IT アウトソーシングサービス市場に関する調査を実施

2016 年 8 月 9 日
プレスリリース
IT アウトソーシングサービス市場に関する調査を実施(2016 年)
-クラウドの普及によりサービスの多様化が進み、顧客の自由な選択が可能に-
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の IT アウトソーシングサービス市場の調査を実施した。
1. 調査期間:2016 年 5 月~7 月
2. 調査対象:コンピューターメーカー、システムインテグレーター(SIer)、データセンター専業者等の IT アウトソー
シングサービス提供事業者
3. 調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e メールによる取材、ならびに文献調査を併用
<IT アウトソーシングサービスとは>
IT アウトソーシングサービスとは、情報システムのハードウェアやソフトウェアの運用保守業務を代行するサービ
スのことを指す。本調査では、システム利用企業内にあるシステムの運用保守を代行する「オンサイト運用・保守サ
ービス」と、データセンター内にあるシステムの運用保守を代行する「データセンター関連サービス」を対象とし、サ
ービス提供事業者の売上高ベースで市場規模を算出した。
【調査結果サマリー】
‹ 2019 年度の IT アウトソーシングサービス市場は 3 兆 9,985 億円と予測
オンサイト運営・保守サービスからデータセンター関連サービスへのシフトが進んでいる IT アウトソーシ
ングサービス全体の 2015 年度の市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比 100.2%の 3 兆 8,434 億
円であった。クラウドサービスの普及やサービスの多様化、データセンター利用の増加などを背景に、
2014 年度から 2019 年度までの IT アウトソーシングサービス市場全体の年平均成長率は 0.8%で推移し、
2019 年度の同市場規模は 3 兆 9,985 億円になると予測する。
‹ 2019 年度のデータセンター関連サービス市場は 2 兆 4,035 億円に成長と予測
クラウドサービスでは、パブリッククラウドの利用が順調に伸びているが、同時にサービスの多様化も進
んでおり、ハイブリッドクラウドやプライベートクラウドを含めて、最適なサービスをユーザー企業が自由に
選択するようになってきている。増加したサーバーをデータセンターに預ける企業が引き続き増加してい
るとともに、クラウドサービス提供事業者によるデータセンターの利用も進んでいる。こうしたことから、IT ア
ウトソーシングサービスの内、データセンター関連サービス市場(事業者売上高ベース)の 2014 年度から
2019 年度までの年平均成長率は 3.6%で推移し、2019 年度の同市場規模は 2 兆 4,035 億円に成長する
と予測する。
◆ 資料体裁
資料名:「IT アウトソーシング市場総覧 2016 ~オンサイト運用保守/データセンター/
クラウド~」
発刊日:2016 年 7 月 29 日
体 裁:A4 判 387 頁
定 価:180,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
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2016 年 8 月 9 日
プレスリリース
【 調査結果の概要 】
1.IT アウトソーシングサービス市場概況と予測
•
2015 年度の IT アウトソーシングサービス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比 100.2%の 3
兆 8,434 億円であった。IT アウトソーシングサービス全体として見た場合は微増の推移であるが、内
訳を見ると、オンサイト運用・保守サービスからデータセンター関連サービスへの切り替えやシフトが
進んでいる状況である。(図 1 参照)
•
クラウドサービスの普及やサービスの多様化、データセンター利用の増加などを背景にして、IT アウ
トソーシング市場の 2014 年度から 2019 年度までの年平均成長率は 0.8%で推移し、2019 年度の同
市場規模(同ベース)は 3 兆 9,985 億円になると予測する。
2.データセンター関連サービスの動向~クラウドの普及によりサービスの多様化が進む~
•
クラウドサービスでは、パブリッククラウド(サービス提供事業者のクラウド基盤)の利用が順調に伸び
ているが、同時にサービスの多様化も進んでおり、複数のクラウドを使い分けるハイブリッドクラウドや
プライベートクラウド(特定企業が所有し、その企業やグループ企業だけが利用するクラウド基盤)を
含めて、最適なサービスを顧客が自由に選択するようになってきている。そのようなクラウドサービス
の使い分けやハイブリッド化などが進んだことで、最適なシステム構築や運用サービスを求めるユー
ザー企業も増加している。
•
また、システム環境の変化や多様な新技術の出現もあり、ユーザー企業が利用するクラウドサービス
のマルチベンダー化が進んでいる。これに伴い、クラウド環境の統合管理のニーズも高まっていくが、
今後は 1 社のサービスベンダーにすべてを任せるよりも、複数のクラウド環境を統合マネジメントして
いく方向に進むと予測する。
•
一方で、クラウドサービスの利用増加とともに中堅・中小規模のユーザー企業では SIer を介さずに、
自社でパブリッククラウドを使いこなす動きも出始めている。
•
データセンター関連サービスの利用が進んでいるのは、ユーザー企業が抱えるデータ量が年々増
加しているため、増加したサーバーをデータセンターに預ける企業が引き続き増加していることが背
景にある。さらに、クラウドの普及が進み、クラウドサービス提供事業者のデータセンター利用が進ん
でいることも要因となっている。
•
こうしたことから、2015 年度のデータセンター関連サービス市場(事業者売上高ベース)は、前年度
比 103.9%の 2 兆 929 億円となった。今後、2014 年度から 2019 年度までの年平均成長率は 3.6%
で推移し、2019 年度の同市場規模は 2 兆 4,035 億円になると予測する。
3.オンサイト運用・保守サービスの動向
z
オンサイト運用・保守サービスは、ユーザー企業がデータセンター関連サービスへのシフトを進めて
いるため、利用が減少している。特に、IT 機器単価の下落が保守サービス料金を低下させており、
IT アウトソーシングサービス提供事業者のドル箱と言われてきたオンサイトハードウェア保守サービ
ス市場の縮小が進んでいる。また、クラウドサービスの普及やデータセンター化の進展により、オンサ
イトにサーバーを設置しないユーザー企業が増加していることも影響している。
z
こうしたことから、2015 年度のオンサイト運用・保守サービス市場(事業者売上高ベース)は、前年度
比 96.2%の 1 兆 7,505 億円となった。今後もサービスは縮小傾向となり、2019 年度の同市場規模は
1 兆 5,950 億円に減少すると予測する。
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2016 年 8 月 9 日
プレスリリース
図1.IT アウトソーシングサービス市場規模推移と予測
(単位:億円)
オンサイト運用・保守サービス
45,000
40,000
データセンター関連サービス
38,434
38,706
39,063
39,510
39,985
38,351
20,152
20,929
21,697
22,463
23,232
24,035
18,199
17,505
17,009
16,600
16,278
15,950
2014年度
2015年度
2017年度
予測
2018年度
予測
2019年度
予測
35,000
30,000
25,000
20,000
15,000
10,000
5,000
0
2016年度
見込
矢野経済研究所推計
注1.システム利用企業内にあるシステムの運用保守を代行する「オンサイト運用・保守サービス」と、データセンター内にあ
るシステムの運用保守を代行する「データセンター関連サービス」を対象とし、サービス提供事業者の売上高ベースで市場
規模を算出した。
注2.2016 年度は見込値、2017 年度以降は予測値
注3.オンサイト運用・保守サービスは、「オンサイトハードウェア運用サービス」、「オンサイトソフトウェア運用サービス」、「オ
ンサイトハードウェア保守サービス」、「オンサイトソフトウェア保守サービス」の4つのサービスを対象とし、データセンター関
連サービスは、「ハウジング」、「ホスティング」、「データセンターハードウェア運用サービス」、「データセンターソフトウェア
運用サービス」、「データセンターハードウェア保守サービス」、「データセンターソフトウェア保守サービス」、「IaaS
(Infrastructure as a Service)」、「PaaS(Platform as a Service)」、「SaaS(Software as a Service)」の9つのサービスを対象とし
た。
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