2016年 夏号 - 地域医療機能推進機構(JCHO)

J
ジ
安心の地域
医療を支える
ェ
イ
コ ー
CHO
ニュース
2016 SUMMER
夏号
|ジ ェ イ コ ー ニ ュース|
02 ニュース
P.
04 新任理事・監事ごあいさつ
P.
vol.10
熊本地震関係報告
熊本総合病院 院長 島田 信也
根橋 良雄
湯布院病院 院長 九州地区担当理事/九州病院 院長 【Web 会議】
吉田 和子
可児とうのう病院 看護部長 りつりん病院 看護師長 企画経営部患者サービス推進課長 茂木 真由美
福井 是子
美濃 久美子
司会:理事(広報担当) 河嶋 知子
前野 一雄
JCHO 版総合診療医(Hospitalist)育成プログラム
JCHO 本部 医療課長 吉住 奈緒子
15【インフォメーション】
第2回 JCHO 地域医療総合医学会の
開催に向けて
P.
一般社団法人 地域医療機能推進学会 事務局長 中村 仁
tel:03 5791 8220
16【JCHO GROUP】全国病院 MAP
P.
東京都港区高輪3丁目22番12号
〒108 8583
12【トピックス】
次世代の総合診療医の育成へ向け始動
P.
特集
熊本地震関係報告
東京新宿メディカルセンター 看護師長 看護職員に聞く
旧:登別厚生年金病院
高岡ふしき病院
旧:社会保険高岡病院
金沢病院
旧:金沢社会保険病院
福井勝山総合病院
旧:福井社会保険病院
九州病院
若狭高浜病院
旧:社会保険高浜病院
旧:九州厚生年金病院
玉造病院
福岡ゆたか中央病院
下関医療センター
旧:健康保険直方中央病院
旧:秋田社会保険病院
うつのみや病院
旧:宇都宮社会保険病院
群馬中央病院
仙台病院
旧:社会保険群馬中央総合病院
久留米総合病院
旧:社会保険久留米第一病院
北海道東北
秋田病院
旧:玉造厚生年金病院
旧:仙台社会保険病院
山梨病院
仙台南病院
旧:社会保険山梨病院
旧:宮城社会保険病院
二本松病院
旧:社会保険下関厚生病院
旧:社会保険二本松病院
徳山中央病院
佐賀中部病院
旧:綜合病院社会保険徳山中央病院
さいたま北部医療センター
旧:佐賀社会保険病院
伊万里松浦病院
近畿中国四国
関東
旧:社会保険浦之崎病院
旧:社会保険大宮総合病院
埼玉メディカルセンター
旧:埼玉社会保険病院
千葉病院
旧:千葉社会保険病院
九 州
船橋中央病院
東京高輪病院
独立行政法人地域医療機能推進機構
看護職員に聞く
仙台病院 看護部長 登別病院
多治見 司
連 続 企 画
旧:札幌社会保険総合病院
旧:社会保険船橋中央病院
診療報酬改定と地域包括ケア
09
P.
【連続企画】
vol.10
夏号
06
【特集】
札幌北辰病院
〒108 8583 東京都港区高輪3 22 12 URL http://www.jcho.go.jp/
TEL:03(5791)8220 FAX:03(5791)8258
2016 SUMMER
03 新任院長メッセージ
P.
旧:北海道社会保険病院
本 部
[ジェイコーニュース]
CONTENTS
北海道病院
地域医療機能推進機構
全国病院MAP
Japan Community Health care Organization
独立行政法人地域医療機能推進機構
P.
安心の地域医療を支える
旧:せんぽ東京高輪病院
東海北陸
東京新宿メディカルセンター
旧:東京厚生年金病院
東京山手メディカルセンター
旧:社会保険中央総合病院
大阪病院
旧:大阪厚生年金病院
東京城東病院
旧:城東社会保険病院
大阪みなと中央病院
桜ヶ丘病院
旧:大阪船員保険病院
南海医療センター
湯布院病院
旧:湯布院厚生年金病院
宮崎江南病院
旧:社会保険宮崎江南病院
諫早総合病院
横浜中央病院
旧:三島社会保険病院
神戸中央病院
旧:健康保険南海病院
旧:社会保険蒲田総合病院
三島総合病院
旧:星ヶ丘厚生年金病院
旧:社会保険神戸中央病院
東京蒲田医療センター
旧:社会保険桜ヶ丘総合病院
星ヶ丘医療センター
旧:社会保険横浜中央病院
可児とうのう病院
横浜保土ケ谷中央病院
中京病院
相模野病院
四日市羽津医療センター
湯河原病院
旧:岐阜社会保険病院
滋賀病院
旧:社会保険滋賀病院
京都鞍馬口医療センター
旧:社会保険京都病院
旧:横浜船員保険病院
旧:社会保険中京病院
旧:四日市社会保険病院
旧:社会保険相模野病院
旧:湯河原厚生年金病院
大和郡山病院
旧:奈良社会保険病院
旧:健康保険諫早総合病院
熊本総合病院
旧:健康保険熊本総合病院
りつりん病院
人吉医療センター
宇和島病院
旧:健康保険人吉総合病院
天草中央総合病院
旧:健康保険天草中央総合病院
旧:社会保険栗林病院
旧:宇和島社会保険病院
高知西病院
旧:厚生年金高知リハビリテーション病院
「理念」
我 ら 全 国 ネットの J C H O は
地 域 の 住 民 、行 政 、関 係 機 関と 連 携 し
地域医療の改革を進め
地区事務所
北 海 道 東 北 地 区 事 務 所 〒980 0822 宮城県仙台市青葉区立町27 21 仙台橋本ビルヂング701
関 東 地 区 事 務 所 〒108 0074 東京都港区高輪3 22 12 1F
東 海 北 陸 地 区 事 務 所 〒457 0866 愛知県名古屋市南区三条1 1 10 中京病院健康管理センター内
近畿中国四国地区事務所 〒553 0003 大阪府大阪市福島区福島4 2 78 JCHO大阪病院別館3階
九 州 地 区 事 務 所 〒806 0034 福岡県北九州市八幡西区岸の浦1 8 1 九州病院内
安 心 して 暮 ら せ る 地 域 づ くりに 貢 献 しま す
新任院長メッセージ
東京新宿メディカルセンター
船橋中央病院
登別病院
北海道病院
NEWS
関根 信夫
横須賀 収
伊藤 美夫
佐々木 文章
「制度に踊らされる仕
事をしてはいけない」か
つて大学病院の研修担当
になった時、研究仲間の
先生が私に言った言葉を
折にふれて思い出しま
す。JCHO 病院としての
mission を し っ か り と 果
たしながら、当院の良き
伝統・文化を尊重し、職
員それぞれの医療人とし
ての原点を見失わせるこ
とのないようにしたいと
思います。
JCHO 船 橋 中 央 病 院
は、東京に隣接した千葉
県東葛飾南部医療圏にお
いて中心的な役割を長ら
く担ってきた病院です。
当医療圏では伝統のある
病院ですが、今後はこれ
まで以上に、地域包括医
療の中核となる病院にし
たいと思います。そのた
めにも、新病棟の建築を
病院活性化のシンボルと
して推進していきたいと
思っています。
登別病院は今年度から
急性期病棟、回復期・リ
ハビリ病棟の 2 病棟 104
床とさらにコンパクトに
なりました。老朽化の問
題があり新築移転の方向
で話が進んでいます。登
別唯一の公的病院として
地元からの期待が高いの
ですが、医師確保などの
難題も抱えており、真田
丸のような心境です。何
とか頑張っていきたいと
思っております。
本年4月から北海道病
院長を併任しておりま
す。小児科・産科を中心
に周産期医療に力を入れ
ています。さらに院内の
診療体制を固めるべく循
環器内科の医師確保活動
を行っており、次第にめ
どがついてきています。
地域包括ケア病棟を開設
するよう準備を進めてお
り、一層地域の病院との
連携を深めていきたいと
思っております。
諫早総合病院
玉造病院
星ヶ丘医療センター
東京蒲田医療センター
平成 28 年度診療報酬改定担当者説明会
● 3 月 14 日
28 年度診療報酬改定について、厚生労働省保険局医療課の林課長補佐、中下主査に
ご講演いただきました。
三島総合病院 周産期センターの業務を開始
● 3 月 28 日
周産期センター開設記念式典が 28 日に行わ
れました。静岡県東部の周産期救急の一翼を
担うべく整備された同センターは鉄骨3階建。
産科、婦人科、小児科の診療室、新生児特定
集中治療室(NICU)を含む 24 床の病室、分
娩室などの設備を有しますが、当面は常勤医
1人、非常勤医2人の体制で産科、婦人科の
診療を実施します。
新入職員の入職
●4月1日
各病院が新入職員を迎えました。尾身茂理
事長から、全国2万8千人の「チーム JCHO」
の一員に加わった歓迎の意と今後の活躍を期
待するビデオメッセージを送りました。
(写真は神戸中央病院の入職式の様子)
熊本地震が発生
● 4 月 14 日
14 日の前震、16 日の本震で震度7を観測し
たほか、九州各地で余震が相次ぎ、熊本県、
大分県で大きな被害が発生しました。
JCHO 病院の被災状況及び支援活動については特集で報告いたします。
03
長郷 国彦
池田 登
松本 昌泰
石井 耕司
病院の基本理念「仁愛」
を職員に浸透して、皆が
身内や知人を当院に受診
させたいと思う病院にし
て行こうと思います。ま
た、地域連携パス、認知
症対策の実績をさらに積
み重ね、まち作りに積極
的に参加し、地域包括ケ
アシステムの要として、
安心の地域医療を支える
JCHO のブランド名を地
域に発信していきたいと
思います。
当院は昨年、病院開設
70 周年を迎えました。こ
の 70 年 間 一 貫 し て 整 形
外科に特化した病院とし
て、この地方に貢献して
まいりました。JCHO の
一員として、当院の特徴
を生かし、引き続き地域
に貢献してまいります。
当院は宍道湖畔の小高い
丘の上にあり、病院から
眺める宍道湖に沈む夕陽
は絶景です。是非一度お
立ち寄りください。
当院の医療理念は「地
域の皆様に心のこもった
良質な医療を提供する」
ことです。当院の最も誇
りとするところは、諸先
輩の長年の努力で、地域
の人々から厚い信頼を得
て い る こ と で す。「 医 療
人である前に、良き社会
人、良き人」として職員
各 位 が、「 あ な た に 会 え
て良かった」と言われる
ような医療機関を目指し
たいと思います。
当院は羽田空港の最寄
りの病院です。前任の内
野直樹現理事が強力な
リーダーシップで意識改
革され能力が更にアップ
した職員とやる気のある
多くの新任職員を擁し
て、すでに大空に向かっ
てテイクオフしておりま
す。今後は超高齢化に備
えるべく地域包括ケアと
いう未知の医療領域を安
定飛行できるようにした
いと思っております。
● 5 月 19 日
~ 20 日
平成 28 年度新任管理者研修
JCHO 本部において、新任の病院長、事務部長、看護部長を対象に運営及び経営等に
必要な知識と実践力を取得し、管理能力の向上を図ることを目的とした研修を行いました。
◆「医療機関が地域包括ケアに取組むための事例集」を作成しました。
JCHO 病院における地域包括ケアに関する取り組みについてヒアリングを実施し、地域
包括ケアを見据えた院内各病棟・施設の運営、院内各施設の連携・情報共有の推進、地域
における医療・介護関係者とのネットワークづくり、地域へ向けた情報発信・交流の推進
といった課題毎に事例をとりまとめました。
JCHO ホームページにも公開しておりますのでぜひご覧ください。
http://www.jcho.go.jp/care
02
新任理事・監事ごあいさつ
化の3団体の統合に皆様の我慢と忍耐の上でのご理
平成 年4月のRFO理事長に尾身理事長が就任
された時より、総務部長としてお仕えし、異なる文
3月まで配属されておりました防衛省では、隊員
のみなさんの心身の健康管理、医官の育成および自
JCHO発足3年目の今年度から、皆様とご一緒
させていただくこととなりました。
グループであることを大きな活力に
解を頂き、独法としてのJCHOが船出しました。
ておりました。この度のご縁で、病院運営、育成へ
JCHO移行の是非が問われる
「言い訳のできない3年目!」
また、平成 年4月からのJCHOでは、審議役・
上席審議役として、更なる我慢と忍耐を皆様に強い
の関与としては同様ではありますが、地域の医療へ
J C H O を 構 成 す る、 病 院( )、 介 護 老 人 保 健
施設( )および看護専門学校(7)のそれぞれの
監査の重要な目標の一つです。
組み(内部統制)の整備状況を確認することが監事
ているか」といった法人のリスクコントロールの仕
がった業務の実施状況を誰がどのようにチェックし
う に 定 め ら れ て い る か 」「 そ れ ら の ル ー ル 等 に し た
し た が っ て、「 病 院 等 に お け る 平 常 の 業 務 を 均 質
化・効率化するためのルールやマニュアルがどのよ
を監事がチェックすることは不可能です。
が、JCHOの全施設における全ての業務プロセス
平常の業務が法令等にしたがって適切に実施され
ていることを確認する事が監事の職務の一つです
本年4月より監事を拝命しました。
全国で毎年継続的に成果が
得られる組織に
くお願い申し上げます。
ばと思います。ご一緒させていただきます。よろし
皆様方は、独立行政法人の組織人としての自覚と
気概と自負をもって引き続き、邁進していただけれ
ただければと思います。
意識していただき日々の業務の大きな活力にしてい
であることを、今まで以上に、おひとりおひとりに
ば助走期間が過ぎ、三年目となった今や、グループ
活用して頂ければと思います。発足後二年間のいわ
究にいたるまで、グループとしての特性を十二分に
立っていますが、普段の診療はもとより、研修、研
たかということになります。医療は、チームで成り
の 施 設 を 気 遣 い、 行 動 を 起 こ し ま し た が、
グルー
プであることがいかに心強く、また、大きな力となっ
この度の震災では、全国のグループ施設が、九州
日常の業務では、一医療人として、それぞれの部
署にて業務に精励されていらっしゃいます。
J C H O 発 足 後 こ の 二 年 間 は、 グ ル ー プ と し て、
どのように、業務をすすめられたでしょうか。
の貢献のため、皆さまと業務をさせていただきます。
衛隊病院と防衛医大の運営に関する業務等に携わっ
てきたところであります。
この様な経緯を踏まえ、4月からは尾身理事長より
理事を拝命いたしましたが、移行準備期間も含めれば
この4月からは5年目を迎えることとなり、舵取りの
責任の重さを益々実感しております。
さて、JCHO移行も2年が過ぎ、皆さまにも病
院が売られるのかどうか、職員は一体どうなるのかと
いう、不安を抱えながら仕事をしなければならない
という鬱々とした時期からは明らかに脱却しました。
しかしながら、だからこそ逆に今「まだそんなこ
とやっているのか!」的な外部からの指摘を受けれ
ば、最早言い訳のできない時期に差し掛かっている
という事も事実です。
JCHO職員皆の我慢と忍耐が、気泡とならない
ように、また、不安を抱えながら仕事をする状態に
は決して戻してはならないと肝に銘じ、覚悟してJ
CHOの法人運営に努める所存であります。
JCHO職員の皆様には、どうかこれらの経緯を踏
まえ、少しでも楽しいと思える職場になるよう、忌憚
のない建設的なご意見を本部に賜れば幸甚です。
今後とも、ご指導ご鞭撻宜しくお願いいたします。
良質な医療提供は安定した経営が礎
職員が充実して働ける職場を
本部理事を拝命しました内野直樹です。現場一筋
で 生 き て き た 叩 き 上 げ の 土 着 民 で す。( 本 籍: 相 模
野 住民票:蒲田 帰省先:三島)
「 職 員 が 楽 し く 忙 し く 働 け る 職 場 を 作 れ ば 病 院 は
良くなる 安定した経営が良質な医療提供を約束す
る」という信念に基づいて仕事をしてまいります。
従来から「大きな声と態度、下品な表現型に問題
あ り 」 と さ れ て き ま し た。
( 本 部 に は も う一人 似 た
ような方がいるようですが…)独法に相応しい品性
を徐々に高めながら衣の下の鎧(よろい)をチラチ
ラ見せて、
「JCHOの破れ太鼓」から「JCHOの
良識」となれますよう、精一杯努力してまいります。
消える寸前の蝋燭
(ろうそく)が光を放
つ よ う に、 人 生 の 終
わりに与えられた機
会 を 無 駄 に せ ず、 残
り僅かな期間を燃焼
しつくすつもりで頑
張 り ま す。 担 当 領 域
以外にも勝手に口出
JCHOは発足3年目を迎えました。「桃栗3年、
柿8年、柚9年、梅 年、梨 年…」との実がなる
留意して臨みたいと思います。
要な役割です。現場の監査時にはこのような点にも
適合しているか否かをチェックすることも監事の重
定められたハウス・ルールが、法人全体のルールに
います。このように(法人全体では無く)施設毎に
やり方が慣習化・明文化されていることもあると思
施設において、長い年月のなかで、施設毎の仕事の
57
15
に私も尽力する所存です。宜しくお願い致します。
全国で毎年継続的に成果が得られる組織になるため
年目に実るでしょうか。小さな実かもしれませんが、
期間の例えがありますが、JCHOの立派な実は何
13
し し ま す が、 皆 様 に
おかれましてはどう
か嫌わずに優しくし
てください。
どうぞよろしくお
願いいたします。
26
26
24
04
05
中野 惠
牧 健太郎
宇口 比呂志
内野 直樹
医療・介護・地域包括ケア
担当理事
監事
管理・労務・経営
担当理事
総合診療医・病院経営
担当理事
心からお見舞いを申し上げます。
被害に遭われた方々のご苦労とご心痛をお察しし、
不幸にも亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
●本部の対応等
4月 日(木) 時 分頃の前震に対
し、直ちに機構本部に災害対策本部を設
・ 熊 本総合病院 名
(熊本市内から8名、
益城町周辺から8名、八代市から 名)
・ 熊 本総合病院 名(熊本市周辺から)
者を担架で階段搬送しました。
市 民 の 強 い 要 望 に お 応 え し て、 急 遽、
外来を避難所として提供することもでき
ました。もし建替えていなければ未耐震
4月21日(木)~23日(土)
九州病院
4月23日(土)~25日(月)
4月29日(金)~5月1日(日)
神戸中央病院
5月2日(月)~6日(金)
急手術が実施できました。
は1階まで漏水し一部は水浸しとなりま
隣からは
た。これは当院に既に入院しており状態
れました。また屋根瓦が破損し一部は落
れ、モルタル等の落下した場所も認めら
た。屋上にある高架水槽が破損し、東棟
が落ち着いてきた患者について、後方の
下しました。その後も頻繁に余震が発生。
熊本市西区役所(避難所) 4月22日(金)~28日(木)
施 設 か ら 延 べ 名( 札 幌 北 辰 1 名、
仙台1名、群馬1名、千葉2名、中京 名、
名、徳山5名、久留米1名、福岡ゆたか
四日市羽津2名、大和郡山1名、下関3
1名、伊万里松浦1名、熊本3名、人吉
名、 天 草
8 名、 湯 布
院 3 名 )の
医療従事者
を派遣しま
した。
が出ていたかと思うと空恐ろしい気持ち
になると同時に、病院の耐震化の重要性
を実感しました。
数 々 の ご 厚 情 を い た だ き、 職 員 一 同、
心から感謝申し上げます。
湯布院病院 院長 根橋 良雄
被災と復旧 高架水槽破損、
感染症リスク
であった旧病院は恐らく倒壊し、犠牲者
久留米総合病院
10
置し、被災状況把握・幹部等関係者への
その他の病院については、軽微な被害
はあったものの診療に影響を与えるよう
して災害医療に大いに貢献することがで
4月27日(水)~29日(金)
宮崎江南病院
連絡を行いました。
な大きな問題はありませんでした。
当院のある八代市は3度の強・烈震(前
震: 5 弱、 本 震: 6 弱、 八 代 地 方 震 源:
きました。
外来の受診患者150人(重症3人、中・
停 電や断 水により 稼 働が困 難となった
施設からの透析患者の受入
・ 佐 賀中部病院 8名(大津町から)
・ 人 吉医療センター 5名(八代市から)
●被災患者の受入状況
病棟に被害を受け 診療継続困難となっ
た病院からの入院患者の受入
島田 信也
5強)を受けました。しかし3年前に新
思いがけず高層階ほど衝撃がありません
軽症144人、軽症のエコノミー症候群
2016年4月 日午前1時 分、湯
布院病院が震度 弱の地震に見舞われま
でした。施設ならびに機器に対する損傷
した。当時206名が入院しており、近
3人)を受け入れました。手術室の被害
院機能を失うことなく、JCHO病院と
築 し た 建 物 は、 低 層 階( 5 階 ) と 高 層
震災直後から通常通り入院と外来診療
を実施し、約1か月間で震災による救急
熊本総合病院 院長 病院の耐震化の重要性を実感
さまざまな被害が発生しましたことに、
は軽微であり、被災地域に在りながら病
も全く無かったので、搬送された重症の
また、倒壊の恐れのある病院からの入
院患者を、熊本市から8人、益城町近隣
した。壁面のひび割れがあちこちでみら
名の避難者が来院されまし
人受け入れまし
病 院 に 無 理 を 言 って 受 け 入 れ て も らった
停電は数時間で解消されましたが、ガス
から8人、八代市から
ことで病床を確保することができました。
日 ま で 使 用 で き ま せ ん で し た。
発災直後の時点では、幸にして入院患者・
月
透析患者の受け入れについては、当院
の 透 析 室 が 3 階 で あ る た め、 エ レ ベ ー
職員には大きな身体的被害はありません
みは立たず、汚物処理が充分にできない
届けられました。高架水槽の復旧の見込
発災当日、地区事務所に依頼をし、九
州病院から飲料水・非常食がトラックで
でした。
は
ターの自動停止が患者搬送に支障を来し
ました。本震の後、熊本市近郊から延
人)を受
け入れましたが、本震と度重なる余震で
エレベーターが使用できなかった4月
日には、自主参集した職員が歩けない患
諌早総合病院
60
●DMAT等の活動状況(10チーム44名)
開放骨折の患者に対してもスムーズに緊
25
中京病院
4月25日(月)~27日(水)
菊池保健所管内の
避難所及び救護所
南海医療センター
出動日
派遣先
病 院 名
その後、4月 日(土)1時 分の本
震発生に緊急参集し諸対応をするととも
8人
日(月)にはJCHOとして国及
7
に、
1
び 各 自 治 体 等 か ら の 支 援 要 請 に 対 し て、
0
JCHO内全施設(熊本県・大分県内所
湯布院病院
在病院を除く)で対応を行うことを決め、
69 人
理事長より全施設に対し協力要請通知の
5月1日(日)~4日(水)
62
発出を決定しました。
益城町保健福祉
センター
7
その方針に基づき、JCHOとして医療
救 護 班を継 続 派 遣するとともに、九州地
佐賀中部病院
●その他医療従事者の派遣状況
4月18日(月)
0
●医療救護班の派遣状況(7チーム38名)
16
区 管 内 病 院 とのWEB会 議 を開 催し、現
竹田医師会
17
場からの状況報告及び要望等を聴取しま
南海医療センター
237
42
した。
熊本赤十字病院
4
●JCHO施設の被災状況
人吉医療センター
計
湯 布 院 病 院 に お いて、 高 架 水 槽 破 損、
建 物 亀 裂 等 によ り 当 初 は 大 幅 な 診 療 制 限
等を行いましたが、現在は外来については
全面再開しています。入院 病 棟は半 分 程
度 を使 用してきましたが、6月 下 旬に全
4月15日(金)~16日(土)
天草中央
総合病院
87
16
6
医療救護班の活動(久留米総合病院)
壊れた屋根瓦
病棟の使用が可能となりました。
熊本赤十字病院
56 人
56
この度の熊本地震により、熊本県・大分県を中心とした九州地方で
階)が組合わさった形状のためか、
諌早総合病院
47
30
16
人の透析患者(うち夜間透析
87
16
17
階(
4月18日(月)
8
21
16
06
07
4月17日(日)
久留米大学病院
(SCU活動)
1
121
4月16日(土)
福岡空港(SCU活動)
人吉医療
センター
32
283 人
4月15日(金)~16日(土)
九州病院
阿蘇医療センター 4月20日(水)~23日(土)
3
26
4月15日(金)
熊本赤十字病院
16
150 人
徳山中央病院
熊本医療センター 4月16日(土)~18日(月)
熊本総合
病院
出動日
派遣先
病 院 名
合計
軽傷
中等
重症
病 院 名
25
57
4
JCHO における対応状況について報告します。
人工透析患者の階段搬送の様子
震災による救急外来の受診(4月14日~5月16日)
14
18
特集
平成28年 熊本地震関係報告
14
日、一時的に退院可能な患者は退院、
た め 感 染 症 の リ ス ク が 危 惧 さ れ ま し た。
翌
それ以外の患者は他院への紹介をおこな
日には
名になりました。その後病
う決定をしました。その結果、在院患者
は
棟でノロウイルスによる感染・発症患者
月
日に使用
が出ましたが短期間で終息しました。高
架水槽は、応急的修理で
4
24
日現在、建物の修理が続いてい
23
診療報酬改定と
地域包括ケア
漏水被害のあった東棟
情報をコントロールし広報する仕組みが必要
多治見 司
でも早く取り戻せるよう願っています。
熊本、大分の被災された方々に心より
お見舞い申し上げると共に、普段を少し
管理庁のような、大災害発生時に即座に
大きな自然災害が毎年のように発生して
し て お り、 そ の 役 割 を 科 す の は 酷 で す。
九州地区担当理事/九州病院 院長 今回の地震は、2つの大きな地震が連
続して発生した点と、余震の回数が桁違
指揮をとれる省庁横断的組織が必要と感
期の確立、統一が必要です。現地は混乱
いに多いということが特徴でしょう。そ
じます。
いるわが国にこそ、米国の連邦緊急事態
のため、被害がより拡大し、人々の不安
います。情報、要望を整理、まとめて広
した。DMATは早期より組織だった活
1入院基本料の届出をしておられますが、
す。今日お集まりいただいた病院は7対
ます。あと、心電図モニターの必要な患者
ただけるよう周知していきたいと考えてい
たが、今後は医師にもきちんと関わってい
護 業 務 改 善 委 員 会で監査を行っていまし
れる病 棟に対 して点 検 しており、4月の
A項 目とB項 目に関しては、今 までも
必 要 度 の 結 果 が 現 状 よ り 低いと 見 受 け ら
なっています。
がかなり変わりましたね。入院基本料の
河嶋◆今回の改定では、看護関連の項目
重症度、医療・看護必要度の
要件のクリアと精度向上
病院全体での対応が鍵
医 師 と 看 護 師 が 自 分の 部 署の 値 を 確 認 で
それぞれ工夫した掲示をするなど、毎日、
看護師長に周知しています。各部署でも、
カルテの院 内メールで 各 診 療 科の部 長 と
達しているかは、週1回、医事課から電子
備 しているところです。各 病 棟 が 何%到
さまに全てモニターを装着できるように整
チ ェッ ク
の両 方で
務企画課
師長と総
ま し た。そのシステムに 沿って 師 長、副
の 記 録 システ ム を 使 いや す い よ う 改 修 し
改 定では事 務 部門と共同して電子カルテ
一番 困 っ
が入ると
りご存じでなかったですよね。心電図モ
た の は、
きるようにしているところです。
追加されました。
ニターを装着する基準については、何か
危険行動
要件が厳格化し、その一つとして一般病
吉田◆今回の改定に向けたシミュレー
検討されていたり、実際に作られたりと
か らの日
の発生日
いう 状況
ションでは必要度の基準を満たせず心配
いうことはありますか。
河嶋◆病院全体を巻き込んで今回の改定
でした。対応としては、B項目、特に食事、
茂木◆今のところ明らかな基準はなく医
棟用の重症度、医療・看護必要度のA項
口腔ケア、寝返りの部分のチェック漏れ、
数 や、 救
に なって
記載漏れが見受けられたので注意喚起を
師の判断です。看護師サイドから必要と
急搬送後
い ま す。
しました。あと、パルス療法の治療中に
思う場合には医師に言ったりします。基
の入院、
手術後の日数などの把握で、
チェッ
に臨んだような印象を受けました。必要
頻脈や動悸を訴える方が多いため、心電
本的には重症度が高い方、心疾患をお持
CU)から病 棟への申 し送 り を徹 底しま
クシートを作成し、ハイケアユニット(H
度の項目は、おそらく今まで医師はあま
図モニター装着の妥当性を検討しまし
ちの方、抗がん剤投与中、手術後の患者
した。今後は必要度委員会が中心となり、
さまです。明文化していくのはこれから
の作業になると思います。
更に記録を充実したいと思っています。
た。C項目については、今まで評価され
河嶋◆看護必要度として点数評価に関わ
病院全体の取り組みとしては、入院状況
速報を毎日2時間毎に更新し、そこに看護
・5%と
まずまずの状態でした。
る部分ですので、確実なエビデンス、根
必要度も入っています。また、診療会議と
ので、4月は重症患者割合が
茂 木 ◆ 当院では、まず 幹部会議や各 種 委
拠というのが求められてくると思いま
いう医師の会議でも周知を試みています。
す。今後ご検討いただけたらと思います。
福井◆当院でもシミュレーションでは必
性期医療をしっかり行うことについて共通
認識をもち、特に救 急 患者の受け入れを
員 会で、今 回の改 定で評 価 されている 急
てなかったところが取れるようになった
目、B項目が見直され、新たにC項目が
推進する取り組みについて伺います。
急 性 期 病 床 を 維 持 し つつ 地 域 包 括 ケ ア を
25
54
可能となりました。
6月
も持続し、復旧作業のスピードも上がら
困難はしばらく続くと予想され、これ
からも支援を続けたいと思います。
ず、また車中泊をする人が非常に多くな
り肺塞栓対策など避難者対策の新たな問
題が浮上しました。
支援活動については、各々に精一杯貢
献していただき、合格点は出せるのでは
と 思 い ま す。 た だ、 問 題 も あ り ま し た。
仕方ないことですが、やはり情報の問題
です。どうしても断片的で全体像が掴め
ますが、倒壊の恐れはなく、外来・手術
報する仕組みが必要です。その為か、支
ずに判断に迷うことが多かったように思
室はほぼ復旧、入院は半数程度の患者を
援活動に今ひとつ統一感を感じませんで
全病棟の使用が可能となりました。
伝わってきません。支援要請がないので
情報のコントロール、指揮命令系統の早
要度が満たせない状況でしたが、C項目
援助をいただきました。現在、職員が一
して頑張っています。
積極的に行っていく方針を確認しました。
間 に 合 っ て い た の か な と 思 い ま す が …。
前野◆4月の診療報酬改定では、地域包
が増えたことで
%の維持がしやすく
必要 度の精 度 向 上に関しては、従 来は看
DMAT 派遣先(熊本赤十字病院)での活動
括 ケ ア の 推 進 が 大 き な 柱 に な って お り ま
丸となって一日も早い復旧・復興を目指
動が出来ていましたが、その後について
は、どうなったのか、何が必要なのかが
受 け 入 れ て き ま し た が、 昨 日(
日 )、
九州病院からの支援物資
今回は、JCHO内からの迅速な支援
をはじめ、地域、行政・医療機関等の協力・
22
17
08
09
27
看護職員に聞く【Web 会議】
23
特集
平成28年 熊本地震関係報告
連 続 企 画
連続企画 看護職員に聞く【Web会議】
連携室と病棟が協働し
退院支援を充実
河嶋◆退院支援の取り組みや医療機関間
た。ナースステーション内に評価基準表
適切な使用など対策について共有しまし
き、呼吸ケアの充実、心電図モニターの
先生方にも必要度について知っていただ
議、運営会議、医局会等で結果を報告し、
低かったので、看護師長会議、管理者会
勤要員の確保では私も大変苦労しました。
なって、喜 ばしいことなんです け ど、夜
種かと思います。育休率もどんどん高く
河 嶋 ◆ 全 国 ど この 看 護 部 長 さ ん も 悩 み の
バーしている状況です。
採用の方を入れていただいて、そこでカ
夜勤をする看護師が少なく、適宜、中途
食事摂取量の確認、身長・体重等の計測
の病棟案内、検査室への案内、配膳・下膳、
類・伝票類の整理や作成の代行、入院時
助者の業務についても整理しました。書
移行した時に業務内容を見直し、看護補
茂木◆以前、紙カルテから電子カルテに
た。配置状況はどうですか。
きることが今回の改定で明文化されまし
河嶋◆看護補助者が事務的業務を実施で
日以内のアセスメントなどがありますが、
用できないかと考えています。要件に3
りないので、病棟の退院支援看護師を活
師 2 名 とソ ー シャルワ ー カ ー 3 名 で は 足
ドルが高く、地域連携室の退院支援看護
吉 田 ◆ 退 院 支 援 加 算 1 の 人 員 配 置 はハー
配置や教育についてはどうですか。
職員である看護師(退院支援看護師)の
として新設・改正されました。退院支援
加算が整理・再編され、「退院支援加算」
の連携を推進するため、従来の退院調整
を掲示し、職員へも意識付けを行ってい
とその結果を電子カルテへ入力する業務
入 院 し て か ら で は 遅 いので 外 来 の 時 点 で
5名、2病棟あたり1名の事務的業務を
茂木◆当院でも加算1の要件は厳しいの
病棟に
3人配置し、毎日ベッドコントロール状
行う看護補助者がいます。
情報を得て介入していけたらと思います。
況に応じて看護部長が夜勤者の必要数を
で す が、 平 成
年度から地域連携推進
吉田◆各病棟に4時間パートの方がいま
確認しています。当院は急性期病棟が
病 棟 で あ り、 患 者 数 が 3 6 0 人 ま で は、
チーム会を立ち上げ、各部署に1人ずつ
がら退院調整を行っています。また、看
す。書類の整理や病棟の案内を行ってい
護師の継続教育で退院調整に関するロー
いるメンバーが師長と副師長と協力しな
ていません。
ルプレイなどの研修を行って、一人一人
ますが、現在は看護補助者として算定し
美 濃 ◆ 当院では今のところ従来の療 養 生
が受け持ち患者の退院支援に関われるよ
名いればいい
活上の世話中心の業務を行っています。そ
対1で夜勤の看護師が
のう ち1名 だけ 入 院 時の案 内などを行っ
吉田◆看護職員夜間配置加算
専 従の退院支 援 看 護 師が全ての患者さん
にし ました。ま た、4月 か らは 連 携 室の
記 録シートを作 成し、可 視 化できるよう
の要件をクリアするためチェックを含めた
にワーキンググループを立ち上げ、加算Ⅰ
が当院の訪問看護室と一緒に訪問したと
対して、摂食・嚥下障害看護認定看護師
茂木◆誤嚥性肺炎が軽快し退院した方に
していきたいです。
いので、体制を整え、なるべく早く実施
知症の患者さんなどニーズのある方が多
吉田◆腹膜透析導入、人工肛門増設、認
看護補助者の業務を見直し
看護の質の向上を図る
河嶋◆身体疾患のために入院した認知症
とが必要と思います。
そのための体制や手続きを整えておくこ
が 今 後 一 層 求 め ら れ て く る と 思 い ま す。
工夫をしていけるといいですね。
河嶋◆本部が開催する認知症看護研修も、
少ないですね。
行けないとか、希望者に対して研修会が
名の看護師が必要となります。各病
棟の協力を得て忙しい病棟の遅番看護師
う教育に力を入れています。
に関わり、病 棟の看 護 師 とともに必要な
いう事例があります。認定看護師の相談
患者に対する病棟でのケアや他職種チー
は
を夜勤に変更し4人夜勤にして夜勤者を
ている者がいますので、今日のお話しを聞
福 井 ◆ 連携室と病棟師長・副師長を中心
による影響はありますか。
に 向 け リ リ ー フ 体 制 を 整 備 し て い ま す。
確保するなどの対応をします。ただ、緊
いて看護補助者が事 務的業務を行 うこと
支援を皆で検討するようにしました。ニー
窓口についてはこれまでも院内に掲示を
ムの介入に関して「認知症ケア加算」が
取得
去年、師長会のグループワークで勤務表
急入院等で予想以上に患者さんが増える
について検討していきたいと思います。
ズの見 逃しを防 ぎ、それにより 看 護の質
しておりましたので、地域の訪問看護ス
実 は 今 回 応 募 が 多 くて 各 病 院 1 名 しかお
対
の作成を日本看護協会のガイドラインに
こともあり、苦肉の策で病棟の師長が急
河嶋◆看護職が扱う事務作業は膨大な量
も必然的に上がってくると考えています。
テーションからの依頼の他、患者さん本
受けできませんでした。第2回を秋に開催
がありますので、限られた看護職を有効
河 嶋 ◆お話を伺っていると、院内のシス
新設されました。
予 定です。過 去2年 間に開 催した研 修 も
タ ッ フ や パ ー ト で 人 員 は い る の で す が、
名応募して2名しか
また、当院の訪問 看 護ステーションが関
括ケアと退院支援の項目を強化しました。
として訪問看護研修を取り入れ、地域包
り、今 年度はラダーレベルⅢの必須研修
タッフ か ら 非 常 に 良 かった と の 反 応 が あ
河嶋◆ちなみに、ケアチームの構成メン
リンクナースとして7名が受講済です。
ず始めていこうという話です。認知症の
すので、そのチームの中で勉強会からま
脳外科の先生が認知症に対して積極的で
ア チ ー ム を 立 ち 上 げ て い る と こ ろ で す。
美濃◆当院も加算2を目指し、認知症ケ
いる状態ですが、特に地域医療の改革を
た。地域包括ケアは全国で試行錯誤して
主体的に創意工夫されていると感じまし
の地域や病院の事情が異なる中、そこで
前野◆皆さんのお話を伺って、それぞれ
う本部としても努力をしてまいります。
だけ 多 くの看 護 師がこの対 象になれるよ
この加算の要件の対象となります。できる
ついても、フォロー研修を受講することで、
の研修は、例えば
わっ た 患 者 さ ん に は 必 ず 訪 問 し よ う と 取
バーは。
進めるJCHOの動きというのは全国か
多職種チームによる
認知症ケア
スタッフの教育が急務
に活用して看護の質につなげるためにも
テムを 変 える 時 にワーキンググループ を
人や、ご家族、地域の方から連絡が入る
吉田◆認知症の認定看護師が中心になり、
対 象 と して も ら え る よ う 厚 生 労 働 省 と 調
対1取得に向けて看護職員の増
作って、いろんな 職 種 がパッと集 まって
こともあります。
加 算 を取 得 しよう と動いています。認 知
整いたし ま し た。ま た、昨 年 度、地 区 事
考えています。
話し合える文化があるように感じました。
福 井 ◆ 去 年の地 区 事 務 所の在 宅 研 修の中
症サポート医は、
昨年まではいたのですが、
務 所で開 催 し た 認 知 症 対 応 力 向 上 研 修 に
員を検討しています。昼間は6時間のス
福井◆まず関係部署で集まって話し合
で、退院支援に関わった患者さんの自宅
修に行っていただくようお願いしました。
その先生が転勤になってしまい、新たに研
福井◆加算2の施設基準に必要な看護師
い、そこで決まったことを、先生方が入
訪 問 を してレポートに す る 課 題 が あ り ま
河 嶋 ◆退院直後の決まった期間、入院医
り組みを始めています。やはり在宅での
美濃◆今は看護部だけですが、今後、医師
た方が進むようです。
療 機 関 から 訪 問 指 導 を 行 う ことを 評 価 す
姿を見ることが大事ですので、それが診
を中心に、
リハビリ、
事務、
ソーシャルワーカー
院内の認定看護師等の
人財を地域へ
在宅のニーズに応える
る
「退院後訪問指導料」
が新設されました。
河嶋◆病院の中にいる認定看護師を地域
療報酬にもつながればと考えています。
本座談会はLyncにより本部及び4
病院をつないで行いました。
進めていただきたいと思います。
医療のモデルとなるよう、気概を持って
また、地域の訪問 看 護ステーションや他
前野 一雄
の医療機関の看護師に同行した場合の「訪
◆司会:理事(広報担当)
ら注目されています。これからの日本の
河嶋 知子
を入れて、病院全体で取り組む予定です。
問看護同行加算」も新設されました。
◆企画経営部患者サービス推進
課長(前北海道病院看護部長)
のリソースとして活用していただくこと
10
美濃◆
のですが、患者数が361人を超えた日
20
合わせようと始めたところなので、これ
河嶋◆今回の報酬改定で看護職員の負担
10
遽夜勤に変更することもあります。
30
した。それまで訪問の経験がなかったス
31
られた委員会に提示して協力をお願いし
1
軽減という項目が条件として入ったこと
10
12
を充実させれば加算の要件を満たせると
12
基準を満たす勤務表の作成
看護職員の負担軽減・
夜間看護体制の充実へ
新宿が 対1を取られているというこ
とで、どのように体制を組まれているの
福井 是子
か教えていただけますか。
◆可児とうのう病院 看護部長
ます。院内LANで各病棟、病院全体の
茂木 真由美
必要度を確認できるようにしました。
◆東京新宿メディカルセンター
看護師長
などを行っています。急性期の
月のシミュレーションの結果が
吉田 和子
茂木◆基本的に急性期の病棟は夜勤者を
美濃◆
◆仙台病院 看護部長
16
◆りつりん病院 看護師長
美濃 久美子
10
11
12
16
JCHO版総合診療医(Hospitalist)育成プログラム
受けていただくことで、①地域医療の実践病院
域医療を実践する能力を習得することを目標と
師、又は③総合診療が可能な開業医、として地
初期臨床研修(2年)
( 主 に 中 小 病 院 ) に お け る 総 合 診 療 医、 ② 医 師
内科又は総合診療科研修
(3年)
医療は専門医へのニーズが強くなる一方、地
域 医 療 の 場 で は、 幅 の 広 い 診 療 能 力 を 有 し 地
+
専門診療の基礎領域
(ニーズに応じて)
したプログラムです。
▶総合診療を実践する開業医
不足地域(離島・へき地を含む)で貢献する医
▶離島・へき地への医師派遣
域包括ケアシステムでも要となる総合診療医
院)
で総合診療医として貢献
( Hospitalist
)が求められるようになってきま
した。
JCHOは、地域医療、地域包括ケアの要と
して地域住民の多様なニーズに応え、地域住民
の生活を支えることが使命であることから、他
の団体に先駆け、地域医療に貢献する総合診療
医の育成を始めます。
JCHOは全国に 病院あり、病床数や診療
科も多様ですが、それぞれが地域医療に貢献し
。前述の
次に、研修病院についてです(図3)
JCHO病院の多様性を
活かし個人のニーズに
合わせたカリキュラムの
構築が可能
ま た、 研 修 終 了 後 に は、 学 会 と 共 同( 予 定 )
で認定証を発行します。
柔軟に対応します。
容については、これまでの経験や希望に応じて、
研修期間は原則として2年間ですが、3年間
まで延長可能です。こうした研修期間や履修内
きる体制になっています。
ニーズに応じて専門的な研修を受けることがで
ま た、 そ の 他 の オ プ シ ョ ン と し て、 小 児 科、
産科、透析、精神疾患、過疎地域での研修など、
⑨ 放射線読影・超音波手技等
⑧ フレイル・認知症
⑦ 緩和・終末期医療
⑥ 5疾病をはじめとした複合疾患
⑤ 在宅医療
④ 一般的な感染症管理
③ 循環・呼吸器管理(集中治療)
② 内科を中心とした救急医療
臨床疫学、マネジメント等
① 総合診療を実践するために必要な臨床推論、
プログラムでは、コアカリキュラムとして以
下の項目を学びます(図2)。
コアカリキュラムを基本に
経験や希望に応じるための
オプションを用意
2年間(3年間まで延長可)のカリキュラムを
域医療の現場で必要なエッセンスを詰め込んだ
している医師なども対象です。この方々が、地
れから開業して地域医療に従事することを目指
ん。既に他科の専門医を取得している医師、こ
総合診療科や内科診療の経験の有無は問いませ
このプログラムの対象となるのは、後期研修
を修了した卒後 年目以降の医師です(図1)。
地域医療の現場で
必要なエッセンスを
2年間で習得
明します。
とはどのようなものなのか、具体的な内容を説
( Hospitalist
)
それでは、「JCHO版総合診療医
育 成プログラム」
(以下「プログラム」という )
する体制をJCHO全体で構築します。
ズに対応した形で、質の高いプログラムを提供
療に従事することを希望する医師の様々なニー
の特性を活かしつつ、総合診療医として地域医
ています。こうした多様な病院を持つJCHO
57
12
13
JCHO版総合診療医
(Hospitalist)育成
プログラム修了後に期待される役割
新たな専門医制度における流れ
JCHOでの取組みにおける流れ
注)研修期間や履修内容については、履修者の経験や希望に応じて柔軟に対応するものとする。
研修期間は2年間を想定(3年間の期間まで履修可)。
精神疾患
各基本領域の専門研修
(3年∼4年)
専門医制度における
総合診療研修の
2階建て
適宜レクチャー等で対応
過疎地域での
研修
保健医療
マネジメント
臨床推論
医療倫理
臨床疫学
放射線読影
超音波検査
フレイル
認知症
緩和・
終末期
5疾病を
始めとした
複合疾患
サブスペシャルティ
領域へ
JCHO版総合診療医
(Hosp
i
ta
l
i
st)
育成プログラム
(2年)
透析患者の管理
地域医療の現場で必要なエッセンスを
詰め込んだカリキュラム
相応の技術・経験を獲得
▶地域医療の現場(主に中小病
小児科
(基礎・応用)
専門医
持続
開業準備
や
セカンド
キャリア
総合診療部門
産科
(基礎・応用)
在宅
感染症
内科救急
集中治療
地域医療の実践
オプション
コア・カリキュラム項目
図1 JCHO版総合診療医(Hospitalist)育成プログラムとは何か?
図2 育成プログラムの研修内容
6
吉住 奈緒子
JCHO 本部 医療課長 Topics
次世代の総合診療医の育成へ向け始動
い。
また、JCHO 職員の皆様方からご応募いただきま
した「一般演題」につきましては、短い募集期間に
発表 80 題)ものエントリーをいただきました。こ
の場をお借りしまして御礼申し上げます。
開催概要等につきましては、学会ホームページを
随時更新しておりますので、ご確認くださいますよ
○ 研修生の多様なニーズに応じた充実した研修を実施
○ JCHO内の多様な病院を研修病院として有効活用
○ 研修後における魅力的な選択肢を提示
(例1)総合診療重視コース
12ヵ月
専門研修
3ヵ月
研修
3ヵ月
専門研修
15
①または②を選択
6ヵ月
希望の
研修
6ヵ月
研修
3ヵ月
専門研修
6ヵ月
研修
3ヵ月
希望の
研修
(例3)その他
研修病院・研修期間を自由に選択
(研修期間のうち、最低6ヶ月は地域研修病院で研修)
総合診療
重点病院
ております。
《 》
6ヵ月
研修
① 1年間留学
(海外又は国内)
(研究休職 給与は
70/100支給)
(例2)地域医療の現場重視コース
うお願いいたします。皆様の参加を心からお待ちし
学会ホームページ
http://www.jchs.or.jp/
研修修了
認定証授与
総合診療を
実施している病院
② 1年間
希望のJCHO病院で
勤務
(正規雇用)
※必要に応じて専門医取得
2年間スタッフ医師
(P)として地域研修
病院で勤務
義務
もかかわらず 362 題(口演発表 282 題、ポスター
とおりJCHOには多様な病院があり、これら
をお招きしておりますので楽しみにしていてくださ
図3 JCHO版総合診療医(Hospitalist)育成プログラム(案)
研修修了後
学 iPS 細胞研究所所長・未来生命科学開拓部門教授)
の病 院 をその特 性に 応 じて 総 合 診 療 重 点 病 院、
学・医学賞を受賞されました山中伸弥先生(京都大
地域研修病院、又は専門研修病院に指定します
閉会式
(希望する病院の手上げ)
。プログラムでは、2年
一般演題(ポスター発表)
15:00 ~
間の中で研修病院・研修期間を組み合わせて個
13:30 ~ 14:45
懇親会
人のニーズに合ったカリキュラムを作成します。
特別講演 山中 伸弥 先生
18:00 ~
例えば、総合診療を学ぶことを重視したカリ
キュラムでは、最初の1年間は総合診療重点病
16:00 ~ 17:00
院で総合診療のコアをじっくり学び、その後の
一般演題(口演発表)
半年間地域医療の最前線である地域研修病院で
13:20 ~ 15:00
実戦経験を積んだ後、最後の半年間で不足して
一般演題(ポスター発表)
いる専門分野について専門研修病院で研修を行
13:30 ~ 15:40
う、といった研修が可能です。また、地域医療
シンポジウム4
の最前線を重点的に経験したい場合、まず地域
13:20 ~ 14:50
研修病院で3ヵ月研修し、その後専門研修病院
12:10 ~ 13:10
13:10 ~ 15:45
継続テーマシンポジウム1
シンポジウム1
一般演題(口演発表)
と地域研修病院を3ヵ月~半年の期間で行った
13:10 ~ 14:40
継続テーマシンポジウム3
シンポジウム3
教育セミナー
り来たりしながら自分の不足している分野を学
10:30 ~ 12:00
ぶ、という研修も可能です。
教育セミナー
総合診療医として
活躍できる魅力的な
キャリアパス
会長講演
12:00 ~ 13:00
9:00 ~ 12:00
継続テーマシンポジウム2
シンポジウム2
一般演題(口演発表)
ま た、 総 合 診 療 医 を 目 指 す 熱 意 あ る 医 師 の
方 々 に は、 ぜ ひ こ の プ ロ グ ラ ム を 通 じ て J C H
10:50 ~ 11:50
今回の特別講演には、2014 年にノーベル生理
9:00 ~ 10:30
いいたします。
開会式
究休職)又は1年間JCHO内の希望の病院で
2日目 9月17日(土)
10:30 ~ 10:45
研修修了後にも魅力的なキャリアパスを用意
します(図3)
。研修修了後は、
1年間の留学(研
1日目 9月16日(金)
(2016 年6月時点)
の勤務を行ったのち、2年間地域研修病院でス
※進行等の都合上、開始時間及び終了時間は多少変動する場合があります。
選択肢があります。
開催スケジュール
す。その後もJCHO病院に勤務していただけ
●
タッフ医師(予定)として勤務していただきま
容の一部を変更する場合がありますので、ご承知おきください。
Oで一緒に働いていただき、共に地域医療に貢
この度、開催スケジュールがほぼ固まりましたのでお知らせいたします。なお、企画編成等の都合上、内
プログラムが充実したものになるかどうか
は、JCHO病院、JCHO職員の皆さん一人
ように結び付いているか。」等を検証することを目的にプログラムの企画編成を行いました。
る場合、将来の幹部候補として採用します。ま
して位置づけ、討議されたそれぞれのテーマが「どう展開したか。より深く分析されているか。実行にどの
献していきただきたいと思います。
今回の医学会は本年2月に開催しました『第1回 JCHO 地域医療総合医学会』のフォローアップの場と
一人のご協力にかかっています。地域医療に貢
マを「スタートしたチーム JCHO ~その軌跡とミッションの達成に向けて~」といたしました。
た、JCHO病院に勤務しない場合でも、JC
会長には本学会理事・JCHO 埼玉メディカルセンター院長の細田洋一郎先生にご就任いただき、メインテー
HO提携大学で学位取得、WHO等の国際機関
こととし、鋭意準備を進めております。
プログラムの開始に向けて、本部もますます
力を入れていきますので、どうぞよろしくお願
TKP ガーデンシティ品川と JCHO 本部研修棟を会場に『第2回 JCHO 地域医療総合医学会』を開催する
献するというJCHOの使命を果たすため、J
一般社団法人地域医療機能推進学会では、2016 年9月 16 日(金)、17 日(土)に東京都港区高輪の
CHOが一丸となってこのプログラムを進めて
中村 仁
一般社団法人地域医療機能推進学会 事務局長 や厚生労働省に勤務(JCHOから各機関へ推
JCHO地域医療総合医学会の
開催に向けて
いきたいと思います。
第2回
薦)
、開 業 医 として地 域 医 療に 従 事 など 多 様 な
〔インフォメーション〕
任意
地域研修病院
地域医療のモデル
となる病院
原則として稼働病床
200床未満、医師
15名未満の病院を想定
専門研修病院
JCHO病院
幹部候補
として処遇
特定の科の専門的
研修が可能な病院
※その他
※JCHO提携大学にて学位取得
も可
※国際機関や厚労省での勤務も
可
※開業医等として地域貢献も可
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