平成28年度の事業計画 - 一般財団法人日本建築総合試験所(GBRC)

GBRC Vol.41 No.3 2016.7
GBRC ニュース
平成28年度の事業計画
はじめに
仕切り材の遮音性認定試験を行います。
一般財団法人日本建築総合試験所は、社会の要請に対
5.建 築基準法、JIS規格やISO規格に基づく防火材料
応するため、第三者機関として公正・中立を厳守し、組
試験、
防耐火構造試験及び屋根飛火試験を行います。
織の総合力を発揮して高品質で信頼性のある試験・研
6.建築物の風による振動や設計用風荷重設定のための
究、評価、審査、認証および情報普及等を通じて建築の
風洞試験を行います。また、外装材などの耐風圧・
質の向上を図り、安全で安心な国民生活の場の構築に努
水密性能試験や層間変位追従性試験のほか、防火設
めています。
備の遮煙性能試験を行います。
具体には、建築分野等における試験業務全般にわた
7.鋼材、コンクリート、セメント、骨材、混和剤等の
り、ISO/IEC 17025に基づく品質マネジメントシステム
構造材料をはじめ各種建築材料の品質試験、耐久性
を構築・維持・運用することにより、国際基準に適合し
等の各種性能を評価するための物理的・化学的試験
た能力を持つ試験機関としての事業展開を行っていま
を行います。
す。また、建築基準法や住宅の品質確保の促進等に関す
8.建設工事におけるコンクリートや骨材等の品質管理
る法律(以下「住宅品確法」)に基づく各種の事業、こ
の適正化に寄与するため、行政庁に登録・指定され
れに関連して行っている法人の独自事業や、JISマーク
た試験機関として、これらの品質試験を行います。
表示制度に基づく製品認証事業等を積極的に展開してい
コンクリート・セメント系試験については、試験結
ます。
果の速報を工事関係者に一斉発信するクラウド環境
を提供することで、適正なデータ共有と共にトレー
Ⅰ.試験及び調査・診断事業の推進
サビリティを確保します。
当法人の技術力を活用して、試験や調査・診断に対す
9.工業標準化法に基づく試験事業者登録制度
(JNLA)
る信頼性の一層の向上を図るとともに、需要喚起への積
による登録試験事業者として、JISマーク表示制度
極的な展開及び業務の効率化、迅速化を図ります。
における各種建築材料等の製品試験を行います。
1.コンクリート系、鉄骨系、木質系等の構造部材実験
10.コンクリート構造、鋼構造、木質系構造の構工法お
に加え、既設構造物の動的試験や天井材等の非構造
よび基礎・地盤に関して数値解析による支援業務を
部材の強度試験など、幅広い試験業務を行うととも
行います。
に、技術開発の支援業務にも取り組みます。
2.既 存建物の構造性能や耐久性能に関する調査に加
え、火害建物の劣化・損傷についても調査し、これ
計量法に基づくJCSS校正事業者として、材料試験等
らの結果に基づいて補強・補修対策の提言を行いま
に用いる試験設備の信頼性を確保するため、力試験機、
す。併せて、依頼者が計画する改修・是正工事等の
電子天秤、ノギス、マイクロメータ及びダイヤルゲージ
妥当性について監修を行います。また、耐震診断等
についての校正を行います。また、トレーサビリティを
の判定業務を行います。
確保した温度計の校正を行います。
3.土や地盤改良体の各種土質試験及び解析、アスファ
ルト・コンクリートがら等を用いた再生路盤材の品
質試験等を行います。また、地盤・基礎に関する調
査を行い、
安全性の検討及び対策の提言を行います。
4.内・外装材、床材等の吸音・遮音性能試験及びこれ
らの断熱性、結露、透湿等の性能試験及び解析や住
宅設備機器等の性能試験のほか、騒音・温湿度環境
等の現場調査・測定を行います。また、船舶居室の
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Ⅱ.計量法校正事業の推進
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Ⅲ.JIS製品認証事業の推進
工業標準化法に基づく登録認証機関として、JISマー
他、プレキャストコンクリート製品に用いるコンクリー
トの生産技術証明等を行います。
ク表示制度の信頼性を確保すべく、公平で適確な認証審
大阪府内建築行政連絡協議会の高層建築物等の防災措
査業務を行います。また、審査員の安定的確保と新規認
置に関する要綱に基づき、特定行政庁による建築物の安
証取得促進に努めます。
全性の確認を支援するために、建築防災計画評定を行い
ます。また、耐震改修促進法に基づく所管行政庁の認定
Ⅳ.建築確認検査事業、住宅性能評価事業等の
推進
等の支援を図りつつ民間からの要請に応ずるため、既存
建築物耐震診断等の判定を行います。
建築基準法に基づく建築確認検査事業、住宅品確法に
基づく住宅性能評価事業等の業務を行います。
1.建築確認検査事業
建築基準法に基づく指定確認検査機関として、確認検
Ⅵ.構造計算適合性判定事業の推進
建築基準法に基づく指定構造計算適合性判定機関とし
て、23府県の知事から委任を受けて構造計算適合性判
査業務を迅速かつ厳正に行います。
定業務を行います。実施にあたっては、国や府県の建築
2.住宅性能評価事業
確認手続き等の円滑化に向けた取組に適確に対応し、判
住宅品確法に基づく登録住宅性能評価機関として、設
計及び建設住宅性能評価業務を、建築確認検査業務等と
定の指摘事例の周知などにより、業務の円滑化・迅速化
を図ります。
連携して行います。
3.住宅金融支援機構受託事業等
(独)住宅金融支援機構受託業務の適合証明、長期優
良住宅の普及の促進に関する法律に基づく技術的審査、
都市の低炭素化の促進に関する法律に基づく審査業務、
防災・省エネまちづくり緊急促進事業に係る技術評価及
Ⅶ.技術研修事業等の推進
建築技術者の能力向上を図るための研修及びセミナー
並びに法人職員等による自主共同研究等を行います。
1.研修事業等(公益目的支出計画実施事業)
(1)定期研修
び建築物省エネルギー性能表示制度(略称BELS)に基
大阪府の「コンクリート工事に関する取扱要領」に
づく評価を、建築確認検査業務等と連携して行います。
基づく研修、当法人が独自に制定している「コンクリー
4.登録建築物エネルギー消費性能判定事業の立ち上げ
ト現場試験技能者認定制度(SiTeC)」に基づく技術者
準備
の研修・認定、「試験要員認定制度(LaboTeC)」によ
「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」
る試験員の研修・認定を行います。建築技術に関する
(建築物省エネ法)に基づく登録建築物エネルギー消費
新しい知識・情報等の普及・周知を目的としたコンク
性能判定機関としての登録準備を行います。
リートHiTEC講座を行います。また、船内騒音測定を
行う実務者を対象に「船内騒音測定技術者講習会」を
Ⅴ.技術評価事業等の推進
行います。
建築基準法、住宅品確法に基づく技術評価事業及び当
法人が独自に行う評価事業等の業務を迅速かつ厳正に行
(2)業務説明会等
法人の概要と各種事業の周知及び業務を通じて得られ
います。
た成果を社会に還元するため、業務説明会、技術セミ
1.建築基準法に基づく性能評価事業等
ナーを行います。
建築基準法に基づく指定性能評価機関として、大臣認
定に係わる建築物の構造方法又は建築材料の性能評価を
2.自主共同研究等(公益目的支出計画実施事業)
法人の各種の事業に関連の深い研究テーマを採り上
行います。
げ、職員による自主研究及び大学研究者等の指導を受け
2.住宅品確法に基づく技術評価事業
て職員が業務の新しい展開を目指して進める自主共同研
住宅品確法に基づく登録試験機関として、大臣認定に
係わる特別評価方法認定のための試験を行います。
3.独自事業
新しく開発された建築技術の性能等に対し、当法人の
独自評価による建築技術認証・証明を行います。その
究を行います。
(1)自主研究
①R C造梁の部材縮尺比およびせん断補強筋配置形式
がひび割れ幅に及ぼす影響に関する研究
(構造試験室)
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②火害を受けたコンクリート構造物の調査・診断方法
に関する研究(耐震耐久性調査室)
③機械式鉄筋定着工法を用いたRC柱梁接合部の数値
解析手法の提案(新技術開発支援室)
④化学物質の作用によるコンクリートの劣化現象に関
する基礎的検討(材料試験室)
(2)自主共同研究
①一端がガセットプレート形式で角形鋼管柱に接合さ
れる方杖ダンパーの構面外座屈防止条件
(構造試験室)
②スウェーデン式サウンディング試験の高精度化
(性能評定課)
Ⅷ.広報普及活動の推進
1.情報機関誌「GBRC」の発行(公益目的支出計画実
施事業)
「GBRC」を年4回発行し、建築に関する新知識の普
及、情報の伝達をはじめ、建築技術の解説及び関係法令
等の周知を図ります。
2.その他
法人の概要と各種事業を案内するため、ホームページ
及びパンフレットを適宜更新します。また、試験研究セ
ンターの施設見学を受け入れるとともに、(一社)日本
建築学会等の建築関係諸団体が実施する各種事業に協力
します。
Ⅸ.施設整備の推進
1.試験機器・装置等関係
技術の進展と社会の広範なニーズに適確に応えるため
に必要な設備・機器の整備、更新を行います。主要なも
のを以下に示します。
(1)試験機器・装置等関係
・透気試験機およびコンクリート水分計
・高速データロガーおよびスイッチボックス
・凍結融解試験機
(2)ソフトウェア関係
・数値解析ソフト
・試験申込・速報システム
(3)施設・設備等関係
・熱実験室空調機
・恒温恒湿装置
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Ⅹ.総務関係等業務の推進
1.理事会等の開催
法人の適正な運営を図るため、定款の規定に基づき理
事会及び評議員会を開催します。
2.役員及び職員
平成28年度は、評議員9人、理事9人、監事2人とし、
常勤役員は常勤理事5人、常勤監事1人となる見込みで
す。また、平成28年度には11人の正職員を採用し、職
員数は186人(技術系職員155人、事務系職員31人)と
なります。