2016 年 8 月 1 日 日本銀行北九州支店 管内企業の 2016 年度夏季賞与支給状況について (春季の賃金改定状況に関する特別調査を含む) ・調査期間:2016 年 6 月 20 日~2016 年 7 月 29 日 ・調査企業数:111 社 ・有効回答社数:90 社(回答率 81.1%) (内訳)製造業 40 社 非製造業 50 社 ・郵送によるアンケート方式 1.支給額・支給率の動向 ○ 管内企業 90 社の 2016 年度夏季賞与支給状況(回答企業の従業員規模を勘案した加重平 均ベース)をみると、1人当たり支給額は 555,935 円(前年比▲4.5%)と、前年を下 回った。 ―― 夏季賞与としては4年振り、冬季賞与を含めると7季振りの前年比マイナスとなっ た。 ○ 内訳をみると、人手不足感の強い小売業や建設業を中心に、非製造業が前年を上回った ものの、中国の鋼材過剰生産や新興国経済減速の影響を受けた鉄鋼業を中心に、製造業が 前年を下回った。 ○ この間、1人当たり支給率についても、全産業で 1.98 か月(前年差▲0.09 か月)と、 前年を幾分下回った。 ▼2016 年度夏季賞与(1人当たり支給額・支給率) 1人当たり支給額(円) 1人当たり支給率(月) 前年比 全産業 前年差 555,935 ▲4.5% 1.98 ▲0.09 製造業 706,452 ▲6.4% 2.45 ▲0.17 非製造業 351,961 +2.6% 1.35 +0.02 1 ▼1人当たり賞与支給額の前年比推移 20 (%) 15 全産業 製造業 10 非製造業 5 非製造業 +2.6 0 全産業 -4.5 ▲5 製造業 -6.4 ▲ 10 10年度 夏 冬 11年度 夏 冬 12年度 夏 冬 13年度 夏 冬 14年度 夏 冬 15年度 夏 冬 16年度 夏 (注) 各調査で対象企業・回答企業は異なる。 2.社数ベース ○ 2016 年度夏季賞与支給額(1人当たり)の前年比増減先別の構成比をみると、製造 業・非製造業ともに、「増加」先の割合が「減少」先の割合を大幅に上回った。 ―― もっとも、前年度と比較(同一企業ベース)すると、製造業・非製造業ともに「増 加」先の割合は幾分低下した。企業規模別にみると、中小企業では「増加」先の割合 が上昇したのに対し、中堅企業では鉄鋼業や運輸業を中心に低下する結果となってい る。 ▼1人当たり支給額増減先別の社数構成比(2016 年度夏季賞与) 増加 全産業・全規模 不変 減少 54%(57%) 11%(11%) 34%(32%) 製造業 60%(63%) 5%(8%) 35%(30%) 非製造業 50%(52%) 16%(14%) 34%(34%) 大企業 50%(50%) 8%(8%) 42%(42%) 中堅企業 48%(76%) 0%(0%) 52%(24%) 中小企業 58%(49%) 17%(17%) 25%(34%) (注)括弧内は 2015 年度(同一企業ベース)。 以 2 上 (別紙) (特別調査)管内企業における春季の賃金改定状況について ・調査期間:2016 年 6 月 20 日~2016 年 7 月 29 日 ・調査企業数:111 社 ・有効回答社数:89 社(回答率 80.2%) (内訳)製造業 39 社、非製造業 50 社 ・郵送によるアンケート方式 ○ 年 2 回実施している賞与支給状況調査に付随して、特別調査として春季の賃金改定状 況に関するアンケートを行った。回答を得た管内企業 89 社の 2016 年度の賃金改定状況 をみると、何らかの形で賃金の引き上げを行った先の割合は 75%と、概ね前年(74%) 並みとなった。 ―― 業種別にみると、2016 年度に賃金を引き上げた先の割合は、製造業では前年を下 回った一方、非製造業では上回る結果となった。 ―― 企業規模別にみると、大企業・中堅企業・中小企業いずれも前年と比べて大きな 変化はなかった。 ―― 賃上げの背景については、「人材の確保・定着のため」とする先が最も多く、次い で「業績改善」を挙げる先が多くなっている。 非製造業 製造業 全産業 ▼賃金の改定状況 2016年度 75% 25% 2015年度 74% 26% 82% 2016年度 18% 85% 2015年度 0% 10% 20% 30% 賃金を引き下げた 30% 66% 2015年度 賃金改定なし 15% 70% 2016年度 賃金を引き上げた 34% 40% 50% 3 60% 70% 80% 90% 100% ○ また、賃上げの内容をみると、「ベースアップ」を行った先が幾分増加している。業 種別にみると、人手不足感の強い運輸業や宿泊・飲食業を中心に非製造業が増加した (2015 年度:5 社→2016 年度:9 社)。 ▼賃上げの内容(複数回答) 2016年度 2015年度 63 64 ①定期昇給 18 ②ベースアップ 16 4 ③諸手当の改定 8 5 ④その他 3 0 ○ 10 20 30 40 50 60 70 (社) 今春賃上げを実施した先について、2015 年度と比較した賃上げ率の変化をみると、 「不変」とした先が 6 割を占めているほか、「拡大」と「縮小」が均衡する結果と なった。 ▼賃上げ率の変化(2015 年度→2016 年度) 13社 13社 拡大 不変 縮小 40社 以 4 上
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