PowerPoint プレゼンテーション

リーマサイズ選定にあたって
News No. 63-5
リーマサイズ選定にあたり、実際の穴公差や工具に求められる公差域を学びましょう。
右表が基準穴寸法に対する穴公差とリーマ公差を
表したものです。
「越え」とはジャスト寸法を含まず、「以下」はジャスト寸法を
含みます。
例) 3 越え → 3.001 以上 、 6 以下 → 6.000 を含む
穴公差は「H7」が基準で、「H6」ならばもっと公差レンジが
狭く「H8」ならば逆に公差レンジは拡がります。
リーマの公差は「m5」という厳しいレンジが設定されており
「H7」公差レンジの真ん中付近を狙っています。
下図を参照ください。
被削材
Φ10.015 max
Φ10 H7
Φ10.000 min
基準寸法(mm)
越え
以下
-
3
3
6
6
10
10
18
18
30
30
50
50
80
80
120
公差(μm) リーマ公差
H7
m5
+ 10
+6
0
+2
+ 12
+9
0
+4
+ 12
+ 15
0
+6
+ 18
+ 15
0
+7
+ 21
+ 17
0
+8
+ 25
+ 20
0
+9
+ 30
+ 24
0
+ 11
+ 35
+ 28
0
+ 13
Φ10.012 max
リーマ
Φ10.006 min
被削材φ10 H7 公差に対してリーマの公差がやや上限寄りなのが図から解ります。
これは工具の初期摩耗やじきに摩耗して径小になることを考慮した数値となります。
基準寸法(mm)
越え
以下
-
5
5
20
20
50
50
100
リーマ削り代(直径)
0.1~0.2
0.2~0.3
0.3~0.5
0.4~1.0
リーマの削り代(穴仕上げ代)は被削材や前加工時の
精度にもよりますが、一般的には基準寸法直径の3%以下が
望ましいといわれています。
左表に一般的な標準値を示します。
リーマ選択ソフトのご紹介
Magafor のホームページにはリーマの選定プログラムがあり WEB上で基準穴径と公差を入れるだけで
標準で対応可能な工具型番を提示、更には寸法詳細画面までリンクする優れものです。
今回この便利な Magafor のリーマ選定プログラムを WEB上だけではなく、VARDEXの TT/TMGen のように
パソコンにインストールして工具を選択できる独立したソフトとして提供して頂けることになりました。
是非本ソフトの配布とご活用をお願い致します。
具体的なリーマ選択例
穴基準寸法記入例
赤丸欄に寸法を入れると・・・・
最小寸法
基準穴径(10H7)を記入すると
公差及び最小・最大寸法が
表示され下部に右の表が出現
します。
カーソルを各公差レンジの商品
(カラーの帯)に合わせると型番
と図が表示されます。
更にカーソルを合わせたまま
クリックすると相当型番の寸法
表が表示(次ページ)されますの
で、ここでシャンク寸法や首下
長さ・全長をチェックできます。
公差
最大寸法
Magafor リーマ 当社在庫型番と特徴
650/8650 シリーズ
コバルトハイス(650)/超硬(8650)
公差レンジ 「 m5 」 のリーマです。
例) 8650-6.0
φ6.0 +0.004,+0.009
適用例) φ6 H7 (+0,+0.012)
600/8600 シリーズ
コバルトハイス(600)/超硬(8600)
公差レンジ 「+0,+0.005 以内」 の
リーマです。
例)8600-11.01
φ11.01 +0,+0.005
適用例) φ11 H7 (+0,+0.018)
リーマ φ11.01~11.015
※上記型番以外の Magafor リーマ はお取り寄せとなります。製作品も対応致しますのでご遠慮なくご相談ください。
フローティングホルダ使用のお奨め
リーマ加工時には工具の刃振れによる穴精度の悪化を防ぐため、是非フローティングホルダや刃振れ
調整式ホルダのご使用をお奨めします。
製品として リーマの刃先公差は「m5 (5μ以内)」ですが、シャンクに対する各刃の振れが存在します。
刃振れ
※ 「刃振れ」とはシャンクを掴んで回した時の各刃の半径方向の寸法のばらつきを指します。
刃振れを無視してリーマ加工を行うと狙った数値よりも実際の穴径が拡大したり楕円になったりする
恐れがありますので注意が必要です。
どんなに精度の良いコレットでリーマを掴んでも、リーマ自体に刃振れがあれば満足のいく穴の仕上げ
加工は出来ません。
そこで登場するのが下記の特殊ホルダです。
《フローティングホルダ (トランスファ・専用機用)》
フローティングホルダは工具シャンクに
対する刃先の振れをホルダ側で吸収して
くれる特殊なホルダです。
但しある程度工具が下穴に進入した状態
にならないと安定し辛い為、工具先端の
形状によっては穴の入口の精度はやや
不安が残ります。
従って本ホルダ使用の際はガイドブッシュの
併用が良いと思われます。
《刃振れ調整式ホルダ》
刃振れ調整式ホルダは工具刃先の振れを
最小に出来る様、ホルダシャンク部と
コレット部を別部品として分け、中間部に
調整ネジによる調整部を設けたものです。
この機構により刃振れを極力小さくして
加工できる為リーマにとっては理想的な
ツールホルダと言えます。
※ 上記のホルダは 「NT TOOL」 様のカタログを参照し、コピー掲載させて戴きました。
この場をお借りして転写のお詫びと御礼を申し上げます。