2016年上半期までの金融・資本市場動向

2016年上半期までの
金融・資本市場動向
2016年8月
新生証券株式会社
目次
Version :1.00 2016/7/28
I.
II.
III.
IV.
V.
VI.
1
マクロ経済
p. 2 - 21
1.
日本経済
p. 3
2.
米国経済
p. 6
3.
欧州経済
p. 12
4.
中国経済
p. 14
5.
為替市場
p. 16
6.
Brexitと金融市場
p. 20
バンキングを巡る情勢
p. 22 - 30
1.
国内資金循環
p. 23
2.
国内バンキング
p. 26
3.
日銀のマイナス金利政策
p. 27
株式市場
p. 31 - 34
1.
国内株式市場・需給まとめ
p. 32
2.
国内エクイティ調達状況
p. 34
債券市場
p. 35 - 42
1.
円債市場
p. 36
2.
米国債市場
p. 39
3.
欧州債市場
p. 41
クレジット市場
p. 43 - 48
1.
国内クレジット市場動向
p. 44
2.
国内起債動向
p. 45
3.
格付け動向
p. 47
証券化市場
p. 49 - 55
1.
証券化市場動向
p. 50
2.
住宅金融支援機構RMBS
p. 53
I.
Chapter
I
マクロ経済
II.
III.
IV.
V.
VI.
マクロ経済
1.
日本経済
2.
米国経済
3.
欧州経済
4.
中国経済
5.
為替市場
6.
Brexitと金融市場
バンキングを巡る情勢
1.
国内資金循環
2.
国内バンキング
3.
日銀のマイナス金利政策
株式市場
1.
国内株式市場・需給まとめ
2.
国内エクイティ調達状況
債券市場
1.
円債市場
2.
米国債市場
3.
欧州債市場
クレジット市場
1.
国内クレジット市場動向
2.
国内起債動向
3.
格付け動向
証券化市場
1.
証券化市場動向
2.
住宅金融支援機構RMBS
I. マクロ経済
(1)日本経済
日本経済は停滞
2016年前半の国内経済は一進一退の状況が続いているが、消費支出は低調であり、低いGDP成長率に留まっている。
国内の物価については、原油価格をはじめとしたコモディティ価格の低下を背景に、生鮮食品を除く消費者物価指数が前年比で
マイナスの状況となっている。また、生鮮食品及びエネルギーを除いたベースでもピークアウトした感が強まっており、日銀がインフレ
目標としている2%には程遠い状況が続いている。
図表 1 : 国内実質GDP成長率(前期比年率換算)とその寄与度
 出所
•
•
•
(%)
:
図表 1 : 内閣府国民
経済計算のデータより
新生証券作成 2016
年1-3月期は2次速報
図表2 : 総務省、日
銀、Bloombergの
データより新生証券作
成
2014年度の消費増
税のCPIへの影響は
2.0%程度(日銀試
算)
15
純輸出
公的固定資本形成
民間在庫品増加
民間住宅
実質GDP成長率(前期比年率換算)
(%)
公的在庫品増加
政府最終消費支出
民間企業設備
民間最終消費支出
5
10
5
生鮮食品除くCPI(前年同期比)
(円)
生鮮食品を除くCPI(消費増税の影響を除く/前年同期比)
生鮮食品・エネルギーを除く総合(日銀算出/2010年基準/前年同期比) 16,000
原油先物価格(円換算) : 右軸
4
14,000
3
12,000
2
10,000
1
8,000
0
6,000
-1
4,000
-2
2,000
1.9
0
-5
-10
-15
-20
2010Q1
3
図表2 : 国内物価指標と原油価格の推移
2011Q2
2012Q3
2013Q4
2015Q1
-3
Jan-04
Mar-06
May-08
Jul-10
Sep-12
Nov-14
0
I. マクロ経済
(2)日本経済②
鉱工業生産・雇用・景況感
図表 3 : 国内鉱工業生産指数の推移
鉱工業生産指数
130
 出所
•
•
•
•
:
図表 3 : 経済産業省
のデータより新生証券
作成
図表 4 : 総務省、厚
生労働省のデータより
新生証券作成
図表 5 : 内閣府の
データより新生証券作
成
図表 6 : 日銀のデータ
より新生証券作成
図表 4 : 失業率・有効求人倍率の推移
(%)
在庫指数
120
5.0
110
4.0
100
3.0
90
在庫の積み上がりを
反映して生産調整の
フェーズが継続
80
70
Jan-08
Jul-09
Jan-11
Jul-12
Jan-14
Jul-15
図表 5 : 景気ウォッチャー調査(現状判断DI)
1.20
1.00
0.80
0.60
雇用の改善は一層進んでいる。
2015年10月には失業率は3.2%
となり、その後も低水準をキープ
1.0
0.0
Jan-08
40
30
50
20
Apr-09
Jul-10
Oct-11
Jan-13
Apr-14
Jul-15
大企業製造業業況判断DI
大企業非製造業業況判断DI
10
45
0
40
-10
35
-20
30
25
外部要因の不透明
さや熊本地震の影
響を受けてマインド
に下押し圧力
20
15
4
1.40
2.0
55
10
Jan-08
1.60
図表 6 : 日銀短観(大企業)業況判断DIの推移
景気ウォッチャー調査(現状DI)
60
(倍)
有効求人倍率 : 右軸
失業率
6.0
Apr-09
Jul-10
Oct-11
Jan-13
Apr-14
Jul-15
製造業DIは海外経済の減
速懸念を反映して停滞する
一方、インバウンド消費の息
切れ懸念からやや非製造
業DIも失速傾向
-30
-40
-50
-60
-70
Mar-08
Sep-09
Mar-11
Sep-12
Mar-14
Sep-15
0.40
0.20
0.00
I. マクロ経済
(3)日本経済③
貿易収支・消費動向・住宅着工・機械受注
図表 7 : 貿易収支の推移
(10億円)
図表 8 : 小売業売上高/家計消費支出
(%)
貿易収支(季節調整済)
1,500
20
1,000
•
•
•
•
5
-500
図表 7 : 財務省貿易
統計のデータより新生
証券作成
図表 8 : 総務省家計
調査、経済産業省商
業動態統計のデータ
より新生証券作成
図表 9 : 国土交通省
建築着工統計のデー
タより新生証券作成
図表 10 : 内閣府機
械受注統計のデータ
より新生証券作成
-5
-1,500
-2,000
季節調整値においても原油価格下落等
の要因により貿易収支は黒字に浮上
Apr-09
Jul-10
Oct-11
Jan-13
Apr-14
Jul-15
図表 9 : 新設住宅着工戸数の推移
(%)
-15
Jan-08
0
8,000
-20
7,000
-40
6,000
Oct-11
Oct-11
Jan-13
Apr-14
Jul-15
Jan-13
Apr-14
Jul-15
機械受注(電力・船舶除く民需)
設備投資は持ち直しの動き
も、一進一退が継続
10,000
9,000
Jul-10
Jul-10
11,000
20
Apr-09
Apr-09
(億円)
住宅着工は2016年に入り低
金利が進む形で堅調に推移
40
-10
図表 10 : 機械受注(電力・船舶除く民需)
住宅着工件数(前年同期比)
60
-60
Jan-08
5
0
-1,000
-2,500
Jan-08
個人消費は一進
一退を継続
10
0
:
小売業売上高(前年同期比)
15
500
 出所
全世帯実質消費支出(前年同期比)
5,000
Jan-08
Apr-09
Jul-10
Oct-11
Jan-13
Apr-14
Jul-15
I. マクロ経済
(4)米国経済
やや減速気味の米国経済
2016年の米国経済は、2015年第2四半期をピークにモメンタムが低下している。個人消費は依然堅調ではあるものの、世界的
な景気の先行きに不透明感があることから、設備投資が減少していることが背景にある。
 出所
•
雇用情勢は失業率が金融危機前の2007年11月の水準まで低下し、賃金も上昇傾向にあることから、良好な雇用環境が続い
ているが、非農業部門雇用者数の伸びは鈍化しており、雇用改善のモメンタムは低下している。サービス業を中心に好調な内需
に支えられて堅調さがみられる。
:
図表 11 : 米国商務
省のデータより新生証
券作成
図表 11 : 米国実質GDP成長率(前期比年率換算)とその寄与度
(%)
6
個人消費支出
設備投資
住宅投資
在庫変動
純輸出
政府支出
実質GDP成長率(前期比年率換算)
5
4
3
2
1
1.1
0
-1
-2
-3
-4
6
2012Q1 2012Q2 2012Q3 2012Q4 2013Q1 2013Q2 2013Q3 2013Q4 2014Q1 2014Q2 2014Q3 2014Q4 2015Q1 2015Q2 2015Q3 2015Q4 2016Q1
I. マクロ経済
(5)米国経済②
米国雇用情勢
図表 12 : 非農業部門雇用者数増減と失業率推移
(千人)
600
図表 13 : 時間当たり平均賃金の伸び推移
失業率 : 右軸
非農業部門雇用者数増減(前月比)
400
 出所
•
•
•
•
:
200
図表 12 : 米国労働
省のデータより新生証
券作成
図表 13 : 米国労働
省のデータより新生証
券作成
図表 14 : 米国労働
省のデータより新生証
券作成
図表 15 : 米国労働
省のデータより新生証
券作成
0
-200
-400
労働市場は一段と改善し、5
月には失業率が4.7%にまで低
下も、非農業部門雇用者数の
増加の伸びも堅調に推移
-600
-800
-1000
Jan-07
Jan-09
Jan-11
Jan-13
Jan-15
図表 14 : 長期失業者数の推移
(千人)
8,000
(%)
12
(%)
4.0
10
3.5
8
3.0
6
2.5
4
2.0
2
1.5
0
1.0
Mar-07
時間当たり平均賃金(前年同期比)
足元で賃金の伸びが
加速、労働市場のタ
イト化を示唆
Mar-09
Mar-11
Mar-13
Mar-15
図表 15 : 労働参加率の推移
(%)
67
失業期間27週以上の失業者数
長期失業者数は減少
傾向にあり、金融危機
前の水準まで低下
7,000
6,000
5,000
労働参加率
職探しを諦めた、もしくはリ
タイヤした労働者が多く、
労働参加率が低下傾向
66
65
4,000
64
3,000
2,000
63
1,000
0
Jan-07
7
Jan-09
Jan-11
Jan-13
Jan-15
62
Jan-07
Jan-09
Jan-11
Jan-13
Jan-15
I. マクロ経済
(6)米国経済③
世界経済の動向から先行きは不透明な指標が出されている
図表 16 : 米ISM景気指数の推移
65.0
:
図表16 : 米ISMのデー
タより新生証券作成
図表17 : 米商務省の
データより新生証券作
成
図表18 : 米商務省、
全米不動産業者協会
より新生証券作成
図表19 : 米コンファレン
スボード、Reuters/ミシ
ガン大学のデータより新
生証券作成
 出所
図表 17 : 米PCEコアデフレーターの推移
ISM製造業景気指数
(%)
3.0
ISM非製造業景気指数
60.0
2.5
55.0
2.0
50.0
1.5
45.0
40.0
1.0
世界経済の不透明さにより製造業指数は
低下基調、一方非製造業指数も米国内
需の先行き不透明さから低下気味
35.0
30.0
Jan-08
Jul-09
Jan-11
Jul-12
Jan-14
0.5
0.0
Jan-07
Jul-15
図表 18 : 米住宅着工及び中古住宅販売件数の推移(年率換算)
(千戸)
1,600
中古住宅販売件数 : 右軸
住宅着工件数
(百万戸)
6.0
5.5
1,200
5.0
1,000
Jul-08
Jan-10
Jul-11
Jan-13
Jul-14
Jan-16
120
コンファレンスボード消費者信頼感指数
ミシガン大学消費者信頼感指数
米国の消費マインドは
雇用環境の良好さな
どを背景に高止まり
100
80
4.5
800
600
4.0
米国の住宅市場は、着
工・販売両面で回復
400
200
8
景気の拡大を反映する形で
直近は物価上昇率も加速
図表 19 : 米消費者信頼感指数の推移
1,400
0
Jan-07
PCEコアデフレーター(前年同期比)
Jul-08
Jan-10
Jul-11
Jan-13
Jul-14
3.5
Jan-16
3.0
60
40
20
Jan-07
Jul-08
Jan-10
Jul-11
Jan-13
Jul-14
Jan-16
I. マクロ経済
(7)米国経済④~米金融政策
米金融政策
2015年12月のFOMC会合にて、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0-0.25%のレンジから0.25-0.50%のレンジに引き上
げ。
今後のFF金利については、経済の状況に従って緩やかな引き上げに限り正当化されるとの見方を示す。
図表 20 : FF金利誘導目標の長期推移と主な出来事
(%)
FF金利誘導目標
10
 出所
•
塗りつぶしは米リセッション期間
バブル
:
図表 20 : FRB、
Bloombergのデータ
より新生証券作成
9
ドットコム・バブ
ル(-2001)
8
グリーンスパンFRB
議長(当時)、株価
について「根拠なき
熱狂」(1996/12)
7
米同時多発テ
ロ(2001/9)
6
5
プラザ合意
(1985/9)
3
ブラック・マンデー
(1987/10)
2
1
0
Jan-85
Jan-88
Jan-91
金融危機後初
めての利上げ
(2015/12)
ゼロ金利政策
(2008/12)
LTCM破綻
(1998/9)
湾岸戦争
(1991/1)
金融政策等
世界的金融
危機(2008/92009)
イラク戦争
(2003/3)
アジア通貨危
機(1997/7)
ネガティブイベント等
リーマン・ショック
(2008/9)
エンロン破綻
(2001/12)
4
9
サブプライム危機
の発生(2007/8-)
QEの開始
(2009/3)
住宅・信用バブ
ル(2003-2006)
Jan-94
Jan-97
Jan-00
QEの終了
(2014/10)
Jan-03
Jan-06
0.25-0.50%
Jan-09
Jan-12
Jan-15
I. マクロ経済
(8)米国経済⑤~米金融政策(2)
FOMC声明文の推移
2016年6月14-15日の会合では、経済認識について、労働市場の判断を下方修正。
図表 21 : FOMC声明文の推移(直近3会合)
 出所
•
:
図表 21 : FRBより新
生証券作成
10
Jun-16(据え置き)
Apr-16(据え置き)
Mar-16(据え置き)
経済活動は上向いている(picked up)ように見え 経済活動に減速が表れている(appears to
グローバル経済や金融の動向にも関わらず緩やかな
経済活動の現状認識
る
ペース(moderate pace)で拡大
have slowed)
個人消費の伸びは強化された(strengthened) 家計の実質収入が堅調な(solid)割合で増加し、 緩やかに増大(moderate rate)
消費者センチメントは高く(remains high)推移して
個人消費の現状認識
いるにも関わらず家計消費支出の伸びは緩やか
(moderated)である
軟調(soft)なまま
軟調(soft)なまま
投資活動の現状認識 軟調(soft)なまま
今年の年初以降、住宅市場は改善が続いている 年初以降、住宅セクターはさらに改善した
さらに改善(improved further)
住宅市場の現状認識
(continued to improve)
(improved further)
労働市場の改善のペースは鈍化した(slowed)。失 労働市場の状況はさらに改善した(improved
直近の幅広い指標では、雇用の力強い増加
業率は低下したが、雇用の増加も減退した
further)
(strong job gains)も含めて、労働市場はさらに
強化されている(additional strengthening)と指
直近の幅広い指標では、雇用の力強い増加
(diminished)
労働市場の現状認識
(strong job gains)も含めて、労働市場はさらに 摘できる
強化されている(additional strengthening)と指
摘できる
物価はエネルギー価格の下落や非エネルギー輸入 物価はエネルギー価格の下落や非エネルギー輸入 物価はここ数カ月で上向き(picked up)となってい
物価の低下の影響から委員会の長期的な目標で 物価の低下の影響から委員会の長期的な目標で るものの、委員会の2%長期目標を下回り続けてい
物価の現状認識
ある2%を下回り続けている
ある2%を下回り続けている
る
市場ベースの指標は低下した(declined)が、調査 市場ベースの指標は低いまま(remain low)だが、 市場ベースの指標は低いまま(remain low)だが、
インフレ期待の
ベースの長期インフレ期待の指標はあまり変化がな 調査ベースの長期インフレ期待の指標はあまり変化 調査ベースの長期的なインフレ期待の指標はあまり
現状認識
かった(little changed)
がなかった(little changed)
変化がなかった(little changed)
金融政策スタンスの徐々な調整を伴いながら経済 金融政策スタンスの徐々な調整を伴いながら経済 金融政策スタンスの徐々な調整を伴いながら経済
活動は緩やかなペース(moderate pace )で拡 活動は緩やかなペース(moderate pace )で拡 活動は緩やかなペース(moderate pace )で拡
大していき、労働市場の指標は強化が続くと予測す 大していき、労働市場の指標は強化が続くと予測す 大していき、労働市場の指標は強化
経済見通し
る
る
(strengthen)が続くと予測するものの、世界経済
や金融情勢はリスクをもたらし続けている
以前のエネルギー価格の下落により物価は目先低 以前のエネルギー価格の下落により物価は目先低 以前のエネルギー価格の下落により物価は目先低
いままに留まる(remain low in the near term) いままに留まる(remain low in the near term) いままに留まる(remain low in the near term)
が、エネルギー価格や輸入物価の下落という一過性 が、エネルギー価格や輸入物価の下落という一過性 が、エネルギー価格や輸入物価の下落という一過性
な効果が消え、労働市場がさらに強化されることか な効果が消え、労働市場がさらに強化されることか な効果が消え、労働市場がさらに強化されることか
物価見通し
ら中期的には2%を超えて上昇すると予測する。
ら中期的には2%を超えて上昇すると予測する。
ら中期的には2%を超えて上昇すると予測する。
委員会は物価指標やグローバル経済及び金融の 委員会は物価指標やグローバル経済及び金融の 委員会は物価の進展を緊密に(closely)監視し続
動向を緊密に(closely)監視し続けていく。
動向を緊密に(closely)監視し続けていく。
けていく。
I. マクロ経済
(9)米国経済⑥~先行きのFF金利見通し
先行きのFF金利見通し(FOMC予想 vs. 市場参加者)
FOMCメンバーによる各年末の金利水準をみると、多くは2016年末には0.875%と予想し、年末までに25bpの上昇、2回程度
の利上げを見込んでいるが、年1回程度の利上げしか行われないとみる向きも増加している。
一方、FF金利先物市場は、前回会合と比較すると利上げのペースが遅くなることを見込んでいる。6月のFOMC会合の時点
(2016年6月15日)では、7月会合(同7月27日)で5.9%、9月会合(同9月21日)で24.3%、11月会合(同11月2日)で25.9%、
12月会合(同12月14日)で40.3%の利上げ確率を織り込んでいる(Bloombergより)。
図表 22 : FOMCメンバーによる金利見通し(各年末の金利)
 出所
•
•
(%)
:
図表 22 : FRBより新
生証券作成
図表 23 : CME /
Bloombergのデータ
より新生証券作成
2016
3.750
3.625
3.500
3.375
3.250
3.125
3.000
2.875
2.750
2.625
2.500
2.375
2.250
2.125
2.000
1.875
1.750
1.625
1.500
1.375
1.250
1.125
1.000
0.875
0.750
0.625
0.500
0.375
0.250
0.125
2017
2018
図表23 : FF金利先物が織り込む金利見通し
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.830%
0.8
1
0.595%
0.6
1
9
0.4
0.465%
6
2016年12月は現行よりも
0-25bp程度の利上げし
か織り込まれていない
0.2
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
(名)
11
2016/6/15終値(今回会合)
2016/3/16終値(前回会合)
2015/12/16終値(利上げ実施時の会合)
(%)
長期的
0.0
Jun-16
Oct-16
Feb-17
Jun-17
Oct-17
Feb-18
Jun-18
I. マクロ経済
(10)欧州経済
欧州経済は低迷が続く
欧州域内の経済はリーマンショックに端を発した世界金融危機の大きな落ち込みの後に周縁国のソブリン危機が発生し、その度に
景気が落ち込む形となったものの、その後は停滞感がありつつもユーロ安を背景として緩やかな回復傾向となっている。今後は
Brexit(英国のEU離脱)により、景況感の悪化が懸念される。
 出所
•
•
域内物価についてはマイナス圏に入っており、依然としてデフレリスクが高い。
:
ECBは2016年3月に、①ECB預金ファシリティ金利のマイナス幅拡大(▲0.30%→ ▲0.40%) を含むすべての政策金利の引き下
げ、②資産購入額の増額(毎月600億ユーロから800億ユーロへ)、③欧州の金融セクターを除く社債を資産購入の対象に追加、
④新たな長期資金供給オペレーション(TLTRO II)の導入を決めるなど、追加的な金融緩和を実施した。今後も引き続きデフレや、
Brexitによる市場・経済への懸念から金融緩和のスタンスを継続するものとみられる。
図表 24 : Eurostat
のデータより新生証券
作成
図表 25 : Eurostat
のデータより新生証券
作成
図表 24 : 欧州実質GDP成長率(前期比)
(%)
図表 25 : 独・仏・伊・スペインの実質GDP成長率(前期比)
(%)
欧州域内GDP(前期比)
1.5
世界金融危機
1.0
イタリア
スペイン
2.0
1.0
0.0
-0.5
0.0
-1.0
-1.0
-1.5
-2.0
-2.0
-3.0
-2.5
-4.0
-3.0
12
フランス
欧州ソブリン危機 足元
0.5
-3.5
Mar-00
ドイツ
3.0
Mar-03
Mar-06
Mar-09
Mar-12
Mar-15
-5.0
Jun-01
Jun-03
Jun-05
Jun-07
Jun-09
Jun-11
Jun-13
Jun-15
I. マクロ経済
(11)欧州経済②
物価はデフレ懸念、失業率は改善、景況感は失速気味・ECBは緩和姿勢強める
図表 26 : ユーロ圏消費者物価の推移
(%)
5
 出所
•
•
•
•
図表 27 :ユーロ圏失業率の推移
ユーロ圏消費者物価指数(前年同期比)
消費者物価指数の伸び
率は原油などのエネルギー
価格の下落の影響により
マイナスの水準が続く
4
:
図表 26 : Eurostat
のデータより新生証券
作成
図表 27 : Eurostat
のデータより新生証券
作成
図表 28 : Markit /
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 29 : ECB /
Bloombergのデータ
より新生証券作成
11
2
10
1
9
0
8
-1
Jan-04
Jan-06
Jan-08
Jan-10
Jan-12
Jan-14
図表 28 : ユーロ圏製造業PMIの推移
7
Jan-04
(%)
6
54
5
53
4
52
3
51
2
景況感の改善は進んだもの
の、英国のEU離脱問題や
世界的な景況感の停滞な
どの要因から失速気味
49
48
Jun-13
Dec-13
Jun-14
失業率は順調に低下し
ているが金融危機以前の
水準にまでは低下してお
らず、道半ばの状況
Mar-06
May-08
Jul-10
Sep-12
Nov-14
図表 29 : ECBの政策金利推移
ユーロ圏製造業PMI
55
Jan-16
ユーロ圏失業率
12
3
50
13
(%)
13
Dec-14
Jun-15
Dec-15
ECBリファイナンス金利(政策金利)
ECB預金ファシリティ金利
ECBは預金ファシリティ金利の
マイナスを継続。2016年3月
には預金ファシリティ金利を更
に0.1%引き下げて▲0.4%に
1
0.0%
0
-1
Dec-98
▲0.4%
Dec-01
Dec-04
Dec-07
Dec-10
Dec-13
I. マクロ経済
(12) 中国経済
底打ちを示唆する中国経済
2016年の中国経済は低迷が続いている。1-3月期のGDPは前年比6.7%と金融危機以降では最低水準。
中国経済は、個人消費は堅調なものの、過剰生産在庫の調整及び投資の減速が続いているが、一部で底入れの兆しがみえて
きている。特に不動産投資は回復の兆しがみえてきている。
 出所
•
•
:
物価については、生産者物価(PPI)が2012年3月以降51カ月連続で前年同期比マイナスが続いているものの、原油や鉄鋼価格
などの持ち直しにより下落率は縮小、消費者物価指数については食品価格の押し上げにより2%台で推移する形となってきている。
図表 30 : 中国国家
統計局のデータより新
生証券作成
図表 31 : 中国国家
統計局のデータより新
生証券作成
図表 30 : 中国GDP成長率の推移
(%)
図表 31 : 中国都市部固定資産投資の推移
(%)
中国実質GDP成長率(前年同期比)
17
60
15
50
リーマンショック後の大
規模な景気刺激策に
よって高成長を記録
13
11
GDPの伸び率は
7%を割り込み、減
速感がさらに強まる
投資は構造調整要因により
一段と伸び悩んでいるものの、
不動産投資は急速に回復
30
20
6.7
7
14
固定資産投資不動産業(累計・前年同期比)
40
9
5
Mar-04
固定資産投資(累計・前年同期比)
Sep-06
Mar-09
Sep-11
Mar-14
10
0
Feb-04
Feb-07
Feb-10
Feb-13
Feb-16
I. マクロ経済
(13) 中国経済②~主要経済指標
図表 32 : 中国鉱工業生産指数の推移
図表 33 : 中国CPI/PPIの推移
(%)
(%)
鉱工業生産指数(前年同期比)
25
世界経済の低い成長、及び
過剰在庫の調整圧力が続く
中、生産の伸びは抑制的
20
 出所
•
•
•
•
:
図表 32 : 中国国家
統計局のデータより新
生証券作成
図表 33 : 中国国家
統計局のデータより新
生証券作成
図表 34 : 中国国家
統計局のデータより新
生証券作成
図表 35 : 中国人民
銀行のデータより新生
証券作成
5
10
0
5
-5
Jan-06
Jan-08
Jan-10
Jan-12
Jan-14
Jan-16
図表 34 : 中国製造業PMIの推移
-10
Jan-04
PPI(前年同期比)
生産者物価(PPI)は長
期マイナス局面も下落
率は縮小。CPIの伸び
は2%程度で推移
10
15
0
Jan-04
CPI(前年同期比)
15
Jan-06
Jan-08
Jan-10
Jan-12
Jan-14
Jan-16
図表 35 : 中国大手銀行預金準備率、預金・貸出金利の推移
(%)
製造業PMI
8
60
預金金利
貸出金利
大手銀行預金準備率 : 右軸
(%)
25
7
55
20
6
5
50
15
4
45
10
3
2
40
5
1
35
Jan-05
15
Jan-07
Jan-09
Jan-11
Jan-13
Jan-15
0
Feb-00
Aug-02
Feb-05
Aug-07
Feb-10
Aug-12
Feb-15
0
I. マクロ経済
(14)為替市場
為替市場
2016年上半期のドル円相場は、世界的なリスク回避の流れが日銀によるマイナス金利政策を相殺、米国金融政策の不透明感
から下落する展開。6月には、英のEU離脱国民投票で離脱が確定したことを受けて、一時99円台まで急激な円高が進む。
図表 36 : USD/JPYの推移
 出所
•
•
:
図表 36 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 37 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
(円)
130
USD/JPY
金融政策に関するイベント
その他のイベント
125
日銀、マイナス金
利導入決定
(2016/1)
120
115
110
105
100
95
Jun-15
FRBイエレン議長、世
界経済の鈍化リスク
から利上げに慎重姿
勢(2016/3)
英、EU離脱を決定、ド
ル円は一時99円台を
示現 (2016/6)
中国株急落
(2015/7)
中国人民銀、通
貨切り下げ
(2015/8)
Aug-15
FOMCで12月の利
上げについて検討
(2015/10)
Oct-15
米FOMCで利上
げ決定
(2015/12)
原油先物大幅安
(2016/1)
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
図表 37 : EUR/USDの推移
(米ドル)
EUR/USD
1.18
英、EU離脱を決定
(2016/6)
ECB、追加金融緩和を
実施、預金ファシリティ金
利のマイナス幅拡大
(2015/12)
1.16
1.14
1.12
1.10
1.08
1.06
1.04
Jun-15
16
ギリシャ政府ESMからの融
資など金融支援策を申請
(2015/7)
Aug-15
ECB、追加金融緩和を実
施もドラギ総裁追加利下げ
を想定せずと発言
(2016/3)
米FOMCで利上げ決定
(2015/12)
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
I. マクロ経済
(15)為替市場②~新興国通貨(対ドル)
新興国通貨:一部の通貨に下げ止まりの傾向
図表 38 : AUD/USDの推移
(USD)
•
•
•
•
(米ドル)
AUD/USD
0.80
 出所
図表 39 : NZD/USDの推移
0.78
:
図表 38 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 39 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 40 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 41 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
0.72
0.76
0.70
0.74
0.68
0.72
0.66
0.70
0.64
0.68
0.66
Jun-15
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
図表 40 : USD/BRLの推移
(ブラジルレアル)
Aug-15
Oct-15
(トルコリラ)
3.20
4.2
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
USD/TRY
3.10
4.0
3.00
3.8
2.90
3.6
2.80
3.4
2.70
3.2
17
0.62
Jun-15
図表 41 : USD/TRYの推移
USD/BRL
4.4
3.0
Jun-15
NZD/USD
0.74
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
2.60
Jul-15
Sep-15
Nov-15
Jan-16
Mar-16
May-16
I. マクロ経済
(16)為替市場③~新興国通貨(対円)
新興国通貨:下落基調が続き、Brexitにより対円で下げ拡大
図表 42 : AUD/JPYの推移
(円)
100
 出所
•
•
•
•
:
図表 43 : NZD/JPYの推移
(円)
86
AUD/JPY
84
95
図表 42 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 43 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 44 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 45 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
80
78
85
76
80
74
75
72
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
図表 44 : BRL/JPYの推移
(円)
70
Jun-15
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
Feb-16
Apr-16
Jun-16
図表 45 : TRY/JPYの推移
(円)
BRL/JPY
41
TRY/JPY
48
39
46
37
44
35
42
33
40
31
38
29
36
27
Jun-15
18
82
90
70
Jun-15
NZD/JPY
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
34
Jun-15
Aug-15
Oct-15
Dec-15
I. マクロ経済
(17)為替市場④~ベーシススワップ
ドル円ベーシススワップ市場は依然としてドル調達コストが高止まり
図表 46 : ドル円ベーシススワップの推移
(bp)
3Y
-50
 出所
•
•
:
5Y
10Y
-60
図表 46 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 47 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
-70
-80
-90
-100
-110
Jun-15
Jul-15
Aug-15
Sep-15
Oct-15
Nov-15
Dec-15
Jan-16
Feb-16
Mar-16
Apr-16
May-16
Feb-16
Mar-16
Apr-16
May-16
図表 47 : ユーロドルベーシススワップの推移
(bp)
3Y
5Y
10Y
-20
-25
-30
-35
-40
-45
-50
-55
-60
Jun-15
19
Jul-15
Aug-15
Sep-15
Oct-15
Nov-15
Dec-15
Jan-16
I. マクロ経済
(18)Brexitと金融市場
Brexit(英国のEU離脱問題)
2016年6月23日の英EU離脱国民投票(レファレンダム)において、離脱が総投票数の51.89%を占め、EU離脱を決定した。レファ
レンダム前は残留と見込まれていたため、市場ではサプライズとして受け止められた。
 出所
•
•
これを受けて金融市場では、英ポンドが急落、英国債を含む各国金利の低下に拍車がかかる結果となった一方で、中央銀行や
財務当局への政策期待も大きくなり、株式は急落後反発した。
:
図表 48 : 選管、
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 48 : 英EU離脱国民投票(レファレンダム)結果
図表 49 : 英国世論調査推移
図表 49 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成、
「ブルームバーグ・コン
ポジットEU国民投票
世論調査トラッカー」を
使用
(%)
離脱
70
残留
分からない
当初は残留派が優勢で
あったものの、「分からな
い」(態度保留)が離脱派
に多く回ったことで接戦
60
50
40
16,141,241
(48.11%)
離脱
17,410,742
(51.89%)
残留
30
20
10
0
Sep-15
20
Nov-15
Jan-16
Mar-16
May-16
I. マクロ経済
(19)Brexitと金融市場②
Brexitと金融市場
図表 50 : GBP/USD及びGBP/JPYの推移(過去1年)
(円)
200
(%)
2.2
1.58
190
2.0
1.53
180
1.48
170
1.43
160
1.38
150
1.33
140
0.8
130
0.6
Jun-15
(米ドル)
1.63
 出所
•
•
•
:
図表 50 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 51 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 52 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 51 :英国10年債利回りの推移(過去1年)
GBP/USD
1.28
Jun-15
Aug-15
Oct-15
Dec-15
GBP/JPY : 右軸
Feb-16
Apr-16
Jun-16
UK 10Y
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
図表 52 : レファレンダム開票時のGBP/USDと日経平均株価の推移
(米ドル)
1.55
GBP/USD
(円)
16,500
日経平均株価 : 右軸
1.50
16,100
離脱決定
15,700
1.45
1.40
Yougov調査
で残留優勢が
伝えられる
15,300
サンダーランド地
区で離脱優勢
14,900
1.35
1.30
2016/6/24 6:00
21
2016/6/24 7:40
2016/6/24 9:20
2016/6/24 11:00
2016/6/24 12:40
2016/6/24 14:20
14,500
I.
Chapter
II
バンキングを巡る情勢
II.
III.
IV.
V.
VI.
マクロ経済
1.
日本経済
2.
米国経済
3.
欧州経済
4.
中国経済
5.
為替市場
6.
Brexitと金融市場
バンキングを巡る情勢
1.
国内資金循環
2.
国内バンキング
3.
日銀のマイナス金利政策
株式市場
1.
国内株式市場・需給まとめ
2.
国内エクイティ調達状況
債券市場
1.
円債市場
2.
米国債市場
3.
欧州債市場
クレジット市場
1.
国内クレジット市場動向
2.
国内起債動向
3.
格付け動向
証券化市場
1.
証券化市場動向
2.
住宅金融支援機構RMBS
II. バンキングを巡る情勢
(1)日銀資金循環統計による部門別の金融資産・負債残高
日銀資金循環統計による部門別の金融資産・負債残高(2016年3月)
図表 53 : 部門別の金融資産・負債残高
負債
 出所
•
図表 53 : 日銀「資金
循環統計」(2016/6)
のデータより新生証券
作成
資産
預金取扱機関
家計 (合計 390)
:
負債
資産
借入
317
貸出
740
預金
1,363
その他
73
証券
420
証券
100
借入
356
貸出
証券
769
証券
その他
302
民間非金融法人(合計 1,428)
家計 (合計1,706)
現金・預金
証券
保険・年金準備金
その他
894
272
509
31
保険・年金基金
50 保険・年金準備金
513
383
その他金融仲介機関
一般政府(合計 1,245)
借入
160
証券
1,055
その他
30
貸出
435 財政融資資金預託金
証券
135
37
民間非金融法人(合計 1,094)
現金・預金
261
証券
315
その他
517
一般政府(合計 554)
借入
217
財政融資資金委託金
421
31
証券
証券
200
その他
322
中央銀行
海外(合計 577)
証券
305
貸出
158
その他
114
資産
23
貸出
35
現金
100
証券
381
日銀預け金
275
海外(合計 927)
国内資金循環のメインストリームは、家計及び民間非金融
法人の現金・預金が預金取扱機関や保険・年金基金を通
じて一般政府の証券(国債)や民間非金融法人の証券(株
式・債券)に流れ、最終的には中央銀行に流れる傾向
証券
549
借入
120
その他
259
負債
単位:兆円
II. バンキングを巡る情勢
(2)国内銀行の預貸率・貸出動向
国内銀行の預貸率・貸出動向
預貸率は概ね横ばい推移となっている。貸出も増えているものの、企業及び家計の預金選好が強く、預金流入が高水準であり、
預貸ギャップは依然として大きく、預貸率の改善にはつながっていない。
貸出は2010年以降回復基調続く。消費者信用向け貸出で伸びが続いている。
 出所
•
•
•
•
図表 54 : 国内銀行の預金(負債)の伸びの推移(前年同期比)
:
図表 54 : 日銀「資金
循環統計」 (2016/6)
のデータより新生証券
作成
図表 55 : 日銀「資金
循環統計」 (2016/6)
のデータより新生証券
作成
図表 56 : 日銀「資金
循環統計」 (2016/6)
のデータより新生証券
作成
図表 57 : 日銀「資金
循環統計」 (2016/6)
のデータより新生証券
作成
(%)
5
図表 55 : 国内銀行の預貸率推移
(%)
預金(前年同期比)
4
3.3
3
80
1
70
0
Mar-02
Mar-05
Mar-08
Mar-11
60
Mar-99
Mar-14
図表 56 : 国内銀行の貸出(資産)の伸びの推移(前年同期比)
(%)
8
Mar-02
(%)
15
貸出(前年同期比)
Mar-05
Mar-08
Mar-11
住宅貸付(前年同期比)
消費者信用(前年同期比)
企業・政府向け(前年同期比)
10
4
Mar-14
足元は消費者信用の
伸びがみられる
5
2
2.1
0
-2
0
-5
-4
-6
-10
-8
24
72.0
図表 57 : 国内銀行の種類別貸出(資産)の伸びの推移(前年同期比)
6
-10
Mar-99
預金流入が多く、貸
出増加も鈍る中、預
貸率が改善しない
100
90
2
-1
Mar-99
預貸率
110
Mar-02
Mar-05
Mar-08
Mar-11
Mar-14
-15
Mar-99
Mar-02
Mar-05
Mar-08
Mar-11
Mar-14
II. バンキングを巡る情勢
(3)国内銀行の貸出以外の金融資産動向(有価証券等)
国内銀行の貸出以外の金融資産動向(有価証券等)
貸出を除いたベースでは、2013年以降の量的・質的緩和による国債買入オペに積極的に応じるようになったことから、国内銀行
の国債保有残高は減少傾向にある。これにより、日銀預け金(日銀当座預金)の残高は急拡大。国内銀行の2016年3月末時
点の残高は167兆円に達する。
 出所
•
•
株式等の残高は、2012年以降の株高局面で時価総額が上昇したことから増加傾向にあったが、2015年夏以降の市場の混乱
により減少している(2016年3月は前年同期比25.3%減)。
:
図表 58: 日銀「資金
循環統計」 (2015/6)
のデータより新生証券
作成
図表 59 : 日銀「資金
循環統計」(2015/6)
のデータより新生証券
作成
対外証券投資については、マイナス金利導入による運用難により外債等に資金を振り向ける動きがみられ、増加傾向にある。
図表 58 : 国内銀行の保有金融資産推移
(億円)
1,800,000
日銀預け金
政府関係機関債
株式等・投資信託受益証券
1,600,000
図表 59 : 国内銀行の金融資産の構成(2016年3月)
国債・財投債
地方債
対外証券投資
1.3%
1.2%
2.6%
2013年4月の量的・質的緩
和以降、国債保有が減る一
方で、日銀預け金が急拡大
1,400,000
1.3%
1,200,000
0.5%
対外証券投資
株式等
4.9%
政府関係機関債
5.4%
1,000,000
事業債
43.5%
5.6%
800,000
債権流動化関連商品
居住者発行外債
国庫短期証券
7.3%
金融債
400,000
16.4%
200,000
25
地方債
投資信託受益証券
7.1%
600,000
0
Mar-98
国債・財投債
2.7%
CP
信託受益権
May-01
Jul-04
Sep-07
Nov-10
Jan-14
*債券や株式については時価で計上
II. バンキングを巡る情勢
(4)銀行収益環境
銀行収益環境
日銀のマイナス金利導入によるベース金利の低下が著しく、またクレジットスプレッドもタイトな状況が続く中で、銀行の貸出金利
回りはさらに低下しており、銀行の利鞘確保は厳しい状況となっている。メガバンクではみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行で総資金
利鞘がマイナスとなっている状況が続いている。
 出所
•
•
:
図表 60 : 各行の決
算説明資料のデータ
より新生証券作成
図表 61 : 各行の決
算説明資料のデータ
より新生証券作成
図表 60 :メガバンク3行の業務純益
(百万円)
図表 61 : メガバンク3行の利鞘推移(国内部門)
Mar-14
Mar-15
(%)
Mar-16
1,200,000
2.5
1,000,000
2.0
三菱東京UFJ銀行 貸出金利回り
三井住友銀行 貸出金利回り
みずほ銀行 貸出金利回り
三菱東京UFJ銀行 有価証券利回り
三井住友銀行 有価証券利回り
みずほ銀行 有価証券利回り
三菱東京UFJ銀行 総資金利鞘
三井住友銀行 総資金利鞘
みずほ銀行 総資金利鞘
三井住友銀行
800,000
1.5
三菱東京UFJ銀行
みずほ銀行
600,000
1.0
400,000
0.5
200,000
0.0
0.45
▲0.04
▲0.09
0
三菱東京UFJ銀行
26
三井住友銀行
みずほ銀行
-0.5
Mar-12
Mar-13
Mar-14
Mar-15
Mar-16
II. バンキングを巡る情勢
(5)マイナス金利導入とバンキングについて
日銀によるマイナス金利導入について
日銀は、2016年1月29日の金融政策決定会合において、2%の「物価安定の目標」を出来るだけ早期に実現するために、日銀
当座預金に、プラス金利(基礎残高)、ゼロ金利(マクロ加算残高)、マイナス金利(政策金利残高、▲0.1%)という3層のコリドー
構造のマイナス金利政策を導入することを決め、2016年2月16日開始の準備預金積み期間から適用を始めた。
 出所
•
:
図表 62 : 日銀当座預金の3層コリドー構造の概念図
当座預金残高
図表 62:日銀「本日
の決定のポイント」
(2016/1)及び日銀
「業態別の日銀当座
預金残高」のデータよ
り新生証券作成
3層のコリドー構造については、2015年の当座預金の平残(210兆円)である基礎残高には+0.1%を付利しているが、日銀は政策
として1年間で80兆円のマネタリーベースの拡大を行っていることから、下記イメージの通り、今後のマネタリーベース純増分はマクロ
加算残高と政策金利残高に振り分けられる形となる。
2016年2月時点
(平残)
マイナス金利適用
22.3兆円
政策金利残高(マイナス金利、現在は▲0.1%)
マクロ加算残高を3
カ月の頻度で20兆
円追加すると、政
策金利残高は1030兆円となる
マクロ加算残高(ゼロ%)
ゼロ金利適用
22.4兆円
プラス金利適用
209.4兆円
基礎残高(+0.1%付与)
(2015年の平均残高を適用)=210兆円
時間の経過
(年間80兆円でマネタリーベースが増加)
27
II. バンキングを巡る情勢
(6)マイナス金利導入とバンキングについて②
•
日銀によるマイナス金利導入について②
:
2016年2月から運用開始されたマイナス金利政策について、2016年5月時点(平残)で当座預金にマイナスが付利される金額は
やや減少している分、ゼロ金利が適用される金額が増加する形となっている。
図表 63・64: 日銀
「業態別の日銀当座
預金残高」のデータよ
り新生証券作成
業態別では、ゆうちょ銀行を含む「その他準備預金制度適用先」や信託銀行にマイナス金利が付利される傾向*1があり、これらの
金融機関にはコスト負担が見込まれる。
 *1
日銀では、それぞれ
の業態で政策金利残
高が増えた理由につい
て、信託銀行は、「マイ
ナス金利での運用を控
えた投資信託や年金等
の余剰資金が、短期金
融市場での運用から、
信託銀行の『銀行勘定
貸』に振り向けられたこと
が影響している」としてお
り、その他準備預金制
度適用先は、「一部の
先が国債の償還金を日
銀当座預金に積み上げ
た一方、マイナス金利で
資金放出を行う先が引
き続き限定されているこ
と」を要因としている。日
銀「2015年度の金融市
場調節」を参照
( https://www.boj.o
r.jp/research/brp/r
on_2016/data/ron1
60603a.pdf )
28
図表 63 : 日銀当座預金残高推移(平残)
(億円)
3,000,000
プラス金利残高
ゼロ金利残高
図表 64 : 業態別当座預金残高(2016年5月・平残)
(億円)
900,000
マイナス金利残高
800,000
204,550
2,500,000
223,034
468,510
224,069
700,000
600,000
500,000
2,000,000
400,000
300,000
1,500,000
200,000
100,000
1,000,000
2,093,433
2,089,860
500,000
0
Feb-16
0
10
3,720
74,490
40
109,710
1,500
15,080
都市銀行 地方銀行 第二地銀 外国銀行 信託銀行 その他準 準備預金
備預金制 制度非適
度適用先 用先
Mar-16
Apr-16
May-16
1,170
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
プラス金利残高
ゼロ金利残高
マイナス金利残高
 出所
証券
II. バンキングを巡る情勢
(7)マイナス金利導入とバンキングについて③
貸出金利水準と貸出動向の変化
マイナス金利導入の目的は、イールドカーブの低下を促し、結果的にポートフォリオリバランス効果をもたらし、貸出等が増加して経
済を活性化させる狙いがある。
 出所
•
•
量的・質的金融緩和及びマイナス金利導入の結果、イールドカーブが押し下げられた形(指標となる10年債金利もマイナス)とな
り、貸出金利にも波及し、同金利も一層押し下げられている。
:
図表 65: 日銀「貸出
約定平均金利」の
データより新生証券作
成
図表 66 : 日銀「貸出
先別貸出金」のデータ
より新生証券作成
他方、貸出金利が押し下げられたにも関わらず、企業の手元資金が余剰であることから、資金需要は、全体からみればそれ程大
きくは盛り上がっていない。一方で不動産業や個人による貸家業等の設備目的の貸出は伸びており、こうした一部業種の貸出
(=資金ニーズ)は増加傾向にある。
図表 65 : 貸出平均約定金利(新規・国内銀行)の推移
(%)
図表 66 : 設備資金新規貸出額(国内銀行)の推移
(%)
(3カ月移動平均)
貸出約定平均金利(新規)
2.1
7
設備資金全体(前年同期比)
個人による貸家業(前年同期比)
不動産業(前年同期比)
Jun-11
Jun-14
6
1.9
5
1.7
4
1.5
3
1.3
2
1
1.1
0
0.9
-1
0.7
0.5
Jan-98
29
-2
Jul-00
Jan-03
Jul-05
Jan-08
Jul-10
Jan-13
Jul-15
-3
Jun-10
Jun-12
Jun-13
Jun-15
II. バンキングを巡る情勢
(8)マイナス金利導入とバンキングについて④
国債の保有動向について
日銀の量的・質的金融緩和を実施し、マネタリーベースを年間80兆円増加させる政策を打ち出して以降、中央銀行の国債及び
財投債の保有が急拡大した。一方で、銀行等預金取扱機関が保有している国債は減少している。このことから、日銀が国債の3
分の1の保有者となっている。
 出所
•
•
一方で、量的・質的金融緩和及びマイナス金利導入後、国債利回りが急低下していくことを背景として銀行の国債離れが進み
(担保在庫として一定量の国債保有は必要)、三菱東京UFJ銀行は国債保有リスクから国債プライマリーディーラー資格を返上す
る届出を提出した。*1
:
図表 67・68 :日銀
「資金循環統計」
(2016/6)のデータより
新生証券作成
*1 三菱東京UFJ銀
行公式リリース
図表 67 : 主な国債・財投債保有者の保有額推移
(兆円)
350
300
中央銀行
証券投資信託
その他金融仲介機関
非金融法人企業
家計
図表 68 : 国債保有者構成(2016年3月)
預金取扱機関
保険・年金基金
非仲介型金融機関
一般政府
海外
317.1
4.5%
1.3%
250
232.3
10.2%
33.9%
4.8%
200
中央銀行
預金取扱機関
保険・年金基金
公的年金
家計
150
海外
23.0%
その他
100
22.3%
50
0
Dec-97
30
Dec-00
Dec-03
Dec-06
Dec-09
Dec-12
Dec-15
I.
Chapter
III
株式市場
II.
III.
IV.
V.
VI.
マクロ経済
1.
日本経済
2.
米国経済
3.
欧州経済
4.
中国経済
5.
為替市場
6.
Brexitと金融市場
バンキングを巡る情勢
1.
国内資金循環
2.
国内バンキング
3.
日銀のマイナス金利政策
株式市場
1.
国内株式市場・需給まとめ
2.
国内エクイティ調達状況
債券市場
1.
円債市場
2.
米国債市場
3.
欧州債市場
クレジット市場
1.
国内クレジット市場動向
2.
国内起債動向
3.
格付け動向
証券化市場
1.
証券化市場動向
2.
住宅金融支援機構RMBS
III. 株式市場
(1)国内株式市場
国内株式市場
2016年の株式市場は、原油相場の急落に端を発した世界的なリスク回避ムードの中で下落してスタート。その後は原油価格が
落ち着き、また米国など緩和的な政策が維持される見方が強まり、16,000円台のレンジ相場で推移するも、6月のBrexitの影響
を受ける形で下落した後は、戻り基調となっている。
 出所
•
図表 69 : 2015-2016年の日経平均株価推移と主要なイベント
:
図表 69 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
(円)
日経平均株価
22,000
中国の株式市場が
急落(2015/6-7)
21,000
19,000
18,000
16,000
15,000
14,000
Jun-15
空売りの取り締まり、大
株主の株式売却一時
禁止、株式購入向け銀
行融資規制の緩和など
中国当局の株価対策が
打ち出される(2015/7)
Aug-15
その他のイベント
原油価格が2003
年12月以来の30ド
ル割れ(2016/1)
3月日銀短観で大
企業製造業業況
判断DIが6に低下
(2016/4)
欧州で金融株が急落
(2016/2)
2014年度の上場企
業経常利益は前年比
9%増と2期連続で過
去最高益 (2015/6)
17,000
32
米FOMCで利上げ決定
(2015/12)
中国人民銀、人民
元を3日連続で切り
下げ(2015/8)
20,000
金融政策に関するイベント
英、EU離脱に関する
国民投票を実施、同
国のEU離脱が確定
(2016/6)
日本郵政、ゆうちょ
銀行、かんぽ生命
上場(2015/11)
独自動車メーカーの排
ガス不正問題を受け
自動車株中心に売り
優勢 (2015/9)
日銀、マイナス金
利を導入決定
(2016/1)
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
III. 株式市場
(2)国内株式市場需給
国内株式市場需給
年前半は世界的なリスク回避の流れを受けて海外投資家の売り越しが目立っていた一方、年金や公的などが委託する信託銀
行の買いが対応する形となっている。
図表 70 : 日経平均株価と週間投資部門別売買動向(証券会社の自己売買部門を除く委託注文ベース)
 出所
•
:
図表 70 : 東証 /
Bloombergのデータ
より新生証券作成
(百万円)
1,500,000
海外投資家
その他金融
個人現金
生損保
事業法人
個人信用
銀行
その他法人
日経平均株価 : 右軸
(円)
信託銀行
投信
22,000
21,000
1,000,000
20,000
500,000
19,000
0
18,000
17,000
-500,000
16,000
-1,000,000
15,000
-1,500,000
Jun-15
33
Jul-15
Jul-15
Aug-15
Sep-15
Oct-15
Nov-15
Dec-15
Jan-16
Feb-16
Mar-16
Apr-16
May-16
Jun-16
14,000
III. 株式市場
(3) エクイティファイナンス動向
エクイティファイナンス動向
2015年は日本郵政グループなど、大型上場がみられたが、2016年に入り、市場が不安定となるとエクイティファイナンスはやや低
調な形となっている。大型IPOとしては、7月にLINEが上場。
 出所
•
図表 71 : 2006年以降のエクイティファイナンス推移
:
図表 71 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
(10億円)
2,500
株高局面に伴うエクイティ
リーマンショックに伴う
リーマンショック以降
震災後エクイティ
ファイナンス増加時期
資本市場の混乱
資本増強に動き出す
調達が低迷
株高により再びエクイティ調達が活発化、
日本郵政Gなど大型上場も
2,000
日本郵政G上場
(2015/11)↓
1,500
1,000
500
0
Jan-06
34
Jan-07
Jan-08
Jan-09
Jan-10
Jan-11
Jan-12
Jan-13
Jan-14
Jan-15
Jan-16
I.
Chapter
IV
債券市場
II.
III.
IV.
V.
VI.
マクロ経済
1.
日本経済
2.
米国経済
3.
欧州経済
4.
中国経済
5.
為替市場
6.
Brexitと金融市場
バンキングを巡る情勢
1.
国内資金循環
2.
国内バンキング
3.
日銀のマイナス金利政策
株式市場
1.
国内株式市場・需給まとめ
2.
国内エクイティ調達状況
債券市場
1.
円債市場
2.
米国債市場
3.
欧州債市場
クレジット市場
1.
国内クレジット市場動向
2.
国内起債動向
3.
格付け動向
証券化市場
1.
証券化市場動向
2.
住宅金融支援機構RMBS
IV. 債券市場
(1)円債市場
2015-2016年の円債市場
円債市場は日銀によるマイナス金利政策を受けて、一段と金利が押し下げられている。
外部環境としては内外経済の減速感、内部環境としては日銀による大規模な買入や海外投資家等の積極的な国債の買い意
欲が需給を支えている。さらに、2016年6月にはBrexitによりリスク回避姿勢が強まったことから一層の金利低下が進行している。
2016年7月26日現在、残存期間15.9年までの国債利回りがマイナスとなっている(日本証券業協会・売買参考統計値より)。
 *1
信用格付業者として
登録を受けていない海
外の法人が付与した格
付
 出所
•
図表 72 : 2015-16年の10年債利回り推移
(%)
0.6
:
図表 72 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
10年債利回り
中国株式市場の下
落を受けてリスク回避
姿勢強まる(2015/7)
0.5
金融政策に関するイベント
米FOMCで利上げ決定
(2015/12)
0.4
その他のイベント
安倍首相、消費
増税再延期を決
定(2016/6)
原油先物相場急
落、世界的にリス
ク回避(2016/1)
0.3
英、EU離脱に関する
国民投票を実施、同
国のEU離脱が確定
(2016/6)
0.2
0.1
堅調な米雇用統計
を受け早期利上げ観
測強まる(2015/6)
日銀、展望レポートにて
物価目標達成時期を
2016年度後半に後ずれ
(2015/10)
0.0
-0.1
-0.2
FOMCにて利上げに対
して慎重な見方増える
(2016/6)
S&P、日本ソブリン
格付をA+に引き
下げ*1(2015/9)
日銀、マイナス金利導入
決定(2016/1)
-0.3
-0.4
Jun-15
36
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
IV. 債券市場
(2)円債市場②~イールドカーブ
イールドカーブの形状変化(2016年6月28日基準)
図表 73 : 円債市場のイールドカーブ
(%)
2.00
 出所
•
:
図表 73 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
2016/6/28(直近)
2016/1/29(マイナス金利導入決定時)
2014/10/29(追加の量的・質的緩和決定時)
2013/4/3(量的・質的緩和導入時)
2015/6/26(1年前)
1.50
1.00
2016年1月のマイナス金利導入を決定以降、フ
ラットニング圧力が強まる。直近では、Brexit問題
によるリスク回避姿勢から一層のフラット化が進む。
0.50
0.00
-0.34
-0.50
-0.29
-20
-40
-60
-80
-100
-120
-140
-160
-180
37
-0.30
-0.30
-0.32
-0.30
-0.22
0.05
0.07
0.09
20Y
30Y
40Y
-0.11
-0.27
-0.30 -0.32
-0.33
3M 6M 1Y 2Y 3Y 4Y 5Y 6Y 7Y 8Y 9Y 10Y
(bp)(上記差分)
0
-0.31
2016/6/28 - 2016/1/29
15Y
2016/6/28 - 2015/6/28
2016/6/28 - 2014/10/29
2016/6/28 - 2013/4/3
IV. 債券市場
(3)日銀資産残高推移
図表 74 : 2016年5月時点までの日銀資産残高推移
(億円)
短期国債
長期国債
CP
社債
信託財産指数連動型上場投資信託(ETF)
5,000,000
 出所
•
2011/10
資産買入等
基金増額
(55兆円)
4,500,000
:
図表 74 : 日銀資料
より新生証券作成
4,000,000
2011/3
2011/8
資産買入等 資産買入等
基金増額 基金増額
(40兆円)
(50兆円)
3,500,000
3,000,000
2,500,000
2010/10
「包括的な
金融緩和」、
資産買入等
基金(35兆
円)創設
2012/4
2012/10
資産買入等 資産買入等
基金増額 基金増額
(70兆円) (91兆円)
2012/2
資産買入等 2012/9
基金増額 資産買入等
(65兆円) 基金増額
物価安定の (80兆円)
目途定める
信託財産不動産投資信託(J-REIT)
2016/2
マイナス金利実施
2013/2
「物価安定の
目標」定める。
2%の物価上
昇率を目標
2012/12
資産買入等
基金増額
(101兆円)
2013/4
量的・質的
緩和実施
2015/12
「量的・質的金融緩
和」を補完するための
諸措置の導入
2014/10
追加緩和実施
(MB=80兆円/年)
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
Jan-10
38
Jul-10
Jan-11
Jul-11
Jan-12
Jul-12
Jan-13
Jul-13
Jan-14
Jul-14
Jan-15
Jul-15
Jan-16
IV. 債券市場
(4)米国債市場
2015-16年の米国債市場
2015-16年の米国債市場は、米利上げに伴い短・中期ゾーンで金利上昇がみられたものの、その後ECBの追加金融緩和や日
銀のマイナス金利政策、あるいは米利上げペース鈍化観測により長期ゾーン中心に低下基調。Brexitを受けてリスク回避姿勢か
ら10年債利回りは一時1.50%を割り込む。
 出所
•
図表 75 : 米2年・10年債利回り推移
:
図表 75 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
(%)
3.00
2年債利回り
金融政策に関するイベント
その他のイベント
2.50
FOMCにて12月の利
上げを検討(2015/10)
10年債利回り
ECB、追加緩和を実施
(2016/3)
米FOMCで利上げ決定
(2015/12)
原油安による世界的
なリスク回避姿勢から
金利低下(2016/1-2)
英、EU離脱に関する
国民投票を実施、同
国のEU離脱が確定
(2016/6)
2.00
1.50
FRBイエレン議長、年
内利上げ開始が適切
と議会証言で述べる
(2015/7)
10月の非農業部門雇
用者数は27.1万人
(速報)となり、年内利
上げ観測強まる
(2015/11)
日銀、マイナス金利政策
決定(2016/1)
1.00
米1-3月期GDPは前期
比年率換算0.5%増(速
報値)に留まる(2016/4)
0.50
0.00
Jun-15
39
FOMCにて利上げに対
して慎重な見方増える
(2016/6)
5月の米非農業部門雇用者
数は前月比3.8万人(速報
値)となり、早期利上げ観測
が大幅に後退(2016/6)
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
IV. 債券市場
(5)米国債市場②~イールドカーブ
米国債のイールドカーブの形状変化(2016年6月28日基準)
図表 76 : 米国債のイールドカーブ
(%)
2016/6/28(直近)
3.50
 出所
•
:
2016/6/15(前回FOMC)
2015/12/16(利上げ決定)
2015/6/26(1年前)
3.00
図表 76 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
2.50
2.27
2.00
1.50
2015年12月の利上げ以降、世界的なリスク回避姿勢が強まったこと
や、利上げペース鈍化観測を織り込む形でフラットニングが強まる。直近
のBrexitによる混乱によりイールドカーブの形状がさらにフラット化。
1.45
1.00
1.14
0.86
0.50
0.00
-0.50
0.20 0.25
1M 3M 6M 1Y
(bp)(上記差分)
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
-120
40
0.37 0.43
0.61
2Y
3Y
5Y
7Y
10Y
2016/6/28 - 2016/6/15
30Y
2016/6/28 - 2015/12/16
2016/6/28 - 2015/6/28
IV. 債券市場
(6)欧州債市場
2015-16年の欧州債市場
2015-16年の欧州債市場は、ECBによるマイナス金利幅拡大を含む追加緩和期待を背景に低下の一途を辿る。直近では、
Brexitの問題から金利低下が著しい状態になっている。
特に、公的債務が対GDP比で低い独連邦債は需給のタイトさを反映する形で長期ゾーンまでマイナス金利が進んでいる。
 出所
•
•
:
図表 77 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 78 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 77 : 欧州各国の10年債利回り
(%)
ドイツ
フランス
図表 78 :独連邦債のイールドカーブとその変化
イタリア
スペイン
英国
(%)
2016/6/29(直近)
2016/3/10(ECB追加緩和時)
2.00
2.50
2016/6/22(Brexit前)
2015/6/29(1年前)
1.50
2.00
1.00
0.50
1.50
0.00
-0.50
1.00
-1.00
(bp)(上記差分)
0.50
0.00
-0.50
Jun-15
41
1M 6M 2Y 4Y 6Y 8Y 10Y
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
0
-20
-40
-60
-80
-100
-120
-140
2016/6/29 - 2016/6/22
2016/6/29 - 2015/6/29
15Y
20Y
25Y
2016/6/29 - 2016/3/10
30Y
IV. 債券市場
(7)先進国の年限別国債金利水準
先進国の年限別金利水準
日本、EU、スイス、スウェーデン、デンマーク等マイナス金利政策を取っている国では、国債利回りについて、長期ゾーンに至るまで
利回りがマイナスとなっている。
図表 79 : 先進国の年限別国債金利水準(2016年6月29日現在)
 出所
•
:
図表 79 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成、
当該年限が取得でき
ない場合は線形補間
にて算出。「-」の年限
の国債は発行されてい
ない。
42
(%)
1Y
2Y
3Y
4Y
5Y
6Y
7Y
8Y
9Y
10Y
15Y
20Y
30Y
スイス
-1.142
-1.108
-1.073
-1.047
-0.984
-0.910
-0.841
-0.701
-0.606
-0.548
-0.306
-0.175
-0.041
日本
-0.323
-0.297
-0.289
-0.302
-0.299
-0.310
-0.309
-0.295
-0.273
-0.220
-0.104
0.053
0.067
ドイツ
-0.622
-0.662
-0.663
-0.630
-0.562
-0.530
-0.441
-0.368
-0.245
-0.113
-0.051
0.156
0.425
デンマーク
-0.645
-0.624
-0.534
-0.445
-0.355
-0.291
-0.227
-0.163
-0.045
0.073
0.177
0.281
0.489
フランス
-0.542
-0.517
-0.456
-0.403
-0.306
-0.252
-0.148
-0.041
0.112
0.240
0.539
0.789
0.976
スウェーデン
-0.661
-0.657
-0.558
-0.458
-0.225
-0.138
-0.050
0.124
0.235
0.346
0.869
1.215
-
英国
0.236
0.185
0.248
0.366
0.446
0.601
0.743
0.869
0.859
0.959
1.513
1.681
1.804
カナダ
0.496
0.498
0.478
0.534
0.572
0.689
0.778
0.864
0.967
1.079
1.399
1.718
1.727
イタリア
-0.158
-0.046
0.045
0.157
0.379
0.578
0.774
1.020
1.218
1.397
1.672
2.039
2.396
米国
0.435
0.607
0.709
0.855
1.001
1.132
1.262
1.326
1.390
1.454
1.655
1.856
2.258
オーストラリア
1.542
1.593
1.563
1.557
1.658
1.756
1.829
1.917
1.973
2.007
2.228
2.569
-
ニュージーランド
2.019
2.010
2.019
2.028
2.023
2.038
2.052
2.134
2.215
2.343
2.659
-
-
I.
Chapter
V
クレジット市場
II.
III.
IV.
V.
VI.
マクロ経済
1.
日本経済
2.
米国経済
3.
欧州経済
4.
中国経済
5.
為替市場
6.
Brexitと金融市場
バンキングを巡る情勢
1.
国内資金循環
2.
国内バンキング
3.
日銀のマイナス金利政策
株式市場
1.
国内株式市場・需給まとめ
2.
国内エクイティ調達状況
債券市場
1.
円債市場
2.
米国債市場
3.
欧州債市場
クレジット市場
1.
国内クレジット市場動向
2.
国内起債動向
3.
格付け動向
証券化市場
1.
証券化市場動向
2.
住宅金融支援機構RMBS
V. クレジット市場
(1)国内クレジット市場動向
2015-16年の国内クレジット市場動向
2016年前半の社債市場は、日銀のマイナス金利導入を受けて社債利回りも低下しているものの、ベース金利がそれ以上に低下
していることもあり、全般的にスプレッドはワイドニング傾向にある。
 出所
•
•
CDS市場は世界的なリスク回避傾向や、欧州金融機関への懸念を受けて、2016年第1四半期にiTraxx Japanは一時
100bpを超えてワイドニングが進む。その後は金融市場の落ち着きによりタイトニングが進んだが、Brexitを受けて一時ワイドニング
傾向となった。
:
図表 80 : 日本証券
業協会、
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 81 :
Bloombergのデータ
より新生証券作成
図表 80 : 社債スプレッド(JSDA 格付けマトリックス5年物と5年国債利回り)
(bp)
(%)
R&IAA格級社債 - 5年国債スプレッド
R&IA格級社債 - 5年国債スプレッド
5年債利回り : 右軸
50
0.20
0.10
40
iTraxx Japan (5Y)
110
100
0.05
0.00
35
-0.05
30
-0.10
25
-0.15
90
80
70
-0.20
20
-0.25
15
44
(bp)
0.15
45
10
Jun-15
図表 81 : iTraxx Japanの推移
60
-0.30
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
-0.35
50
Jun-15
Aug-15
Oct-15
Dec-15
Feb-16
Apr-16
Jun-16
V. クレジット市場
(2)国内起債動向
2016年にかけての国内起債動向
国内起債動向は、低金利、低スプレッドの環境が強まったことで投資妙味の低下を招いたことから、社債発行は減少が続いてい
る。発行体も発行コストが掛る社債よりもローンを選好する傾向も背景にあるものとみられる。
 出所
•
一方、国債利回りがマイナスに沈むなど低金利が一層進む中、利回りが確保できる期間が長い社債に需要が集まる(次頁参
照)。また、絶対値プライシングが定着しつつある。
:
図表 82 : 日本証券
業協会のデータより新
生証券作成
図表 82 : 月間国内SB起債金額推移
発行額
(百万円)
発行額12カ月移動平均
震災の影響を反
映、一時的に信用
市場の緊張が高まり
起債低調。電力債
は起債出来ず
金融危機による信
用状況の悪化を反
映して起債は低迷
2,500,000
金融緩和の環境下、様々
な発行体の起債が相次ぐ
電力債の起債が復活
金利急低下を
背景に社債発
行が減少
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
Jan-05
45
Jan-06
Jan-07
Jan-08
Jan-09
Jan-10
Jan-11
Jan-12
Jan-13
Jan-14
Jan-15
Jan-16
V. クレジット市場
(3)国内起債動向②
期間の長い社債の発行が増加
図表 83 : 2015年4-6月及び2016年4-6月に発行された社債の年限
(本数)
2016/4-6
35
 出所
•
:
図表 83・84 : 日本証
券業協会のデータより
新生証券作成
図表 84 : 年限20年以上の社債発行(2016年4-6月起債分)
2015/4-6
起債日
79 東海旅客鉄道 (社債間限定同
2016/4/8
順位特約付)
30
25
13
10
0
4
(年限)
*2015年に発行された60年債は三菱商事の劣後債3本で、期限前償還
条項付、繰上償還事由付となっている。
46
年限
(年)
取得格付
20
2016/4/13 439 九州電力 (一般担保付)
200 0.907
20
2016/4/13 332 北海道電力 (一般担保付)
43 西日本旅客鉄道 (社債間限定
2016/4/14
同順位特約付)
84 東京急行電鉄 (社債間限定同
2016/4/15
順位特約付)
200 0.907
20
100 0.714
30
AA(R&I)
100 0.662
20
100 1.000
30
2016/5/18 484 東北電力 (一般担保付)
200 0.758
20
2016/5/25 503 関西電力 (一般担保付)
200 0.848
20
2016/5/27 9 野村不動産ホールディングス
100 0.990
20
200 0.343
20
100 0.603
20
200 0.850
20
50 1.000
30
200 0.990
20
2016/6/3 18 東京地下鉄 (一般担保付)
100 0.343
20
2016/6/3 19 東京地下鉄 (一般担保付)
100 0.608
30
2016/6/10 510 中部電力 (一般担保付)
100 0.628
20
50 三井不動産 (社債間限定同順
位特約付)
18 トヨタ自動車 (社債間限定同等
特約付)
8 大和ハウス工業 (特定社債間限
定同順位特約付)
23 三菱ケミカルホールディングス (社
2016/6/3
債間限定同順位特約付)
14 日本ビルファンド投資法人 投資
2016/6/3 法人債(特定投資法人債間限定同
順位特約付)
32 ANAホールディングス (社債間限
2016/6/3
定同順位特約付)
2016/6/1
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60
利率
(%)
100 0.421
2016/5/27
5
発行額
(億円)
AA(R&I),
Aa3(Moody's)
A(R&I), AA(JCR),
A3(Moody's)
A(R&I)
2016/4/20
20
15
回号/銘柄名
A(R&I), AA(JCR)
A+(R&I),
AA(JCR),
A3(Moody's)
A(R&I), AA(JCR)
A(R&I),
A3(Moody's),
AA-(JCR)
A(JCR), A(R&I)
AA-(S&P),
Aa3(Moody's),
AA+(R&I)
AA-(R&I),
AA(JCR)
A(R&I),
A+(JCR)
AA+(JCR),
A+(S&P)
A-(R&I), A(JCR)
AA(R&I),
AAA(JCR)
AA(R&I),
AAA(JCR)
A+(R&I),
AA(JCR),
A3(Moody's)
V. クレジット市場
(4)格付け変更
2016年の格付け変更動向(国内)
2016年は市況悪化により、素材や海運業などの一角で格付が引き下げられているほか、マイナス金利導入による利鞘の縮小へ
の懸念から地銀の一角で格下げが行われている。
 出所
•
図表 85 : R&Iによる発行体格上げ
:
図表 85 : R&Iより新
生証券作成
47
主な格付変更事由
収益基盤・
格付に見合う
財務基盤の キャッシュフロー 業務・採算環
リスク耐久力
安定・強化 創出力の強
境の改善
の強化
化
発行体名
格付変更日
変更前格付
変更後格付
太陽生命保険(保険金支払能力)
大同生命保険(保険金支払能力)
T&Dフィナンシャル生命
(保険金支払能力)
2016/2/12
A+
A+
A+
AAAAAA-
●
住友精化
2016/2/24
BBB
BBB+
●
名古屋鉄道
2016/3/4
BBB+
A-
●
●
ANAホールディングス
2016/3/29
BBB+
A-
●
●
東京電力HD
2016/4/1
BBB-
BBB
●
トラスコ中山
2016/4/15
A-
A
●
光通信
2016/4/27
BBB
BBB+
●
USEN
2016/5/11
BBB-
BBB
足利ホールディングス
足利銀行
2016/6/14
AA
A
A+
●
M&A
その他
政府の支援
姿勢は強固で
あること
●
●
V. クレジット市場
(5)格付け変更②
2016年の格付け変更動向(国内)
図表 86 : R&Iによる発行体格下げ
主な格付変更事由
発行体名
 出所
•
格付変更日
:
図表 86 : R&Iより新
生証券作成
M&A
シャープ
2016/1/12
B-
CCC+
トクヤマ
2016/1/29
BBB
BBB-
●
東芝
2016/2/4
BBB
BBB-
●
住友理工
2016/2/9
A
A-
●
ホシデン
2016/3/25
BBB+
BBB
日本GE合同会社
2016/4/1
AA
A
百五銀行
2016/4/5
A+
A
●
東海カーボン
2016/4/14
A-
BBB+
●
佐賀銀行
2016/4/27
A-
BBB+
●
●
山梨中央銀行
2016/4/27
A+
A
●
●
商船三井
2016/5/6
BBB+
BBB
●
●
ジェイ エフ イー ホールディングス
2016/6/2
A+
A
●
●
中部ガス
2016/6/8
A-
BBB+
●
常陽銀行
2016/6/14
AA-
A+
●
三菱自動車工業
48
収益基盤・キャッ
変更前格付 変更後格付 財務基盤の弱 シュフロー創出力 業務・採算環 格付に見合う
体化・悪化・改
リスク耐久力
の低下・改善の
境の悪化
善の遅れ
の低下
遅れ
2016/6/20
BBB
BBB-
その他
●
●
●
●
●
●
●
コーポレートガ
バナンスが長
年機能してい
なかった
I.
Chapter
VI
証券化市場
II.
III.
IV.
V.
VI.
マクロ経済
1.
日本経済
2.
米国経済
3.
欧州経済
4.
中国経済
5.
為替市場
6.
Brexitと金融市場
バンキングを巡る情勢
1.
国内資金循環
2.
国内バンキング
3.
日銀のマイナス金利政策
株式市場
1.
国内株式市場・需給まとめ
2.
国内エクイティ調達状況
債券市場
1.
円債市場
2.
米国債市場
3.
欧州債市場
クレジット市場
1.
国内クレジット市場動向
2.
国内起債動向
3.
格付け動向
証券化市場
1.
証券化市場動向
2.
住宅金融支援機構RMBS
VI. 証券化市場
(1)国内証券化市場動向
国内証券化市場動向
2015年度下半期はオートローンを含むショッピング・クレジットを裏付資産とした証券化商品の発行額の増加が寄与した形で、証
券化商品全体の発行額は増加基調。
 出所
•
図表 87 :国内証券化商品発行金額推移
:
図表 87 : 日本証券
業協会のデータより新
生証券作成
(億円)
RMBS
60,000
CMBS
CDO
2004年以降住宅金融公庫RMBS発行
によりRMBS活発化。その後不動産流動
化ブームに伴いCMBSの発行も増加
50,000
リース
消費者ローン
ショッピング・クレジット(オートローン含む)
売掛金、商業手形
世界的な金融危機に伴い、商業用不動産
等を裏付債権とした証券化商品の発行は
急減・ストップ。一方で機構含むRMBSが証
券化市場全体に占めるウエイトが大きくなる
その他
足元では低金利を背景にRMBSや
ショッピング・クレジットを裏付とした
証券化商品の発行が増加
40,000
30,000
20,000
10,000
0
50
Sep-04
Sep-05
Sep-06
Sep-07
Sep-08
Sep-09
Sep-10
Sep-11
Sep-12
Sep-13
Sep-14
Sep-15
VI. 証券化市場
(2) 国内証券化市場動向②
国内証券化市場動向(格付)
証券化発行時格付については、金融危機以前はBBB格級の発行も存在したため、AAA格が占める割合は8割を割ることもあっ
たが、金融危機以降はBBB格以下の発行は限定的となっている。2015年度下期では91.4%の商品がAAA格となっている。
図表 88 : 格付別割合
 出所
•
:
図表 88 : 日本証券
業協会のデータより新
生証券作成
AAA
AA
A
BBB
BB
B
CCC
Mar-16
Sep-15
Mar-15
Sep-14
Mar-14
Sep-13
Mar-13
Sep-12
Mar-12
Sep-11
Mar-11
Sep-10
Mar-10
Sep-09
Mar-09
Sep-08
Mar-08
Sep-07
Mar-07
Sep-06
Mar-06
Sep-05
Mar-05
Sep-04
0%
51
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
VI. 証券化市場
(3) 国内RMBS市場動向
国内RMBS市場動向
直近1年で低金利の背景に住宅金融支援機構RMBSの発行が増加したことを受けて発行額が増加傾向にある。機構RMBSが
全体のRMBS発行に占める割合は6-8割程度で推移している。
 出所
•
•
図表 89 : オリジネーター別RMBS発行推移
:
(億円)
図表 89 :日本証券
業協会のデータより新
生証券作成
35,000
図表 90 :日本証券
業協会のデータより新
生証券作成
30,000
住宅金融支援機構
都市銀行・信託銀行
図表 90 : RMBS全体に占める機構RMBSの割合
地域銀行
ノンバンク
その他
RMBSに占める機構RMBSの割合
100.0%
90.0%
80.0%
25,000
74.9%
70.0%
60.0%
20,000
50.0%
15,000
40.0%
30.0%
10,000
20.0%
5,000
10.0%
0
52
Sep-04
Sep-06
Sep-08
Sep-10
Sep-12
Sep-14
0.0%
Sep-04
Sep-06
Sep-08
Sep-10
Sep-12
Sep-14
VI. 証券化市場
(4)住宅金融支援機構RMBSの発行動向
住宅金融支援機構RMBS市場
2015年度の機構RMBSの発行の総額は1兆8753億円(昨年同期は1兆2438億円)であり、前年度に比べて発行額が増加して
いる。これは、低金利による住宅ローン取得・借り換え需要が高まったことが背景にある。
現在の発行残高は11.7兆円*1。
 *1
2016年7月29日発
行(111回債) まで
図表 91 : 住宅金融支援機構RMBS発行推移
図表 92 : 住宅金融支援機構RMBS発行推移
単位:億円
 出所
•
•
:
図表 91 :住宅金融
支援機構のデータより
新生証券作成
図表 92 : 住宅金融
支援機構のデータより
新生証券作成
2016年度(予定)
2016年度(7月迄)
2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
0
2007年度
226,292
117,339
5,000
2006年度
54,000
12,597
10,000
2005年度
172,292
104,742
15,000
2004年度
発行累積金額*1
現在残高*1
S種債
20,000
2003年度
0
0
0
0
0
11,000
12,000
14,000
8,000
9,000
0
0
0
0
0
0
0
0
月次債
2002年度
500
2,000
6,000
3,500
3,600
9,378
9,790
8,570
6,642
7,960
17,741
23,708
17,717
14,941
12,438
18,753
9,054
18,876
(億円)
25,000
2001年度
53
S種債
2000年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度(7月迄)
2016年度(予定)
RMBS合計
500
2,000
6,000
3,500
3,600
20,378
21,790
22,570
14,642
16,960
17,741
23,708
17,717
14,941
12,438
18,753
9,054
18,876
月次債
VI. 証券化市場
(5)住宅金融支援機構RMBSの発行動向(スプレッド)
住宅金融支援機構RMBS市場(スプレッド)
安定した【フラット35】のローン金利を提供するために機構RMBSの起債運営は極めて重要となっている。
機構RMBSのスプレッドの動きは、平均年限の長短を問わず証券化商品のプライシングの際に参照されており、民間証券化商品
のベンチマークと言える。
図表 93 : 住宅金融支援機構RMBSプライマリーの回号別発行時ノミナルスプレッド及びOAS・各回号ごとの発行額推移
 出所
•
リーマンショック以前
生命保険、公的中心のマー
ケット。参加者は十分であった
ものの限定的。
:
図表 93 : 住宅金融
支援機構のデータより
新生証券作成。OAS
は新生証券計算
発行額 : 右軸
ノミナル
震災から2012/11頃まで
震災によりスプレッドはワイドニングしたも
のの、翌月の5000億円超の発行金額
が問題なく消化されるなど強い需要が
確認された。その後も運用難を背景に
多くの投資家が継続的に機構RMBSを
購入、過熱感が高まりOASは弊社計
算で3.8bpに低下。
OAS(弊社計算)
正常化したマーケット(現在)
長期的に安定したスプレッドが観測される。直近の期間
では、スプレッドが緩やかに上昇しているが、ベースレートの
低下に起因している。
100
ベースレート低下などに (百万円)
よりワイドニング傾向。直
600,000
近(111回債)のノミナル
は42bp、OAS(弊社計
算)は32.2bp(2016/7) 500,000
80
400,000
60
300,000
40
200,000
20
100,000
(bp)
リーマンショック(2008/92009/5)
120
0
54
リーマンショック→震災前
リーマンショック直後は投資家は5社程度に
減少するも、その後の安定的な発行が投資
家の拡大に寄与。S種債の発行がストップし
たことで、S種債の投資家が月次債の購入
を開始。民主党の経済対策でLTV100%
ローンが可能となり発行額が増加し、需給
は若干緩み、スプレッドは上昇。
1
4
7
発行額増加によ
るワイドニング
(2010/10)
震災によるワイド
ニング(2011/3)
過熱したマーケットの反
動によるワイドニング。需
要は供給の1.5倍程度
(2012/12-2013/3)
10 13 16 19 22 25 28 31 34 37 40 43 46 49 52 55 58 61 64 67 70 73 76 79 82 85 88 91 94 97 100 103 106 109
0
VI. 証券化市場
(6)2015年7月以降に発行された住宅金融支援機構RMBS一覧
2015年7月以降に発行された住宅金融支援機構RMBS一覧
図表 94 : 2015年7月以降に発行された住宅金融支援機構RMBS一覧
回号
 出所
•
:
図表 94 : 住宅金融
支援機構のデータより
新生証券作成。OAS
は新生証券計算
55
発行額
(百万円)
条件決定日
発行日
(払込日)
表面利率
ノミナル
スプレッド(bp)
OAS(bp)
(弊社計算)
格付
S&P
R&I
信用補完率
99
139,900
2015/7/22
2015/7/30
0.88%
45
21.3
AAA(sf)
AAA
19.50%
100
110,700
2015/8/21
2015/8/28
0.84%
48
22.5
AAA(sf)
AAA
18.90%
101
110,000
2015/9/16
2015/9/30
0.89%
50
25.3
AAA(sf)
AAA
18.80%
102
179,900
2015/10/22
2015/10/29
0.86%
54
28.8
AAA(sf)
AAA
18.80%
103
159,200
2015/11/19
2015/11/30
0.86%
55
29.6
AAA(sf)
AAA
19.10%
104
159,500
2015/12/16
2015/12/25
0.85%
54
30.1
AAA(sf)
AAA
19.20%
105
199,300
2016/1/21
2016/1/29
0.79%
56
32.1
AAA(sf)
AAA
19.40%
106
171,700
2016/2/19
2016/2/26
0.54%
54
26.9
AAA(sf)
AAA
18.90%
107
139,000
2016/3/16
2016/3/28
0.48%
48
31.8
AAA(sf)
AAA
19.40%
108
248,700
2016/4/20
2016/4/28
0.34%
46
35.6
AAA(sf)
AAA
19.80%
109
230,300
2016/5/20
2016/5/30
0.36%
44
35.1
AAA(sf)
AAA
19.70%
110
223,500
2016/6/16
2016/6/24
0.23%
43
33.6
AAA(sf)
AAA
20.80%
111
20,2900
2016/7/22
2016/7/29
0.19%
42
32.2
AAA(sf)
AAA
20.60%
ディスクレーマー







本資料は、議論や検討を目的に作成されたものであり、新生証券がその実現性を保証するものではありません。
本資料は、新生証券の内部情報および一般情報のほか、新生証券が信頼できると判断した情報をもとに作成されておりますが、新生証券
は、その内容について、真実性、正確性および完全性を保証するものではありません。本資料には、新生証券の主観的意見が含まれること
があります。また、新生証券は本資料の内容について、事前の予告なく変更することがあります。
新生証券は、本資料について、公開情報を除き、あらゆる権利を留保いたします。本資料の受領者は、本資料に含まれた情報を、新生証
券があらかじめ定めた利用目的の範囲外で利用することはできません。また、本資料の複写ならびに第三者に対する公表および呈示は、新
生証券による事前承諾を受けた場合を除き、コピー、ファックス送付、郵送および手交等あらゆる手段において禁止されております。
新生証券は、本資料の受領者が本資料の一部または全部を利用することにより生じたいかなる紛争、損失および損害についても、責任を
負いません。
新生銀行と新生証券は別法人であり、銀行法又は金融商品取引法に基づき行いうる業務は異なります。本資料に記載するお取引が、新
生銀行又は新生証券における他の取引に影響を及ぼすことはありません。
信用格付に関連する注意 : 本資料で言及または参照する信用格付には、金融商品取引法第66条の27の登録を受けていない者による
無登録格付が含まれる場合があります。
信用格付業者の名称は略称が表示されておりますが、それぞれは以下の名称です。

56
R&I:株式会社格付投資情報センター(金融庁長官(格付)第6号)、Moody‘s:ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第2号)、
S&P:スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第5号)、JCR:株式会社日本格付研究所(金融庁長官(格
付)第1号)、Fitch:フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第7号)
ディスクレーマー
【当社の概要】
57
商号等
:
本店所在地
:
加入協会
:
当社が契約する特定第一種金融
商品取引業務に係る指定紛争解
決機関
特定第一種金融商品取引業務以
外の苦情処理措置及び紛争解決
措置
:
:
貸金業務に係る指定紛争解決機関
資本金
:
:
主な事業
設立年月
連絡先
:
:
:
新生証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第95号
貸金業登録番号 東京都知事(5)第27473号
〒103-0022
東京都中央区日本橋室町2-4-3
日本証券業協会
一般社団法人 日本投資顧問業協会
一般社団法人 金融先物取引業協会
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会
日本貸金業協会
特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
(第二種金融商品取引業務に係る苦情処理措置及び紛争解決措置)
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会(実際には同協会から委託を受けた特定非営利活動法人
「証券・金融商品あっせん相談センター」)が実施する苦情処理手続及び紛争解決手続を利用する措
置
(投資助言・代理業務に係る苦情処理措置及び紛争解決措置)
一般社団法人日本投資顧問業協会(実際には同協会から委託を受けた特定非営利活動法人「証券・
金融商品あっせん相談センター」)が実施する苦情処理手続及び紛争解決手続を利用する措置
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター
87.5億円(平成28年3月31日現在)
新生銀行100%出資
金融商品取引業
平成12年12月
03-6880-6000又はお取引のある営業部署にご連絡ください
無登録格付に関する説明書
(ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク用)
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されておりま
す。これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、
無登録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。
信用格付を付与した者は、金融商品取引法第66 条の27 の登録を受けておりません。
登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対象の証券を保有
している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入
検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督を受けておりません。
格付会社グループの呼称等について
格付会社グループの呼称:ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号: ムーディーズ・ジャパン株式会社 金融庁長官(格付)第2 号
信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ(ムーディーズ日本語ホームページ( https://www.moodys.com/pages/default_ja.aspx )の「信用格
付事業」をクリックした後に表示されるページ)にある「無登録業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されております。
信用格付の前提、意義及び限界について
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下、「ムーディーズ」という。)の信用格付は、事業体、与信契約、債務又は債務類似証券の将来の相対的信
用リスクについての、現時点の意見です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務を期日に履行できないリスク及びデフォルト事由が発
生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。信用格付は、流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言
及するものではありません。また、信用格付は、投資又は財務に関する助言を構成するものではなく、特定の証券の購入、売却、又は保有を推奨するもので
はありません。ムーディーズは、いかなる形式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定
の目的への適合性について、明示的、黙示的を問わず、いかなる保証も行っていません。
ムーディーズは、信用格付に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎として行っております。ムーディーズは、これらの情報が十分な品
質を有し、またその情報源がムーディーズにとって信頼できると考えられるものであることを確保するため、全ての必要な措置を講じています。しかし、ムーディーズ
は監査を行う者ではなく、格付の過程で受領した情報の正確性及び有効性について常に独自の検証を行うことはできません。
この情報は、平成25年2月25日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しく
は上記ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。
以 上
58
無登録格付に関する説明書(S&Pグローバル・レーティング用)
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されております
。これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、無登
録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。
信用格付を付与した者は、金融商品取引法第66 条の27 の登録を受けておりません。
登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対象の証券を保有して
いる場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入検査、業
務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督を受けておりません。
格付会社グループの呼称等について
格付会社グループの呼称:S&Pグローバル・レーティング
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号: スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社 金融庁長官(格付)第5 号
信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページ( http://www.standardandpoors.co.jp )の上段「ライブラリ・規制関連」の「無登録
格付け情報」( http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered )に掲載されております。
信用格付の前提、意義及び限界について
S&Pグローバル・レーティングの信用格付は、発行体または特定の債務の将来の信用力に関する現時点における意見であり、発行体または特定の債務が債務
不履行に陥る確率を示した指標ではなく、信用力を保証するものでもありません。また、信用格付は、証券の購入、売却または保有を推奨するものでなく、債務の
市場流動性や流通市場での価格を示すものでもありません。
信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用力変化など、さまざまな要因により変動する可能性があります。
S&Pグローバル・レーティングは、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して格付分析を行っており格付意見に達することができるだけの十分な
品質および量の情報が備わっていると考えられる場合にのみ信用格付を付与します。しかしながら、S&Pグローバル・レーティングは、発行体やその他の第三者から
提供された情報について、監査・デュー・デリジュエンスまたは独自の検証を行っておらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得られた結
果の正確性、完全性、適時性を保証するものではありません。さらに、信用格付によっては、利用可能なヒストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的な
リスクが存在する場合もあることに留意する必要があります。
この情報は、平成28年6月30日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上
記スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社のホームページをご覧ください。
以 上
59
無登録格付に関する説明書(フィッチ・レーティングス用)
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されております。こ
れに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、無登録格付
である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。
信用格付を付与した者は、金融商品取引法第66 条の27 の登録を受けておりません。
登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対象の証券を保有している
場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善
命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督を受けておりません。
格付会社グループの呼称等について
格付会社グループの呼称:フィッチ・レーティングス(以下「フィッチ」と称します。)
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社 金融庁長官(格付)第7号
信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社のホームページ(http://www.fitchratings.co.jp)の「規制関連」セクションにある「格付方針等の概要」に掲載されており
ます。
信用格付の前提、意義及び限界について
フィッチの格付は、所定の格付基準・手法に基づく意見です。格付はそれ自体が事実を表すものではなく、正確又は不正確であると表現し得ません。信用格付は、信
用リスク以外のリスクを直接の対象とはせず、格付対象証券の市場価格の妥当性又は市場流動性について意見を述べるものではありません。格付はリスクの相対的
評価であるため、同一カテゴリーの格付が付与されたとしても、リスクの微妙な差異は必ずしも十分に反映されない場合もあります。信用格付はデフォルトする蓋然性
の相対的序列に関する意見であり、特定のデフォルト確率を予測する指標ではありません。
フィッチは、格付の付与・維持において、発行体等信頼に足ると判断する情報源から入手する事実情報に依拠しており、所定の格付方法に則り、かかる情報に関す
る調査及び当該証券について又は当該法域において利用できる場合は独立した情報源による検証を、合理的な範囲で行いますが、格付に関して依拠する全情報
又はその使用結果に対する正確性、完全性、適時性が保証されるものではありません。ある情報が虚偽又は不当表示を含むことが判明した場合、当該情報に関連
した格付は適切でない場合があります。また、格付は、現時点の事実の検証にもかかわらず、格付付与又は据置時に予想されない将来の事象や状況に影響される
ことがあります。
信用格付の前提、意義及び限界の詳細にわたる説明については、フィッチの日本語ウェブサイト上の「格付及びその他の形態の意見に関する定義」をご参照ください。
この情報は、平成26年2月25日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上記フ
ィッチのホームページをご覧ください。
以 上
60