2016年 8月 - 新日本電工株式会社

2016
2016年 8月
目次
■ 機能材料事業
■ 会社概要
会社概要
1
機能材料製品一覧
17
事業部門の構成および製品
2
マンガン酸リチウム
18
沿革
3
水素吸蔵合金
19
中央電気工業㈱沿革
4
フェロボロン∼省エネ・高機能化の素材∼
20
マンガン系無機化学品
21
酸化ジルコニウム∼デジタル機器に欠かせない素材∼
22
酸化ジルコニウム ∼新分野への展開∼
23
■ 合金鉄事業
合金鉄とは
■ 環境システム事業
鉄に欠かせない素材 合金鉄
5
合金鉄はどうやって作る
6
『環境システム事業』とは
24
世界の国別粗鋼生産と製品別合金鉄生産
7
クロム・ほう酸・ニッケル回収リサイクルフロー
25
日本の合金鉄生産∼フェロマンガンは国内生産∼
8
合金鉄の原材料 世界のマンガン鉱石の生産と貿易量
9
10
合金鉄の市況価格、マンガン鉱石価格
■ その他の事業
電力事業
26
肥料事業
27
新日本電工の事業戦略
新日本電工の合金鉄事業
11
SLPフェロマンガンの生産能力を2010年に年間4万トンへ拡大
12
資源戦略と最適立地が無敵への道筋
13
Kudumaneマンガン鉱山鉱区
14
SAJバナジウム社 高品質製品を順調に生産
15
電気炉による焼却灰溶融固化処理
16
■ 研究開発
研究開発
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
28
1
会社概要
会社概要
(2016年6月30日現在)
 創業
 本社・工場・研究所
1925 年 (大正 14 年) 10 月
 本社
(2016年6月30日現在)
中央電気工業 妙高工場/機能材料
東京都中央区八重洲1-4-16
日高工場/電力・肥料
幌満川水力発電所
北陸工場
新素材製造部(富山)/機能材料
 従業員
電池材料製造部(富山)/機能材料
郡山工場/環境システム
当社および連結子会社 991 名 (当社 485 名)
 事業内容
中央電気工業 鹿島工場/合金鉄
合金鉄の製造販売、機能材料の製造販売、環境システムの製造販売
その他(発電および電力供給、肥料等)
本社(東京)
徳島工場/合金鉄・機能材料・肥料
研究所
 関連会社
国内 11 社、海外5社
 海外関係会社
 事業規模
(連結 2015年 12 月期)
(2016年6月30日現在)
NDリサイクル(韓国)/環境システム
(単位:百万円)
売上高
82,902
総資産
92,827
株主持分
63,612
資本金
11,026
有利子負債
10,630
VIETNAM RARE EARTH
COMPANY LIMITED(ベトナム)
【売却決定済】
NDC H.K.(香港)
【清算手続中】
 株式状況
SAJバナジウム(南ア)
(2016年 6 月 30 日現在)
発行済株式数
Kudumane Investment
Holding(香港)
146,741,292
会社概要
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
1
事業部門の構成および製品
事業分野
合金鉄
機能材料
環境システム
その他
製 品 例
市
場
各種合金鉄
鉄 鋼、ステンレス、特 殊 鋼
電気炉による焼却灰溶融固化処理
地方自治体、産業廃棄物排出事業者
マンガン酸リチウム
リチウムイオン二次電池
水素吸蔵合金
ニッケル水素二次電池
フェロボロン
ネオジム磁石、アモルファス合金
酸化ジルコニウム
電子部品
酸化ほう素、ほう酸
ガラス、表面処理
マンガン系無機化学品
サプリメント、積層セラミックコンデンサー添加剤等
クロム酸回収、ほう素回収
表面処理、電子部品
ニッケル回収、用排水設備
自動車部品、産廃処分場
電力、けい酸肥料
電力会社、全国農協
会社概要
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
2
沿革
1925
■ 大垣電気冶金工業所(のちの日本電気冶金㈱)設立、各種合金鉄製造販売
1937
■ 栗山(北海道)でクロム塩の製造販売開始
1963
日本電気冶金㈱と東邦電化㈱の合併により日本電工㈱発足
1969
■ 徳島工場建設操業開始(港湾設備と大型電気炉を備える)
■ 機能材料事業
1971
■ 極東工業㈱吸収合併
■ 化学品事業
1973
■ クロム酸回収事業開始
1984
■ 電気炉によるフェロボロンの製造販売開始
1989
■ 酸化ジルコニウムの製造販売開始
1992
■ 郡山にクロム酸回収の新工場完成
1993
■ 南ア・サマンコール社とNSTフェロクロム社を設立
1996
■ カートリッジ式純水器アクアパック販売開始
1999
■ 純水装置MRパック販売開始
2000
■ 南ア・サマンコール社とフェロマンガンについて戦略提携
■ 酸化ジルコニウム新工場完成
2001
■ 日本錬水㈱と戦略提携
2002
■ 南ア・ハイベルト社とSAJバナジウム社を設立
■ ニッケル回収・再資源化事業を開始
■ 韓国にイオン交換樹脂再生業のNDリサイクル社設立
2003
■ リチウムマンガン二次電池材料事業を買収
■ 韓国・NDリサイクル社の工場が完成
2004
■ ふっ素・りんの回収・再資源化事業を開始
■ 燃料電池用純水装置の納入を開始
2005
■ 徳島工場電気炉ガス活用自家発電設備の設置
2008
■ SLPフェロマンガン生産能力増強(年産3万トン)
2009
■ 高炭素フェロマンガン22万トン体制確立
2010
■ 自動車向け電池材料第1期大型工場を完成
2011
■ 自動車向け電池材料第2期大型工場を完成
2012
■ 日本化学工業㈱へクロム塩事業を譲渡
■ Pertama Ferroalloys SDN. BHDに出資
2013
中央電気工業㈱と経営統合を発表
■ 南ア・マンガン鉱山権益を取得
2014
中央電気工業㈱との経営統合により新日本電工㈱と改称
■ 合金鉄事業
■ 環境システム事業
■ フェロボロン製造設備増強工事完成
■ ほう素回収設備の建設工事完成
■ フェロボロン生産能力増強
■ SLPフェロマンガン生産能力再増強(年産4万トン)
会社概要
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
3
中央電気工業㈱沿 革
1934
■ 中央電気㈱(電力供給と設備提供)と秩父電気工業㈱(合金鉄製造技術提供)の共同出資により中央電気工業㈱を設立し
田口工場(現妙高工場 新潟県)で電気炉による合金鉄の製造を開始
1941
■ 電解金属マンガンの製造を開始
■ 合金鉄事業
1969
■ 鹿島工場(茨城県)の建設に着手
■ 機能材料事業
1970
■ 鹿島工場1号電気炉(40,000KVA)完成
1974
■ 鹿島工場2号電気炉(50,000KVA)完成
1976
■ 田口工場(現妙高工場)で硫酸マンガンの製造を開始
1979
■ 田口工場(現妙高工場)で炭酸マンガンの製造を開始、水素吸蔵合金の研究を開始
1983
■ 田口工場(現妙高工場)で水素自動車試作、廃熱回収装置の試験を開始
1986
■ 田口工場(現妙高工場)で化成二酸化マンガンの製造を開始
1992
■ 田口工場(現妙高工場)で水素吸蔵合金の製造を開始
1997
■ 妙高工場でISO9001認証取得
2001
■ 鹿島工場で一般廃棄物の処理を開始
2002
■ 鹿島工場で廃棄物溶融専用炉(EM1)製造設備完成、産業廃棄物・特別産業廃棄物の処分を開始
2004
■ 鹿島工場で廃棄物溶融専用炉(EM2)製造設備完成
2005
■ 鹿島工場で茨城県リサイクル優良事業所認定
2006
■ 妙高工場でLIB用硫酸マンガンの製造を開始
2010
■ 鹿島工場でISO9001及びOSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム)認証取得
2011
■ 住友金属工業㈱(現新日鐵住金㈱)より、住金モリコープ㈱(磁石用合金事業)の株式を取得、リチウムイオン電池負極材事業を継承
■ 妙高工場でLIB用黒鉛製造を開始
2013
■ 鹿島工場で汚染土壌処理業の許可を取得
日本電工(株)(現新日本電工)と経営統合を発表
2014
新日本電工(株)との経営統合
2016
■ 磁石用合金事業を三徳と双日に譲渡
■ 鹿島工場でISO14001認証取得
■ 鹿島工場で産業廃棄物処分業優良認定
■ 鹿島工場で特別管理産業廃棄物処分業優良認定
■妙高工場でISO14001認証取得
会社概要
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
4
合金鉄事業
鉄に欠かせない素材 合金鉄
▼ 新日本電工
合金鉄とはすべての鉄に添加されている
最も大切な素材で、鉄の調味料となるものです。
▼ 合金鉄
 鉄を作る工程
鉄鋼メーカー
石炭
コークス
転炉
高炉
鉄鉱石
鉄の強度・靱性・耐熱性・
鉄の完成
耐食性等を向上させる。
焼 結 鉱
石灰石
 合金鉄の代表的な品種と用途
フェロマンガン
シリコマンガン
合金鉄の市場規模 (16年見通)
鋼の強度UP
新日本電工 主力製品
フェロマンガン
フェロバナジウム
フェロクロム
油井管、ラインパイプ
バネ製品
ステンレス製品
国内は約 2,790億円
(新日本電工推計)
取引価格はおおむね
国際市況で決定
ドルベースの国際価格を為替で
円換算した価格で取引
フェロシリコン
脱酸作用
(輸出産業と同様、円安が利益増 となる収益構造)
合金鉄事業
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
5
合金鉄はどうやって作る?
 当社の主力製品、高炭素フェロマンガン
主な原料
高炭素フェロマンガン
コークス
各国から輸入したマンガン
鉱石を最適配合技術で製錬。
省エネ、省電力を実現。
石炭を蒸し焼きにしたもの。
還元剤として、鉱石中の
酸素を取り除く。
環境対策は万全
高炭素フェロマンガンはフェロマン
ガン製品の内で炭素成分の多いも
のをいいます。
排気ガスは自家発電
の燃料に利用
▲
マンガン鉱石
電気炉から出てきたメタル
冷却後、製品へ
▲
当社が日本で
電気炉
超高温で溶かします。
スラグ
注)スラグはメタルを
製造する過程で
生じる副産物
シェア No.1
( p.27参照 )
合金鉄事業
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
6
世界の国別粗鋼生産と製品別合金鉄生産
 世界の合金鉄生産
 世界の粗鋼生産
(百万トン)
(千トン)
45,000
1,800
1,538
1,560
1,650
1,670
261
1,200
1,000
48
46
119
122
45
119
121
109
106
166
169
111
111
8,581
8,199
8,248
9,971
9,767
10,901
11,185
12,038
1,519
1,573
1,748
1,823
3,327
4,441
4,426
4,374
4,490
'09
'10
'11
'12
'13
30,000
44
5,363
8,043
111
25,000
101
10,789
7,239
20,000
166
9,539
169
15,000
105
6,456
107
108
8,788
10,000
822
600
823
731
702
7,447
804
5,000
400
1,024
0
'11
中国
3,472
5,003
30,856
112
113
178
800
35,000
254
46
6,614
37,333
41,193
2,702
280
258
254
37,772
40,000
1,600
1,400
41,936
1,598
日本
EU
'12
'13
CIS
北アメリカ
'14
南アメリカ
'15
アフリカ
その他
(WSA統計)
HcFeMn
M・Lc-FeMn
SiMn
FeCr
FeSi
Others
( FeMn & SiMn: IMnI統計, FeCr: ICDA 統計, Others: USGS 統計)
合金鉄事業
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
7
日本の合金鉄生産∼フェロマンガンは国内生産∼
 日本の合金鉄生産・輸入と粗鋼の生産推移
 合金鉄の国内生産比率
粗鋼生産量
(百万トン)
合金鉄生産・輸入
(千トン)
3,000
125
(%)
100
フェロマンガン
2,500
粗鋼生産量
100
80
合金鉄輸入
合金鉄生産
2,000
75
60
50
40
1,500
1,000
シリコマンガン
25
20
500
フェロクロム
0
0
'11
'12
'13
*合金鉄生産の数値には原料用を含んでいない。
'14
'15
フェロシリコン
0
'11
'12
(鉄鋼統計)
'13
'14
'15
(鉄鋼統計)
合金鉄事業
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
8
合金鉄の原材料 世界のマンガン鉱石の生産と貿易量
 世界のマンガン鉱石生産
2015年:4,869万トン
中国の鉱石は低品位鉱が主流
ウクライナ
2.4%
低品位鉱はスラグ発生が多いため
メタルの回収率が低い。
その他
10.4%
ガーナ
3.1%
ブラジル
5.3%
インド
5.2%
中国
26.7%
ガボン
中国
ブラジル
高品位鉱・中品位鉱が主流
ガボン
9.1%
低品位鉱に比べ、スラグ発生しにくく
メタルの回収率が高い。
南アフリカ
22.2%
オーストラリ
ア
15.6%
オーストラリア
(IMnI統計)
 日本のマンガン鉱石輸入
2015年:
122
万トン
その他
0.1%
オースト
ラリア
23.6%
南アフリカ
 中国のマンガン鉱石輸入
2015年: 1,578 万トン
ガーナ
(万トン)
1,700
1,600
マレーシア 3.4%
3.6%
ガボン
7.1%
ブラジル
9.6%
南ア
フリカ
69.2%
(財務省通関統計)
 中国のマンガン鉱石輸入量
その他
3.4%
南アフ
リカ
40.7%
ガボン
12.0%
オースト
ラリア
28.1%
1,500
1,400
1,300
1,200
1,100
1,000
900
800
700
600
'11
(中国海関統計)
'12
'13
'14
'15
(中国海関統計)
合金鉄事業
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
9
合金鉄の市況価格、マンガン鉱石価格
 製品価格(四半期平均)
 製品価格と鉱石価格
($/t)
($/kg)
($/t)
($/Mn%)
50
1,700
21.0
1,600
高炭素フェロマンガン(欧)
18.0
1,500
1,400
高炭素フェロマンガン(米)
高炭素フェロマンガン(欧州)
40
15.0
1,300
1,200
12.0
1,100
30
1,000
9.0
900
800
6.0
20
600
700
フェロバナジウム 右目盛
3.0
中国向けマンガン鉱石 右目盛
500
10
400
'11
'12
'13
'14
'15
'11
'16
'12
0.0
'11
'12
'13
'13
'14
’14
'16
'15
1,538 1,565 1,294 1,126 1,160 1,253 1,138 1,113 1,124 1,043
823
819
836
724
685
746
FMnH(米)
1,324 1,305 1,334 1,295 1,220 1,298 1,227 1,182 1,107 1,075 1,032 1,000 1073 1,075 1,053 1,050 1034
937
861
830
785
824
21.2
17.9
13.5
14.6
18.5
30.7
30.0
28.5
25.9
24.7
25.7
24.4
25.1
31.6
28.2
25.8
986 1,042 1,044
25.3
25.5
26.7
984
25.4
902
'16
FMnH(欧)
FV
953
'15
24.5
21.8
(米国市況:メタルズウィーク、欧州市況・FV:メタルブリテン、他:TEXレポート)
合金鉄事業
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
10
新日本電工の合金鉄事業
 新日本電工 合金鉄事業の売上高構成比率推移
100%
1
7
80%
11
0
7
14
1
10
3
1
7
1
1
6
2
■ フェロバナジウム
2002年 3月 南アにSAJバナジウム社設立。
■ フェロクロム
2012年12月 NSTフェロクロム社から撤退。
60%
50
62
52
56
47
■ 高炭素フェロマンガン
高炭素フェロマンガンは当社の主力製品。
徳島工場の競争力を生かし、国内生産。
2014年下期から中央電気工業の高炭素フェロマンガ
ンが加わる。
40%
マンガン純度が高く、不純物が少ない。
金属マンガンの代替として製鋼の最終工程で
添加される。(p.11参照)
20%
0%
22
20
22
5
7
7
7
'12
'13
'14
'11
16
14
10
■ SLPフェロマンガン
(当社商品名)
(金属マンガン: マンガン純度がほぼ100%の金属。鉄鋼、
ステンレススチール、アルミニウムの添加材料として使わ
れる。)
■ シリコマンガン
'15
合金鉄事業−新日本電工の事業戦略
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
11
SLPフェロマンガンの生産能力を2010年に年間4万トンへ拡大
 SLPフェロマンガンとは
優位性
( Super Low Phosphorus:超低リン )
 高炭素フェロマンガンの副産物を原料に、独自の技術で高純度
フェロマンガンを製造。
 高級鋼の生産増で需要はさらに高まる。
 マンガン純分約90%、
リン分の含有が低い
極低炭素フェロマンガン。
▲ SLPフェロマンガン
 高級鋼の生産に必要な
原料で、金属マンガンの
代替品として使われる。
 金属マンガン
- 日本国内の金属マンガン需要は年間約5万トンで全量輸入、
内およそ90%が中国からの輸入。
- 中国への依存率が非常に高いため中国以外での生産、
或いは他品種への切り替えが検討されている。
 2008 年に電気炉を1基増設。
生産能力を年間 1.8 万トン→ 3 万トンへ拡大。
戦 略
 2010 年に生産能力を年間 3 万トン→ 4 万トンへ増強完了。
 需要家の安定調達に貢献、収益力アップ。
(万トン)
160
140
120
100
80
60
40
20
0
中国金属マンガンの生産と輸出
生産
輸出
'11
'12
'13
'14
'15
(生産:中国合金網 輸出:中国海関統計)
合金鉄事業−新日本電工の事業戦略
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
12
資源戦略と最適立地が無敵への道筋

得意分野は国内生産で∼高炭素フェロマンガン∼
合金鉄生産に必要な鉱石の安定供給確保
世界有数の競争力を持つ国内工場
・ マンガン鉱石権益の取得
海に隣接した国内工場での生産で
ジャストインタイムな供給 が可能
Kudumane Manganese Resources社 (南アフリカ)
・ 鉱石調達ソースの多様化

最適立地生産でさらに強固に
シリコマンガン・フェロシリコン等
フェロバナジウム = 市況変動大
対
策
海外なら原料在庫を
持たなくて良い
対
策
安価な電力の活用
バンケム社との合弁会社
マレーシアでの生産に参画
SAJバナジウム社 (南アフリカ)
PERTAMA FERROALLOYS SDN. BHD.(マレーシア)
( p.13 参照 )
合金鉄事業−新日本電工の事業戦略
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
13
Kudumaneマンガン鉱山鉱区
BHP Billiton
ASSMANG
Hotazel
telele
York
BHP Billiton
合金鉄事業−新日本電工の事業戦略
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14
SAJバナジウム社
SAJ バナジウム社(合弁会社)(南アフリカ)
 鉱石在庫のミニマム化による市況変動リスク
回避で収益に貢献。
2002 年 3 月当社、三井物産及び南ア・
ハイベルト社はフェロバナジウムの
南ア・バンケム社
当社
生産販売を目的とする合弁会社
(出資比率 50 %)
( 同 50 %)
原料の安定供給
オペレーション
技術供与
マーケティング
『SAJバナジウム社』 を南アに設立。
 高品質とコスト競争力で販売強化。
 使用ベースの購入で原材料在庫を持つ必要なし。
SAJ バナジウム社の経営状況
 2008年8月ハイベルト社はバナジウム事業を
スイスの鉄鋼トレーダー/デュフェルコ社に
売却。デュフェルコ社はバナジウム事業運営
のため、100%子会社バンケム社を設立し、
SAJバナジウム社の50%株主とした。

国内消費量とSAJバナジウム社販売数量
(トン)
(百万トン)
フェロバナジウム消費量(左軸)
8000
140
120
6000
4000
100
粗鋼生産量(右軸)
s
80
2000
SAJバナジウム社販売数量(左軸)
60
0
'07
'08
'09
'10
'11
'12
'13
'14
'15
(鉄鋼統計)
合金鉄事業−新日本電工の事業戦略
(C)新日本電工株式会社 2016, All rights reserved.
15
電気炉による焼却灰溶融固化処理
■ 事業の沿革
■ 特色
● 1995年に中央電気工業が民間企業として日本で初めて
自治体から発生する焼却灰の合金鉄炉を用いた溶融処理
を開始
● 2002年から専用炉を稼働し、産業廃棄物の処理を開始
● 2013年専用炉の処理能力増強
● 高温で溶融固化するため、ダイオキシンの分解、重金属の無害化・ 安定化を実現
● 生成スラグは品質が安定しているので、エコラロック(商標登録)として広範囲の用途
に販売
●メタルに含まれる有価金属(金・銀・銅他)はリサイクル利用
<使用例>
・路盤材
焼却灰倉庫
道路用材
・太陽光パネル設置の
敷均し材
専用運搬車
焼却灰(自治体から収集)
敷均し材
・災害復旧での
築堤工事
・河川堤防設置工事の
基礎部分
非鉄精錬会社で
有価金属を分離回収
河川護岸工事用材
(エコラロック)
合金鉄事業−新日本電工の事業戦略
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機能材料事業
機能材料製品一覧
機能材料製品
分類および用途
マンガン酸リチウム
リチウムイオン電池の正極材料
水素吸蔵合金
ニッケル水素電池の負極材料
フェロボロン
マンガン系無機化学品
アモルファス合金向け
アモルファス合金(FeSiB)の原料
磁石向け
ネオジム鉄ボロン磁石合金(NdFeB)の原料
鉄鋼向け
合金鉄の一種として鉄鋼に添加
詳細は21ページに記載
電子セラミックス向け
圧電素子、セラミックコンデンサー等の原料
ガラス向け
高屈折率光学ガラスレンズ等に添加
機能性フィルム向け
光学調整コーティング材、ハードコーティング材等の原料
触媒向け複合酸化物
自動車排ガス浄化用助触媒
ガラス向け
液晶ガラス、光学ガラス、グラスファイバー等に添加
その他向け
ほう素化合物、殺菌剤、表面処理剤等の原料
酸化ジルコニウム
酸化ほう素、ほう酸
機能材料事業
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マンガン酸リチウム

新日本電工のマンガン酸リチウムは
 マンガン酸リチウムの特徴
 1997 年 世界に先駆け商業生産開始
 安全性が高く、大容量の電池に最適
 世界 No.1 の製造販売実績
 優れたパワー特性を持ち、ハイパワー分野に適している
 ISO9001、ISO14001 認定工場
 資源的に豊富なマンガンを主原料としているため、コスト的に有利
 2012 年 1 月 第 6 回岡崎清賞受賞(EV実用化貢献)
崩れにくく、安全性高いスピネル構造
電池材料製造工場 (富山県高岡市)

主な用途
ハイブリッド自動車や電気自動車などの車載用の大型リチウムイオン電池
スマートハウスやスマートグリッドなどの蓄電用の大型リチウムイオン電池
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水素吸蔵合金

水素吸蔵合金
 水素吸蔵合金の特徴
 1992 年 商業生産開始
 自動車の寿命と同程度の長寿命
 トヨタ自動車のハイブリッド車に採用され
 低温化での始動性や加速時のパワーなど十分な出力性能
ハイブリッド車用世界 No.1サプライヤー
 ISO9001、ISO14001 認定工場
 ニッケル水素電池の原理
充電
水素吸蔵合金製造工場 (新潟県妙高市)
NiOOH+MH

主な用途
Ni(OH)2+M
放電
ハイブリッド自動車の駆動用バッテリーとして搭載されているニッケル水素電池の
負極材として使用されています。
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フェロボロン ∼省エネ・高機能化の素材∼
製品
概要
用途または応用例
Fe、Si、Bなどからなる合金を溶融状態から毎秒100
万℃で急冷し、厚さ数 10 ミクロンの薄帯とすると非晶
質のアモルファス合金ができる。
 主用途はアモルファス変圧器の鉄心材料
アモルファス合金は変圧器の鉄心材料に用いると、鉄心 で発生する電気ロス(=無負荷損)が
非常に 小さく、省エネ性能が向上する。
アモルファス
合金向け
 電力インフラの整備が進む中国・インドでは省エネ性能に優れた
アモルファス変圧器が普及拡大している。
 日本では産業用変圧器にトップランナー制度を適用(2006 年 4 月∼)。
 米国では配電用変圧器に日本のトップランナーよりも厳しい省エネ
規格を適用(2010 年 1 月から施行)。
アモルファス合金
▲ アモルファス変圧器
 世界的な省エネ機運の高まりにより今後も更なる需要拡大が見込ま
れる。
 ネオジム鉄ボロン磁石の応用例
磁石向け
ネオジム鉄ボロン磁石は最強の永久磁石であり、電子
機器、家電、自動車等の小型・軽量化、高効率・省エ
ネ化に欠かせない材料。
 ハイブリッド自動車、電気自動車のモーター
 ハードディスク読み書きヘッドの駆動装置
 省エネ家電(エアコン等)のモーター
 風力発電の発電機 etc
 応用例
橋梁ワイヤー、ボルト・ナット、パワーショベルの爪
鉄鋼向け
鉄鋼にボロンを微量添加(10 ∼100 ppm)すると焼き入
れ性、高温強度を高めるなどの効果がある。
 当社は中国以外では唯一のフェロボロンメーカー。
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マンガン系無機化学品

マンガン系無機化学品事業 概要
 1976年 商業生産開始
 多品種のマンガン系無機化学品を製造する
国内唯一のメーカー

マンガン系無機化学品の品種および用途
品
種
硫酸マンガン
用
途
飼料添加物、触媒原料、サプリメント、肥料
 ISO9001、ISO14001 認定工場
 Kosher取得、FDA認証工場(硫酸マンガン)
高純度硫酸マンガン
リチウムイオン電池正極材原料
炭酸マンガン
飼料添加物、表面処理下地剤原料、ソフトフェライト
高純度炭酸マンガン
積層セラミックコンデンサー添加剤、サーミスタ
化成二酸化マンガン
オゾン分解触媒、脱臭触媒、有機合成用酸化剤
還元鉱石
フラックス
マンガン系無機化学品製造工場 (新潟県妙高市)
 マンガン系無機化学品の特徴
 マンガン鉱石からの高純度精製技術を保有
 晶析、再晶析工程による、アルカリ金属、
アルカリ土類金属の徹底除去
 酸化剤投入及び反応pHの最適化により
硫酸マンガン
炭酸マンガン
Feの徹底除去
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酸化ジルコニウム ∼デジタル機器に欠かせない素材∼

酸化ジルコニウムとは
 酸化ジルコニウムを原料とする電子セラミックスは電気を蓄える、電気と圧力を変換するといった電気特性を持つ。
 光学ガラス及び機能性フィルムに添加することにより、高い屈折率が得られる。

新日本電工の酸化ジルコニウムは
 1989 年に徳島工場で生産開始
 超微粒子、高純度で高い評価
 電子部品、光学レンズ向けを中心に展開

主な用途と応用製品
電子セラミックス
ガラス・フィルム
デジタル家電、パソコン、携帯電話などのデジタル機器の電気回路に
セラミックコンデンサー、セラミックフィルターとして使用される。
また、インクジェットプリンターのインク噴射制御用素子に使用される。
さらに、デジタルカメラ等の手ブレ防止やスマートフォンの傾き検知用ジャイロセンサーにも使用される。
セラミックコンデンサー
デジタルカメラ用の光学レンズ、液晶ディスプレー用
フィルムなどに使用される。
▲ インクジェットプリンター
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酸化ジルコニウム ∼新分野への展開∼

自動車排ガス浄化用助触媒(セリア−ジルコニア)
 自動車排ガス三元系触媒に使用される。
 酸化・還元反応に合わせて酸素を吸蔵・放出する役割をもつ。
CeO2
 (自動車排ガス三元系触媒)
CeO2-x + X/2O2
酸素吸蔵
排ガス中の有害物質を酸化・還元反応で無害化
酸素放出
NOX
HC
CO
開発項目
®
H2O
CO2
N2
 高い酸素吸蔵能力
 高い反応(酸素吸蔵・放出)速度
 耐熱性

機能性フィルム用酸化ジルコニウム
 タッチパネル向け機能性フィルムへの光学調整コーティング材等に使用される。
酸化ジルコニウムの特性
 高屈折率(高い透明性)
 高硬度
 耐光触媒性
開発項目
 溶媒中での高い分散性
 一次粒子径が超微細且つ均一
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環境システム事業
『環境システム事業』とは
福島県郡山市にイオン交換樹脂の大型再生工場を有しており、委託再生方式イオン交換樹脂塔のレンタル・販売・再生を事業展開
イオン交換樹脂塔
▲
に資源を吸着
環境システム事業の特徴 -3R-
Reduce (リデュース)

Reuse (リユース)
排水処理スラッジ発生量を削減
委託再生方式でレンタル可能。
初期投資少なく、お客様での廃液や処理汚泥の

排水を脱イオン化して再使用
Recycle (リサイクル)

イオン交換樹脂塔の組合せにより、水の再使用
が可能。純水レベルにも対応。
排水含有資源の回収・再資源化
クロム
発生無し。
ほう素
ふっ素・鉛除去等、土壌・地下水汚染案件でも
納入実績あり。
排水
脱イオン水
ニッケル
スラッジ発生量比較:当社調査による
薬剤によるスラッジ処理
当社システム
ほう素
1,000
1
クロム
20
1
●表面処理薬液に蓄積する不純物を吸着除去。
ニッケル
10
1
(3価クロム系めっき薬品で 鉄・銅除去ニーズ 有り)
※スラッジ : 排水から発生する汚泥
家庭用燃料電池向け純水製造
水素ステーション向け純水製造
クロム塩類原料
(提携先)
フェロボロン原料
(当社北陸工場)
ニッケル合金原料
(提携先)
●ほう酸回収設備の提案も可能。

不純物除去で表面処理液を再使用
→回収したほう酸は当社が買取り再資源化。
●薬液寿命が伸び、産業廃棄物の削減可能。
代替エネルギーとして家庭用燃料電池の普及が加速しています。燃料電池の発電には水素が使われており、その水素は天然ガスなどと
純水の反応により取り出されます。イオン交換樹脂再生業での豊富な経験を活かし、これら燃料電池分野への事業展開も進めております。
トヨタ自動車が燃料電池自動車の市販を開始し、水素ステーションの整備が進められています。
当社は2004年の愛・地球博以来、水素製造用純水装置に参入しており、水素ステーション向けでは国内トップシェアです。
環境システム事業
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クロム・ほう酸・ニッケル回収リサイクルフロー

可般式モデル
ニッケル合金原料
当社 イオン交換樹脂再生・回収工場
需要家
水酸化ニッケル
使用済品
主にレンタル
小
提携先
再生済品
クロム酸回収液
▲ 当社郡山工場
クロム薬品
化学薬品は製品として各需要家へ
排
水
量

定置式モデル
回収プラントの現地施工
需要家(大規模)
提携先
回収ほう酸
回収ほう酸
濃縮・
固化
自動再生
精製
吸着
大
フェロボロン
回収ほう酸
(有価買取)
当社再生工場の仕組みを需要家の
工場内に構築
大量排水の処理に対応!
当社ボロン合金製造工場
(北陸工場)
環境システム事業
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その他の事業 電力&肥料
電力事業
・水力発電は、CO2を排出しない極めてクリーンな発電である。
・日高工場では、昭和初期に日高地方の電源開発の先駆けとして幌満川水系に発
電所を建設。
・現在、第2、第3発電所の2地点で約10,000kWの発電設備を所有。一部を自社工場
で使用し、その他を電力会社へ供給。
発電設備概要
設置
出力
幌満川 第2発電所
昭和15年
(更新工事中)
3,915kW
昭和27年
5,900kW
第3発電所
・2014年12月に両発電所の大規模改修工事を計画し、再生可能エネルギー固定価
格買取制度の設備認定を取得。昨年から順次更新工事を開始。
2015年9月∼2016年12月
: 第2発電所の更新工事中
2017年1月∼2018年6月
: 第3発電所の更新工事実施
完成間近の
第3発電所
電力会社
幌満ダム
幌満川水力発電所
日高工場 肥料工場
その他の事業
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肥料事業
スラグに他の成分を加えることで
様々な効果の肥料に!
他の成分
合金鉄生産時に発生したスラグ(メタル以外)を再利用
徳島工場・日高工場で生産中
スラグ
商品名
質
効 果
珪カル
けい酸質
水稲用。丈夫な稲を作る。味を良くする。
ゆめシリカ、米太朗、
有米蔵
りん酸質
開花、結実を良くする。
米土つくり
カリ質
根を丈夫にする。病害虫、寒さに抵抗力UP。
一言で言えば
”土壌改良”
JAに販売中!
その他の事業
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研究開発
研究開発
■ 2016年研究開発及び新規材料開発
● 主な研究開発拠点
・ 研究所(徳島県阿南市): 合金鉄関連技術、微粒金属・酸化物、自動車排ガス浄化用助触媒などの開発
・ 開発センター(富山県高岡市): リチウムイオン電池正極材などの開発
● リチウムイオン電池用正極材の開発状況
・ 車載用LIB向け、長寿命正極材を開発
・ さらなる高容量正極材の開発を推進中
● 自動車排ガス浄化用の助触媒「セリア・ジルコニア」
の新コンセプト開発状況
・ 酸素を素早く吸収・放出できるセリア・ジルコニア
・ 触媒活性を向上できるセリア・ジルコニア
H2O CO2
N2
貴金属触媒
O2
セリア・ジルコニア
NOx CO
HC
● 新規材料「二酸化バナジウム蓄熱材」の開発状況
新製造法による二酸化バナジウムVO2で用途開拓
・ 蓄熱温度(転移温度)の異なる4種を試作・サンプル提供
・ 蓄熱材以外の用途も開拓中
(温度-色変化素子、温度スイッチ素子、温度-駆動素子、等)
研究開発
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