質疑応答

2016 年度第 1 四半期決算説明会
主な質疑応答(要旨)
開催日:
2016 年 8 月 5 日 (金)
場
所:
丸紅株式会社 本社
出席者:
常務執行役員 CFO
矢部 延弘
常務執行役員 経理部長
郡司 和朗
当第 1 四半期実績に対する評価について。
ヘレナ事業など当第 1 四半期に利益が出やすい事業が一部あるが、それを考慮しても通期見通し
1,300 億円に対して良好な進捗。なお、一過性要因(+80 億円)を除いた実質的な稼ぐ力は約 400 億
円と分析。
新規投資・CAPEX について。
フリーキャッシュ・フローの黒字化を最優先にしており、回収が計画通り進んだ場合には 2,000 億円を
実施したい。当第 1 四半期においては、回収が思うように進むかどうか不透明な面があり、投資を抑制
しながら進めた。
CAPEX については当第 1 四半期の 500 億円のキャッシュアウトのうち、資源関係が 3 分の 1 程度。
一部、前倒しで出ているものもある。
永久劣後ローン(2,500 億円)の商品性について。
本永久劣後ローンは、コール・オプションが 5 年後に生じるトランシェ A と 7 年後に生じるトランシェ B
の 2 つに分かれている。内訳は、トランシェ A:1,000 億円、トランシェ B:1,500 億円。金利スプレッドの
平均は約 1.8%で、トランシェ A が 10 年後と 25 年後、トランシェ B が 10 年後と 27 年後に、それぞれ
2 回ずつステップアップする。本ローンは会計上、資本カウントされるため、利息は、PL 上の支払利息
ではなく、配当と同様の扱いとして資本で調整される。
なぜこのタイミングで永久劣後ローンを選択したのか。また、返済のタイミングは。
永久劣後ローンを選択した一番大きな理由は、当社を取り巻く環境のボラティリティが高まり、ビジネス
を継続するうえで、資本の厚みや D/E レシオの改善が重要なポイントと判断したため。また、現在マイ
ナス金利下にあり、この種の商品で調達するには非常に良い環境にあると判断したため。
返済する場合はリプレイスメントを基本スタンスとするが、収益の積み上がりにより、返済しても十分な
D/E レシオ・格付を維持できる場合は返済も一つの選択肢となる。
今後の D/E レシオの目標水準について。
ハイブリッド・ファイナンスはプラスアルファ的な位置付けであり、中期経営計画の D/E レシオ目標値
である 1.3 倍は永久劣後ローンなしで達成したい。ただし、円高が進んでおり、中期経営計画公表時
よりは 1.3 倍のハードルは高くなっている。
株主資本利益率(ROE)算出時の永久劣後ローンの扱いについて。
ROE は普通株式の株主に対するリターンを表す指標であり、本ローンは株主資本に含めない。
有利子負債削減の進捗について。
ネット有利子負債は、フリーキャッシュ・フローが黒字になったことに加えて、円高の影響が約▲1,100
億円程度あったことから、前年度末対比で約▲1,500 億円減少した。
ロイヒルの現状について。
昨年から出荷が始まり、プロジェクト自体は完工している。現在、フル生産体制に向けランプアップ中
であり、スケジュールに大きな遅れはない。
鉄鉱石の価格が足元の 50 ドル/トンを超えるレベルで推移する場合は、今年度の期間損益に大きなマ
イナスのインパクトはないと分析している。
前年同期対比で減益となったヘレナ・ケミカル社とムシパルプ事業について。
ヘレナ・ケミカル社について。
穀物価格が低迷しており、農家の購買意欲に影響を与えている状況であるが、今後回復してくる時に
備えて IT 等も含めた各種設備への先行投資を行っている。マーケット環境が悪い中においても相応
の利益を計上しており、収益基盤が弱まっているとは考えていない。
ムシパルプ事業について。
パルプ市況が前年同期対比で大幅に下落していることから、パルプの製造・販売を行う同社としては、
その影響を直接的に受けている。生産性や販売面といった理由で悪化しているものではないことから、
市況次第で回復する可能性がある。
ガビロンの期初見通しに対する進捗状況とトレーディングビジネスの状況について。
トレーディング部門の営業利益が 18 百万ドルの赤字となったことは、期初見通しに対して非常に厳し
い要素であるが、北米集荷部門とインターナショナル部門は改善していることから、今後、リストラや収
益改善策の成果に期待している。ただし、当第 1 四半期は、穀物価格が非常に動いたこと、また同社
のビジネスは非常に季節性が強いことを踏まえると、3 ヶ月間だけで年間を見通すには時期尚早であ
り、第 2 四半期に入って穀物価格が下がっている影響も分析したうえで、今後の見通しを判断したい。
トレーディングビジネスについては、ロスカットのレベルも含めてオペレーションを見直したことから、今
後、当第 1 四半期のような大きな収益の振れは発生しないと考える。
エネルギーセグメントの期初見通しに対する下振れリスクについて。
当第 1 四半期は、トレーディングの収益のマイナスが非常に大きかったことから、オペレーションを見
直しており、当第 1 四半期のマイナスが第 2 四半期以降も同様に継続することはない。
バッファについて。
当第 1 四半期実績は、社内予算に対して超過達成していることから、未だバッファを残しているとの認
識。
投資の回収状況について(ノンコア事業からの撤退含む)。
当第 1 四半期の投資の回収実績は約 500 億円。いくつかの規模の大きい案件以外は小さな案件の
積み上げであり、地道に回収を積み上げている状況。
以上