報告 政1

全
報告
政1
員
協
議
会
資
料
平 成 2 8 年 (2016)6 月 2 7 日
総 合 政 策 部 政 策 企 画 課
平成29年度出雲市重点施策の県知事要望項目一覧等について
⑴
日
程
⑵
と こ ろ
県庁知事室ほか
⑶
内
平成29年度の県の予算編成に際し、出雲市政推進上の重点施
容
平成28年(2016)7月21日(木)14:00~15:10
策に係る予算化等の実現を図るため、県知事に要望します。
⑷
要望項目
項目数47項目、うち新規12項目
(昨年40項目、うち新規11項目)
⑸
要望書(案)
別添のとおり
1.安全・安心都市の創造 ・・・ 12項目
継続
⑴
島根原子力発電所に関する防災対策 について( 防 災 安 全 課 )
1
⑵
治山事業の推進について( 農 林 基 盤課・森林 政 策 課 )
2
⑶
砂防、地すべり、農地地すべり、急傾斜地崩壊対策事業の推進等について
( 建 設 企 画 課、 農 林 基 盤課 )
3
⑷
河川の改修推進と適切な維持管理について( 建 設 企 画 課 )
5
⑸
斐伊川本川の堤防改修及び宍道湖西岸堤防の整備について( 建 設 企 画 課 )
6
⑹
神戸川中流部の県管理区間の国直轄管理への変更 について ( 建 設 企 画 課 )
7
⑺
斐伊川放水路への分水に伴う新内藤川水系の整備促進並びに関連施設整備
及び地域整備について( 建 設 企 画 課 )
8
⑻
海岸線(海浜)の保全・復元及び海岸の適切な維持管理について ( 建 設 企 画 課)
9
⑼
陸上自衛隊出雲駐屯地の拡充整備について( 防 災 安 全 課 )
10
⑽
グリーンステップC谷の利活用について( 建 設 企 画 課)
11
⑾
下水道事業(未普及対策整備事業)の予算確保 について ( 下 水 道 建 設 課 )
12
信号機の新規設置数の確保について ( 交 通 政 策 課 )
13
新規
⑿
2.産業・観光都市の創造 ・・・ 6項目
継続
⑴
観光誘客の強力な推進について( 観 光 交流 推 進 課 )
15
⑵
農業農村整備事業の推進について( 農 林基 盤 課 )
16
⑶
シカ等の被害対策の拡充について( 森 林 政 策 課 )
17
⑷
出雲大社門前町の整備について ( ま ち づ く り 推 進 課 、建 設 企 画課)
18
⑸
企業誘致に関する支援 について( 産 業 振 興 課 )
19
国営緊急農地再編整備事業宍道湖西岸地区の推進 について ( 農 業 振 興 課 )
20
新規
⑹
3.環境・文化都市の創造 ・・・ 7項目
継続
⑴
浜山公園施設の整備・拡充について ( 文 化 ス ポ ー ツ 課 )
21
⑵
トキ分散飼育事業に対する支援 ついて( 農 業 振 興 課 )
22
新規
⑶
2020東京オリンピック・パラリンピック事前キャンプ誘致 について
( 文 化 ス ポ ー ツ 課) 23
⑷
海岸漂着ごみの処理等 について ( 環 境 政策 課 )
⑸
循環型社会形成推進交付金の予算確保等 について
(環境施設課
24
次期 可 燃ご み 施 設 整 備 室 )
25
⑹
県における行政不服審査会事務の事務委託 について ( 総 務 課 )
26
⑺
くにびきジオパークの日本ジオパーク認定への支援協力 について( 政 策 企 画 課)
27
4.交流拠点都市の創造 ・・・ 10項目
継続
⑴
山陰道の整備促進について( 建 設 企 画 課 )
29
⑵
山陰自動車道関連周辺道路等の整備推進について( 建 設 企 画 課 )
30
①国道9号神戸橋以西の都市計画道路神戸橋神西沖線の4車線整備
②出雲・湖陵道路の事業推進に関連する河川改修
⑶
地域高規格道路「境港出雲道路」の早期 整備について ( 建 設 企画 課 )
31
⑷
国道9号の交通安全施設の整備について( 建 設 企 画 課 )
32
①国道9号直江交差点改良整備
②国道9号「神西小入口交差点」以西の交通安全施設等の整備
⑸
国道431号(東林木バイパス以東県道十六島直江停車場線間)改良 整
備について( 建 設 企 画課 )
⑹
33
本市の魅力を発揮する地域の一体化を促進するための広域幹線道路及び
地域内幹線道路の整備について( 建 設 企 画 課 )
34
⑺
出雲河下港の整備推進及び利活用促進について( 建 設 企 画課 、産業 振 興 課 )
37
⑻
出雲縁結び空港の利便性の向上と 機能の拡充について(交通政策課)
38
⑼
国道9号(出雲バイパス)4車線整備について( 建設企画課)
39
⑽
島根の将来を見据えた定住・永住につながる多文化共生の
新規
推進について(政策企画課
国際交流室)
40
5.健康・福祉都市の創造 ・・・ 7項目
継続
⑴
「子育てするなら島根」をめざして ( 子ど も 政 策 課 、保 育 幼 稚 園課 )
41
⑵
福祉・介護職場の人材確保 について ( 福 祉 推 進 課 、 高 齢 者福 祉 課 )
42
⑶
在宅医療・介護の連携推進について ( 医 療 介 護 連 携 課 )
43
⑷
発達支援に係る財政支援について ( 子 ど も 政 策 課 )
44
新規
⑸
発達支援に係る小児神経専門医の確保と専門知識を有する
人材の育成について( 子 ど も 政 策 課 )
45
⑹
児童相談所の充実と市町村への支援の充実強化について( 子 ども 政 策 課 )
46
⑺
がん検診等の体制整備にかかる支援 ついて( 健 康 増 進 課)
47
6.人材育成都市の創造 ・・・ 5項目
継続
⑴
不登校児童生徒支援のための施策の充実について ( 児 童 生 徒支援 課 )
49
⑵
特別支援教育の施策の充実について( 児 童 生 徒 支 援 課 )
50
⑶
子ども・若者支援の総合的推進に係る支援について
(市民活動支援課
青 少年 育 成 室 )
51
⑷
出雲科学館への理科教員の配置と研修施設としての活用について( 出 雲 科 学 館 )
52
⑸
日本語指導が必要な児童生徒に対する支援 の充実について( 学校 教 育 課 )
53
【本市が期成同盟会などの構成員として要望している事項】
55
全
員
協
議
会
資
料
平成28年(2016)6月27日
総 合 政 策 部 政 策 企 画 課
要
望
書
(案)
出雲市重点施策について
平成28 年(2016)7月21日
出
雲
市
目
次
1.安全・安心都市の創造
⑴
島根原子力発電所に関する防災対策について
1
⑵
治山事業の推進について
2
⑶
砂防、地すべり、農地地すべり、急傾斜地崩壊対策事業の推進等について
3
⑷
河川の改修推進と適切な維持管理について
5
⑸
斐伊川本川の堤防改修及び宍道湖西岸堤防の整備について
6
⑹
神戸川中流部の県管理区間の国直轄管理への変更について
7
⑺
斐伊川放水路への分水に伴う新内藤川水系の整備促進並びに関連施設整備
及び地域整備について
8
⑻
海岸線(海浜)の保全・復元及び海岸の適切な維持管理につい て
9
⑼
陸上自衛隊出雲駐屯地の拡充整備について
10
⑽
グリーンステップC谷の利活用について
11
⑾
下水道事業(未普及対策整備事業)の予算確保について
12
⑿
信号機の新規設置数の確保 について
13
2.産業・観光都市の創造
⑴
観光誘客の強力な推進について
15
⑵
農業農村整備事業の推進について
16
⑶
シカ等の被害対策の拡充について
17
⑷
出雲大社門前町の整備について
18
⑸
企業誘致に関する支援について
19
⑹
国営緊急農地再編整備事業宍道湖西岸地区の推進について
20
3.環境・文化都市の創造
⑴
浜山公園施設の整備・拡充について
21
⑵
トキ分散飼育事業に対する支援ついて
22
⑶
2020東京オリンピック・パラリンピック事前キャンプ誘致 について
23
⑷
海岸漂着ごみの処理等について
24
⑸
循環型社会形成推進交付金の予算確保等について
25
⑹
県における行政不服審査会事務の事務委託について
26
⑺
くにびきジオパークの日本ジオパーク認定への支援協力 について
27
4.交流拠点都市の創造
⑴
山陰道の整備促進について
29
⑵
山陰自動車道関連周辺道路等の整備推進について
30
⑶
地域高規格道路「境港出雲道路」の早期整備について
31
⑷
国道9号の交通安全施設の整備について
32
⑸
国道431号(東林木バイパス以東県道十六島直江停車場線間)改良 整
備について
⑹
33
本市の魅力を発揮する地域の一体化を促進するための広域幹線道路及び
地域内幹線道路の整備について
34
⑺
出雲河下港の整備推進及び利活用促進について
37
⑻
出雲縁結び空港の利便性の向上と機能の拡充について
38
⑼
国道9号(出雲バイパス) 4車線整備について
39
⑽
島根の将来を見据えた定住・永住につながる多文化共生の 推進について
40
5.健康・福祉都市の創造
⑴
「子育てするなら島根」をめざして
41
⑵
福祉・介護職場の人材確保 について
42
⑶
在宅医療・介護の連携 推進について
43
⑷
発達支援に係る財政支援について
44
⑸
発達支援に係る小児神経専門医の確保と専門知識を有する人材の育成について
45
⑹
児童相談所の充実と市町村 への支援の充実強化について
46
⑺
がん検診等の体制整備にかかる支援ついて
47
6.人材育成都市の創造
⑴
不登校児童生徒支援のための施策の充実について
49
⑵
特別支援教育の施策の充実につい て
50
⑶
子ども・若者支援の総合的推進に係る支援について
51
⑷
出雲科学館への理科教員の配置と研修施設としての活用について
52
⑸
日本語指導が必要な児童生徒に対する支援 の充実について
53
【本市が期成同盟会などの構成員として要 望している事項】
55
1.安全・安心都市の創造
1.安全・安心都市の創造
⑴ 島根原子力発電所に関する防災対策について
国は、エネルギー基本計画において、原子力規制委員会が規制基
準に適合すると認めた原発は再稼働を進める旨を明記しています。
一方、原発の再稼働などに関する周辺自治体の関与については、立
地自治体と同様な原子力災害のリスクを負っているにも関わらず、
発言権や調査権等の権限は認められていないままです。
県におかれては、
「島根原子力発電所周辺地域住民の安全確保等に
関する協定」に係る覚書を周辺3市と締結され、本市としても県を
通じ、意見を間接的に述べることができるようになりました。
しかし、国においては、原子力災害のリスクに応じた発言権の付
与等を含む法整備の動きも見えず、適合性審査終了後の再稼働に向
けた手続き等も示されていません。本市においては、中国電力㈱と
の立地自治体並みの安全協定も未締結のままです。
また、原子力災害時に備えた広域避難計画における避難手段の確
保および避難道路の整備等、原子力防災に関しては、まだ多くの課
題が残されている現状です。
つきましては、島根原子力発電所に対する出雲市民の安全・安心
を確保する観点から、下記のとおり要望いたします。
記
1.原発の稼働・再稼働については、周辺自治体の意向が反映される
仕組みを作るよう、国に対して働きかけること。また、遅くとも適合性
審査が終了するまでに本市と中国電力㈱との間で原子力安全協定
が締結できるよう早急に仲介すること。
2.適合性審査終了後のロードマップ・スケジュールについて、早急に
県としての考え方を示し、関係自治体に対し協議すること。
3.広域避難計画については、より実効性のある計画となるよう、国へ
の働きかけなどを含め、県が積極的に進めること。
4.島根県広域避難計画で定められている避難ルートへの主要な接続
道路となる主要地方道斐川一畑大社線を整備すること。
5.周辺自治体における、原子力分野の専門知識や能力と経験を有す
る職員の育成を図るための施策を積極的に進めること。
-1-
1.安全・安心都市の創造
⑵ 治山事業の推進について
山地災害から市民の生命・財産を守るため、治山事業の積極的な
推進にご尽力いただき感謝申しあげます。
近年は異常気象による局地的な豪雨などにより、予想外の災害が
各地で発生し、犠牲者が出る大規模な災害も起こっています。
本市の森林地域においては、森林所有者の高齢化等により適正な
管理が困難となる一方、松くい虫被害によっても森林が荒廃し、山
地災害の発生が危惧されています。
また、外園海岸などの保安林についても、現在、海岸防災林造成
事業により整備を行っていただいていますが、引き続き周辺の海岸
林も含め、整備を進めていただく必要があります。
このようなことから治山事業の実施について、市内各地から多く
の要望が出されています。
つきましては、治山事業継続箇所の着実な実施はもとより、森林
機能の回復に向けて植栽など森林整備も含めた要望箇所の一層の事
業推進を要望いたします。
記
1.継続事業の推進
なだ ひ ら
かわきたかみ
く ぼ た
灘 平 地区(河下町)、川北上 地区(佐田町)、窪田 地区(佐田町)、
か み しま
上島地区(上島町)
2.新規採択要望箇所
みなとばら
からかわ
湊 原 地区(大社町)、唐川地区(唐川町)他 計52箇所
-2-
1.安全・安心都市の創造
⑶ 砂防、地すべり、農地地すべり、急傾斜地崩壊対策事業の推進等
について
自然災害から市民の生命・財産を守る取組を継続していただき、
感謝申しあげます。
今後とも、本事業を下記のとおり引き続き推進いただきますとと
もに、新規箇所の事業採択につきましても、特段のご配慮をいただ
きますよう要望いたします。
記
1.砂防事業
【国庫補助事業継続箇所】
ゆ や だ に がわ
さ が り だ に がわ
あしたに がわ
湯屋谷川(東林木町)、佐貫利谷川(乙立町)、芦谷川(乙立町)、
しょうおうじ がわ
たんぼり がわ
よ り い だ に がわ
正応寺川(稗原町)、丹堀川(国富町)、寄居谷川(十六島町)、
しょうぶ がわ
こ
は
だ がわ
庄部川(坂浦町)、小這田川(大社町日御碕)、
に し の た に がわ
ご た ん だ だ に がわ
西の谷川(大社町鷺浦)、五反田谷川(佐田町大呂)、
す が た がわ
菅田川4(佐田町一窪田)
【新規採択要望箇所】
もんぜんだに がわ
し み ず だ に がわ
門前谷川(東林木町)、清水谷川(佐田町一窪田)
2.地すべり対策事業
【国庫補助事業継続箇所】
からかわ
おおだに
唐川2地区(唐川町)、大谷地区(美野町)
【新規採択要望箇所】
みやま
きたがき
深山地区(万田町)、北垣地区(小境町)
-3-
1.安全・安心都市の創造
3.農地地すべり対策事業
【国庫補助事業継続箇所】
出雲地区(旧出雲市・旧佐田町・旧多伎町・旧斐川町)
ちごう
かやはら
わ
だ みなみ
平田地区(旧平田市(但し地合・茅原・和田 南 地区を除く))
ちごう
かやはら
地合地区(地合町)、茅原地区(東福町・本庄町)、
わ
だ みなみ
和田 南 地区(奥宇賀町)
4.急傾斜地崩壊対策事業
【国庫補助事業継続箇所】
かきのきだに
さか うら
柿ノ木谷地区(塩津町)、坂浦地区(坂浦町)、
ひのみさき
日御碕2地区(大社町日御碕)
-4-
1.安全・安心都市の創造
⑷ 河川の改修推進と適切な維持管理について
治水事業は、市民の生命と財産を守ることを目的とし、その重要
性はいつの時代にも普遍であり、本市においても、慢性的な浸水被
害が解消され、安全で安心な防災都市の整備が求められています。
引き続き、河川事業の予算枠を確保・拡大いただき、継続事業の
一日も早い完成をお願いいたします。
また、県管理河川の維持管理につきましては、現在、その経費の
1/2を市が負担し、業務も県からの委託を受け、市が行っています。
市としても、市管理河川の維持管理費の増加に苦慮している中、県
管理河川の維持管理を受けることは大きな負担になっています。
県管理河川につきましては、県の責任において主体的に適切な維
持管理を実施していただきますよう要望いたします。
記
1.湯谷川の改修事業の推進
2.十間川、高瀬川の改修事業の推進
3.雲洲平田船川の河川浄化と環境整備の推進
4.河川の適切な維持管理に要する予算の大幅な増額
-5-
1.安全・安心都市の創造
⑸
斐伊川本川の堤防改修及び宍道湖西岸堤防の整備について
斐伊川本川の堤防改修につきましては、斐川町出西地区の堤防整
備及び船津地区の新田川背割堤の整備を引き続き推進していただい
ておりますが、出西地内において、堤防高や断面の不足により、昭
和47年7月洪水の再現流量に対して、その流下能力が大きく下回
る区間が存在します。当地域の住民は常に家屋浸水被害の危険を抱
えていますので、斐伊川本川の堤防改修の整備促進について国土交
通省に対し特段の働きかけを要望いたします。
また、斐伊川右岸堤防と兼用する一般県道木次直江停車場線に
ついては、国土交通省の堤防改修にあわせ、拡幅改良が行われてお
りますが、今後とも着実に事業を進めていただきますよう要望いた
します。
宍道湖西岸堤防につきましては、年々地盤沈下が進み、斐伊川水
系河川整備計画に定める湖岸堤整備の基準高を下回る区間が多く発
生している状況です。
宍道湖西岸堤防のうち五右衛門川河口部の通称十四間川左岸堤防
については、県において平成26年度から整備に着手いただいたと
ころです。
引き続き、県管理区間の整備促進をお願いするとともに国管理区
間の本格改修の早期着手に向けて、国土交通省に対し特段の働きか
けを要望いたします。
記
1.斐伊川本川堤防の早期整備及び強化対策工事の早期完成と一般
県道木次直江停車場線の拡幅改良
2.宍道湖西岸堤防の漏水対策及び沈下対策の早期実施
-6-
1.安全・安心都市の創造
⑹
神戸川中流部の県管理区間の国直轄管理への変更について
斐伊川・神戸川治水事業により、神戸川は、下流部の放水路区
間及び上流部の志津見ダムでは、国において150年確率降雨に対
応する整備が完了いたしました。
一方、志津見ダムから放水路までの約35km区間については、
県において管理され、うち馬木大井堰から5.5kmの区間は、50
年確率降雨に対応する整備が計画されております。
神戸川は、平成18年8月、斐伊川水系に統合され一級河川に指
定されました。その際、本来であれば国が直轄管理されるべきであ
りますが、中流部の区間については、国から県知事に管理が委任さ
れ、管理者が混在している状況になっております。
既に、斐伊川放水路には分流がなされましたが、斐伊川から多く
の砂が流入したことや河床の洗掘などの事象が発生し、国に対し十
分な検証をお願いしており、神戸川への影響についても継続した観
測や十分な調査が必要であると考えております。また、治水上だけ
でなく河川環境の問題についても総合的に調査等を実施し、解決し
ていくことが必要であると考えております。
本市としては、中流部の早期河川改修により洪水の安全な流下と
河川の維持、保全が図られるためには、ダムから河口までが一元的
に管理されるべきものと考えております。
つきましては、流域住民の不安を解消するためにも、志津見ダム
から放水路までは、県管理区間とされていますが、国直轄管理に変
更していただきますよう要望いたします。
記
1.神戸川中流部の県管理区間(志津見ダムから放水路)の国直轄
管理への変更
-7-
1.安全・安心都市の創造
⑺
斐伊川放水路への分水に伴う新内藤川水系の整備促進並びに関
連施設整備及び地域整備について
斐伊川放水路事業につきましては、長年にわたる事業推進により
平成25年度に放水路が供用開始されました。
斐伊川放水路への分水協議に際し、新内藤川水系である新内藤川、
赤川、午頭川、塩冶赤川の4河川の具体的な改修計画を策定のうえ、
重点的な予算投資により積極的に事業の進捗を図っていただいてい
るところです。
さらに、塩冶赤川については、JR橋梁を重点整備区間に取り込
み、上流部についても事業推進を図っていただきました。
今後とも着実に事業を推進していただき、改修計画区間が早期に
完成しますよう要望いたします。
また、放水路事業の実施に伴う関連施設及び周辺地域整備につい
ては、これまで各種の事業や制度を活用しながら対応してまいりま
したが、現在実施中のものや、今後実施していくものもあります。
本市が斐伊川放水路への分水の了承にあたり回答しましたとおり、
大橋川の早期改修をはじめとする付帯意見については、引き続き特
段のご配慮をお願いします。
また、放水路事業に関連した下記の事項につきまして、本事業の
経緯とこれまでの協議を踏まえ、下記のとおり要望いたします。
記
1.新内藤川、赤川、午頭川、塩冶赤川の改修事業の推進及び早期完了
2.斐伊川放水路事業周辺地域整備事業について、確実に実施するた
めの継続した支援
3.斐伊川放水路の高水敷利活用について、ジョギングコース等の計画
策定の協力と支援
4.薗の長浜地域整備事業に伴い実施してきた整備事業、自然環境保
全推進事業についての継続した支援
-8-
1.安全・安心都市の創造
⑻ 海岸線(海浜)の保全・復元及び海岸の適切な維持管理について
島根県の海岸のほとんどは岩礁地帯ですが、大社町から多伎町に
かけては「国引き神話」の綱としても登場する大規模な砂浜海岸が
形成され、美しい景観を創出しています。
近年、この美しい海岸の侵食が発生し汀線の後退が著しく、この
まま放置すれば、冬季波浪時には高波により背後地の道路等にも被
害を及ぼし、生活に影響を与えるおそれがあります。
海岸線(海浜)の保全・復元及び海岸の適切な維持管理について、
下記のとおり要望いたします。
記
1.土砂対策の計画的推進について
砂浜海岸の現状について、大社湾では、大社漁港海岸(大社町)、
岐久海岸(多伎町)等で、海岸に溜まった砂により、飛砂の被害が
発生しています。
また、外園海岸(外園町)、湊原海岸(大社町)などについては、
民家、農地、道路等が海岸侵食の危険にさらされるといった砂の偏
りが発生しています。このことから、平成27年度に「薗の長浜」
土砂管理計画が策定されたところですが、地元住民の意向等も踏ま
え調整を図りながら、土砂対策を計画的に推進していただきますよ
う要望いたします。
2.海岸保全施設の整備について
西浜海岸(湖陵町)においては、近接する道路が危険にさらされ
ており、早急な対策が必要となっております。
また、湊原海岸、外園海岸、田儀海岸(多伎町)などにつきまし
ては、侵食に対する対策が必要となっています。
つきましては、海岸保全施設の整備により砂浜を安定させるなど、
安全で美しい景観の海岸を保全・復元していただきますよう要望い
たします。
-9-
1.安全・安心都市の創造
⑼ 陸上自衛隊出雲駐屯地の拡充整備について
北東アジアの情勢は、北朝鮮による地下核実験や、度重なるミサ
イルの発射実験など、ますます緊迫の様相を呈しています。
こうした中、陸上自衛隊出雲駐屯地は、西部日本海・山陰沿岸の
国土防衛の拠点として、地域住民の大きな心の支えであり、安全・
安心の確保に大きな役割を果たしています。
また、本年3月には、我が国の平和と安全を維持し、国際社会の
平和と安全を実現するため、平和安全法制関連2法が施行され、自
衛隊の任務は拡大し、自衛隊機能の更なる充実・強化が必要と考え
ます。
災害支援の面を見ても、平成25年7月の津和野町の記録的豪雨、
平成26年8月の広島土砂災害、本年1月の浜田市の寒波、そして
4月には熊本地震の救援活動に出動しており、陸上自衛隊出雲駐屯
地への信頼と期待は大きく高まっています。
ゲリラ豪雨や震災など、予測困難な災害も多く発生する中、東西
に広がる県土・国土の防衛・防災の要として、また、島根原子力発
電所が立地する島根県においては、原子力や化学などによる特殊災
害が発生した際の対応も含め、陸上自衛隊出雲駐屯地の果たす役割
はますます重要となっていることから、その増強は住民にとっての
悲願です。
県におかれましては、県内唯一の駐屯地である陸上自衛隊出雲駐
屯地の機能・人員・設備の拡充が図られますよう、関係団体と連携
し、要望活動等の取組を強化していただきますよう下記のとおり要
望いたします。
記
1.陸上自衛隊出雲駐屯地の機能・人員・設備拡充にかかる要望活動
の実施
2.陸上自衛隊出雲駐屯地の機能・設備拡充を県民の総意として取り組
むため、県が中心となり、自衛隊に関わる各種団体の全県的な連合
組織の創設
-10-
1.安全・安心都市の創造
⑽ グリーンステップ C 谷の利活用について
グリーンステップのC谷につきましては、国から県への引渡しが
予定されていますが、県では当面の間は、引き続き県事業での残土
処分用地として利用が予定されているところです。
グリーンステップは、斐伊川放水路事業を促進していくうえで、
重要な役割を担い、周辺の住民の皆様の格別なるご理解とご協力に
より実現したものであります。
県におかれましては、こうした経過やご協力をいただいた周辺地
域の皆様の思いを十分にお汲み取りいただき、地域発展、将来の定
住促進につながるような利活用が図られますよう要望いたします。
記
1.グリーンステップ C 谷の利活用についての検討
-11-
1.安全・安心都市の創造
⑾ 下 水 道 事 業 (未 普 及 対 策 整 備 事 業 )の予 算 確 保 について
下 水 道 事 業 は 全 国 的 に み る と 、整 備 の 時 代 か ら 維 持 管 理
に シ フ ト す る 流 れ と な っ て き て お り 、長 寿 命 化 な ど ア セ ッ
ト マ ネ ジ メ ン ト に 対 す る 予 算 配 分 が 多 く な り 、未 普 及 対 策
に係る整備予算は縮小されつつあります。
現 在 、本 市 に お い て は 、国 か ら 示 さ れ た 都 道 府 県 構 想 策
定 マ ニ ュ ア ル に 基 づ い て 、効 率 的 で 最 適 な 整 備 構 想 に 見 直
し 、汚 水 処 理 施 設 の 早 期 概 成 を 目 指 し て 、平 成 2 9 年 度 か
らの整備計画を策定したところです。
平 成 2 7 年 度 末 の 汚 水 処 理 人 口 普 及 率 は 8 5 .4 % と な
り ま し た が 、策 定 し た 汚 水 処 理 施 設 整 備 計 画 の 約 6 3 % を
占 め る 流 域 関 連 公 共 下 水 道 の 普 及 率 は 4 4 .8 % に 止 ま っ
て お り 、本 来 の 目 的 で あ る「 公 共 水 域 の 水 質 保 全 」と「 公
衆衛生」に資するため普及率向上が喫緊の課題です。
普 及 率 向 上 に は 、計 画 的 で 着 実 な 整 備 を 実 施 す る 必 要 が
あり、整備予算の十分な確保が不可欠となります。
つ き ま し て は 、予 算 の 確 保 と 計 画 期 間 の 柔 軟 な 設 定 に つ
いて、地域の実情に即した円滑な整備が推進できるよう、
要望いたします。
記
1.整 備 事 業 予 算 の十 分 な確 保 と、柔 軟 な未 普 及 対 策 事 業 期
間 の設 定
-12-
1.安全・安心都市の創造
⑿ 信号機の新規設置数の確保について
県内の交通死亡事故の特徴として、交差点での発生割合が高く、
中でも信号機のない場所での発生が多数見られます。
本市では、各地区から通学路を中心に信号機の設置要望が寄せ
られていますが、切実に通学路の安全確保を求める声がある一方
で、近年、その要望は実現されておらず、新設道路や道路改良に
伴う信号機設置のみにとどまっています。平成27年度に各地区
から寄せられた信号機要望は22件に上りましたが、実施予定の
回答は0件という厳しい結果でありました。
県内の信号機設置状況を見ても、平成22年度の26基と比較
した場合、平成23年度は6基、平成24年度は9基、平成25
年度は4基、平成26年度は6基と、設置件数は減少傾向にあり
ます。また、道路整備の状況や交通密度の違いもあると思われま
すが、総務省の統計資料によれば、道路実延長1千 Km 当たりで
みる本県の信号機設置数は、全国第45位と極めて低い水準と言
えます。
つきましては、市民の交通安全を願う切なる要望に応え、交通
事故の防止を推進するため、下記のとおり要望いたします。
記
1.通学路における安全確保のため、地域住民及び各小・中学校に
よる信号機の設置要望の実現に向けて整備事業予算を十分に確保
すること。
-13-
-14-
2.産業・観光都市の創造
2.産業・観光都市の創造
⑴ 観 光 誘 客 の強 力 な推 進 について
出 雲 大 社「 平 成 の 大 遷 宮 」は 、平 成 2 8 年 3 月 末 に 第
1 期 事 業 を 終 え 、第 2 期 事 業 と し て 3 年 間 遷 宮 が 延 長 さ
れ ま し た 。加 え て 、尾 道 松 江 線 の 全 線 開 通 、出 雲 ― 名 古
屋 小 牧 線 の 運 航 開 始 及 び 7 月 か ら の 2 便 化 、松 江 城 の 国
宝 指 定 と 、島 根 県 に と っ て は 追 い 風 と な っ て い ま す 。こ
れ を 好 機 と と ら え 、県 の リ ー ダ ー シ ッ プ の も と 、各 市 町
村 、隣 県 及 び 関 係 団 体 と 連 携 し て 情 報 発 信 や 誘 客 施 策 を
実 施 す る こ と に よ り 、広 域 的 な 観 光 施 策 と イ ン バ ウ ン ド
の取組を強化する必要があると考えます。
本 市 で は 、二 次 交 通 対 策 、イ ン バ ウ ン ド 対 策 な ど の 観
光 諸 施 策 に 積 極 的 に 取 り 組 む こ と に よ り 、前 年 並 み の 観
光 入 込 客 数 を 見 込 ん で い ま す 。ま た 、観 光 客 の 受 入 体 制
充 実 の た め 、出 雲 大 社 周 辺 の 交 通 渋 滞 対 策 を 県 と と も に
講じているところです。
つ き ま し て は 、今 後 の 継 続 的 な 誘 客 の た め の 施 策 展 開
を 、県 ・ 市 連 携 し て 推 進 し て い け る よ う 、下 記 の と お り
要望いたします。
記
1.誘 客 のための、国 内 外 への情 報 発 信 の充 実 強 化
2.出 雲 大 社 周 辺 はもとより、それに続 く観 光 拠 点 におけるサ
イン整 備 やおもてなしの各 種 取 組 等 、観 光 誘 客 基 盤 の整
備充実
3.出 雲 大 社 周 辺 の観 光 案 内 体 制 と出 雲 大 社 周 辺 の交 通
渋 滞 対 策 への継 続 支 援
4.広 域 観 光 周 遊 ルートとして認 定 された「縁 の道 ~山 陰 ~」
を最 大 限 活 用 した、インバウンド対 策 の一 層 の推 進
5.出 雲 大 社 の「平 成 の大 遷 宮 」で飛 躍 的 に高 まった「出 雲 」
への誘 客 効 果 を持 続 できるよう、神 話 博 並 みの大 規 模 イベ
ントの実 施
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2.産業・観光都市の創造
⑵ 農業農村整備事業の推進について
農業農村整備事業については、管理計画に基づき県営事業として
事業推進にご尽力いただき、感謝申しあげます。
農業の現状は、従事者の高齢化が進み、担い手の確保が急務であ
り、効率的な農業経営のために、農地の集積を着実に進める必要が
あります。このため、生産基盤の整備が必要であり、引き続き事業
推進を要望いたします。特に、中山間地域は、農業を取り巻く環境
が厳しく、離農・人口減少に歯止めがかからない状況であるため、
山村地域を支援する整備が必要であります。
また、老朽化した農業用施設の更新は、ますます重要な課題と
なっています。年次的な計画をたて、長寿命化等に順次取り組む必
要がありますが、多くの施設をかかえ現実的には財政状況からも厳
しい状況にあります。
今後とも、所要額の予算確保を関係機関に働きかけていただくと
ともに、引き続き、継続地区及び新規要望地区の事業が円滑に進む
よう、特段のご配慮を賜りますよう要望いたします。
記
1.継続事業の推進
・農地整備事業(通作条件整備型)
【簸川西地区(出雲・湖陵)】
・中山間地域総合整備事業
【佐田地区(佐田)】
・水利施設整備事業(排水対策特別型)
さんのう
【山王地区(平田)】
・農村地域防災減災事業(ため池整備事業)
たき
うえいけ
【滝が上池地区(平田)】
・農村地域防災減災事業(農業用河川工作物応急対策事業)
い の
【伊野地区(平田)】
2.新規要望地区の採択
・農村地域防災減災事業(ため池整備事業)
おくはら
【奥原地区(湖陵)】
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2.産業・観光都市の創造
⑶ シカ等の被害対策の拡充について
県のシカ対策事業については、平成25年度から予算を拡充され、
出雲北山山地はもとより、本市が実施している湖北山地の被害対策
にも財政的な支援をいただき、高い捕獲圧による事業が継続できて
いることに感謝申しあげます。
しかしながら、平成27年末の生息頭数の推定値は、出雲北山山
地で359~951頭、湖北山地で922~1,869頭と推定さ
れ、減少傾向にはあるものの、出雲北山山地の目標とする生息頭数
180頭や湖北山地の非生息区域には、依然として厳しい状況とな
っており、さらに継続した取組が必要であります。
こうした中、県のシカ適正管理対策委託事業において、出雲北山
山地のシカ捕獲実績(572頭)の約4割を占める自衛班の捕獲経
費が一部対象とされていないこと、さらには、有害鳥獣被害対策交
付金の対象となる捕獲奨励金の単価に上限があるため、これら対象
外とされた費用は、本市の財政に大きな負担となっています。
つきましては、鳥獣被害が依然深刻な状況のなか、引き続き対策
を進めるために、さらなるご支援をいただきますよう、下記のとお
り要望いたします。
記
1.シカ適正管理対策委託事業の予算確保
2.シカ適正管理対策委託事業のうち、出雲北山山地の自衛班にかか
る経費支援の拡大
3.有害鳥獣被害対策交付金における捕獲奨励金単価の上限の撤廃
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2.産業・観光都市の創造
⑷ 出雲大社門前町の整備について
本市では、出雲大社周辺を歴史文化のシンボル空間と位置づけ、
電線類の地中化、道路の美装化や沿道建築物の修景事業など景観
整備に努め、出雲大社門前町の魅力向上を図りながら賑わいの創
出に取り組んできております。
このような中、出雲大社門前町の賑わい創出の中心である県道
斐川出雲大社線(神門通り)は、昨年度、勢溜から大鳥居までの
区間の石畳舗装整備が完了し、多くの観光客で賑わっていますが、
引き続き、大鳥居から吉兆館交差点区間について事業の促進をお
願いいたします。
また、魅力ある散策ルートを確立し、観光客の回遊性を高める
ため、国道431号の勢溜西~宮内交差点について両側歩道の整
備と、合わせて形状及び見通しが悪く危険であるため交差点改良
を要望いたします。
さらに、堀川におけるレジャー船の不法係留対策については、
重点係留禁止区域において一定の成果を上げていただいておりま
すが、治水安全上及び門前町の景観上の観点からも一層の対策強
化が必要であります。
県と市が一体となって出雲大社門前町のさらなる魅力向上を図
り、島根の観光を推進していくため、下記のとおり要望いたしま
す。
記
1.県道斐川出雲大社線(神門通り)の事業促進
2.安全で魅力ある散策ルート確立のため国道431号(勢溜西~宮内
交差点)の両側歩道整備と交差点改良
3.景観及び治水安全上の観点からの堀川におけるレジャー船不法係
留対策の一層の推進
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2.産業・観光都市の創造
⑸ 企業誘致に関する支援について
県におかれましては、「ものづくり産業の振興」「地域資源を活か
した産業の振興」
「IT産業の振興」の3つを柱とする産業振興を県
政の最重要施策に位置づけられています。また、地域産業を支える
人材の育成や雇用の確保、若者の定住促進を重点に置き、産業と雇
用の好循環を生み出す施策にも積極的に取り組まれています。
出雲市におきましても、平成24年度からの10年間で「雇用創
出2000人」を目標に掲げ、産業振興を最重点施策に位置づけて
います。恵まれた産業基盤、交通利便性を活かし、工業団地への企
業誘致を図るとともに、中心市街地へのIT・事務センター等のソ
フト産業の誘致にも積極的に取り組んでいます。
景気の緩やかな回復基調がみられる中、企業の設備投資は能力増
強や生産性向上を目的とし、前向きな投資が計画されています。ま
た、東日本大震災以降、リスク低減を目的とした生産拠点の分散化
を検討する企業も増加しています。このような中、県におかれまし
ては、本年度雇用助成金の限度額廃止など、優遇制度の拡充が図ら
れたところです。しかしながら、隣県におきましても、大型助成の
導入など優遇制度の拡充が図られたことから、未だその差が埋まっ
たとは言えず、自治体間の誘致競争に勝てないのが現状です。
一方、団塊世代の退出等による生産年齢人口の大幅な減少から、
特に中小企業において人手不足が深刻化しています。都市部の企業
が地方に労働力を求める傾向にあり、企業誘致を進めるうえで、都
市部からのUIターンの促進や特に工科系の人材育成などによる優
秀な人材(製造・IT分野)の確保は重要な要素となります。
つきましては、新たな企業立地を促進するため、下記のとおり要
望いたします。
記
1.企業立地優遇制度を隣県と同等以上になるよう拡充
2.UIターンの促進や人材育成など、企業誘致施策と一体となった
中小企業の労働力確保対策
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2.産業・観光都市の創造
(6) 国営緊急農地再編整備事業宍道湖西岸地区の推進について
宍道湖西岸地区国営緊急農地再編整備事業については、平成27
年度の「整備方向検討調査」に引き続き、本年度は事業実施を前提
とした「地区調査」が実施されることになりました。県におかれま
しては、この間の事業推進にご尽力いただき、感謝申しあげます。
本地区はこの事業を契機に、
『モノづくり』、
『人づくり』、
『地域づ
くり』の視点から、将来にわたって「地域」に人が元気に住み続け
る農村社会の形成をめざし、事業施工後の具体的な営農計画の策定
や営農を支援するサポートセンターづくりにも積極的に取り組んで
おり、一日も早く、営農環境の整備改善が図られるよう切望してお
ります。
国営として水田を区画整理する事業は、県内でも初めてであり、
これからの農業基盤整備のモデル的な地域となることを目指して、
この事業を推し進めていく考えであります。
つきましては、早期の事業着手に向けて、さらなるご支援とご協
力をいただきますよう要望いたします。
記
1. 早期の事業採択に向けた支援
2. 営農計画策定等にかかわる技術的な支援
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3.環境・文化都市の創造
3.環境・文化都市の創造
⑴ 浜山公園施設の整備・拡充について
県立浜山公園は、野球場、陸上競技場、体育館など多くのスポー
ツ施設を有しており、県民のスポーツ活動の場であるとともに、数々
の全国レベルのスポーツ大会やイベントが開催されており、県内屈
指の総合スポーツ拠点として、県内のスポーツ振興に大きく寄与し
ています。
しかしながら、浜山公園野球場は、建築後42年が経過し、現在
の公認野球規則にそぐわないため、アマチュア野球の全国規模の大
会はもとより、県大会の開催にも支障をきたしています。
このような状況の中、県内の野球関係団体を中心として設立され
た島根県立浜山公園野球場改築整備促進期成同盟会におかれては、
平成27年7月から改築整備を求める署名活動が行われ、同年12
月に、約44,000人の署名を添えて島根県知事及び島根県議会
議長へ改築整備を求める要望書が提出されるなど、県民の施設整備
を望む声は大きいものがあります。
また、浜山公園陸上競技場は、第1種公認の陸上競技場でありま
すが、夜間照明設備がありません。さらに、バックスタンド側に固
定座席がなく、観客席も少ないため大規模な大会やフィールドを使
ったサッカー公式戦の開催の際にも苦慮しています。
これらの現状を踏まえ、島根県のスポーツ振興を推進する観点か
らも、県立浜山公園の整備・拡充は、喫緊の課題であると考えます。
つきましては、使用者の利便性の向上を図るとともに、多くの県
民がスポーツを楽しみ、また、各種スポーツイベントを積極的に開
催、招致できる県内随一の拠点施設として、下記のとおり施設・設
備の拡充を要望いたします。
記
1.浜山公園野球場について、早期に、観客席の増設や本部室の拡張、
審判員控室、選手更衣室、選手専用トイレ・シャワールームの新設な
ど、施設の抜本的な改築整備を図ること。
2.浜山公園陸上競技場について、照明設備を整備すること。また、バッ
クスタンドのベンチシート化も実施すること。
-21-
3.環境・文化都市の創造
⑵ トキ分散飼育事業に対する支援について
本市のトキ分散飼育事業は、平成23年からスタートし、出雲で
繁殖した28羽を佐渡に移送し、内21羽が野生下に放鳥されるな
どトキの野生復帰に向けた国のトキ保護増殖事業に貢献していると
ころです。
国のトキ保護増殖事業は、佐渡の野生下に60羽を定着させると
いう目標を達成するなど順調に推移していますが、安定的、継続的
な生息の実現には解決すべき課題も多い状況です。
現在国の事業では、野生下においてペアになりやすいとされる、
親鳥によって自然な形でふ化、育雛されたトキの放鳥に向け、各飼
育地においてこの自然繁殖を徹底するよう取り組んでいます。
本市においても、県のご支援をいただきながら、トキの飼育や人
工繁殖については一定の技術を確立しつつありますが、自然繁殖を
はじめとする飼育技術の確立にはさらなる技術の研鑽と実践が必要
な状況です。
また、トキの保護意識や環境保全意識の高揚を図ることを目的と
して、トキの公開に向けた具体的な検討も進めることとしており、
一層の普及啓発に取組みます。
本市といたしましては、今後も分散飼育地として国の保護増殖事
業に貢献するとともに、トキを生かした環境にやさしいまちづくり
を進めていく考えです。
つきましては、こうした状況をご賢察いただき、引き続きご支援
をいただきますよう下記のとおり要望いたします。
記
1.出雲市トキ分散飼育事業に対する財政支援の継続
-22-
3.環境・文化都市の創造
⑶ 2020東京オリンピック・パラリンピック事前キャンプ誘致につ
いて
2020東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、
全国各地でオリンピックの事前キャンプ誘致に向けた推進組織が
設置される中、島根県におかれては、平成26年10月に、
「2020東京オリンピック・パラリンピック」しまね総合推進
連絡会を発足され、情報の収集、提供を行っています。
このような中、鳥取県は、2020東京オリンピック・パラリ
ンピックの参加国と自治体が交流する「ホストタウン交流事業」
において、ジャマイカのホストタウンに決定したところです。
オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ誘致は、県民の
スポーツへの関心を高めるとともに、地域の活性化や経済効果、
国際交流など、様々な波及効果があると考えます。
事前キャンプについては、トレーニング施設やプール、良好な
宿泊施設、医療施設など様々な施設や環境が必要になることから、
単一自治体での事前キャンプ誘致より、広域的な取組を行うこと
が好ましいと考えます。
これらのことから、島根県がリーダーシップをとり、下記のと
おり取り組んでいただきたく要望いたします。
記
1.県が主体となり、各自治体と連携・共同しながら、県全域で事前キ
ャンプ誘致に取り組むこと。
-23-
3.環境・文化都市の創造
⑷ 海岸漂着ごみの処理等について
海岸漂着物対策については、出雲市沿岸で1万人前後の地域住民
が参加しボランティア清掃が実施されています。本年度においては、
このボランティア清掃で集められた海岸漂着物の処理について、海
岸を限定する方針が県から示されました。
また、海岸漂着ごみの処理経費については、平成25年度以降、
国の海岸漂着物等地域対策推進事業が施行されましたが、平成27
年度からは補助率の削減により市の財政負担が生じています。
ついては、
「海岸漂着物処理推進法」第17条に基づき、県が管理
する海岸の土地については、海岸管理者として責任をもって対応し
ていただきますよう下記のとおり要望します。
記
1.県管理海岸の海岸漂着ごみの回収・処理について、県は海岸管理
者として責任をもって主体的、永続的に取り組むこと。
2.地方自治体が取り組む海岸漂着ごみ対策について、地方負担が生
じないよう、必要な費用について、国に対し全額予算措置されるよう
要望すること。
3.海への不法投棄防止のため、国際法上の法制化、及び外交ルート
を通じて漂着物の多い関係国と不法投棄防止策や処理費用の負担
について協議することを国へ強く要請すること。
-24-
3.環境・文化都市の創造
⑸ 循環型社会形成推進交付金の予算確保等について
国は、廃棄物処理施設が循環型社会の形成、災害廃棄物処理及び
地球温暖化対策に重要な役割を果たすため、地方自治体の施設整備
事業に対して、循環型社会形成推進交付金等による支援を講じてい
ます。
この交付金等は、近年、全国の要望額に対して当初予算が不足し
ており、補正予算により全国の要望に応えていただいている状況で
す。
今後、県内の複数の自治体において廃棄物処理施設の更新時期を
迎えることが見込まれ、本市も百億円規模の事業費を要する次期可
燃ごみ処理施設の整備を数年後に控えており、確実に事業を実施す
るためには国の当初予算の確保が極めて重要です。
また、大規模かつ長期的な事業を計画的に進めるためには、要綱
等改正による交付率(1/3以内)の引き下げや、先進的な施設を
導入することにより受けられる有利な交付率(1/2以内)の適用
要件を厳しくすることがないよう、国に働きかけることも必要です。
つきましては、島根県の循環型社会形成等の推進のため、下記の
とおり要望いたします。
記
1.現在、全国的に廃棄物処理施設の更新時期を迎え、今後も整備需
要が集中する中、その財源となる循環型社会形成推進交付金等の
当初予算による必要額確保を国に働きかけること。
2.県は、本市が計画する次期可燃ごみ処理施設整備において、できる
限り有利な交付率を適用して整備できるよう、市町村の立場に立った
主体的な情報提供・指導を行いつつ、国の動向や要綱等改正に注視
し、財政面において計画的な事業実施が困難になるような要綱等改
正が行われないよう、国に働きかけること。
-25-
3.環境・文化都市の創造
⑹ 県における行政不服審査会事務の事務委託について
本年4月1日に施行された改正行政不服審査法(以下「改正法」
という。)において、不服申立構造の見直し、公正性の向上、使いや
すさの向上の観点から抜本的な見直しが行われ、審査請求への一元
化、審理員制度、第三者機関である行政不服審査会(以下「審査会」
という。)への諮問制度等が導入されました。
改正法では、処分庁、審査庁、審理員及び審査会をそれぞれ別の
主体として位置づけており、審理・裁決の公平性・中立性の確保の
観点から、その独立性が求められています。しかしながら、県内市
町村等の組織体制では、審査会を担当する部署と処分庁及び審査庁
を担当する部署が同一になるなど、行政不服審査に係る独立性を対
外的に確保することに苦慮している状況です。
また、本市では、年間の審査請求の件数も少ないと考えており、
単独で審査会を設置することは、多分野にわたる専門性を有する委
員の人選をはじめ、その事務は大きな負担になっています。
県においては、平成27年9月に県内市町村等に対し、審査会の
設置形態についての状況を調査され、同年10月には、
「県への事務
委託を否定するものではないが平成28年4月からの事務受託は困
難である」との通知がされたところです。
ついては、県内市町村等の状況等を踏まえ、下記のとおり要望し
ます。
記
1.不服申立における審理・裁決の公平性・中立性の確保の観点から、
地方自治法第252条の14の規定に基づき、県において、平成
29年4月から県内市町村等の行政不服審査会事務を受託すること。
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3.環境・文化都市の創造
⑺ くにびきジオパークの日本ジオパーク認定への支援協力について
本市では松江市と連携し、島根大学や経済界、報道関係者など幅
広い関係者により、くにびきジオパークの日本ジオパーク認定をめ
ざし、平成28年3月、
「くにびきジオパーク推進協議会」を設立し
ました。
島根半島は中国山地や日本海に囲まれ、国内最大の汽水湖(宍道
湖・中海)を有している全国的にも珍しい地形を有しています。さ
らに当地には、出雲地方独特の歴史遺産が点在し、古事記や出雲國
風土記にも記された地名が今も多く残っている神話のふるさとでも
あります。
これらを様々な分野の研究成果と関連づけ、島根半島の特徴を生
かしたジオパークの認定をめざすことは、新たな島根半島の魅力の
再発見に繫がるものと考えます。さらに、日本国内に限らず海外に
向けて、島根半島の魅力を情報発信することによって、交流人口の
拡大や観光を中心とした経済発展が期待されています。
一方、ジオパーク認定の基礎となる地質や生態などの学術研究を
はじめ、市民の気運醸成やボランティアガイドの養成など、取り組
むべき課題は山積しています。
県におかれては、隠岐ジオパークの日本ジオパーク認定、世界ジ
オパーク認定などで培われた経験があります。
来年度に日本ジオパークの認定を目指すにあたり、限られた期間
の中で、事業を円滑に進めるためには、県の積極的な関与・支援が
必要不可欠なものと考えます。
つきましては、本推進協議会に対し、下記のとおりご支援いただ
きますよう要望いたします。
記
1.来年度の日本ジオパーク認定申請を目指すにあたり、島根県の過
去の経験に基づく情報提供や積極的な指導・助言
-27-
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