オホーツク海宗谷暖流情報 (H28(2016)年8月上旬) H28(2016)年8月2日 中央水産試験場資源管理部 (担当:海洋環境G 嶋田・品田・佐藤) ●7/19-21にオホーツク海で麻痺性貝毒プランクトン(アレキサンドリウム・タマレンセ, 略称「At」)の広域分布調査を行い,試料の分析が終了しましたので結果を速報します。 ●Atは,36定点中21定点で主に0m層に最高390細胞/L出現しています(図1)。Atは, 沿岸を稚内から網走の方向に流れる宗谷暖流外側のフロント域に沿って分布してい ます。網走南部沿岸では,宗谷暖流の内側にも,Atの出現が認められます。 ●相当量のAtが出現していることから,稚内から網走の方向に沿岸を流れる宗谷暖 流の勢力が弱まれば,Atが沿岸のホタテガイ漁場に流入する可能性があります。 ●7月下旬~8月上旬現在,宗谷暖流の勢力は例年並み~強めですが(図2),上記の 結果から,宗谷暖流の勢力が弱まれば,麻痺性毒性値が上昇する可能性があります。 今後の麻痺性毒性値の推移にご注意下さい。 ●Atの広域分布調査は今回で終了しますが,「オホーツク海宗谷暖流情報」を適宜 続報する予定です。 0 180 塩分 10 60 390 33 0 32.5 33.5 0 0 0 10 0 32.5 0 0 0 70 0 33 0 0 32.5 40 50 0 0 0 100 33 33.5150 10 20 30 50 6033.5 30 20 33.5 30 70 40 35 30 25 20 15 10 5 0 0 図2 H28(2016)年4/1-8/1の稚内と網走の水位差(宗谷暖流の勢力) 4/1 4/6 4/11 4/16 4/21 4/26 5/1 5/6 5/11 5/16 5/21 5/26 5/31 6/5 6/10 6/15 6/20 6/25 6/30 7/5 7/10 7/15 7/20 7/25 7/30 8/4 8/9 8/14 8/19 8/24 8/29 9/3 9/8 9/13 水位差(cm) 図1 H28(2016)年7/19-21の表面塩分(青コンター)と At(赤丸・数字,細胞/L,0,10,20m層の最大値)の分布 沿岸の高塩分帯は宗谷暖流 稚内水試調査船北洋丸による調査結果 3000 2000 1000 *宗谷暖流は日本海とオホーツク海の水位の落差が大きいほど強く流れることが分 かっており,この落差は,稚内と網走の水位差で代表できることが分かっています。 赤数字と赤色円の大きさ: At出現数 33 110 10 34 33.75 33.5 33.25 33 32.75 32.5 32.25 32 31.75 31.5
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