。そうした環境下にお
いて、我々は皆、科学者、臨床医および教育者としての役割において、知識の深化を促進し、さらなる進
歩の契機をもたらしてくれる、科学的なデータや研究所見の入手の機会を貴重なものであると考えています。
胸部癌の領域における最新情報に関する今回のレビューが、皆さまの臨床診療にとって有益なものとなるこ
とを期待しています。本件につきましてご意見・ご感想などございましたら、是非お聞かせ下さい。ご意見ご
質問は[email protected]にお送りください。
ETOP会員のEnriqueta Felip、Francoise Mornex、Solange PetersおよびMartin Reck博士には編
集者として、抄録の優先順位決定、スライド内容のレビューに大変ご尽力いただいたことにお礼を申し上げ
ます。このスライドセットは彼等の取り組みと努力なしには実現不可能でした。
最後に、このような複雑であるがやりがいのある活動の実現に際し、資金、運営管理および物流管理の面
においてご支援いただいたLilly Oncology社様に心より御礼申し上げます。
敬具
ETOP基金評議会会長
Rolf Stahel
ETOP腫瘍内科研究スライドデッキ編集者(2016年)
重点分野:バイオマーカー(全ステージ)
Enriqueta Felip博士
スペイン、バルセロナ、バルデブロン大学病院、腫瘍科
重点分野:早期および局所進行NSCLC(ステージI~III)
Francoise Mornex博士
フランス、ピエール・ベニット、リヨン・シュッド病院センター、放射線腫瘍学科
重点分野:進行NSCLC(根治治療不能のステージIII & ステージIV)
Solange Peters博士
スイス、ローザンヌ、ローザンヌがんセンター、集学的腫瘍学センター
重点分野:他の悪性腫瘍、SCLC、中皮腫、まれな腫瘍
Martin Reck博士
ドイツ、グロスハンスドルフ、グロスハンスドルフ病院、胸部腫瘍学部
目次
• バイオマーカーとスクリーニング
• 早期および局所進行NSCLC - ステージI、II、III
• 進行NSCLC - 根治治療不能のステージIII & ステージIV
– 第一選択
– 第二選択以降
• 他の悪性腫瘍
– SCLCおよび中皮腫
– まれな腫瘍
– 脳転移
バイオマーカーとスクリーニング
8541: 切除可能な非小細胞肺癌(NSCLC)における次世代シーケンシング(NGS):治療の可能性
– Rusch V et al
• 研究の目的
– 切除可能なNSCLCに関し、臨床試験への参加および試験デザインの向上を目標に、分子プロファイリ
ングデータの役割について検討すること
• 方法
– 患者119例から採取された腫瘍123個より得られた切除可能なNSCLCに関する前向きゲノム解析
– 多重NGS解析を用いて塩基置換、短い挿入・欠失(indel)、コピー数変化を検出するとともに、341
個(v1)または410個(v2)の癌関連遺伝子と関連を持つ遺伝子再構成を選定した
– 変異頻度を組織学的(腺癌または扁平上皮細胞)に要約した
– 腺癌をさらに、予後[良好(肺胞置換性、微小浸潤腺癌(MIA))、中程度(腺房、乳頭)、不良(微
小乳頭状、充実性)]別に組織学的優位性で分類した
• 主な結果
– 患者の年齢中央値は67.8歳で、女性67%、白人81%、喫煙経験者76%、 ステージI/II 84%であっ
た。
– 腺癌例のうち59%に多重変異を認め、EGFR+TP53およびKRAS+STK11が優勢であった(次のスラ
イドの表を参照)
MIA:微小浸潤腺癌
Rusch et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8541
8541: 切除可能な非小細胞肺癌(NSCLC)における次世代シーケンシング(NGS):治療上の意義
– Rusch V et al
• 主要な結果(続き)
–
変異、
n (%)
This
腺癌の組織学的優位性
全て* (n=102、83%)
良好(n=14; 14%)
中程度 (n=59、58%)
不良(n=26、26%)
扁平上皮(SCC)
(n=12、10%)
EGFR
28 (28)
3 (21)
22 (37)
3 (12)
1**
KRAS
45 (44)
6 (43)
25 (42)
13 (50)
1
ALK
3
0
0
2
0
ROS1
3
1
1
0
0
BRAF
8
3
3
2
0
RET
5
1
1
3
0
MET exon 14
3
1
0
2
0
METその他
6
0
3
3
0
TP53
42 (41)
3 (21)
25 (42)
13 (50)
10
STK11
22 (22)
1 (7.1)
14 (24)
6 (23)
1
Rb1
5
1
2
1
1
PTEN
1
1
0
0
1
P1K3CA
8
1
5
2
1
• 結論
–
切除可能なNSCLCにおいては標的となりうる複数の変異がこのように高い頻度で発生していることを利用すれば、患
者にとって適切なアジュバント療法が実施される臨床試験に患者を参加させることができると考えられる
データにはカルチノイド、SCLC、多形性腫瘍(n=9)は含まれない。
*組織学的優位性について入手できず(n=3)。**増幅。
ERBB2はいずれの標本からも検出されず
Rusch et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8541
9017: 肺癌(LC)における総変異量(TMB)およびPD-1/PD-L1標的治療に対する反応との関係
– Spigel D et al
• 研究の目的
– 扁平上皮型および非扁平上皮型のNSCLCにおける総変異量(TMB)を評価すること
• 方法
– 包括的ゲノムプロファイリング(CGP)を、臨床診療の過程でFFPE標本を用いて実施した
– 肺癌の組織型は腺癌(n=7,925)、SCC(n=1,324)、NSCLC NOS(n=1,773)およびSCLC
(n=640)であった
– TMB(変異/Mb)について、ゲノム1Mbあたりの体細胞、コーディング、塩基置換およびindelの変異
数として評価した
– 肺癌での分布上位1/4を高TMB群として分類した
– マイクロサテライトの状態を、コンピュータ・アルゴリズムを使用して、安定または不安定として分類した
Spigel et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9017
9017: 肺癌(LC)における総変異量(TMB)およびPD-1/PD-L1標的治療に対する反応との関係
– Spigel D et al
•
主な結果
– TMBは全ての肺癌組織型で同様(9.1~11.3)であり、データベース内の60,000超の全標本のTMB平均値(7.3)よ
りも高かった。
– TMBは、BRAF/KRAS変異腫瘍を除き、既知のドライバーを保有する肺癌例で一貫して低かった
– マイクロサテライト不安定性を肺癌例の0.4%に認め、TMB高値との強い相関が示された
TMB別症例、%
100
80
60
高TMB
低TMB
40
2%
0
• 結論
–
–
TMBは組織型による差異を示さず、発癌ドライバーが確認された肺癌組織型のほとんどでは有意に減少していたもの
の、KRAS/BRAF変異例では認められなかった
マイクロサテライト不安定性にはTMB高値と強い相関が認められた
Spigel et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9017
9021: MET exon 14変異を有する様々な組織型の肺癌298例の包括的ゲノムプロファイリング
– Ou S-H et al
• 研究の目的
– MET exon 14スキッピング(METex14)変異を示す肺癌標本のゲノムプロファイリングを実施すること
• 方法
– ハイブリッドキャプチャー法による包括的ゲノムプロファイリング(CGP)を、臨床診療の過程でFFPE肺
癌標本11,205個を用いて実施した
• 主な結果
– METex14変異を、検討した全肺癌標本の2.7%で特定した
– このうち組織型として最も多く見られたものは腺扁平上皮型(8.2%)および肉腫様型(7.7%)であった
– 多様なMETex14スキッピング変異を認めた腺癌患者全8例とも、クリゾチニブの投与後には臨床的効
果を示した(CR 2例、PR 4例)
• 結論
– METex14変異は重度のNSCLC患者全例で特定されたが、組織型が腺扁平上皮型または肉腫様
型の場合に最も多くみられた
– NSCLC患者においては、METex14変異を特定してMET TKI治療からの恩恵が得られるよう、
ハイブリッドキャプチャー法によるCGPを実施すべきである
Ou et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9021
11510: 肺腺癌(LUCA)における拡大遺伝子検査が生存率に及ぼす影響:肺癌遺伝子変異コンソーシア
ムII(LCMC II)による検討 – Asisner D et al
• 研究の目的
– 多施設共同で肺腺癌(LUCA)におけるより広範な遺伝子に関する検査の頻度および臨床的影響を
評価すること
• 試験デザイン
– 肺癌遺伝子変異コンソーシアムIIには16施設が参加し、中央でLUCAと確認され、ECOGのPSスコ
アが0~2で、腫瘍組織が入手可能かつ同意が得られたステージIVの患者1,315例が登録された
– 8つの遺伝子(AKT1、BRAF、EGFR、ERBB2、KRAS、MEK1、NRAS、PIK3CA)における最低
97の対立遺伝子パネルについて検査を実施するとともに、免疫組織化学検査(IHC)を実施してALK、
ROS1、RET RRおよびMETの増幅(AMP)、ならびにMETおよびPTENの発現(EXP)を評価した
– 一部の例では次世代シーケンシングも用いられた
• 主な結果
– 分子データを患者878例より入手し、875例を対象に遺伝子型判定を実施した
– 遺伝子型判定を実施した群における変異頻度の検出結果: EGFR(16%)、KRAS(27%)、ALK
(4%)、BRAF V600E(3%)、ERBB2(2%)
– IHCアッセイでは、MET発現およびPTEN欠失を評価対象例の59%と15%に認めた
Asisner et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 11510
11510: 肺腺癌(LUCA)における拡大遺伝子検査による生存率への有効性:肺癌遺伝子変異コンソーシア
ムII(LCMC II)による検討 – Asisner D et al
•
主要な結果(続き)
– 以下の患者では予後が悪化する可能性がある。
– EGFR変異に対する標的治療におけるTP53変異
– 標的治療非施行の非喫煙者におけるKRAS変異
標的治療によるEGFR感作性変異
1.0
TP53変異なし
1.0
KRAS変異なし
0.8
0.8
0.6
0.6
0.4
生存率
生存率
標的治療非施行の非喫煙者
TP53変異あり
0.2
0.4
KRAS変異
あり
0.2
p=0.02
p=0.011
0.0
0
1
2
経過時間、年
•
3
0.0
0
1
経過時間、年
2
3
結論
– 拡張分子検査および関連する標的治療の実施が、肺腺癌において生存率を向上させる
Asisner et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 11510
早期・局所進行NSCLC
ステージI、II、III
8508: 米国グループ共同治験に参加したステージIII非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する化学・放射線
併用療法(CCRT)の統合解析:高齢患者と非高齢患者の転帰比較 – Stinchcombe T et al
• 研究の目的
– ステージIII非小細胞肺癌(NSCLC)を有する高齢患者と非高齢患者におけるCCRTの転帰を比較解
析すること
• 方法
– 米国共同グループにおける臨床試験15件より得られたステージIIIA/B患者3,070例の解析
– 70歳以上(n=733)および70歳未満(n=2,337)の患者を対象としたOS、PFS、AEの比較
• 主な結果
– OSは高齢患者で有意に悪化した[HR 1.18(95%CI 1.08, 1.29)、p=0.0006]
– PFSには年齢差を認めなかった[HR 1.05(95%CI 0.96、1.14)、p=0.41]
– 非高齢患者と比較して、高齢患者ではグレード3以上のAEの発現を高率に認めた
[OR 1.23(95%CI 0.97、1.56)]
– グレード5のAEは高齢患者でより多く見られたが(7.6% vs 非高齢者3.8%、p<0.05)、治療関連死
亡には差異を認めなかった
• 結論
– 非高齢患者と比較して、高齢患者ではOSが有意に悪化するが、PFSは同様であった
– グレード3および5のAEは高齢患者でより頻発していたものの、治療に起因する死亡の割合は同程度で
あった
Stinchcombe et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8508
8510: 手術可能な局所進行(ステージIIIa、N2+)非小細胞肺癌(LANSCLC)患者における、パニツムマブ
(P)併用下/非併用下での術前化学放射線療法(CRT)および後続の地固め化学療法(C)を検討する
第II相無作為化試験 NRG Oncology/RTOG 0839試験 – Edelman M et al
• 研究の目的
– 局所進行NSCLC患者を対象に、パニツムマブを追加投与した導入化学放射線療法後に手術(切除
可能な場合)ならびに地固め化学療法を実施した際の有効性および安全性を検討すること
• 方法
– 導入化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)+放射線療法(計60 Gy)の併用療法に、6週間のパニ
ツムマブ(2.5 mg/kg/週)投与を受ける群と受けない群に患者を無作為化した
– 縦隔について、切除前または切除時に病理学的に再評価したのち、地固め化学療法(パクリタキセル+
カルボプラチン)を実施した
• 主な結果
– 患者61例を解析対象とした
– グレード4および5のAEはそれぞれ、化学放射線療法のみの群で13.6%と0%、パニツムマブ追加群では
15.4%と7.7%に発生を認めた
– 縦隔リンパ節の殺菌率は、化学放射線療法群で68.2%、化学放射線療法+パニツムマブ群で48.7%
であった(p=0.96)
• 結論
– 化学放射線療法へのパニツムマブの追加投与による縦隔リンパ節の殺菌率の改善は認められなかった
– パニツムマブとの関連性は不明であるものの、パニツムマブ追加群では死亡率が予想外に高かった
Edelman et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8510
8538: 第II相無作為化試験(RENO):局所進行NSCLC(LA-NSCLC)に対する化学放射線療法におい
てシスプラチン併用下でビノレルビンまたはエトポシドを経口投与した際の有効性評価結果。SLCG 10/02
– Provencio M et al
• 研究の目的
– 局所進行NSCLCに対する化学放射線治療において、シスプラチンとの併用下でビノレルビンまたはエト
ポシドを経口投与した際の有効性および安全性を評価すること
• 方法
– 局所進行NSCLC患者を対象とした第II相非盲検2群無作為化試験
• A群:シスプラチン80 mg/m2 D1 + ビノレルビン80 mg/m2 D1、8(2サイクル)後、シスプラチン80
mg/m2 D1 + ビノレルビン40 mg/m2 D1、D8 + 放射線療法(2サイクル)
• B群:シスプラチン50 mg/m2 D1、8、29、36 + エトポシド50 mg/m2 D1~5、29~33 + 放射線療
法
– 主要エンドポイントはPFS、副次的エンドポイントはORRおよびOSとした
• 主な結果
– PFSの中央値は両群間で同様であった(A群11.4ヶ月、B群11.8ヶ月、p=0.37)
– グレード3/4のAEには食道炎、貧血、好中球減少症、血小板減少症、肺炎および敗血症を認め、A
群よりもB群で頻発した。
• 結論
– シスプラチン併用下でビノレルビンを経口投与した時には、エトポシドよりも優れた安全性プロファイルを
示した
– 有効性については群間差を認めなかった
Provencio et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8538
8542: 治療までの期間が非小細胞肺癌の生存に及ぼす影響 – Anggondowati T et al
• 研究の目的
•
•
•
– NSCLC患者において、治療までの期間がOSに及ぼす影響を検討する
方法
– 2003年~2011年の間にNSCLCと診断された患者(n=693,554)を米国癌データベースを用いて特定した
– 治療までの期間は診断から治療開始までの期間と定義し、0日、0.1~4週間(基準範囲)、4.1~6週間、6週間超
に分類した
主な結果
– 約43%の患者が診断から4週間経過後に治療を開始し、25%で待機時間が6週間を上回った
– 36ヶ月以上生存した早期(I/II)患者において、治療開始を4.1~6.0週間待機した群(HR 1.06、95%CI 1.03、
1.10)および6週間を越えて待機した群(HR 1.18、95%CI 1.15、1.22)での死亡リスクが、0.1~4.0週間待機した
群と比較して高かった。
– 治療までの期間が短いことによる生存率への恩恵は、生存期間が12ヶ月未満の場合、およびステージIVの場合には
認められなかった
結論
– 早期NSCLCが迅速に治療された場合には、生存率が改善される可能性がある
– 個々の患者が耐えられる治療までの期間を予測できる患者背景を特定するよう、今後さらに研究を進める必要がある
Anggondowati et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8542
8545: ステージIII非小細胞肺癌における化学放射線療法中の照射野縮小法の実施に関する後ろ向き研究
– Han S et al
• 研究の目的
– ステージIIIのNSCLCにおいて、化学放射線療法中の完全/部分奏効後の照射野縮小法の実行可
能性を検討すること
• 方法
– 化学放射線療法(手術非施行、2009年9月~2014年11月)に対し良好な奏効率が得られたステー
ジIIIのNSCLC患者97例を対象とした後ろ向き研究
– 40~50 Gyを照射後、コンピュータ断層撮影を実施して有効性を評価した
• 主な結果
– 総線量で60.0 Gy(中央値、範囲50.0~70.0 Gy)を照射後に完全/部分奏効を得た患者97例の
うち、50例に照射野縮小法を実施した(投与計画間での計画標的体積(PTV)の縮小中央値:
184.2 cm3、範囲28.1~449.7 cm3)。原発巣の肉眼的腫瘍体積(GTV)(116.8 vs 102.9 cm3)お
よび原発巣のPTV(493.0 vs 458.0 cm3)の中央値は、照射野縮小法施行群で未施行群よりも高
かった。 照射野縮小法施行群では、二次性PTV(p=0.168、マンホイットニー検定)に対する線量およ
び60.0 Gy以上の線量率(70% vs. 61.7%、p=0.389)がより高くなる傾向が示された
• 結論
– 化学放射線療法中に良好な奏効を得たNSCLC患者における照射野縮小法は、毒性が軽度かつ病
勢進行の発生率が低度で安全に実施できると考えられ、特に大きな腫瘍を有する患者に対しては、正
常組織を保護しながら用量を漸増できる可能性がある
Han et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8545
8547: 非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるリンパ節(LN)検査の非実施および全生存(OS)
– Jemal A et al
• 研究の目的
– リンパ節検査が未実施の患者に対し、術後アジュバント療法が生存率に及ぼす影響を検討すること
• 方法
– 米国癌データベースより得られたステージI~IIIAのNSCLC患者97,794例を対象とした後ろ向き解析
– リンパ節の病理学的状態および生存による解析
• 主な結果
– 79.5%がリンパ節転移陰性(pN0)で、14.6%がリンパ節転移(pN1)を有し、5.9%がリンパ節検査を
受けていなかった(pNx)
– pNX例のうち77%が区域切除術歴を、またpN0例のうち87%およびpN1例のうち95%が肺葉/肺葉
以上の切除歴を有していた
– 5年OS率は、65%(pN0) vs 47%(pNX) vs 44%(pN1)であった(ログランク検定p<0.0001)
– 腫瘍サイズが4 cm以下のpNX患者では、アジュバント化学療法および放射線療法を実施することで、
全死因死亡のリスクが増加した
• 結論
– リンパ節検査が未実施のNSCLC患者は、区域切除術を受けていた確率が高かった
– これらの患者の生存率はリンパ節検査を実施した例よりも低く、アジュバント療法では改善されなかった
Jemal et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8547
8548: 手術可能なNSCLC患者におけるPET/CT体積予測指標の予測値 – Liu H et al
• 研究の目的
– 手術可能なNSCLC患者において、PET/CTによる体積予測ステージングシステム(PVP指標)の予測
値を示すこと
• 方法
– 2004年~2015年に新たにNSCLCと診断された手術可能な患者377例の後ろ向き評価
– 臨床TNM分類、初回PET MTVWB、ならびに長期生存に関するデータを収集した
• 主な結果
– 患者117例を用いてPVPのモデル化を実施した
– PVP指標が低い場合にはOSが有意に良好であった(p<0.001)
– PVP指標はTNM分類よりも高い識別力を有する
– 年齢、性別、一般状態、治療内容、腫瘍組織像で調整後のPVP指標のHRは、2.09と1.31であった
(p<0.001)
• 結論
– PVP指標は現行のTNM分類と比較して同等の性能を示すとともに、手術可能なNSCLC患者の予後
に関する情報量はより豊富である可能性がある
– 臨床試験でPVP指標を用いることで、試験内容をより明確にすることができるとともに、患者集団のより
適切な管理につながると考えられる
Liu et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8548
8549: 臨床ステージIAの非小細胞肺癌に対する肺葉切除の至適実施時期 – Yang C-F et al
• 研究の目的
– 臨床ステージIAのNSCLC患者において、診断から肺葉切除までの期間が長引くことによる生存への影
響を検討すること
• 方法
– 米国癌データベース(2006年~2011年)から特定された、臨床ステージIAのNSCLCに対する一次療
法として肺葉切除を受けた患者16,861例に関する後ろ向き解析
– 「早期」手術は診断後1~36日以内、 「晩期」手術は37日以上として定義された
• 主な結果
– 手術待機時間が増加した患者は、高齢、黒人で、より多くの併存疾患を有し、保険に未加入で、低
所得、また教育水準が低い可能性が高かった
– 手術遅延例では5年OSの悪化を認めた(晩期手術群59.9% vs 早期手術群65.5%、p<0.001)
– 多変量解析では、手術待機時間が37日を上回った場合、死亡リスクが増加していた(HR 1.11)
• 結論
– 早期NSCLC患者では、手術までの時間が短いほど生存率が改善する
– 可能であれば、診断後少なくとも5週間以内に外科的切除を実施すべきである
Yang et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8549
8550: ステージIIIA-N2 NSCLCにおける集学的治療:治療法の選択および生存率の関連因子
– Brandmaier A et al
• 研究の目的
– ステージIIIA-N2 NSCLC患者における治療パターン、様々な治療レジメンによる転帰、ならびに関連す
る社会経済的および臨床病理学的因子について評価すること
• 方法
– 2004年~2013年の米国癌データベースにおいて特定されたステージIIIA-N2 NSCLC患者28,147例
を対象とした後ろ向き解析
– 以下の4つの治療群を評価した…根治的化学放射線療法(CR)、ネオアジュバント化学放射線療法
後手術(CRS)、ネオアジュバント化学療法後手術(CS)、手術+/-アジュバント療法(SA)
– 臨床病理学的因子および治療の順序がOSに及ぼす影響について、データを解析した
• 主な結果
– 治療コースの実施頻度は、CRが70.8%、CRSが8.8%、CSが3.9%、SAが16.5%であった
– CRSまたはCS実施群ではOSの改善が認められた(HR 0.8、p<0.0001)
• 結論
– ステージIIIA-N2 NSCLC患者の大半がCRを受けていた
– ネオアジュバント療法後に手術を実施した患者では、年齢および併存疾患指数について調整した場合
を含み、OSの改善を認めた
Brandmaier et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8550
8500: 局所進行非小細胞肺癌に対する強度変調放射線治療と受動散乱法による陽子線治療を比較す
る、ベイズ法による無作為化試験 – Liao Z et al
•
研究の目的
– ベイズ法を用いた無作為化試験において、局所進行NSCLCを対象に強度変調放射線治療
(IMRT)または3D陽子線治療(3DPT)を化学療法併用下で実施し、治療無効の割合および治療
無効までの時間を比較検討すること
IMRTによる治療(n=92)
IMRT
(n=105)
主要な患者選択基準
• ステージII~IIIB、IVの
NSCLC
• インフォームド・コンセント
(n=274)
3DPT推奨(n=6)
治験実施計画書不適合(n=7、保険拒否3件)
無作為化
(n=181)
3DPTによる治療(n=57)
3DPT
(n=76)
3DPT保険拒否、IMRT施行(n=15)
治験実施計画書不適合(n=4)
主要エンドポイント
• 治験実施計画書無効:グレード3以上の放射線肺臓炎(RP)、IMRT = 15%および3DPT = 5%のいず
れか
• 局所再発:IMRT = 3DPT、6ヶ月時点で15%、12ヶ月時点で25%
Liao et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8500
8500: 局所進行非小細胞肺癌に対する強度変調放射線治療と受動散乱法による陽子線治療を比較す
る、ベイズ法による無作為化試験 – Liao Z et al
• 主な結果
– 3DPT群では標的体積がより大きかったこと(p=0.071)、IMRT群よりも多くの例で腫瘍に対して高用
量が投与されていたこと、またより大きな肺容量を有し、投与線量が30~80 Gy(V30~80)以上であっ
たことを除き、ベースラインの患者背景は群間で均衡していた
治験実施計画書無効 (RP グレード3
以上)
IMRT 6.5%
3DPT 10.5%
12ヶ月時点での局所再発
IMRT = 3DPT 10.7%
– 3DPT群では、心臓照射線量の平均値がIMRTと比較して有意に低かった(p<0.01)
– RPまでの時間の中央値には有意差を認めなかった(全体4.3ヶ月、IMRT群
4.5ヶ月、3DPT群4.0ヶ月、p=0.15)
– 治療法に基づく解析では、OSは群間で近似していた(全体28.3ヶ月、IMRT群
29.3ヶ月、3DPT群26.1ヶ月、p=0.27)
Liao et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8500
8500: 局所進行非小細胞肺癌に対する強度変調放射線治療と受動散乱法による陽子線治療を比較す
る、ベイズ法による無作為化試験 – Liao Z et al
• 主要な結果(続き)
– 正常組織の平均照射量の比較により、有意差が示された
構造
3DPT (cm3)
IMRT (cm3)
平均差、%
P値
90% IRVNT
879.6
696.8
20.1
0.01
80% IRVNT
1108.6
966.84
12.8
0.05
50% IRVNT
2177.9
2205.1
-1.25
0.49
20% IRVNT
4565
4429.17
2.98
0.298
5% IRVNT
6252
8058
-28.9
0.00029
iGTVall
154
127.7
17.1
0.156
• 結論
– 同一の処方線量に対し、IMRTと3DPTによる治療前比較計画が標準線量の制約を満たす場合には、
IMRTと3DPTの間に差異を認めなかった
– 3DPTでは心筋への有意な血流再分配を認め、肺の照射容量がより大きく線量も高かった
Liao et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8500
8501: 米国癌データベースによる、非小細胞肺癌(NSCLC)における陽子放射線療法と光子放射線療法
の比較解析 – Behera M et al
• 研究の目的
– NSCLC患者において、陽子(PRT)と光子(PHT)放射線療法の有効性を比較検討すること
• 方法
– 2004年~2012年の間に胸部放射線療法を実施したステージI~IVのNSCLC患者を米国癌データ
ベースで特定した
– OSをPRTおよびPHTによる放射線療法の実施中に比較した
– ロジスティック回帰モデルを用いて、陽子放射線療法の関連予測因子を決定し、カプランマイヤー法を
用いて、生存転帰を比較した
• 主な結果
– 計140,383例の患者(年齢中央値68歳、男性57%)が特定され、99.8%がPHTによる放射線療法
を受けていた[348例(0.2%)がPRT療法を受けていた]
– PRTの予測因子:
• 地域のセンター vs 大学病院(OR 0.2、p<0.001)
• ステージIV疾患 vs 早期疾患(OR 0.35、p<0.001)
• 民間保険 vs 公的保険(OR 0.73、p=0.02)
Behera et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8501
8501: 米国癌データベースによる、非小細胞肺癌(NSCLC)における陽子放射線療法と光子放射線療法
の比較解析 – Behera M et al
• 主要な結果(続き)
– 多変量解析では、PRTと比較して、PHTでの死亡リスクの増加が示された(HR 1.46、p<0.001)
• 傾向スコアマッチ解析でPHTとPRTを比較すると、5年OSは14%と23%、生存期間の中央値は
13.5ヶ月と18.4ヶ月であった(p<0.02)
– ステージII/IIIの患者では、PRTと比較して、PHTでの死亡リスクが増加した(多変量HR 1.35、
p<0.003)
• ステージII/IIの患者におけるPHTとPRTの比較では、5年OSは15%と22%、生存期間の中央値は
13.4ヶ月と17.4ヶ月であった(ログランク検定p=0.019)
• 結論
– 本後ろ向きデータベース解析では、陽子線による胸部放射線療法よって、ステージII/IIIのNSCLC患者
における生存期間の向上が示された
– 第III相無作為化試験(NRG Oncology 1308)が進行中であり、ステージIIIのNSCLC患者を対象に、
化学療法とPRTを実施した時に、化学療法とPHTを実施した時よりも生存期間を改善させるかどうか
が評価される
Behera et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8501
進行NSCLC
根治治療不能のステージIIIおよびIV
第一選択
9026: ペムブロリズマブ(pembro)のKEYNOTE-001試験に登録された進行NSCLC患者の長期OS
– Hui R et al
• 研究の目的
– KEYNOTE-001試験に登録された、未治療および治療歴のある進行性NSCLC患者を対象に、長
期OSに関する最新データを示すこと
• 方法
– KEYNOTE-001試験は、未治療および治療歴のある黒色腫およびNSCLC患者を対象に、ペンブロ
リズマブの単剤療法(2 mg/kg q3w、10 mg/kg q3wまたは10 mg/kg q2w)を検討する第Ib相試験
である
• 主な結果
– 2015年9月18日時点で、追跡調査期間の中央値は23.1ヶ月(未治療群22.1ヶ月、治療歴あり群
10.6ヶ月)であった
– 未治療群および治療歴あり群において、18ヶ月OS率はそれぞれ58.1%と36.6%、24ヶ月OS率はそ
れぞれ44.5%と30.4%であった
– OSはPD-L1腫瘍比率スコア(TPS)の増加に伴い増加した
• 結論
– ペムブロリズマブは、未治療および治療歴のあるPD-L1陽性のNSCLC患者の長期OSに有効である
– PD-L1の発現増加は生存率の改善に関連していた
– これらのデータは、KEYNOTE-010試験から得られたデータとともに、PD-L1陽性(TPS≥1%)の
NSCLC患者において、PD-L1がペムブロリズマブの効果予測バイオマーカーであること、またペムブロリ
ズマブが有用であることを示した
Hui et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9026
9044: T790Mを有する進行非小細胞肺癌(NSCLC)において第3世代EGFR変異選択的チロシンキナー
ゼ阻害剤(TKI)EGF816を検討する第I相試験の最新の結果 – Tan D et al
• 研究の目的
– EGFR変異を認める局所進行/転移性NSCLCにおいて、単剤投与としてのEGF816の最大耐用量
(MTD)および第II相試験での推奨用量を決定すること
• 方法
– 第I相用量漸増試験において、カプセル剤での6段階の用量のうち1つ(75~350 mg)または錠剤での5
段階の用量のうち1つ(100~225 mg)で、EGF816の1日1回投与を受ける群に患者を割り付け
た
– 患者152例を登録した
• 主な結果
– 2016年1月29日のデータカットオフ時点で、全患者のうち約半数が治験薬の投与を継続している(曝露
期間の中央値29.7週間)
– 治験薬投与との関連が疑われたAEで最も多くみられたものは、発疹(全患者の53.9%)および下痢
(36.8%)であり、用量との関連が認められた
– 全用量段階で推定mPFSは9.7ヶ月、ORRは46.9%、DCRは87.1%であった
• 結論
– EGF816は概して良好な忍容性を示し、投薬関連AEのグレードは低度であった
– 評価可能な全患者のうち約半数でPRが得られた
Tan et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9044
9058: ALK陽性の進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)を有する東アジア人患者集団において、第
一選択治療としてのクリゾチニブとペメトレキセド+シスプラチン/カルボプラチン(PCC)を評価する第III相試験
– Lu M et al
• 研究の目的
– ALK陽性の進行非扁平上皮NSCLCを有する東アジア人患者集団において、クリゾチニブが第一選
択化学療法よりも優れていることを実証すること
クリゾチニブ250 mg BID
q3w
(n=104)
主要な患者選択基準
• 局所進行性、再発性または転移性の
非扁平上皮型NSCLC
• ALK陽性
無作為化
PD
層別化
• ECOGのPSスコア(0/1 vs. 2)
• ECOGのPSスコアが0~2
(n=207)
主要エンドポイント
• PFS
*ペメトレキセド500 mg/m2 + シスプラチン75 mg/m2またはカルボプラチン
(AUC5–6 mg·min/mL)
静脈内(IV)化学療法*
q3w
(n=103)
PD
副次的エンドポイント
• ORR、OS、 患者報告転帰、安全性
Lu et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9058
9058: ALK陽性の進行非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)を有する東アジア人患者集団において、第
一選択治療としてのクリゾチニブとペメトレキセド+シスプラチン/カルボプラチン(PCC)を評価する第III相試験
– Lu M et al
• 主な結果
– クリゾチニブ群では、化学療法群と比較して有意にPFSが延長した
– ORRはクリゾチニブ群で有意に高かった(87.5% vs. 45.6%、両側 p<0.0001)
PFS
クリゾチニブ(N=104)
化学療法(n=103)
イベント、n (%)
77 (74)
89 (86)
中央値、ヵ月間
11.1
6.8
1.0
生存分布関数
0.8
HR (95% CI)
0.6
0.40 (0.29, 0.57)
P値a
<0.0001
a片側層別化ログランク検定
0.4
0.2
0.0
0
• 結論
5
10
15
20
25
30
PFS、ヶ月間
– 第一選択治療としてのクリゾチニブ投与は、ALK陽性の進行NSCLCを有する東アジア人患者集団に
おいて、ペメトレキセド+シスプラチン/カルボプラチン投与と比較して、PFSおよびORRを有意に改善
した
Lu et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9058
3001: CheckMate 012試験:進行NSCLCにおける第一選択(1L)治療としてのニボルマブ(nivo、N)・イ
ピリムマブ(ipi、I)投与の安全性および有効性 – Hellmann M et al
• 研究の目的
– ニボルマブ3 mg群の結果が示されたCheckMate 012試験における進行NSCLC患者を対象に、第一
選択治療としてのニボルマブの単剤療法と他の治療法との併用投与を比較評価すること
主要な患者選択基準
•
ステージIIIB/IVのNSCLC
•
進行癌に対する化学療法の施行歴なし
•
ECOGのPSスコアが0~1
(n=77)
主要エンドポイント
• 安全性/忍容性
ニボルマブ3 mg/kg q2w +
イピリムマブ
1 mg/kg q12w
(n=38)
PD/
毒性
無作為化
ニボルマブ3 mg/kg q2w
+イピリムマブ
1 mg/kg q6w
(n=39)
PD/
毒性
副次的エンドポイント
• ORR、PFS、OS、有効性(PD-L1の発現状況別)
Hellmann et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 3001
3001: CheckMate 012試験:進行NSCLCにおける第一選択(1L)治療としてのニボルマブ(nivo、N)・イ
ピリムマブ(ipi、I)投与の安全性および有効性 – Hellmann M et al
• 主な結果
–
ニボルマブとイピリムマブを併用投与した時のORRは39~47%であった。奏効期間の中央値は到達せず
Nivo 3 q2w +
Ipi 1 q12w (n=38)
Nivo 3 q2w +
Ipi 1 q6w (n=39)
Nivo 3 q2w
(n=52)
47
39
23
DORの中央値、ヶ月間(95%CI)
NR (11.3, NR)
NR (8.4, NR)
NR (5.7, NR)
追跡調査期間の中央値、ヶ月間
(95%CI)
12.9 (0.9, 18.0)
11.8 (1.1, 18.2)
14.3 (0.2, 30.1)
mPFS、ヶ月間(95%CI)
8.1 (5.6, 13.6)
3.9 (2.6, 13.2)
3.6 (2.3, 6.6)
1年 OS率, % (95%CI)
NC
69 (52, 81)
73 (59, 83)
確認されたORR、%
–
•
ニボルマブとイピリムマブを併用投与した時の有効性はPD-L1発現の増加によって増強された
• 腫瘍の1%以上でPD-L1発現:57% ORR、83~90% 1年OS生存率
• 腫瘍の50%以上でPD-L1発現:92%(12/13)ORR
結論
– ニボルマブとイピリムマブの併用投与は有望な有効性を示し、さらにPD-L1発現の増加によって増強された
Hellmann et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 3001
9008: ALK阻害剤未治療のALK陽性非小細胞肺癌(ALK+ NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾ
チニブ(CRZ)の比較検討 :J-ALEX試験からの主要エンドポイントの結果 – Nokihara H et al
• 研究の目的
– ALK阻害剤による治療歴のないALK陽性のNSCLC患者において、クリゾチニブと比較した時のアレク
チニブの生存に対する優越性を示すこと
主要な患者選択基準
アレクチニブ 300 mg BID
(n=103)
• ステージIIIB/IVまたは再発性
NSCLC
• ALK陽性
• ALK阻害剤による治療歴なし
• 1種以下の化学療法施行歴
• ECOGのPSスコアが0~2
(n=207)
主要エンドポイント
• PFS
無作為化
PD
層別化
• ECOGのPSスコア(0/1 vs. 2)
• 治療ライン(第一選択 vs. 第二選択)
• 臨床ステージ(IIIB/IV vs. 再発性)
クリゾチニブ 250 mg BID
(n=104)
PD
副次的エンドポイント
• OS、ORR、安全性
有効性による早期中止に対し、中間解析(IA)を3回、規定のPFSイベントの33%、50%、75%の発生後
に予定した
Nokihara et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9008
9008: ALK阻害剤未治療のALK陽性非小細胞肺癌(ALK+ NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾ
チニブ(CRZ)の比較検討 :J-ALEX試験からの主要エンドポイントの結果 – Nokihara H et al
•
主な結果
– 予め計画された中間解析では、アレクチニブはPFSにおいてクリゾチニブよりも優れていた(HR 0.34)
イベント、n (%)
中央値、ヶ月間(95%CI)
100
アレクチニブ
(N=103)
クリゾチニブ
(N=104)
25 (24.3)
58 (55.8)
NR (20.3, NR)
10.2 (8.2, 12.0)
<0.0001
P値
HR (99.6826%CI)
PFS (%)
80
0.34 (0.17, 0.71)
60
NR
40
20
10.2ヶ月
0
0
リスクに晒されていた患者数
アレクチニブ
クリゾチニブ
1
3
6
9
12
15
18
21
24
27
ベースラインからの経過時間(ヶ月)
103 103
104 102
93
86
76
65
49
40
36
21
27
14
9
4
1
Nokihara et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9008
9008: ALK阻害剤未治療のALK陽性非小細胞肺癌(ALK+ NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾ
チニブ(CRZ)の比較検討 :J-ALEX試験からの主要エンドポイントの結果 – Nokihara H et al
•
主要な結果(続き)
– アレクチニブは忍容性が良好で、クリゾチニブ群よりもグレード3~4のAEの発現が少なかった
n (%)
アレクチニブ
(n=103)
クリゾチニブ
(n=104)
AE
100 (97.1)
104 (100)
グレード3/4のAE
27 (26.2)
54 (51.9)
0
0
15 (14.6)
27 (26.0)
9 (8.7)
21 (20.2)
30 (29.1)
77 (74.0)
治療関連死
重篤なAE
AEによる治験薬の中止
AEによる休薬
– 発現頻度が30%を上回った有害事象については、アレクチニブ群では便秘(35%)のみであったが、クリ
ゾチニブ群では悪心、下痢、嘔吐、視覚障害、味覚障害、便秘、ALT上昇、AST上昇がみられた
• 結論
– アレクチニブはALK阻害剤未治療のALK陽性NSCLC患者においてクリゾチニブよりも優れており、より
良好な忍容性プロファイルを示した
– アレクチニブは本患者集団における第一選択として新たな標準治療となる可能性がある
Nokihara et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9008
9009: 進行ALK陽性/ROS1陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者における臨床試験の用量漸増試験
から得られたロルラチニブ(PF-06463922)の安全性および有効性 – Solomon B et al
• 研究の目的
– 進行ALK陽性またはROS1陽性のNSCLC患者におけるロルラチニブの安全性および有効性を検討
し、第II相試験での推奨用量を設定すること
主要な患者選択基準
• ALK陽性/ROS1陽性のNSCLC
• 測定可能な頭蓋外標的病変が1つ
以上
• 脳転移あり/なし
• 未治療、または1種以上のTKI投与
後の病勢進行
ロルラチニブをD7に投与後、21
日サイクルでOD/BID投与、
用量漸増
PD/
毒性
(n=54)
主要エンドポイント
• MTDおよび第II相試験での推奨用量を
決定する
副次的エンドポイント
• RECIST v1.1による安全性および有効性評価
(頭蓋内活性を含む)
Solomon et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9009
9009: 進行ALK陽性/ROS1陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者における臨床試験の用量漸増試験
から得られたロルラチニブ(PF-06463922)の安全性および有効性 – Solomon B et al
•
主な結果
– 様々な治療法による治療歴が示された。TKIによる治療歴は、27例が2種以上、20例が1種で、7例
はTKI未治療であった。ベースライン時点で39例にCNS転移を認めた
– ロルラチニブ投与による治療関連毒性として、高コレステロール血症が最も多くみられた
全てのグレード
グレード1
グレード2
グレード3
グレード4
AE
50 (93)
8 (15)
26 (48)
13 (24)
3 (6)
高コレステロール血症*
37 (69)
12 (22)
19 (35)
4 (7)
2 (4)
末梢性浮腫
20 (37)
14 (26)
6 (11)
0
0
高トリグリセリド血症**
18 (33)
8 (15)
7 (13)
3 (6)
末梢神経障害
12 (22)
9 (17)
3 (6)
0
疲労
8 (15)
5 (9)
3 (6)
0
AE、n (%)
– 治療関連AEによる投与中止例はなかった
– CNS転移患者3例から得られた定常状態の標本中のCSF濃度は、ロルラチニブのCNSへの優れた浸
透を示した
– 100 mg ODを第II相試験におけるロルラチニブの推奨用量として選択した
*基本語の高コレステロール血症および総コレステロール増加を含む。**基本語の
高トリグリセリド血症および血中トリグリセリド増加を含む
Solomon et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9009
9009: 進行ALK陽性/ROS1陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者における臨床試験の用量漸増試験
から得られたロルラチニブ(PF-06463922)の安全性および有効性 – Solomon B et al
•
主要な結果(続き)
– ロルラチニブはALK陽性およびROS1陽性両方のNSCLC患者において臨床活性を示した
ROS陽性例
ALK陽性例
30
治療継続中
20
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
-80
-90
-100
•
ALK陽性例
TKI治療歴1種
TKI治療歴2種以上
ベースラインからの最良変化率、%
ベースラインからの最良変化率、%
30
ROS陽性例
治療継続中
20
10
TKI治療歴1種
TKI治療歴なし
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
-70
-80
-90
-100
結論
– ロルラチニブは第II相試験の推奨用量である100 mg ODで良好な忍容性を示した。
– CNS転移を認めるとともに、1種以上のTKI治療歴を有する例が多かったALK陽性およびROS1陽性
のNSCLC患者において、頭蓋内奏効を含めた持続的な臨床的奏効が示された
Solomon et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9009
9010: 米FDAに提出された転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)試験における免疫チェックポイント阻害剤
(ICI)、標的療法(TT)および標準療法を用いたマイルストーン解析:最新のプール解析
– Blumenthal G et al
• 研究の目的
– 転移性NSCLCに関する最新のプール解析を実施し、ORR、PFS、OSを用いたマイルストーン解析
の治験レベルの関連性を検討すること
• 試験デザイン
– 治験14件に由来する当初のプール解析に治験7件を追加した
– 最新の統合解析では患者17,538例を対象とした
– マイルストーン率:
– 6ヶ月間以内のORR(6ヶ月ORR)
– 9ヶ月時点でのPFS(9ヶ月PFS)
– 9ヶ月時点でのOS(9ヶ月OS)
– 12ヶ月時点でのOS(12ヶ月OS)
– HRとログスケール上でのマイルストーン率を比較する加重線形回帰分析(各治験の症例数に相当す
る重みづけ)および決定係数(R-sq)の算出を実施した
Blumenthal et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9010
9010: 米FDAに提出された転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)試験における免疫チェックポイント阻害剤
(ICI)、標的療法(TT)および標準療法を用いたマイルストーン解析:最新のプール解析
– Blumenthal G et al
主な結果
– 以下について、ある程度の関連性が認められた。
– OSのHRおよび12ヶ月OS
– PFSのHRおよび6ヶ月以内のORR
PFSのHR vs ORR-6ヶ月OR
OSのHR vs OS-12ヶ月RR
標的試験
1.0
第一選択非標的治療試験
0.9
第二選択非標的治療試験
1.0
0.8
PFSのハザード比
OSのハザード比
•
0.8
0.5
0.7
0.4
R-sq = 0.76
R-sq = 0.67
0.6
1
1.6
1.4
1.2
12ヶ月OS率(対照群を除く)
1.8
1
5
6ヶ月以内の
奏効のオッズ比(対照群を除く)
2
10
Blumenthal et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9010
9010: 米FDAに提出された転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)試験における免疫チェックポイント阻害剤
(ICI)、標的療法(TT)および標準療法を用いたマイルストーン解析:最新の統合解析
– Blumenthal G et al
•
•
主要な結果(続き)
– ORR、PFS、OSのマイルストーン率は、非標的治療試験よりも標的治療試験の方が高かった
治験の詳細
6ヶ月ORR
9ヶ月PFS
9ヶ月OS
12ヶ月OS
標的(n=4)
44
38
83
78
第一選択非標的治療試
験(n=8)
27
23
59
47
第二選択非標的治療試
験(n=9)
11
14
48
37
結論
– 治験レベルでは、マイルストーン率に関するこのような探索的解析から、12ヶ月OSとOSのHR間に、ま
たPFSのHRと6ヶ月以内のORR間にある程度の関連性が示唆される
– ただし、マイルストーンの到達前に打ち切りとなった症例も存在し、マイルストーン率の推定値のロバスト
性に影響を与える可能性がある
– 前向き無作為化対照比較試験での副次的/探索的エンドポイントとしてのマイルストーン率について、
さらなる検討が必要であると考えられる
Blumenthal et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9010
進行NSCLC
根治治療不能のステージIIIおよびIV
第二選択以降
9012: 進行RET遺伝子再構成非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるバンデタニブの第II相非盲検単一群
試験:Luret試験 – Seto T et al
• 研究の目的
– 1種以上の化学療法が無効であった、RET遺伝子再構成の進行NSCLC患者において、バンデタニ
ブの有効性および安全性を評価すること
• 方法
– 日本における第II相多施設共同単一群試験
– RET融合遺伝子陽性の患者に対し、バンデタニブ300 mg/日を療法28日サイクルで経口投与した
– 主要エンドポイントはORR、副次的エンドポイントはPFSおよびDCRとした
• 主な結果
– 患者1,536例中34例(2%)がRET遺伝子再構成のNSCLCを有し、19例(10例 KIF5B-RET、6例
CCDC6-RET、3例 未知のRET)が本治験に登録され、17例が有効性解析の対象となった
– ORRは53%(95%CI 31、74)であった。部分奏効を得た9例は主要エンドポイントを満たし、DCRは
88%であった
– mPFSは4.7ヶ月(95%CI 2.8、8.3)で、1年OSは47%であった
• 結論
– バンデタニブは進行RET遺伝子再構成のNSCLC患者において著明な抗腫瘍活性を示した
– CCDC6-RET遺伝子のサブタイプは特にバンデタニブに対する高い感受性を示した
Seto et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9012
9013: RET遺伝子再構成を有する非小細胞肺癌患者におけるバンデタニブの第II相試験 – Lee S-H et al
• 研究の目的
– RET遺伝子再構成を認める進行NSCLC患者において、バンデタニブの有効性および安全性を評価
すること
• 方法
– プラチナ製剤ベースの化学療法が無効であった、RET融合遺伝子を認める進行NSCLC患者を対象
とした第II相非盲検試験
– バンデタニブ300 mg/日を投与した
• 主な結果
– 患者18例(男性12例、女性6例)が2013年7月から2015年10月までの間に登録された
– ORRは17%(3/18例)であった。28%(5/18例)で、6ヶ月以上経過後にSDが観察された
– mPFSは4.54ヶ月、mOSは11.63ヶ月であった
• 結論
– バンデタニブはRET遺伝子再構成を有するNSCLC患者において適度な活性を示す
– RET阻害剤に対する内因性の耐性機序を解明するために、さらなる検討が必要であると考えられる
Lee et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9013
9022: ROS1陽性の進行非小細胞肺癌(NSCLC)を有する東アジア人患者集団におけるクリゾチニブの第II
相試験 – Goto K et al
• 研究の目的
– ROS1陽性の進行NSCLCを有する東アジア人患者集団において、クリゾチニブの抗腫瘍活性および
安全性を評価すること
• 方法
– 3ライン以下の全身療法歴を有するROS1陽性・ALK陰性の進行NSCLC患者129例を対象とした、
継続中の第II相非盲検単一群試験
– クリゾチニブを開始用量250 mg BIDとして28日サイクルで投与した
– 主要エンドポイントはORR、副次的エンドポイントはDCRおよびPFSとした
• 主な結果
– 独立した放射線学的レビュー(IRR)によるORRは69%(95%CI 61、77)であり、過去の治療ライン
数には影響されなかった(範囲63~80%)
– DCRは8週時点で88.2%、16週時点で80.3%であった
– mPFSは13.4ヶ月、患者の54%が依然として追跡調査中である
– クリゾチニブ投与期間の中央値は34週間(範囲0.6~94週間)であった
• 結論
– 本治験の結果は、ROS1陽性の進行NSCLCを有する東アジア人患者集団におけるクリゾチニブの臨
床的有用性を裏付けるものである
Goto et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9022
9027: NSCLCに対する第二選択治療としてのペムブロリズマブ(pembro)とイピリムマブ(ipi)の併用投与を
検討する第I/II相試験:KEYNOTE-021試験のコホートDおよびH – Gubens M et al
• 研究の目的
– KEYNOTE-021試験の用量設定および用量拡大コホートにおいて、ペムブロリズマブとイピリムマブの
併用投与の有効性と安全性を検討すること
• 方法
– KEYNOTE-021試験は、第I/II相多コホート試験として、進行NSCLCに対するペムブロリズマブの投
与を、プラチナ製剤の2剤併用化学療法、免疫療法、またはEGFR標的療法との併用下で検討する
– 第I相用量設定コホート(D):初回用量設定コホートを、標準3+3用量設定投与計画に従って
設定した。それぞれ毒性データを基に、3 mg/kgから1 mg/kgに、10 mg/kgから2 mg/kgに用量
を減量した(n=18)
– 第II相単一群用量拡大(H):ペムブロリズマブ2 mg/kg q3wとイピリムマブ1 mg/kg q3wの併用
投与を、第II相試験での推奨用量とした(n=33)
イピリムマブ
4用量
0
3
6
9
12
15
18
21
24
27
30
33
//
105
ペンブロリズマブ2 mg/kgまたは10 mg/kg q3wを最長2年間投与
– 主要エンドポイントはORR、副次的エンドポイントはPFS、奏効期間の評価および安全性とした
Gubens et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9027
9027: NSCLCに対する第二選択治療としてのペムブロリズマブ(pembro)とイピリムマブ(ipi)の併用投与を
検討する第I/II相試験:KEYNOTE-021試験のコホートDおよびH – Gubens M et al
• 主な結果
–
–
–
追跡期間の中央値は7ヶ月(範囲0.1~17ヶ月)であった
ORRは25%(CR 2例、PR 9例)であった。17例(40%)でSD、また8例(18%)でPDが観察された
mPFSは6ヶ月(範囲1.5~16.6ヶ月)であった
100
PFS、%
80
ペムブロリズマブ2 mg/kg + イピリムマブ1 mg/kg (n=44)
60
40
20
0
リスクにさらされていた
患者数
0
3
44
22
6
9
12
15
ベースラインからの経過時間、ヶ月
13
4
4
2
18
21
0
0
• 結論
–
–
治療歴のある進行NSCLC例においてペムブロリズマブとイピリムマブを併用投与した時には、顕著な毒性プロファイル
とともに、ペムブロリズマブを単独投与した時と同様のORRが示された
PFSはペムブロリズマブの単独投与時よりも良好であると考えられる
Gubens et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9027
9049: EGFR変異NSCLCにおけるEGFR標的療法に対する耐性獲得(AR)後のHER2増幅
– Xia B et al
• 研究の目的
•
•
– EGFR変異NSCLC患者において、耐性獲得(AR)前後のHER2増幅を評価すること
方法
– EGFR TKIに対するARを認める転移性または再発性EGFR変異肺腺癌患者85例より、治療開始前およびAR時
に生検組織が採取された
– HER2/CEP17の比率およびHER2の平均コピー数をFISH法により評価した
– HER2タンパクの発現についてはIHCを用いて判定した
主な結果
– 全体として、標本の10%でAR時にHER2増幅を認め、うち20%がアファチニブとセツキシマブの併用投与を受けていた
標本数
HER2増幅、n (%)
エルロチニブ単独
32
エルロチニブ + 他剤
14
アファチニブ + セツキシマブ
10
アファチニブ単独
2
2 (6.3)
2 (14.3)
2 (20.0)
0
• 結論
–
–
HER2増幅は、第一選択治療としてのエルロチニブの単独投与、第二選択治療としてのエルロチニブと他剤の併用投
与、および第二選択治療としてのアファチニブとセツキシマブの併用投与に対する耐性機序である可能性がある
これらの結果から、HER2変異を有するEGFR変異腫瘍におけるHER2標的療法のさらなる検討が支持される
Xia et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9049
9065: ROS1陽性およびALK陽性の非小細胞肺癌における標的治療に対する耐性機序
– McCoach C et al
• 研究の目的
– 次世代シーケンシングを用いて、ROS1陽性およびALK陽性のNSCLC患者における標的療法に対
する耐性機序を検討すること
• 方法
– 7例のROS1陽性および35例のALK陽性のNSCLC患者について検査を実施した
– Illumina社のNextSeqシーケンサーを用いて標本を検証した
• 主な結果
– ROS1およびALKの潜在的な耐性機序が、ALK融合遺伝子を有する患者23例(65%)および
ROS1融合遺伝子を有する患者2例(28%)において特定された
– ALK陽性群の33%およびROS1+群の14%にキナーゼドメインの変異を認めた
– 最も多く特定されたALKキナーゼドメインの変異はL1196MおよびF1174Xであった
• 結論
– 進行に対する標的となりうる変異を認める患者の再生検は、今後の治療選択に役立つと考えられる
– 患者の大半での薬剤耐性は、キナーゼドメインの変異以外の機序に起因する
McCoach et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9065
9072: クリゾチニブ投与中に進行を認めるROS1陽性肺癌患者におけるROS1耐性変異の発現頻度および
スペクトル – Gainor J et al
• 研究の目的
– ROS1陽性のNSCLC患者において、クリゾチニブに対する耐性機序を評価する
• 方法
– 定期的な臨床診療の一部として、またはIRBの承認を受けた治験実施計画書のもとで実施された再
生検(10例)の解析
– 胸水、脳、肺の標本を採取し、サンガー法によるROS1キナーゼドメインのシーケンシングまたは標的次
世代シーケンシングにより解析した
• 主な結果
– ROS1耐性変異が5/11個(45%)の標本で確認され、これには5/8個(62.5%)の非CNS組織標本を
含んだ。
– ROS1耐性変異を、2種の残存標本 G2032R 4個(36%)およびD2033N 1個(9%)に認めた
• 結論
– ROS1耐性変異は、クリゾチニブ投与中に進行するROS1陽性の肺癌、特にCNS外での病勢進行を
認める患者において、比較的頻発してみられる
– ROS1におけるG2032Rのsolvent front変異は優性耐性変異であると考えられる
Gainor et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9072
3000: 転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)試験より得られた、RECISTでの進行判定後もプログラム細胞死
タンパク1阻害剤(抗PD-1)が投与された患者の特性 – Kazandjian D et al
• 研究の目的
–
転移性NSCLC患者において、RECISTの定義による進行判定後も抗PD-1モノクローナル抗体治療を継続すること
(TPP)による影響を検討すること
抗PD-1 TPP施行
(n=121)
FDAに提出された3件の多施設共同臨
床試験から得られた統合データ。試験で
は以下が評価されていた
• 抗PD-1単剤療法
無作為化
• 初回治療後に進行した転移性
NSCLC患者
(n=535)
TPP非施行
(n=414)
エンドポイント
• 従来的な進行前のRECISTでの最良総合効果、RECISTでの初回の進行の原因、TPPの実施時点、標的病変の長
径和(SLD)のベースラインからの30%以上の減少により定義される恩恵を受けた患者の割合
Kazandjian et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 3000
3000: 転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)試験より得られた、RECISTでの進行判定後もプログラム細胞死
タンパク1阻害剤(抗PD-1)が投与された患者の特性 – Kazandjian D et al
• 主な結果
– TPP実施群の10例(8.3%)において、SLDでのさらなる腫瘍退縮が認められた(続発して30%以上の
減少)
– 最良総合効果はPRが4例、SDが2例、PDが4例であった
– 10例中5例で奏効が6ヵ月以上持続し、3例では1年を超えて持続した
– 10例中7例が最大腫瘍縮小30%以上の基準を満たした
• 結論
– TPPの実施とその後の腫瘍退縮が、TPPによるものか、あるいは免疫療法の遅発性効果によるものか
は明らかではない
– 継続治療のリスク(免疫関連副作用)は、さらなる腫瘍退縮の可能性によって相殺されるべきである
Kazandjian et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 3000
3002: 進行固形腫瘍患者におけるペムブロリズマブ併用下でのPF-05082566を検討する第Ib相試験
– Tolcher A et al
• 研究の目的
– 進行固形腫瘍患者において、utomilumabとペムブロリズマブの併用投与の全般的な安全性、薬物動
態、薬力学および抗腫瘍活性を評価すること
• 方法
– NSCLC、腎細胞癌、頭頸部、膵臓、甲状腺、SCLC、結腸、肉腫、胸腺腫および黒色腫を含む固
形腫瘍を有する患者(n=23)に、utomilumab(0.45~5.0 mg/kg)およびペムブロリズマブ(2 mg/kg)
を21日サイクルでDay1に投与した
– 最大耐用量は、最初の2サイクル中の用量制限毒性(DLT)が25%未満での併用最高用量として定
義された
• 主な結果
– 治療を実施した患者23例中6例(26%)にCRまたはPRが確認された
– 治療関連毒性による投与中止例はなかった
– Utomilumabの最大耐用量は、最低5 mg/kg q3wであった
– DLTは報告されず、6例が進行中の本研究で治療継続中である
• 結論
– ペムブロリズマブ併用下で、最高用量を5.0 mg/kgとしてutomilumabを投与して得られた安全性およ
び有効性のプロファイルから、進行固形腫瘍患者におけるさらなる検討の必要性が示される
Tolcher et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 3002
6610: クリゾチニブによる治療歴のある未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)の進行性NSCLCにおけるアレ
クチニブの費用対効果 – Carlson J et al
• 研究の目的
– 米国の支払者としての観点から、アレクチニブとセリチニブの費用効用を比較評価すること
• 方法
– 分割生存法、および無増悪(PF)、進行後(PP)および死亡の3分類の健康状態を用いた費用効用
モデル
– 生存データは主要な臨床試験から得られた(アレクチニブ:NP28761試験、NP28673試験、セリチニ
ブ:ASCEND I・II試験)
– 費用には薬剤、有害事象、支持療法を含んだ
– PF状態(アレクチニブ:0.79、セリチニブ:0.73)およびPP状態(0.46)における効用は、それぞれ治験
データと文献に基づいて得た
Carlson et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 6610
6610: クリゾチニブによる治療歴のある未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)の進行性NSCLCにおけるアレ
クチニブの費用対効果 – Carlson J et al
• 主な結果
– セリチニブと比較して、アレクチニブによる治療では、PF状態が2.55ヶ月延長し、0.44質調整生存年
(QALY)が延長し、$13,803増加し、費用/QALYの平均値は$31,034であった
アレクチニブ
セリチニブ
差
進行前費用
進行後費用
総費用
LY
QALY
$153,206
$143,744
$102,224
$97,883
$255,430
$241,627
2.39
1.67
1.42
0.98
$9,462
$4,341
$13,803
0.72
0.44
$19,223
$31,034
ICER
– 確率的感度分析では、支払い意欲を$100,000/QALYとして、アレクチニブの費用効率が高くなる確
率は89%であった
– モデルの結果に最も影響したのは、薬剤費およびPF状態での効用であった
ICER:増分費用効果比、LY:生存年数
Carlson et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 6610
6610: クリゾチニブによる治療歴のある未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)の進行性NSCLCにおけるアレ
クチニブの費用対効果 – Carlson J et al
• 主要な結果(続き)
– アレクチニブは全シナリオで$100,000/QALYを下回った
費用/QALY
シナリオ
ASCEND試験に対する、化学療法とクリゾチニブの併用歴のある患者に
限定したアレクチニブの生存データ
$10,465
アレクチニブとセリチニブでPFの効用値が同等
$34,595
セリチニブのOSをアレクチニブと同等と推測
$63,994
• 結論
– クリゾチニブ治療歴のあるALK陽性患者においてアレクチニブによる治療を行った場合、セリチニブと比較
して、無増悪期間およびQALYが延長した
– 限界費用は、アレクチニブによる治療期間が長期化することで増加する
– 本モデルは、一般的に用いられる閾値に準じたクリゾチニブ投与中の進行判定後に、アレクチニブが費
用効率の高い治療となりうることを示すものである($100,000/QALY)
Carlson et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 6610
6617: 非小細胞肺癌(NSCLC)を検討した第III相CheckMate 017・CheckMate 057試験において発生
したニボルマブ(nivo)およびドセタキセル(doc)の治療関連有害事象(TRAE)を管理するための費用の推定
– Venkatachalam M et al
• 研究の目的
– ステージIIIB/IVのNSCLCにおいてニボルマブとドセタキセルを比較した第III相主要試験のCheckMate
017(扁平上皮)およびCheckMate 057(非扁平上皮)試験で観察されたグレード2~4のAEの発生
頻度およびその関連費用を評価すること
• 方法
– ドセタキセル群またはニボルマブ群に無作為化された患者260例を含む上記の治験2本から得られた患
者レベルのデータを用いて、重篤・非重篤事象を含め、管理を要する治療関連AEの発生頻度を推定
した
– AEにかかる費用の推定
• グレード2: グレード2のAEに伴う医療利用は臨床的見解に、費用は必要に応じて、医療費と有効
性に関するプロジェクト(HCUP)もしくは他の資料等に基づいて評価した
• グレード3~4: 症例ごとのAEの費用はHCUPから特定した
– 費用については、消費者物価指数の医療関連分野から公開されているデータ表を用い、2012年の米
国の費用に相当する費用を反映させるよう調整した
Venkatachalam et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 6617
6617: 非小細胞肺癌(NSCLC)を検討した第III相CheckMate 017・CheckMate 057試験において発生
したニボルマブ(nivo)およびドセタキセル(doc)の治療関連有害事象(TRAE)を管理するための費用の推定
– Venkatachalam M et al
• 主な結果
– 両治験において、治療関連AEはニボルマブよりもドセタキセルで多くみられた
CheckMate 057試験
CheckMate 017試験
ドセタキセル
100
ニボルマブ
ドセタキセル
ニボルマブ
250
95
77
治験期間中の事象発生総件数
治験期間中の事象発生総件数
205
80
60
46
40
20
200
165
150
128
100
50
29
6
0
グレード2 グレード3~4
グレード2 グレード3~4
0
グレード2 グレード3~4
グレード2 グレード3~4
Venkatachalam et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 6617
6617: 非小細胞肺癌(NSCLC)を検討した第III相CheckMate 017・CheckMate 057試験において発生
したニボルマブ(nivo)およびドセタキセル(doc)の治療関連有害事象(TRAE)を管理するための費用の推定
– Venkatachalam M et al
• 主要な結果(続き)
– ドセタキセル群で発生した治療関連AEの管理にかかる費用は、CheckMate 017試験と057試験のそ
れぞれで、ニボルマブ群の15.8倍と10.7倍であった
CheckMate 017試験
CheckMate 057試験
ドセタキセル
(n=129)
ニボルマブ
(n=131)
ドセタキセル
(n=268)
ニボルマブ
(n=287)
172
52
370
157
906,104
57,506
1,591,987
148,603
TRAE1件当たりの費用、$
5,268
1,106
4,303
947
各治験で治療を受けた患
者1人当たりの費用、$
7,024
439
5,940
518
TRAE発生数
TRAE管理の総費用、$
• 結論
– ドセタキセルの投与に伴う治療関連AEの頻度の方が高いことと一致して、管理費用の推定結果には
大きな差異が認められたことから、ニボルマブが好まれる
– 本患者集団におけるニボルマブの価値を評価する際には、ニボルマブを用いることでAEを管理する費用
の削減が考慮されるべきである
Venkatachalam et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 6617
9000: 変異型EGFR選択的阻害剤rociletinibに対する耐性機序の患者間・患者内不均一性
– Chabon J et al
• 研究の目的
– EGFR変異NSCLCにおける耐性機序の患者間および患者内の不均一性について、血中循環腫瘍
DNA解析を用いて特性化すること
• 試験デザイン
– TIGER-X(n=42)およびTIGER-2(n=1)臨床試験に登録されたT790M陽性NSCLC患者(n=43)
から得られた計115個の血漿の連続標本を、ディープシーケンシングによる癌の個別化プロファイリング
法(CAPP-Seq)を用いて評価した
– 以下の時点で採取した標本についてシーケンシングを実施した。
– ベースライン(EGFR TKIによる第一選択治療後)
– 進行(第3世代EGFR TKIのrociletinibによる治療後)
Chabon et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9000
9000: 変異型EGFR選択的阻害剤rociletinibに対する耐性機序の患者間・患者内不均一性
– Chabon J et al
•
主な結果
– 耐性機序の患者内不均一性が共通してみられた
– 46%の例でTKIによる第一選択治療後に、T790Mの他にも機序が認められた
7%
5%
T790Mのみ
46%が>1の機
序を有する
T790M + SCNA (コピー数)
– METまたはERBB2
54%
34%
T790M + SCNA + SNV
– METでのSCNAおよびPIK3CAまたはRB1でのSNV
T790M + SNV
– EGFR、PIK3CAまたはRB1
– 特に、第3選択治療としてのrociletinib投与後に、21%の例で複数の耐性機序が検出された
SNV:一塩基変異、SCNA:体細胞性コピー数変化
Chabon et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9000
9000: 変異型EGFR選択的阻害剤rociletinibに対する耐性機序の患者間・患者内不均一性
– Chabon J et al
•
主な結果:TKIによる第1選択治療後
– 複数の耐性機序が存在すると転帰不良につながる
20
0
SD
–20
–40
ログランク検定
p=0.043
50
PR
–60
–80
–100
0
MET陽性およびT790M
治療前
•
mPFS、ヶ月間
MET陽性およびT790M治療前(n=16) 3.3
MET陰性およびT790M治療前(n=33) 5.6
100
PD
40
PFS、%
腫瘍体積における最大変化
(%)
p<0.05
MET陰性およびT790M
治療前
0
5
10
15
20
ベースラインからの経過時間、ヶ月
25
結論
– 耐性機序の患者内不均一性は高い頻度で認められる
– ベースライン時に複数の耐性機序を認めた例では転帰不良にいたったことから、本患者集団における
腫瘍内不均一性の臨床的重要性が強調される
データは、CAPP Seq ctDNA解析、腫瘍生検のFISH、または患者病歴によって
決定された治療前MET評価による拡大コホートから得られた
Chabon et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9000
9001: rociletinibを投与した非小細胞肺癌(NSCLC)患者から得られた尿、血漿、腫瘍適合組織の上皮
成長因子受容体(EGFR)遺伝子型判定 – Wakelee H et al
• 研究の目的
– 血液および尿から得られた血中循環腫瘍のDNAにおいて検出されたEGFR変異を適合組織のものと
比較すること
• 試験デザイン
– EGFR変異陽性の進行NSCLC患者における第I/II相TIGER-X試験の参加患者
– EGFRの状態について、rociletinibによる治療前に採取された標本を用い、以下の方法で評価した。
– 組織:therascreen EGFR検査(Qiagen社)(n=540)
– 血漿:BEAMing法(Sysmex社)(n=482)
– 尿:次世代シーケンシングを用いる定量的短期フットプリント解析法(Trovagene社)(n=213)
Wakelee et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9001
9001: rociletinibを投与した非小細胞肺癌(NSCLC)患者から得られた尿、血漿、腫瘍適合組織の上皮
成長因子受容体(EGFR)遺伝子型判定 – Wakelee H et al
•
主な結果
– 参考としての組織による血漿感度は80.9%(313/387)であった
– 不適切な生検(n=55)が含まれている場合、血漿では組織(n=387)数とほぼ同数のT790M陽
性患者(n=374)が特定される
血漿 vs. 組織
組織
全摘
T790M
血漿
(BEAMing)
全摘
陽性
陰性
不適切
陽性
313
23
38
374
陰性
74
17
17
108
387
40
55
482
– 参考としての組織による尿検出も同様に感度が高く、81.1%(142/175)であった
– 不適切な生検(n=22)が含まれている場合、尿では組織(n=175)数とほぼ同数のT790M陽性
患者(n=169)が特定される
– 標本の種類にかかわらず、ORRはT790M陽性の場合も同様であった 組織33.9%、血漿32.1%、尿
36.7%
*組織生検での腫瘍細胞非検出例、組織EGFR検査結果無効例、または
中央検査室での検査用組織入手不可例を含む
Wakelee et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9001
9001: rociletinibを投与した非小細胞肺癌(NSCLC)患者から得られた尿、血漿、腫瘍適合組織の上皮
成長因子受容体(EGFR)遺伝子型判定 – Wakelee H et al
•
主要な結果(続き)
– 血漿、組織、尿の評価により、T790M陽性患者の特異的および重複するサブセットが特定される
– 96%が、1種以上の標本タイプでT790M陽性を示した
– 4%が、全3種の標本でT790M陰性または不適切であった
T790M陽性例(n=181)
組織
尿
16
8
5
104
18
19
組織での陽性検出総数:
146/181
血漿での陽性検出総数:
145/181
尿での陽性検出総数:
144/181
104例(57%)が全3種の標本で陽性
4
血漿
•
結論
– 血漿、組織、尿を用いてT790Mを検査することで、各検査がお互いを補完し、残りの検査では見逃さ
れた症例の特定につながる
– T790M陽性患者では、 組織、血漿、尿のいずれによってT790Mの状態が特定されたかにかかわらず
ORRは同様であった
– 血漿および尿を用いたEGFR変異の検出は、特に腫瘍組織が入手できない場合の手段として実行
可能である
Wakelee et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9001
9004: 導入全身療法(IST)を受ける少数転移非小細胞肺癌(NSCLC)患者での無増悪生存率(PFS)を
改善するための局所地固め療法(LCT)の実施:第II相無作為化多施設共同試験の結果
– Gomez D et al
• 研究の目的
– 導入全身療法(FLST)*後に進行を認めなかった少数転移NSCLC患者において、積極的LCTの有
効性を検討すること
主要な患者選択基準
LCT† +/- ST
(n=25)
• 細胞学的検査で確定診断され
たNSCLC
• ステージIV疾患
• 転移数≤3
• FLST*後にRECIST基準での
進行判定
(n=49)
主要エンドポイント
• PFS
無作為化
PD
層別化
• リンパ節の状態、EGFR/EML4-ALKの状態、
FLSTに対する反応、CNS転移、転移数
ST単独
(n=24)
副次的エンドポイント
• OS、安全性
PD
進行時にはLCT
へのクロスオバー
が認められた
*4サイクル以上のプラチナ製剤2剤併用化学療法、EGFR変異の場合は3ヶ月以
上のエルロチニブ、アファチニブまたはゲフィチニブ治療、EML4-ALK融合遺伝子の場
合は3ヶ月以上のクリゾチニブ治療、†LCT:局所地固め療法[全部位での(化学)
Gomez et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9004
放射線療法または外科的切除]、ST:全身療法
9004: 導入全身療法(IST)を受ける少数転移非小細胞肺癌(NSCLC)患者での無増悪生存率(PFS)を
改善するための局所地固め療法(LCT)の実施:第II相無作為化多施設共同試験の結果
– Gomez D et al
•
主な結果
– LCTは8ヶ月までにPFSを有意に改善し、試験は早期に終了された
1.00
LCT施行
LCT非施行
p=0.005
PFSの確率
0.75
mPFS、ヶ月間
LCT非施行群 3.9 (95%CI 2.2, 6.6)
LCT施行群: 11.9 (95%CI 5.4, NA)
0.50
0.25
0.00
0
リスクに
晒されていた患者数
LCT施行 24
LCT非施行 24
1
2
3
2
0
0
0
経過時間、年
8
2
– 毒性については両群間で大差を認めなかった
– LCT群ではグレード3~5の毒性を認めなかった
Gomez et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9004
9004: 導入全身療法(IST)を受ける少数転移非小細胞肺癌(NSCLC)患者での無増悪生存率(PFS)を
改善するための局所地固め療法(LCT)の実施:第II相無作為化多施設共同試験の結果
– Gomez D et al
主要な結果(続き)
– 探索的解析において、LCTによって新規病変発現までの期間延長も示された
新規病変発現のない生存の確率
•
1.00
0.75
TNSFまでの期間の中央値
LCT施行群11.9ヶ月 vs. LCT
非施行群5.7ヶ月(p=0.0497)
0.50
0.25
0.00
リスクに
晒されていた患者数
LCT施行
LCT非施行
•
LCT施行
LCT非施行
P値=0.0497
0
1
24
24
8
2
2
3
2
1
0
0
経過時間、年
結論
– 導入全身療法後に進行を認めなかった少数転移NSCLC患者においてLCTを実施することで、PFS
が改善し、毒性も許容可能な範囲であった
– 新規病変の発現が減少したため、転移拡散もLCTを施行することで減少する可能性がある
TNSF:新たな部位での再発までの期間
Gomez et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9004
9005: 進行非小細胞肺癌(NSCLC)における第二/第三選択治療としての週1回のパクリタキセル+ベバシ
ズマブの併用投与とドセタキセルの投与:第III相IFCT-1103 ULTIMATE試験の結果 – Cortot A et al
• 研究の目的
– 進行非扁平上皮型NSCLC患者を対象に、第二/第三選択治療として、ベバシズマブの追加投与
下での週1回のパクリタキセル投与と、ドセタキセル投与を比較検討すること
パクリタキセル90 mg/m² D1、8、15 +
ベバシズマブ10 mg/kg D1、15 q4w
(n=111)
主要な患者選択基準
• 進行非扁平上皮型NSCLCを
有する成人患者
• プラチナ製剤ベースの化学療法
を含む第一/第二選択治療後
の進行
2:1
層別化
• 治験実施施設
• PS
• 過去の治療ライン
• ベバシズマブに対
PD
進行時のクロス
オーバー選択可
する曝露歴
• ECOGのPSスコアが0~2
(n=166)
主要エンドポイント
• PFS
ドセタキセル75 mg/m2
q3w (n=55)
PD
副次的エンドポイント
• ORR(8週時点)、OS、PFS、安全性、QoL
Cortot et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9005
9005: 進行非小細胞肺癌(NSCLC)における第二/第三選択治療としての週1回のパクリタキセル+ベバシ
ズマブの併用投与とドセタキセルの投与:第III相IFCT-1103 ULTIMATE試験の結果 – Cortot A et al
•
主な結果
– 臨床的特性は両群で均衡していた。31%にベバシズマブの投与歴があり、69%に1ラインの治療歴を
認めた
– 追跡調査期間の中央値は28.9ヶ月間であった
mPFS、ヶ月間
パクリタキセル +
ベバシズマブ
5.4
ドセタキセル
3.9
HR(95%CI)
0.62 (0.44, 0.87)
ベバシズマブに対する曝露歴あり
1.20 (0.64, 2.26)
ベバシズマブに対する曝露歴なし
0.41 (0.27, 0.62)
1ラインの治療歴
0.59 (0.39, 0.90)
2ラインの治療歴
0.56 (0.30, 1.04)
ORR、%
22.5
5.5
CR、%
0
0
PR、%
22.5
5.5
SD、%
49.5
52.7
72
58.2
PD、%
18.9
34.5
mOS、ヶ月間
9.9
11.4
DCR、%
P値
0.006
0.006
1.18 (0.81, 1.72)
0.40
Cortot et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9005
9005: 進行非小細胞肺癌(NSCLC)における第二/第三選択治療としての週1回のパクリタキセル+ベバシ
ズマブの併用投与とドセタキセルの投与:第III相IFCT-1103 ULTIMATE試験の結果 – Cortot A et al
•
主要な結果(続き)
– ドセタキセル群(90.9%)よりもパクリタキセル + ベバシズマブ(98.2%)群で有害事象(すべてのグレー
ド)の発生数が有意に多かった(p=0.03)
– 第一選択治療の実施中(変更前)に発生したグレード3~4の有害事象は、パクリタキセル + ベバシズ
マブ群とドセタキセル群の間で近似(45.9%、54.5%)しており、好中球減少症(19.3% vs. 45.4%)、
無力症(8.3% vs. 5.5%)、神経障害(8.3% vs. 0.0%)、高血圧(7.3% vs. 0.0%)が認められた
– グレード5の事象として3件が報告されており、ドセタキセル群が1例(1.8%、肺臓炎)、パクリタキセル+
ベバシズマブ群が2例(1.8%、虚血性脳卒中、食道気管支瘻)であった
• 結論
– 進行非扁平上皮型NSCLC患者において、第二/第三選択治療としてパクリタキセルとベバシズマブ
を併用投与した時には、(ドセタキセルと比較して)PFSおよびORRが有意に改善され、管理可能な
安全性プロファイルが示された
– このような状況下では、週1回のパクリタキセル+ベバシズマブ投与を検討すべきである
Cortot et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9005
9007: クリゾチニブ(CRZ)に治療抵抗性を示すALK陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるブリガチ
ニブ(BRG)の投与: 第II相主要無作為化試験(ALTA)からの有効性および安全性に関する初回報告
– Kim D-W et al
• 研究の目的
– ALK陽性のNSCLC患者において、TKIとしてのブリガチニブの2用量を検討すること
主要な患者選択基準
ブリガチニブ90 mg qd
(n=112)
• 局所進行または転移性ALK陽
性NSCLC
• クリゾチニブ投与中の進行
無作為化
• ALK TKI投与歴なし
• 年齢≥18歳
(n=222)
主要エンドポイント
• 治験責任医師によって確認されたRECIST v1.1
によるORR
PD/
毒性
層別化
• ベースライン時の脳転移
• 過去のクリゾチニブに対する最良効果
ブリガチニブ180 mg/日、90
mgでの7日間の導入あり
(n=110)
PD/
毒性
副次的エンドポイント
• 確認されたORR、CNS反応、奏効期間、PFS、
OS、安全性、忍容性
Kim et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9007
9007: クリゾチニブ(CRZ)に治療抵抗性を示すALK陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるブリガチ
ニブ(BRG)の投与: 第II相主要無作為化試験(ALTA)からの有効性および安全性に関する初回報告
– Kim D-W et al
•
主な結果
– ブリガチニブ180 mg群では54%でORRを得た
治験責任医師の評価による有効性パラ
メータ、n (%)
確認されたORR[97.5%CI]
確認された CR
確認された PR
PRの確認待ち
90 mg/日
(n=112)
180 mg/日*
(n=110)
50 (45) [34, 56]
59 (54) [43, 65]
1 (1)
49 (44)
2 (2)
4 (4)
55 (50)
2 (2)
– ベースライン時に活動性の評価可能な脳転移を有する患者において、ORRはブリガチニブ90 mg群で
36%、 ブリガチニブ180 mg群で67%であった
– 早期の肺AEのリスクの増大は認められなかった
*90 mgでの7日間の導入あり
Kim et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9007
9007: クリゾチニブ(CRZ)に治療抵抗性を示すALK陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者におけるブリガチ
ニブ(BRG)の投与: 第II相主要無作為化試験(ALTA)からの有効性および安全性に関する初回報告
– Kim D-W et al
•
主要な結果(続き)
– ブリガチニブ投与によるmPFSは1年以上持続した
100
ブリガチニブ180 mg群のmPFSは1年以上
PFSの確率、%
80
(12.9ヶ月)持続した
60
40
90 mg qd
20
180 mg qd*
mPFS (95%CI)
9.2ヶ月間 (7.4, 15.6)
12.9ヶ月間 (11.1, NR)
HR (95%CI)†
0.55
(0.35, 0.86)
0
0
•
6
12
18
24
ベースラインからの経過時間、ヶ月
結論
– ブリガチニブの十分な有効性および容認可能な忍容性プロファイルが両群で示された
– ALK阻害剤未治療の患者におけるブリガチニブ180 mgとクリゾチニブを比較する第III相無作為化試
験が進行中である
*90 mgでの7日間の導入あり、†本試験では治療群の統計的比較を目的としたも
のではなかったが、用量設定を裏付るため、ポストホック比較を実施した
Kim et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9007
9011: 抗Trop2抗体-SN-38抗体薬物複合体(ADC)であるsacituzumab govitecan(IMMU-132)を
用いた転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)の治療 – Camidge DR et al
• 研究の目的
– 治療歴のあるNSCLC患者におけるsacituzumab govitecan(IMMU-132)の有効性および安全性
を検討する用量拡大コホートの登録
主要な患者選択基準
• NSCLC
• >1 第一選択治療
(2016年11月3日までにn=54)
主要エンドポイント
• 安全性
IMMU-132 8 mg/kgま
たは10 mg/kgの用量拡
大
(n=49 評価可能)
PD
副次的エンドポイント
• RECIST 1.1による奏効評価
Camidge et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9011
9011: 抗Trop2抗体-SN-38抗体薬物複合体(ADC)であるsacituzumab govitecan(IMMU-132)を
用いた転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)の治療 – Camidge DR et al
•
主な結果
– IMMU-132を10 mg/kgの用量で投与した時には、グレード3以上の好中球減少症を41例中12例(29%)に、グレー
ド3以上の下痢を41例中3例(7%)に認め、容認可能な安全性プロファイルが示された
– IMMU-132 10 mg/kg投与群では3例がAE(肺炎、下痢、発疹)により投与を中止した
AE、%
好中球減少症
下痢
好中球減少症(発熱性)
白血球減少症
肺炎
悪心
貧血
高血糖症
疲労
嘔吐
呼吸困難
低リン酸血症
脱毛症
便秘
低マグネシウム血症
鼻出血
8 mg/kg (n=8)
10mg/kg (n=41)
グレード3以上
13
13
0
13
0
0
0
13
0
13
13
0
NA
0
0
0
グレード3以上
29
7
5
10
10
7
5
2
5
2
0
2
NA
0
0
0
8 + 10 mg/kg (n=49)
グレード3以上
27
8
4
10
8
6
4
4
4
4
2
2
NA
0
0
0
全てのグレード
37
59
4
16
12
71
29
10
37
33
12
14
37
29
12
10
Camidge et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9011
9011: 抗Trop2抗体-SN-38抗体薬物複合体(ADC)であるsacituzumab govitecan(IMMU-132)を
用いた転移性非小細胞肺癌(mNSCLC)の治療 – Camidge DR et al
(標的病変におけるベースラインからの変化、%)
主要な結果(続き)
– 中央値で3ラインの治療歴を有する患者において、初回ORRは26%(PR…46例中12例、SD…46
例中19例)であり、確認されたORRは13%であった
最良効果
•
40
8
8
進行;
新規病変または非標的病変
20
8
8
0


8 8
8
8

-20
C
-40

C:
-60
-80
•
部分奏効
病勢安定
進行
扁平上皮細胞
確認されたPR
初回評価、確認保留
C
C



C
C
C
8 = 8mg/kg
結論
– 様々な治療法による治療歴のあるNSCLC患者において、IMMU-132は容認可能な安全性プロファ
イルを示した
– 初回ORRは扁平上皮および非扁平上皮ともに、またPD1/PD-L1療法後にも有効性が認められ、有
望な結果を示した
Camidge et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9011
他の悪性腫瘍
SCLCおよび中皮腫
8513: 進展型小細胞肺癌(SCLC)における第一選択治療として、ベバシズマブ併用/非併用下でのシスプラ
チン+エトポシドの投与を検討するイタリアの第III相多施設共同無作為化試験: GOIRC-AIFA
FARM6PMFJM試験 – Tiseo M et al
• 研究の目的
– 進展型SCLCの治療としてシスプラチンとエトポシドを用いた第一選択化学療法にベバシズマブを追加
投与した時の有効性を評価すること
シスプラチン25 mg/m2 D1–3* + エト
ポシド100 mg/m2 D1–3 q3w
(n=102)
主要な患者選択基準
• 進展期のSCLC
• 年齢≥18歳
無作為化
• ECOG PSスコアが≤2
主要エンドポイント
• OS
層別化
• 中央、ECOGのPSスコア(0–1 vs. 2)、性別、
年齢(≤65歳 vs. >65歳)
シスプラチン25
+ エトポシド100 mg/m2 D1–3
+ ベバシズマブ7.5 mg/kg D1 q3w
(n=96)
mg/m2 D1–3
(n=205)
最高6サイクル
6サイクル実施後
PDを認めない場
合、PDを認める
まで、または最大
18サイクル完了
するまでベバシズ
マブの単独投与
を継続する
副次的エンドポイント
• 奏効率、PFS、毒性
*シスプラチン投与対象でない場合、またはシスプラチン投与中に毒性を認めた
場合には、カルボプラチン(AUC5)を投与
Tiseo et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8513
8513: 進展型小細胞肺癌(SCLC)における第一選択治療として、ベバシズマブ併用/非併用下でのシスプラ
チン+エトポシドの投与を検討するイタリアの第III相多施設共同無作為化試験: GOIRC-AIFA
FARM6PMFJM試験 – Tiseo M et al
• 主な結果
中央値で35ヶ月の追跡調査後、OSには2群間での差異を認めなかったが、mPFSはベバシズマブの追加投与によって
改善した
PFS
OS
イベント
中央値
95% CI
CE
91
8.9ヶ月
7.9, 9.3
CE + ベバシズマブ
78
9.3ヶ月
8.6, 11.4
1.0
OSの確率
0.8
0.6
HR 0.78 (95%CI 0.58, 1.06)
0.4
1年生存率:
CE 24.9% vs. CE + ベバシズマブ 36.7%
ログランク検定 p=0.112
0.2
0
中央値
95% CI
CE
98
5.7ヶ月
5.0, 6.5
0.8
CE + ベバシズマブ
85
6.7ヶ月
5.5, 7.3
0.6
HR 0.72 (95%CI 0.54, 0.97)
0.4
1年PFS率:
CE 11.5% vs. CE + ベバシズマブ 18.4%
ログランク検定 p=0.030
0.2
0
0
•
イベント
1.0
PFSの確率
–
6
12
18 24
30 36
追跡調査、ヶ月間
42
48
0
6
12
18 24
30 36
追跡調査、ヶ月間
42
48
– 毒性については、ベバシズマブ投与群でグレード3~4の高血圧がより多くみられことを除き、同様であった
結論
– 進展期のSCLCに対する第一選択治療として、プラチナ製剤とエトポシドの併用投与にベバシズマブを追加投与した
時には、PFSの統計的に有意な改善がみられ、毒性プロファイルも容認可能なものであった
– ただし、OSは統計的に有意な増加を示さなかった
Tiseo et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8513
8504: CONVERT試験: 一般状態(PS)が良好な、限局期の小細胞肺癌(LS-SCLC)患者に対する化
学-放射線併用療法(cCTRT)において、1日2回(BD)または1日1回(OD)の放射線療法スケジュールを比
較検討する国際共同無作為化試験 – Faivre-Finn C et al
•
研究の目的
– 化学療法との併用下で、最新の原体照射療法技術を用いた放射線療法を1日2回(BD)または1日
1回(OD)行った際の、OSおよび毒性を比較検討すること
主要な患者選択基準
3週間以上の放射線療法45Gy、
30分割(BD)(n=274)
• 確認されたSCLC
• 限局期
• 年齢≥18歳
• ECOGのPSスコアが0~1
無作為化
• 悪性の胸水/心外膜液を認めない
• 容認可能な放射線療法の標的体
積
主要エンドポイント
• 2年生存率
層別化
• 治験実施施設
• 化学療法のサイクル数(4 vs. 6)
• PS 0, 1 vs 2
6.5週間以上の放射線療法66Gy
、33分割(OD)
(n=273)
(n=547)
PD
PD
副次的エンドポイント
• 治療コンプライアンス、毒性
• 局所および転移PFS
放射線療法を化学療法のサイクル1のDay 22に開始
(シスプラチンを25mg/m2でD1~3または75mg/m2でD1に、エトポシド
100mg/m2 D1~3との併用で4~6サイクル投与)し、必要に応じてPCIを実施
Faivre-Finn et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8504
8504: CONVERT試験: 一般状態(PS)が良好な、限局期の小細胞肺癌(LS-SCLC)患者に対する化
学-放射線併用療法(cCTRT)において、1日2回(BD)または1日1回(OD)の放射線療法スケジュールを比
較検討する国際共同無作為化試験 – Faivre-Finn C et al
•
主な結果
– ベースライン特性は2群間で同様であった
– 放射線療法としてBD群の98%、OD群の83%に全量が投与された。至適線量分割数での投与はそ
れぞれ86%と80%であった
– OS、PFSともに有意差を認めなかった
OS (n=543)
ログランク検
定
BD
OD
中央値、ヶ月間(範囲)
30 (23–34)
25 (21–31)
1年、% (95%CI)
83 (78–87)
76 (71–81)
2年、% (95%CI)
56 (50–61)
51 (45–57)
3年、% (95%CI)
43 (37–49)
39 (33–45)
全進行、n
mPFS、ヶ月間(95%CI)
182
15 (13, 19)
190
14 (12, 17)
p=0.26
局所進行、n
局所PDまでの期間の中央値、ヶ月間(95%CI)
175
21 (16, 28)
186
18 (16, 22)
p=0.21
転移性進行、n
遠隔PDまでの期間の中央値、ヶ月間(95%CI)
176
20 (16, 25)
182
17 (14, 22)
p=0.24
p=0.15
PFS (n=543)
Faivre-Finn et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8504
8504: CONVERT試験: 一般状態(PS)が良好な、限局期の小細胞肺癌(LS-SCLC)患者に対する化
学-放射線併用療法(cCTRT)において、1日2回(BD)または1日1回(OD)の放射線療法スケジュールを比
較検討する国際共同無作為化試験 – Faivre-Finn C et al
• 主要な結果(続き)
– AEは、グレード3/4の好中球減少症が有意に認められた(BD群74.1% vs. OD群65.4%、p=0.03)
ことを除き、近似していた
– 発熱性好中球減少症の発生率(23.4% vs. 18.0%)、グレード1/2の食道炎(62.6% vs. 55.1%)、
グレード3~5の食道炎(18.5% vs. 19.2%)にはBD群とOD群との間で統計学的差異を認めず、ま
たグレード3/4の放射線肺臓炎(2.0% vs. 2.4%)の発生はまれであった
– 3例が放射線療法終了後3カ月以内に放射線療法の毒性により死亡した(BD群1例 vs. OD群2
例)
• 結論
– BDでの照射と比較して、ODでは生存の改善も、毒性の増加も示されなかったことから、PSが良好な、
限局期のSCLCに対する標準治療としては、いずれかのレジメンの使用が支持される
Faivre-Finn et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8504
LBA8505: 再発性/治療抵抗性の小細胞肺癌(SCLC)において、デルタ様タンパク3(DLL3)標的化抗
体薬物複合体(ADC)であるロバルピツズマブテシリン(SC16LD6.5)を単剤投与した時の安全性および有効
性 – Rudin C et al
• 研究の目的
– 進行性SCLCにおけるロバルピツズマブテシリン(SC16LD6.5)の安全性および有効性を検討すること
• 方法
– (1種以上の治療施行後の)再発性または治療抵抗性のSCLC患者を、ヒトで初めての投与となる本
試験に登録し、用量設定試験の要領で、ロバルピツズマブテシリンの用量漸増を実施した
– 有効性はRECIST v1.1により、毒性はCTCAE v4.03により判定した。後ろ向き免疫組織化学的解
析を実施して、デルタ様タンパク3(DLL3)発現について検討した
• 主な結果
– 74例中39例が1ラインの治療歴を有し、35例は2ラインの治療歴を有していた
– ロバルピツズマブテシリンは、0.05~0.8 mg/kg(q3wまたはq6w)の用量で投与した
– 全グレードの投薬関連有害事象としては疲労(35%)、胸水(31%)、末梢性浮腫(27%)が最も多く
みられた一方、グレード3以上の投薬関連事象としては血小板減少症(12%)、漿膜滲出液(11%)、
皮膚反応(8%)が最も多くみられた
Rudin et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr LBA8505
LBA8505: 再発性/治療抵抗性の小細胞肺癌(SCLC)において、デルタ様タンパク3(DLL3)標的化抗
体薬物複合体(ADC)であるロバルピツズマブテシリン(SC16LD6.5)を単剤投与した時の安全性および有効
性 – Rudin C et al
• 主要な結果(続き)
– 全患者におけるORR(PR + CR)は18%、臨床的奏効率(SD + CR + PR)は68%であった
• 奏効率は、細胞の50%以上でDLL3の発現を認めた患者の方が優れており、ORRは39%で、臨床
的奏効率は89%であった
– 全患者において、第二選択治療(ORR 13%、臨床的奏効率72%)または第三選択治療(ORR
25%、臨床的奏効率64%)としてロバルピツズマブテシリンを投与した場合、患者間の奏効率は近似し
ていた
– OSは、細胞の50%以上でDLL3の発現を認めた患者の方が優れていた
DLL3の状態
mOS、ヶ月間
1年OS率、%
≥50%発現
5.8
32
全患者
4.6
18
• 結論
– 進行性SCLC患者においてロバルピツズマブテシリンをした場合、毒性は管理可能で、有望な抗腫瘍
活性および奏効の持続が示された
Rudin et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr LBA8505
8518: 中皮腫におけるPD-L1発現と、免疫細胞浸潤、ゲノム規模でのコピー数異常および生存の相関性
– Thapa B et al
• 研究の目的
– 悪性中皮腫の微小環境におけるPD-L1発現の役割について、免疫浸潤、中皮腫ゲノムの構造変動
および生存との関連性を検討すること
• 方法
– 組織マイクロアレイを悪性中皮腫患者329例から構築した
– CD8、CD4、FoxP3、PD-L1について免疫組織化学検査を実施した
• 主な結果
– PD-L1陽性が41.7%の例に認められ、高発現(腫瘍の50%超が膜染色強度2+以上として定義)を認
めたのは9.6%のみであった
– PD-L1陽性例では非類上皮型の組織構造(p<0.0001)との相関が示されるとともに、CD4、CD8、
FoxP3リンパ球浸潤の増加が認められた
– PD-L1高発現例では予後悪化との相関が示された(5.3ヶ月、PD-L1陰性では13.5ヶ月、PD-L1弱
発現では11.3ヶ月、p=0.0001)
• 結論
– 悪性中皮腫例の大部分でPD-L1の発現を認めるが、高発現はあまりみられない
– PD-L1高発現例には、非類上皮型の悪性中皮腫、臨床転帰不良、また免疫浸潤の増加との関連が
みられた
– ゲノム変異の増加にはPD-L1の発現との相関性はなかったが、予後不良との関連がみられた
Thapa et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8518
8554: 進行期の悪性胸膜中皮腫(MPM)を有する患者における第一選択治療としてのシスプラチンまたはカ
ルボプラチン併用下でのペメトレキセド投与: 系統的レビューとメタ解析 – Srour S et al
• 研究の目的
–
進行期の悪性胸膜中皮腫患者において、ペメトレキセド・カルボプラチンの併用投与(PCarb)またはペメトレ
キセド・シスプラチンの併用投与(PCisp)を実施した時の有効性および安全性を比較検討すること
• 方法
– 23件の対照比較試験および単一群試験の包括的な系統的レビューおよびメタ解析[前向き試験11件(無作
為化試験5件)、後ろ向き試験12件]
– 主要エンドポイントはOS、PFS、ORR、DCRとし、副次的安全性エンドポイントの解析を実施した
• 主な結果
– OSおよびPFSの統合推定値の中央値はそれぞれ、PCisp群では14.9ヶ月(95%CI 12.1、17.8)および6.2ヶ
月(95%CI 5.2、7.3)、PCarb群では15.7ヶ月(95%CI 9.9、21.5)および6.8ヶ月(95%CI 6.1、7.5)であっ
た
– 対照比較群を置いて実施した試験5本(1,615例)については、OS(HR 1.04、95%CI 0.90、1.21)にも
PFS(HR 0.90、95%CI 0.66、1.22)にも統計的有意差は認められなかった
– ORR(CR + PR)はPCisp群で有意に高かった(RR 1.23、95%CI 1.04、1.47、p=0.017)が、病勢安定を
追加した時には有意ではなかった(DCR)
– 安全性解析では、PCarb群での非血液学的毒性の良好なプロファイルが示唆された
• 結論
– 進行期の悪性胸膜中皮腫においては、DCR、PFS、OSの点で、 PCarbはPCispとの有意差を示さなかった
– 忍容性に優れることから、高齢患者や不適合患者の場合、PCarbはPCispの代替選択肢となりうる
Srour et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8554
8555: 悪性中皮腫のゲノムランドスケープ – Kato S et al
• 研究の目的
– 悪性中皮腫患者の分子プロファイルを検討する
• 方法
– 胸膜、腹膜、心膜を含む悪性中皮腫患者42例の次世代シーケンシング
– コピー数異常、遺伝子再構成、体細胞変異を判定した
• 主な結果
– 116個の異常が特定され、うち92個は特異的であった
– 最も多くみられた異常はBAP1(BRCA1関連タンパク1)(47.6%)、NF2(38.1%)、CDKN2A/B(欠
失)(35.7%)であった
– BAP1変異およびCDKN2A/B欠失は、胸膜中皮腫(BAP1ではOR 3.4、p=0.059、CDKN2A/Bで
はOR 5.8、p=0.01)と関連していた
– 全42例で、潜在的にすぐに活動の可能性がある分子異常を認め、うち40例はFDAの承認済み薬剤
の適応であった
• 結論
– 各患者に特有のゲノム変異が認められた
– 悪性中皮腫に関するシーケンシングデータを解析することは、本腫瘍型における新しい治療戦略の特
定につながると考えられる
Kato et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8555
8558: 悪性胸膜中皮腫(MPM)に対する治療として、化学療法併用下で実施するCRS-207のメソテリン発
現免疫療法 – Hassan R et al
• 研究の目的
– 悪性胸膜中皮腫患者において、化学療法にCRS-207を追加投与した時の安全性および有効性を
検討すること
• 方法
– 切除不能な悪性胸膜中皮腫患者に対し、2週間間隔でのCRS-207の2回投与、3週間間隔でのペ
メトレキセド/シスプラチンの6サイクル投与後、3週間間隔でCRS-207を2回投与した
– 臨床的安定を認めた場合、CRS-207を8週ごとに継続投与した
• 主な結果
– 38例(男性89% 、年齢中央値71歳)が登録され、治療期間の中央値は8.6ヶ月であった
– 最も多くみられたCRS-207関連AEは、グレード1/2の発熱、悪寒、低血圧、悪心/嘔吐であった。治療
関連の重篤なAEおよび死亡は報告されなかった
– 病勢コントロールは評価可能例36例中94%で得られ、奏効率は CRが3%、PRが53%、SDが39%、
奏効期間の中央値は5.3ヶ月であった
– PFSおよびOSの中央値はそれぞれ8.4ヶ月と20.1ヶ月であった
• 結論
– CRS-207は良好な忍容性を示すとともに、化学療法のみを実施した場合に予測される結果よりも、全
奏効率が増加し、生存期間も延長した
Hassan et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8558
8502: 切除不能な悪性中皮腫(MM)に対する第二/第三選択治療としてのトレメリムマブ投与:国際共同
二重盲検プラセボ対照DETERMINE試験の結果 – Kindler H et al
•
研究の目的
– 胸膜または腹膜の悪性中皮腫において、プラセボとの比較でトレメリムマブの有効性および安全性を評
価する
トレメリムマブ 10 mg/kgをq4wで7
回投与後q12wで投与
(n=382)
主要な患者選択基準
• 切除不能な胸膜/腹膜中皮腫
• 1~2ラインの治療施行後の進
行
• 測定可能病変
(n=571)
主要エンドポイント
• OS
DCR:病勢コントロール率、ORR:客観的奏効率
2:1
PD
層別化
• EORTC 低 vs. 高リスク
• 第二選択治療 vs. 第三選択治療
• 胸膜 vs. 腹膜
プラセボ
(n=189)
PD
副次的エンドポイント
• 18ヶ月OS、PFS、ORRおよび期間、DCR、持続
的DCR
• 安全性
Kindler et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8502
8502: 切除不能な悪性中皮腫(MM)に対する第二/第三選択治療としてのトレメリムマブ投与:国際共同
二重盲検プラセボ対照DETERMINE試験の結果 – Kindler H et al
•
主な結果
– トレメリムマブ群とプラセボ群間でのOSの統計的有意差は認められなかった
N
プラセボ
382
189
1.0
イベント、n (%)
307 (80.4)
154 (81.5)
0.9
mOS、ヶ月間
7.7
7.3
0.8
18ヶ月生存率、%
17.4
18.2
2つの層別因子(EORTCによる状態評価および治療ライン)を用いた解析a
0.7
生存率
トレメリムマブ
OS HR 0.92
95%CI (両側) 0.76, 1.12
両側 p=0.408
0.6
0.5
0.4
0.3
トレメリムマブ
0.2
プラセボ
0.1
0
0
3
6
9
12
15
18
21
24
27
無作為化からの経過期間(ヶ月間)
a層別化ログランク検定から得られたOSのp値、層別化コックス回帰分析から
得られたHRおよびCI。HRが1未満の場合、トレメリムマブによる死亡リスクの低下が示唆される
Kindler et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8502
8502: 切除不能な悪性中皮腫(MM)に対する第二/第三選択治療としてのトレメリムマブ投与:国際共同
二重盲検プラセボ対照DETERMINE試験の結果 – Kindler H et al
•
主要な結果(続き)
– 最も多くみられたグレード3のAEを表に示す
よくみられたグレード3以上のAEの全発生率、n (%)
•
トレメリムマブ (n=380)
プラセボ(n=189)
呼吸困難
34 (9)
27 (14)
下痢
58 (15)
1 (1)
大腸炎
26 (7)
0
筋骨格系胸痛
10 (3)
5 (3)
肺炎
9 (2)
6 (3)
脱水
12 (3)
2 (1)
リパーゼ増加
11 (3)
3 (2)
貧血
10 (3)
3 (2)
無力症
10 (3)
3 (2)
低ナトリウム血症
10 (3)
3 (2)
腹痛
7 (2)
6 (3)
結論
– 悪性中皮腫における第二/三選択治療として、トレメリムマブの単剤療法を実施した時には、主要エ
ンドポイントであるOSに関し、プラセボに対する優位性が示されなかった
– 安全性データには、トレメリムマブおよび他の
抗CTLA-4剤での既知の毒性プロファイルとの一貫性がみられた
Kindler et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8502
8503: 第Ib相JAVELIN固形腫瘍試験の切除不能な進行中皮腫患者におけるアベルマブ
(MSB0010718C、抗PD-L1)投与:安全性、臨床活性、PD-L1発現 – Hassan R et al
• 研究の目的
– 切除不能な中皮腫患者において、アベルマブの安全性および有効性を評価すること
• 試験デザイン
– 本第I相国際共同用量漸増・用量拡大試験では、プラチナ製剤とペメトレキセドの併用投与レジメン
の施行後に進行を認め、PD-L1発現に関する選択は行われず、EGOGのPSが0~1で、推定平均
余命が3ヶ月以上であった切除不能な胸膜/腹膜の中皮腫患者を登録した
– 進行の確認、許容できない毒性の発現または中止にいたるまで、アベルマブ 10 mg/kg(IV)をq2wで
投与した
– NCI CTCAE v4.0により有害事象を分類し、RECIST 1.1により腫瘍評価を行い、IHCによりPD-L1
発現状況を判定した
• 主な結果
– 2015年10月時点で、登録症例数は53例(年齢中央値66歳、女性21例)。診断からの経過時間の
中央値は1.8年、腫瘍の大部分が上皮(81.1%)または混合型(11.3%)であった
Hassan et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8503
8503: 第Ib相JAVELIN固形腫瘍試験の切除不能な進行中皮腫患者におけるアベルマブ
(MSB0010718C、抗PD-L1)投与:安全性、臨床活性、PD-L1発現 – Hassan R et al
•
主要な結果(続き)
– 治療関連有害事象が41例(77.4%)で報告され、そのほとんどが
グレード1~2であり、4例(7.5%)のみがグレード3~4の事象(γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、リン
パ球減少症、大腸炎、血中クレアチニンホスホキナーゼ増加)を報告した
– 6例で治療関連有害事象の発生後に投与中止となった。治療関連死亡の発生は報告されなかった
最良総合効果(RECIST 1.1による判定)
n=53
CR、n (%)
0
PR、n (%)
5 (9.4)
SD、n (%)
25 (47.2)
PD、n (%)
評価不能、n (%)
全奏効率、% (95%CI)
病勢コントロール率、% (95%CI)
PD-L1発現レベルに基づくORR、n/N1 (%) [95%CI]
染色カットオフ値(n=39)
PD-L1陽性
PD-L1陰性
腫瘍細胞の≥1%
2/20 (10.0)
[1.2, 31.7]
2/19 (10.5)
[1.3, 33.1]
18 (34.0)
腫瘍細胞の≥5%
2/14 (14.3)
[1.8, 42.8]
2/25 (8.0)
[1.0, 26.0]
5 (9.4)
腫瘍細胞の≥25%
0/7 (0.0)
[0.0, 41.0]
4/32 (12.5)
[3.5, 29.0]
腫瘍浸潤免疫細胞の≥10%
0/6 (0.0)
[0.0, 45.9]
4/33 (12.1)
[3.4, 28.2]
9.4 (3.1, 20.7)
56.6 (42.3, 70.2)
– 24週時点でのmPFSには、PD-L1発現状況による差を認めなかった(PD-L1陽性39.2% vs. PD-L1
陰性40.7%)
• 結論
– アベルマブはPD-L1陽性およびPD-L1陰性の進行中皮腫腫瘍患者において、
許容できる毒性プロファイルおよび抗腫瘍活性を示した
Hassan et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8503
他の悪性腫瘍
まれな腫瘍
8517: 再発性胸腺癌患者におけるペムブロリズマブの第II相試験 – Giaccone G et al
• 研究の目的
– 胸腺癌患者におけるペムブロリズマブの有効性および安全性を検討すること
• 方法
– 進行中の第II相試験において、1種以上の化学療法後に進行を認めた胸腺癌患者について検討する
– ペムブロリズマブ200 mg q3wを最長2年間投与する
– 主要エンドポイントはRECIST v1.1基準による奏効率、副次的エンドポイントはPFS、OS、忍容性とす
る
• 主な結果
– 2015年3月から、本試験には患者30例が登録されている
– 奏効率24%(CR 1例、PR 5例、SD 10例、PD 9例)
– mPFS 36週間
– グレード3、4の毒性は4例で報告された
• 結論
– 進行中の本試験では、胸腺癌におけるペムブロリズマブの有望な活性が示されている
– 自己免疫疾患は抗腫瘍活性と関連しないものと考えられる
Giaccone et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8517
8567: 進行胸腺癌患者における化学療法後の予測因子: NEJ023試験に参加した289例の後ろ向き解析
– Okuma Y et al
• 目的
•
•
•
– 進行胸腺癌患者において、化学療法後の転帰に関する予測因子を検討すること
方法
– 胸腺種型A/Bを除く進行胸腺癌患者289例の後ろ向き試験
– 根治治療の適応がない患者に対し、北東日本研究機構(NEJSG)の40施設で1995年~2014年にかけて化学療
法が実施された
– 医療記録から得られたデータには、人口統計学的特性、病理学的所見、治療および転帰に関する情報を含んだ
– 主要解析をOSについて実施している
主な結果
– 患者背景は以下の通り:年齢中央値61歳(範囲14~84歳)、男性71%/女性29%、ECOGのPS 0~1/2~3/不
明:87%/11%/2%、Masaoka分類 IVa/IVb/術後再発/その他:26%/50%/18%/6%、UICC TNM分類 IV/術後再
発/その他:77%/18%/5%
– Masaoka分類でのmOS:IVa/IVb/術後再発/その他:42.8ヶ月/21.3ヶ月/38.3ヶ月、体積縮小あり/なし:52.0ヶ月
/28.9ヶ月
– 年齢75歳超(p=0.013)、Masaoka分類IVa(p<0.001)、および体積縮小術 (p=0.005)は、OSの多変量解析に
おける独立予測因子であった
結論
– 進行胸腺癌患者においてMasaoka分類は有用であるが、Masaoka分類でIVaおよびIVbとされた患者のほとんどが
UICC TNM分類ではステージIVに分類される
– 体積縮小術によって、進行胸腺癌患者のOSが延長する可能性がある
Okuma et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8567
8569: 治療歴のある進行胸腺癌患者における第二選択化学療法の有効性:NEJ023試験の参加者192
例の後ろ向き解析 – Iwasawa S et al
• 研究の目的
•
•
•
– 進行胸腺癌患者における第二選択化学療法の有効性を検討すること
方法
– 胸腺種型A/Bを除く進行胸腺癌患者192例の後ろ向き試験
– 根治治療の適応がない患者に対し、北東日本研究機構(NEJSG)の40施設で1995年~2014年にかけて化学療
法が実施された
– 医療記録から得られたデータには、人口統計学的特性、臨床病理学的所見、治療および転帰に関する情報を含ん
だ
– OSおよびPFSに関し、データ解析を実施した
主な結果
– 患者背景は以下の通り:年齢中央値61歳(範囲14~84歳)、男性72%/女性28%、ECOGのPS 0~1/2~3/不
明:77%/15%/8%、Masaoka分類 IVa/IVb/術後再発/その他:28%/49%/19%/4%、UICC TNM分類 IV/術後再
発/その他:78%/19%/3%
– 第二選択化学療法のレジメンについて、57.8%の例でプラチナ製剤の2剤併用、28.6%の例で単剤療法、13.5%の
例でその他の他剤化学療法が実施されていた
– 化学療法開始後のOSの中央値は22.4ヶ月であった
– 奏効率(RR)およびOSともに、単剤療法群と他剤化学療法群との間での有意差を認めなかった(RR 18.2% vs.
11.5%、p=0.665、mOS 21.4 vs. 25.7ヶ月、p=0.805)
結論
– これらの結果より、治療歴のある進行胸腺癌患者では、単剤療法によって十分な有効性が得られることが示唆される
Iwasawa et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8569
8568: 胸腺上皮性腫瘍(TET)290例の中央での病理学的レビュー:全国ネットワークRYTHMICによる検討
– Molina T et al
• 研究の目的
– フランスの全国ネットワークに登録された胸腺上皮性腫瘍(TET)の全症例について、中央での病理学
的レビューを実施すること
• 方法
– 2009年~2015年までの間にTETと診断された患者から採取された290個の標本が、10名の病理学
者からなるパネルによって検討された
– 最初の施設との一致および不一致を評価した
– 患者の治療または管理に変更があった場合、当該不一致は「重大」と分類した
• 主な結果
– 109例(37.6%)で117の不一致を認め、65例(60%)には組織学的診断に関する不一致を、35例
(32%)にはステージに関する不一致を、9例には(8%)その両方を認めた
– 重大な不一致を19例(6.6%)に認めた
– 不一致が最も多くみられたのはステージIIIの下位診断であり、心膜および/または縦隔胸膜の組織学的
浸潤が根本的に難解であることを反映している
• 結論
– 胸腺悪性腫瘍については、病理組織学的専門家パネルによって診断されることで、より良い意思決定
が可能となり、特に術後放射線療法にあたっての過少または過剰治療を回避するための意思決定に
重要である
Molina et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 8568
4090: 消化器(GI)または肺起源の進行非機能性高分化型神経内分泌腫瘍(NET)におけるエベロリムス
(EVE)投与:RADIANT-4試験における全生存(OS)に関する2回目の中間解析 – Yao J et al
• 研究の目的
– 進行神経内分泌腫瘍(NET)におけるエベロリムス投与を検討するRADIANT-4試験において、予め
計画されたOSに関する2回目の中間解析を実施すること
エベロリムス 10 mg/日
(n=205)
主要な患者選択基準
• 進行、進行性、高分化型、非
機能性NET
2:1
PD
層別化
• 腫瘍の起源、PS、ソマトスタチンアナログ使用歴
• 消化器または肺起源
(n=302)
主要エンドポイント
• PFS
プラセボ
(n=97)
PD
副次的エンドポイント
• OS
Yao et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 4090
4090: 消化器(GI)または肺起源の進行非機能性高分化型神経内分泌腫瘍(NET)におけるエベロリムス
(EVE)投与:RADIANT-4試験における全生存(OS)に関する2回目の中間解析 – Yao J et al
• 主な結果
– エベロリムスはプラセボと比較して推定で死亡のリスクを27%減少させた
OS
100
OSの確率、%
80
60
40
打ち切り時点
エベロリムス(n/N = 66/205)
プラセボ(n/N = 35/97)
20
0
0
2
4
6
8
10
HR 0.73 (95%CI 0.48, 1.11); p=0.071 (NS)*
12
15
18
21
24
27
30
33
36
39
42
205 195 185 180 173 171 160
97 94 185 86 80 75 70
148
67
142
62
138
57
130
51
115
45
76
43
42
28
19
10
3
3
0
0
リスクにさらされ続けていた患者数
エベロリムス
プラセボ
* p値(有意水準の限界値) = 0.0020
Yao et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 4090
4090: 消化器(GI)または肺起源の進行非機能性高分化型神経内分泌腫瘍(NET)におけるエベロリムス
(EVE)投与:RADIANT-4試験における全生存(OS)に関する2回目の中間解析 – Yao J et al
• 主要な結果(続き)
– 推定2年生存率はエベロリムスで77%、これに比しプラセボでは62%であった
カプランマイヤー推定法
(95%CI)
エベロリムス
(n=205)
プラセボ
(n=97)
6ヶ月間
94.9 (90.7, 97.2)
90.3 (82.2, 94.8)
12ヶ月間
88.9 (83.5, 92.6)
82.2 (72.6, 88.7)
18ヶ月間
81.5 (75.1, 86.4)
73.5 (62.7, 81.6)
24ヶ月間
76.9 (70.0, 82.4)
61.5 (50.0, 71.1)
30ヶ月間
67.4 (59.8, 73.8)
58.8 (47.2, 68.7)
• 結論
– 統計的有意差は得られなかったものの、この2回目のOS中間解析で得られた結果からもまた、エベロリ
ムスによる生存率改善の傾向が示唆された
– OS最終解析は、約191の死亡例が起きた際に実施される
Yao et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 4090
他の悪性腫瘍
脳転移
2075: 脳転移を呈する肺癌患者の有病率、臨床リスク因子、転帰 – Waqar S et al
• 研究の目的
– NSCLCの診断を受けた患者における脳転移の発現頻度、および脳転移の存在と関連する臨床リスク
因子を解明すること
• 方法
– 米国癌データベースを用い、2010年から2012年の間にNSCLCと診断された患者(n=457,481)で脳
転移のデータが入手可能であった例について特定した
– ロジスティック回帰分析を用い、個々の規定の説明変数について、脳転移の存在のオッズ比を算出した
• 主な結果
– 脳転移はNSCLC患者の10.4%に認められた
– 多変量解析では、年齢、腺癌の組織構造、腫瘍サイズ、腫瘍グレードおよびリンパ節陽性疾患が、脳
転移の存在と有意に関連する変数として示された
– 脳転移の発生率は、リスク因子が1つのみの群での0.6%から、全5つを有していた群での22%にまで多
岐にわたった
• 結論
– NSCLCの診察時には、5つの臨床変数に基づいて脳転移のリスクを算出することができると考えられる
– 妥当性が証明されれば、本モデルは、脳転移を示唆する症状のない新規NSCLC診断例に対するス
テージ診断精密検査の指針として用いることができると考えられる
Waqar et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 2075
9002: 小細胞肺癌(NSCLC)からの軟膜(LM)疾患患者におけるオシメルチニブの活性:第I相BLOOM試
験の最新結果 – Yang J et al
• 研究の目的
– 軟膜疾患患者において、EGFR TKIであるオシメルチニブを投与した時の有効性および安全性を検討
する第1相試験
主要な患者選択基準
• EGFR変異進行NSCLC
• 以前のEGFR TKI療法中の進行
• 脳脊髄液(CSF)細胞診の陽性結果により
確認された軟膜疾患
オシメルチニブ 160 mg、
OD
PD
• ECOG PSスコアが0~2
(n=20)
エンドポイント
• AE、OS、脳のMRIおよび頭蓋外MRI/CTスキャンでの反応、CSF細胞診、神経学的検査、CNS症状、
CSF中のPK、CSF中のEGFR変異DNAの定量
Yang et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9002
9002: 小細胞肺癌(NSCLC)からの軟膜(LM)疾患患者におけるオシメルチニブの活性:第I相BLOOM試
験の最新結果 – Yang J et al
•
主な結果
– 有効性評価を21例を対象に実施した結果、5例で神経機能の改善が確認され、7例では放射線学
的に改善が確認された
確認された最良の神経学的状態
21
改善
18
患者数
n=21
変化なし
15
12
MRI画像上での最良の頭蓋内反応*
10
悪化
MRI画像上での最良の
頭蓋内反応、n (%)
早期中止
未確認
確認済み
未確認
奏効
7 (33)
1 (5)
病勢安定
9 (43)
2 (10)
早期中止
9
2 (10)
5
6
3
3
1
0
正常 (n=11)
1
1
異常 (n=10)
ベースライン時の神経学的状態
– 2例ではCSF細胞診でクリアランスが確認された
初回奏効の観察後、4週間以上にわたり、繰り返して奏効を確認した
*神経学的検査による評価
Yang et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9002
9002: 小細胞肺癌(NSCLC)からの軟膜(LM)疾患患者におけるオシメルチニブの活性:第I相BLOOM試
験の最新結果 – Yang J et al
•
主要な結果(続き)
– 全患者が1つ以上のAEを報告した
– グレード3以上の治療関連AEは3例(14%)で発生した
CTCAE分類
基本語に基づく投薬関連のAE、n
(%)
•
1
2
≥3
欠失
合計*
n=21、 160 mg
下痢
7 (33)
3 (14)
1 (5)
1 (5)
12 (58)
悪心
9 (43)
0 (0)
0 (0)
1 (5)
10 (48)
発疹(グループ語)
6 (29)
3 (14)
0 (0)
0 (0)
9 (43)
皮膚乾燥
5 (24)
1 (5)
0 (0)
0 (0)
6 (29)
爪囲炎
4 (19)
2 (10)
0 (0)
0 (0)
6 (29)
ざ瘡様皮膚炎
6 (29)
0 (0)
0 (0)
0 (0)
6 (29)
ALT増加
4 (19)
1 (5)
0 (0)
0 (0)
5 (24)
疲労
1 (5)
0 (0)
1 (5)
0 (0)
2 (10)
結論
– 様々な治療法による治療歴のある患者におけるEGFR変異NSCLCからの軟膜疾患に対し、オシメル
チニブを投与した時には、有望な予備的安全性、忍容性、活性が示される
– オシメルチニブを用いたBLOOM試験は進行中である
*発現頻度が10%を超えるAEのみを一覧に示す
Yang et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9002
9003: 脳転移(BM)および軟膜転移(LM)を有する非小細胞肺癌(NSCLC)の治療としてAZD3759
(CNS浸透性EGFR阻害剤)の投与を検討する第I相試験 – Ahn M-J et al
• 研究の目的
– EGFR変異陽性NSCLC患者において、EGFR阻害剤であるAZD3759の安全性および有効性を検
討する第I相試験
主要な患者選択基準
AZD3759
用量漸増
• 進行EGFR変異陽性NSCLC
• EGFR TKIを1ライン以上および
化学療法を1ライン施行後の進
行
500 mg BID
300 mg BID
200 mg BID
(n=20)
100 mg BID
5コホート
50 mg BID
主要エンドポイント
• 安全性および忍容性
副次的エンドポイント
• PKおよび抗腫瘍に対する有効性
Ahn et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9003
9003: 脳転移(BM)および軟膜転移(LM)を有する非小細胞肺癌(NSCLC)の治療としてAZD3759
(CNS浸透性EGFR阻害剤)の投与を検討する第I相試験 – Ahn M-J et al
•
主な結果
– 治療関連AEとして、皮疹および下痢が最も多くみられた
– MTDは300 mg BIDとし、第II相試験での推奨用量は200 mg BIDとした
CTCAE分類
基本語に基づく投薬関連のAE、
n (%)
1および2
≥3
全体*
(n=29)
発疹
14 (48)
2 (7)
16 (55)
下痢
12 (41)
1 (3)
13 (45)
掻痒
9 (31)
2 (7)
11 (38)
ざ瘡
7 (24)
1 (3)
8 (28)
口内炎
7 (24)
0
7 (24)
爪囲炎
6 (21)
0
6 (21)
粘膜の炎症
5 (17)
0
5 (17)
皮膚乾燥
5 (17)
0
5 (17)
食欲減退
4 (14)
0
4 (14)
*発現頻度が10%を超えるAEのみを一覧に示す
Ahn et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9003
9003: 脳転移(BM)および軟膜転移(LM)を有する非小細胞肺癌(NSCLC)の治療としてAZD3759
(CNS浸透性EGFR阻害剤)の投与を検討する第I相試験 – Ahn M-J et al
•
主要な結果(続き)
– 脳での腫瘍(標的病変)退縮を≥50 mg BIDの用量で11例に認め、PR確認例は3例、PR未確認例
は3例であった
50
頭蓋内
ベースラインからのTLの最良変化率、%
40
30
20
10
–10
–20
–30
–40
–50
–60
–70
•
LM
0
50 mg BID
100 mg BID
200 mg BID
300 mg BID
500 mg BID
*
PD
*
*
結論
– AZD3759は300 mg BIDまで忍容性良好で、他の
EGFR TKIと同様の安全性プロファイルを示した
– ≥200 mg BIDを投与した全例で、CSF中の濃度がIC50を超えた
– 有望な頭蓋内抗腫瘍活性が示された
*確認済み、 TL:標的病変
Ahn et al. J Clin Oncol 2016; 34 (suppl): abstr 9003