H27年度事業報告 - 神奈川県農業会議

平成27年度事業報告
法律に定められた所掌事項に基づき、神奈川県知事の諮問に対して答申したほ
か、農業委員会に対する支援、情報の提供等を行った。また、農業生産力の発展
や農業経営の合理化、地域農業の活性化等を目指し、各種事業を実施した。
【1】諸会議の開催
農地法をはじめ法令で所掌する事項や必要な農政課題に対応するため、常任
会議員会議を開催するとともに、農業会議の円滑な運営及び農業委員会等関係
機関との連携を図るため、次の会議を開催した。
1 組織関係
(1)会議員数
うち常任会議員
(2)職員数
44人
28人
8人
2 諸会議の開催
(1)総会
3回
(2)運営委員会
3回
(3)常任会議員会議
12回
①農地法第4条、第5条の規定に基づく諮問に対する答申
②当面する農政問題等
(4)農業委員会会長・事務局長会議
2回
(5)農業委員会連合会事務局長会議
2回
(6)神奈川県農業会議組織変更検討委員会
4回
【2】農業委員会活動への協力
農業委員会業務に関連する諸制度や課題、農業委員会制度・組織の改正内
容等について、農業委員及び農業委員会職員等を対象に研修会及び研究会を
開催し、農業委員会の円滑な運営と活動の強化を図るとともに、改選により
選出された新任農業委員に対し基礎研修を実施した。
また、農業委員会業務に関連する諸制度等の相談に対応するとともに、関
係機関からの講演依頼に対応した。
1 農業委員会活動強化対策事業
農業委員会制度や農地法の改正、農業情勢並びに相続税納税猶予制度等に
ついて、農業委員及び職員を対象に研修等を実施し、農業委員会の円滑な運
営と活動の強化を図った。
(1)農業委員基礎研修会
11回
346人
(2)農業委員会職員等研修会
2回
153人
(3)女性農業委員等研修会
9回
71人
2 農業者年金業務受託事業
業務受託機関である市町村農業委員会・農業協同組合の円滑な業務推進が
図られるよう、農協中央会と連携し、担当職員に対する実務研修会等を実施
した。また、加入推進員を委嘱し、新制度の普及・定着を目指した加入推進
活動等を実施するとともに、旧制度の受給者等に対する相談活動を併せて実
施した。
(1)職員研修会・担当者会議等
4回
137人
うち、加入推進員研修会
1回
61人
(2)巡回相談会
14回
76人
(3)巡回指導
19回
(4)啓発・普及資料の作成
3種類
25,485部
3 違反転用防止啓発事業
無断転用を早期に識別・発見し、迅速な対応が図られるよう、「農地転用
許可済標識」を作成し、配付した。(510枚
19農業委員会)
4 農業委員会連合会活動促進事業
農業委員会連合会が行う農政対策活動、啓発活動、調査研究等の活動に対
し、経費を助成した。(10農業委員会連合会)
【3】情報・調査活動
1 啓発宣伝事業
県内及び国内の農業関係情報を提供し、農業委員の相談世話役活動に役立
てるとともに、世論の形成を図るため、機関紙「農政時報」の発行や「全国
農業新聞」及び「全国農業図書」の普及・活用に努めた。
(1)機関紙「農政時報」の発行(毎月20日
4,500部/回)
主な配布先=農業委員、農業会議会議員、生産組合長、関係機関・
団体など
2 農地構造基本調査事業
農業の動向等を調査し、農政対策の基礎資料として活用するとともに、関
係機関等に提供した。
(1)田畑売買価格等に関する調査
5月(全国統一)
(2)農業労賃・農作業料金に関する調査
12月(全国統一)
(3)相続税納税猶予制度適用状況に関する調査
12月
【4】担い手の育成確保・経営支援活動
1
農業法人育成支援事業
神奈川県農業法人協会((社)日本農業法人協会・神奈川県支部)と連携し、
農業法人に対するセミナーの開催や情報提供・交換等を通して経営の体質強
化を支援するとともに、法人化を志向する農家等に対する相談活動を実施し
た。
また、農業経営の法人化へと繋げるため、神奈川県担い手育成総合支援協
議会及び神奈川県農協中央会と連携し、認定農業者等個人経営者に対し、青
色申告や複式簿記の普及推進を図った。
(1)制度や設立・運営に関する相談
(2)セミナー・情報交換会の開催
73件
2回
2 就農情報等収集提供事業
全国農業会議所が実施する就農情報収集活動に必要な情報を収集・提供し
た。
(1) 新規就農に関する情報収集調査
(2) 農業法人等の求人・研修受け入れ情報収集調査
(3) 新規就農希望者への相談業務
3 農の雇用事業
若者等の農業法人等への就業機会の促進、農業の担い手の確保・育成を図
るため、農業法人等が新規採用従業員に対して実施する実践的な研修に要す
る経費の一部を支援する全国農業会議所の事業と連携し、農業への雇用対策
を実施した。
(1) 事業相談窓口業務
30回
(2) 事業実施経営体(研修責任者及び研修生)への現地調査
44回
(3) 事業実施経営体(研修責任者及び研修生)を対象としたセミナーの開催
1回
【5】農地の有効利用対策
1
機構集積支援事業
農地法等の一部を改正する法律が施行され、農業委員会が従来の事務に加
え、転用規制の強化、貸借規制の見直し・緩和、利用集積を図る事業の創設
等により新たに担うこととなった事務等について、適切かつ円滑に執行でき
るよう、農業委員会の区域を越えた広域的な調整活動として、課題の収集や
情報交換・提供、研究討議等を実施した。
(1)農地相談員の配置
1名
(2)農地制度に関する相談活動等
相談件数
63件
相談日数104日
(3)中央研修会への出席
中央研修会への出席回数
2回
会議名称:都道府県農業会議職員専門技能研修会
日
時:11月18日
場
所:東京都内
研修内容:農地台帳公開システムに関する研修
会議名称:都道府県農業会議農地・組織主任者研修会
日
時:1月12日
場
所:東京都内
研修内容:遊休農地対策推進等研修
2
農地情報公開システム整備受託事業
昨年4月1日より本格実施となった市町村農業委員会における農地台帳と
農地地図の公表に関連する事項のうち、農地情報公開システム(農地地図と
農地情報が一体となったインターネット上の公開システム)の運用に関し、
農業委員会等に対して必要な支援・サポートを図った。
(1)農業委員会等への巡回指導・相談・協力
(2)農業委員会等担当者を対象とした研修会の開催
32農業委員会
2回
農政特別対策事業
平成27年度事業報告
農業者の公的代表機能を果たすため、農業委員会等での検討を踏まえ、県農林
業施策や予算、農業税制の改正等について建議・要望等を行った。また、全国農
業委員会会長大会等に参加するなど、要請活動等の農政対策に取り組んだ。
また、TPP(環太平洋連携協定)交渉の大筋合意を受け、関係する業界・団体
等との連携・協力を密にし、情報の開示や関連対策の充実等を求めるなど、必要
な農政対策活動に取り組んだ。
さらに、都市農業・農地の定義や基本理念、税制上の措置、防災機能の発揮や
都市住民との交流など都市農業に求められる幅広い内容を盛り込んだ「都市農業
振興基本法」の成立を目指し、三大都市圏の農業会議等により組織する全国農業
委員会都市農政対策協議会の活動と連携し、各方面に対して働きかけた。
〔1〕農政対策活動
1 建議並びに意見の公表等
農業委員会及び農業委員会連合会を通じ農業者の意見や要望を積み上げ、
県及び国の施策の拡充、農業関係予算の確保等に向けた対策を実施した。
(1)平成28年度県農林業施策並びに予算に関する建議・要望
○5月
第418回常任会議員会議で施策・予算要望を決定
○7月
第125回通常総会で建議を決定
○8月
県知事に建議、副知事・県議会正副議長・県議会主要会派・
県環境農政局ほかに要請
○8月
県環境農政局に施策・予算を要望
○11月
農業委員大会決議事項を県知事ほかに要請
○12月
県選出国会議員に要請
2 農業委員会活動支援対策の実施
農業委員会の農政活動の推進を図るため、農業委員会・農業委員会連合会
に対し、講師の派遣や資料提供等の協力を行った。
3 都市農政対策の実施
生産緑地の確保と追加指定に向けた運動を行った。(平成27年中の追加
指定=4市10地区(生産緑地指定面積の拡大を含めると7市)/
平成27年12月末現在生産緑地面積=1,360.1ヘクタール)
また、全国農業委員会都市農政対策協議会(3大都市圏の16都府県農業
会議で構成)と連携し、都市計画制度(市街化区域内農地)の見直しと都市
農業の確立に向けた提言「農業・農地が活きてるまちづくりをめざして」
(平
成23年3月策定)の実現を求めた各方面への働きかけを行ったほか、地域
住民合意の都市農業のあり方、農業体験農園の開設支援等、都市農業の振興
と多様な農地の利活用方策等について検討を行った。
また、「都市農業普及啓発支援事業」を実施し、農業委員会と協力して、
地域農業者や都市住民の遊休農地の活用や地産地消推進の取り組みを支援し
た。(12農業委員会・同連合会で13事業を実施)
4 農林予算確保対策の実施
全国農業委員会会長代表者集会等に参加し、予算確保に向けた実行運動を
実施した。
5 関係税制対策の実施
平成28年度農業関係税制の改正要望について、農業委員会から検討を積
み上げ、税制改正要望事項を取りまとめ、5月に全国農業会議所へ提出する
とともに、県選出国会議員に対し、実現について要請を行った。なお、全国
農業会議所では全国段階の要望を集約し、農林水産大臣等へ要望した。また、
全国農業委員会都市農政対策協議会と連携し、相続税の課税強化反対に関す
る要請を県選出国会議員に対し行った。
相続税納税猶予制度の適正な運用を図るため、市町村農業委員会等と連携
し、PRを行うとともに研修会等を開催し、特例農地の適正管理について呼
びかけを行った。
〔2〕農政組織対策活動
1 農業委員大会等の開催及び参加
(1)農業委員大会
11月12日
海老名市文化会館(750人)
○大会議案
第1号
新たな農業委員会制度及び農業委員会ネットワーク業務の
円滑な運営に関する要望
第2号
都市農業の振興と農地の保全・有効利用に関する要望
第3号
担い手・経営対策に関する要望
第4号
農業委員会活動の強化に関する申し合わせ
特別決議
TPP交渉の大筋合意を踏まえた要請決議
○11月18日
県知事、副知事、県議会正副議長に要請
○11月19日
自民党県議団長及び県幹部職員等に要請
○12月
3日
農水省及び関東農政局幹部に要望書を郵送
○12月
3日
県選出国会議員に対する実行運動(議員会館)
(2)全国農業委員会会長大会・代表者集会への参加
○
5月28日
○12月
3日
日比谷公会堂
全国2,000人(本県38人)
日比谷公会堂
全国1,500人(本県24人)
(3)関係団体の大会等への参加
○
8月24日
JAグループ神奈川ビル
H28年度県農林水産施策・予算・税制改正に関する要請会議
2 農業委員会等の連絡会議
(1)農業委員会会長・事務局長会議
2回
○農業会議事業計画、建議・施策要望取りまとめ要領等
(2)農業委員会連合会事務局長会議
○建議・施策要望、県農業委員大会議案等
2回
3 農業委員農政研究会(農業委員等特別研修会)の開催
本会と農業委員会連合会との共催で、それぞれの地区の農業委員を対象に
農政の諸問題についての研修・研究会を開催し、問題解決に必要な検討等を
行った。
(1)農業委員等特別研修会
9回 564人
4 関係団体・機関との連絡調整
効率的・効果的な事業推進を図るため、全国農業委員会都市農政対策協議
会(3大都市圏の16都府県農業会議で構成)、県農林水産団体協議会(県
18農林水産団体で構成)、県農政対策委員会(農業会議、JAグループ等
で構成)、県農業委員会職員事務研究会等の関係機関、団体との連携のもと、
連絡会議の開催並びに活動協力を行った。
〔3〕農業生産指導対策
農畜産物の生産並びに品質向上を図るため、市町村等が開催する共進会、
品評会等に協力し、褒賞並びに副賞を授与した。
(本会会長賞授与
60点)
〔4〕農政情報活動
県内及び国内の農業関係情報を提供し、農業委員の相談世話役活動に役立
てるとともに、世論の形成を図るため、機関紙「農政時報」の発行(毎月
20日4,500部/回)や「全国農業新聞」及び「全国農業図書」の普及
・活用に努めた。
また、啓発資料「農家のみなさんへ」を39,250部作成し、農家の皆
様に配布した。
〔5〕農業委員会連合会等の活動促進助成
農業委員会連合会等の活動強化を図るため、農業委員会連合会等の諸活動
に対して助成を行った。