3月 - 在ボツワナ日本国大使館

ボツワナ月報
平成27年3月
在ボツワナ日本国大使館
内政
ー・ニュース紙)
1.英国系NGO,カーマ大統領を非難
英国系NGO「サバイバル・インターナ
ショナル」メンバーのベネット氏は,2月末
3.カサネ会議,国連に密猟対策求める
25日,カサネにおいて,第2回野生動
に開催された国際自然保護連合(IUCN)
植物違法取引に関する国際会議が開催され
シンポジウムにおいて,ボツワナは自然動
た。同会議での声明において,参加国は,
植物に関する法令の執行につき問題がある
国連総会に対し効果的な密猟対策に取り組
旨指摘した。同氏は,狩猟に生活を依存する
むよう求めた。そのほか,参加国は,違法
バサルワ族(ブッシュマン)の狩猟権が影
取引市場の根絶や,違法製品の需給の減少
響を受けている旨述べた。更に同氏は,20
を目的とした地域的合意の形成等に向けて
14年にボツワナ政府が,利害関係者との
コミットした。一方,同会議に先立ち,象
協議を行わず,一方的に狩猟を禁止する旨
会合が23日開催され,同会合では,象牙
の決定を行ったことに触れ,その際,
「中央
の違法輸送等をいかに抑止するかが焦点と
カラハリ自然保護区(CKGR)には,バ
なった。
(24,27日:デイリー・ニュー
サルワ族の監視等を目的とした部隊が配置
ス)
されている」旨指摘した。
(3日:ガゼット
紙)
4.LSB,大統領を提訴
ボツワナ・ロー・ソサエティ(LSB)
2.ボツワナ/ナミビア,
「停止条項」発動
3日,ボツワナ及びナミビア両国政府は,
は,司法サービス委員会が推薦した高等裁
判所裁判官候補を,カーマ大統領が拒否し
ボツワナ在住のナミビア人難民に対し,2
たことを不服として,同大統領を提訴する
015年12月31日をもって,難民の停
意向である旨発表した。LSBは,
「ボツワ
止条項(難民の出身国の政情が安定した際
ナ憲法上,大統領は,司法サービス委員会
にその資格を停止するもの)を発動する意
の勧告を拒否する裁量はない」と主張して
向である旨発表した。同発表については,
いる。
(24日:メヒ紙,27日:ガーディ
両国間におけるカプリビ回廊の国境線に係
アン紙)
る紛争が解決し,ナミビア国内の政情が安
定していることから,両国政府はボツワナ
5.汚職事件
公訴取り下げ
在住のナミビア人難民は本国に戻るべきと
法務長官室検察局(DPP)は,セレツ
の考えを共有したことがその背景となって
ェ元貿易産業大臣他に対する汚職関連の公
いる。なお,現在,ボツワナには988名の
訴取り下げを決定した。セレツェ元大臣は,
ナミビア人難民がいる。(10日:デイリ
ボツワナ通信公社(BTC)代表取締役を
務めていた頃に,職権を濫用したとの事由
等の分野を中心にボツワナから学びたい旨
にて起訴手続きがとられていた。DPPは,
述べた。一方,アル=ジャビール大使は,
公訴取り下げの理由として,同事件にかか
運輸産業における協力につき言及の上,カ
る重要参考人2名から証言を得ることが困
タール航空の新ルート(ドーハ・ヨハネス
難となったためと説明している。なお,当
ブルク・ケープタウン)にハボロネを含め
該参考人のうち1名はすでに死亡しており,
る可能性について示唆した。また,同大使
他方については,母国スウェーデンに帰国
は,二国間の査証免除やボツワナ牛のカタ
している。
(25日:メヒ紙)
ールへの輸出の可能性についても述べた
(当館注:いずれもボツワナ兼轄)
。
外交
(17日:デイリー・ニュース紙)
1.ガーナ大統領 ボツワナ来訪
3. 信任状捧呈式(ノルウェー/ブルンジ)
9日から11日にかけて,国賓としてマ
17日,スカイムーン(Skymoen)新ノル
ハマ・ガーナ共和国大統領がボツワナを訪
ウェー大使及びンティリゾシラ
問した。同大統領は,首脳会談,ボツワナ
(Ntirizoshira)新ブルンジ大使は,カーマ
政府主催の午餐会をはじめ,ボツワナで最
大統領に,それぞれ信任状を捧呈した。同
大規模となるダムの開設式に参加し,さら
信任状捧呈式に際し,スカイムーン大使は,
にはダイヤモンド関連企業の視察等も行っ
ボツワナの民主主義・法の支配・人権問題
た。また,同大統領の訪問に伴い,両国政
に対する積極的な姿勢を評価し,両国は,
府は,11日付にて共同声明を発表し,そ
国際諸問題に対応するため,引き続き協力
の中で,共通の価値に基づく友好関係や,
することを期待する旨述べた。一方,ンテ
多分野における協力関係等について強調し
ィリゾシラ大使は,長年続いた内戦が終息
た。さらに,両国首脳は,政策対話の促進
した今,ブルンジは平和及び各国との友好
を目的とした「政務協議に関する覚書」へ
関係の構築に取り組んでいる旨述べた(当
の署名について,マハマ大統領来訪の成果
館注:いずれもボツワナ兼轄)。(18日:
であると評価した。なお,今回のボツワナ
デイリー・ニュース紙)
訪問は,カーマ大統領による2011年ガ
ーナ訪問を受けて実現したものである。
(6
4.第3回国連防災世界会議
日,13日:デイリー・ニュース紙)
(1)マカレメレ 防災会議に参加
マカレメレ大統領府公共政策担当副大臣
2.信任状捧呈式(セネガル/カタール)
は,14日から18日にかけて仙台におい
16日,ディオプ(Diop)新セネガル大
て開催される第3回国連防災世界会議に参
使及びアル=ジャビール(Al-Jaber)新カ
加する予定である。同会議は防災に関する
タール大使は,カーマ大統領に,それぞれ
議論をするため,様々な関係者が集うフォ
信任状を捧呈した。同信任状捧呈式に際し,
ーラムであり,閣僚級会合等が行われる。
ディオプ大使は,マイニング・観光・農業
同会議において,マカレメレ副大臣は,
「兵
庫行動枠組2005-2015」に関連し
共政策担当大臣が出席した。帰国後の記者
た報告書を提出する予定。なお,同副大臣
インタビューにおいて,モイトイ外相は「ナ
には,バレセン大統領府国家災害局長他が
ミビア大統領選挙において,多少の課題は
同行する。
(18日付:デイリー・ニュース
存在したものの,選挙プロセスが妨げられ
紙)
ることはなく,民主主義が機能した」と述
(2)各国,防災に関して意見交換
べた。
(23日:デイリー・ニュース紙)
マカレメレ大統領府公共政策担当副大臣
は,第3回国連防災世界会議に参加し,各
国参加者と効果的な防災のあり方について
経済
意見交換を行った。帰国後の記者ブリーフ
1.経済指標
において,同副大臣は同会議について説明
1)経済成長率
し,仙台における津波の被害状況に触れる
ボツワナ銀行(中央銀行)の金融政策ス
とともに,
「様々な専門家を通じ各国におい
テートメントによると,2015年の経済
て発生した災害の経験を共有することが同
成長は4.9%以下が予想される。これは,
会議の趣旨である」旨述べた。また,マカ
2014年の5.2%と比較すると緩やか
レメレ副大臣は,災害リスクに対する理解
な成長である。
(10日:メヒ紙)
や将来を見据えた防災戦略実施の必要性等
につき強調した。
(27日付:デイリー・ニ
2)インフレ率
ュース紙)
ボツワナ統計局の発表によると,201
5年2月のインフレ率は2.8%であった。
5.マシシ
レソト首相就任式参加
これは,中央銀行の定める目標値(3~
17日,マシシ副大統領は,モシシリ・
6%)を下回るものであり,同年1月のイ
レソト王国首相の就任式典に参加した。新
ンフレ率(3.6%)から0.8%も低下
首相の下での新政権は,7政党から構成さ
したことになる。昨今の燃油価格の低下に
れる連立政権であり,同式典の演説におい
より商品の輸送料が下がったことが主な原
てモシシリ首相は「連立政権がしっかりと
因として考えられる。(17日:メヒ紙)
機能するよう全力を尽くしたい」旨述べた。
(19日:デイリー・ニュース紙)
3)白トウモロコシの価格上昇
南アフリカでは,引き続く干ばつにより
6.カーマ大大統領
ナミビア大統領就任
式に参加
現地での穀物収穫高が3分の2に減少して
いる。この影響で,白トウモロコシの95%
カーマ大統領は,21日に実施されたガ
を南アフリカから輸入しているボツワナで
インゴブ新ナミビア大統領の就任式に参加
は関連商品の物価が上昇傾向にある。20
した。同式典には,カーマ大統領に加え,
14年12月までに,輸入白トウモロコシ
モハエ前大統領,マシーレ元大統領,モイ
の価格は40%上昇し,今後もさらなる値
トイ外務国際協力大臣,モラレ大統領府公
上げが予想される。
(27日:メヒ紙)
2.製造業
付けに慎重になってしまっている。ダイヤ
英国,米国,独,日の経験を見ても,経
モンド産業の専門家であるグリンバーグ氏
済成長と雇用創出の核となるのは製造業の
は,他国と比較して研磨コストが2倍以上
発展である。ボツワナは,1960年代に
もするのであれば,ボツワナから撤退する
ダイヤモンド鉱山が発見されたことで低所
のは企業としては合理的判断であるとしか
得国から中所得国へと発展を遂げたものの,
言いようがない,と語った。
(25日:ガゼ
製造業部門の開発に失敗している。ボツワ
ッタ紙)
ナ政府は同課題に取り組んできているがま
だまだ初期段階であり,経済にはほとんど
4.観光産業
影響を与えないレベルである。実際に,2
1)観光ブランドランキング
014年9月時点の製造業部門による生産
ブルーム・コンサルティングが発表した,
物はGDPの5.1%を占めるが,これは
魅力的な観光地をランク付けする「各国の
2004年時点の5.6%から縮小してい
ブランドランキング観光版2014/20
る。経済学者達は、製造業部門が未発達で
15年」によると,ボツワナは2013年
あることの根本的な要因はボツワナの高い
からランクを4つ落とし,アフリカ内で1
人件費と低い労働生産性であると指摘する。
7位,世界で132位となった。国の二番
労働生産性を向上させるための今後の産業
目の産業である観光業は,近年観光客数の
政策が注目される。
(13日:メヒ紙)
伸び悩みに苦しんでおり,インフラ改善や
観光地のブランド化戦略が必要であると指
3.ダイヤモンド産業
1)研磨企業の相次ぐ閉鎖と縮小
摘されている。
(7日:ウィークエンド・ポ
スト紙)
今日ボツワナのダイヤモンド産業は,付
加価値化部門(カット・研磨等)の縮小,
2)日本人観光客誘致
それに伴う失業問題に悩まされている。先
1億2千万人を超える人口を有し,旅行
月,ボツワナにおいて20年操業を続けて
好きであることで有名な日本人は,ボツワ
きた研磨企業ティーマン・マニュファクチ
ナの観光産業にとって重要なターゲットで
ャリング社が閉鎖した。2014年12月
ある。しかし,近年のボツワナを訪れる日
にはライフ・ダイヤモンド社が閉鎖,モテ
本人観光客は年間8千人程度に留まってい
ィ・ガンツ社は100名のリストラを実施
る。在ボツワナ日本国大使館の尾西大使は
した。
「ボツワナに研磨工場を置くのは,原
インタビューで,日本人観光客の多くはチ
石へのアクセスを確保するためであり,研
ョベやオカバンゴに数時間滞在した後ヴィ
磨作業自体は,ボツワナで行う方がコスト
クトリア・フォールズとケープタウンへ移
がかかる。インドやイスラエルで研磨をし
動してしまう。ボツワナ国内で宿泊を伴う
た方が生産性が高い。」と,あるDTCBス
滞在者数を伸ばすためには,ダイヤモンド
テークホルダーは語った。このような状況
観光などの新たな観光の目玉が必要である,
を受けて,主要銀行も研磨企業に対する貸
と語った。
(27日:メヒ紙)
3)観光産業の外国資本化
ある研究によると,ボツワナ国内の観光
組む必要があると述べた。
(11日:デイリ
ー・ニュース紙)
地であるマウンとオカバンゴ地区の観光施
設の81.5%は外国資本の影響を受けて
6. エネルギー・資源
おり,そのうち53.8%においては完全
1)電力
に外国資本所有となっている。国内資本の
30日,ボツワナ統計局は,2014年
みで経営されている施設は全体の18.
第四半期の電力輸入量が,2013年同期
5%に留まる。このような外国資本の観光
と比較して36%上昇したと発表した。こ
施設に共通しているのは,外国人観光客の
れは,2014年10月にモルプレB発電
ニーズを満たすためのサービス提供という
所の発電機4機全てが不具合により作動停
特徴であり,結果として,オカバンゴ・デ
止したことにより,国内の電力供給を一時
ルタでは平均宿泊料一泊400米ドルとい
全て輸入に頼った時期があったためと考え
う,ボツワナ人観光客には支払うことの出
られる。年間を通しては,合計1.6MW
来ない価格帯で高級リゾート化されている。
Hの電力を輸入した。(31日:メヒ紙)
専門家は,現地の人々が疎外されることの
ないよう,現地コミュニティとの繋がりを
2)水
持った観光業展開が必要である,と分析す
19日,モカイラ鉱物エネルギー水資源
る。
(21日:ウィークエンド・ポスト紙)
大臣は,水資源の無駄遣いを防止するため
に水道料金を上昇させる予定であることを
5.食肉産業
表明した。建設工事が多く執り行われ,大
10日,農業省は,カレン地区において
規模な組織が拠点を置く都市部においては
今月新たに口蹄疫の発症が確認されたこと
水に対する需要は日々高まっている。その
を発表した。同省の発表によると,最低で
一方で,水資源供給が良好でないため需要
も20頭の食肉牛が口蹄疫に感染しており,
と供給の不一致が生じている。同大臣は,
これは同地区では2013年9月以来の発
水供給の改善に取り組むと同時に,使用料
症となる。同省は、感染拡大を防ぐために,
金の値上げを考えざるを得ない,と語った。
今後保護地区のフェンス周辺のパトロール
(25日:メヒ紙)
を強化することを表明した。
(11日:メヒ
紙)
カレン地区では,口蹄疫が発症した場合,
感染が疑われる牛がいるときには,農家に
文化
1. 日本大使館・日本食紹介事業
より即座に最寄りの獣医士事務所へ報告す
12日,日本国大使館主催の日本食紹介
ることが求められている。農業省獣医療サ
事業が大使公邸において催された。来場者
ービス局のケモラトレ氏は,口蹄疫対策と
は,寿司を作る実演と体験,抹茶の試飲な
しては現在も予防接種が最も有効な手段で
どを通して日本の美食に触れ大いに盛り上
あり,今後摂取率100%を目指して取り
がった。その他にも,天ぷらや焼きそばな
どが用意されており,来場者に振る舞われ
た。
(16日:モニター紙、18日のガゼッ
タ紙にも同様の記事)