マクニカの技術ソリューション MpressionのIoTの取り組み

知っておくべきIoTセキュリティ概要
マクニカネットワークス株式会社
取締役CTO 鈴木秀一
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IoTの本質とセキュリティの重要性
膨大かつ多種多様なデータを集約し、そこに何らかの意味・関係
を見出し、その結果を実社会(ビジネス、生活)に役立てていく
様々なデータを収集し
【センサーデバイス】
処理・伝送し
【ゲートウェイ・
ネットワーク】
Safety【安全性】
Confidentiality
【機密性】
解析する
【アプリケーショ
ン・クラウド】
Privacy【私的情報保護】
Integrity
【完全性】
Availability
【可用性】
セキュリティ
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その結果を人々の生活
あるいはビジネスに役
立てていく。
IoTにより導きださ
れた結果を人々の
生活を向上、ビジ
ネス成長に利用す
る上で重要なもの
は。。
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IoTセキュリティのガイドライン&フレームワーク
いくつかの団体や会社からIoTセキュリティについてのガイドライン
やフレームワークが出ている。代表的なところとしては。。
1.「IoT早期導入者のためのセキュリティガイダンス」
Cloud Security Allianceが出しているIoTセキュリティ
のためのガイダンス。IoTの各要素(デバイス、ネット
ワーク、アプリケーション)について網羅的な内容に
なっており、フレームワーク的な使いかたもできる。
複数の事例を通してどのような課題があるのかをわか
りやすく解説しているため、一度は読んでおくべき。
IoTシステムの開発・インテグレーションをする人は必
読。
出典:CSAジャパン「IoT早期購入者のためのセキュリティガイダンス」
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IoTセキュリティのガイドライン&フレームワーク
2.「つながる世界の開発指針」
IPAから出されている、IoT開発はどうあるべきかについ
ての指針。IoTについての概念についても、よく整理さ
れている。(System of Systemのような考え方とか)
脅威の説明もわかりやすいため、一読を薦める。特に開
発者は必読。
3.「IoTセキュリティガイドライン」by IoT推進コンソーシアム
2015年の10月に総務省と経済産業省により創設された
IoT推進コンソーシアム内に「IoTセキュリティワーキ
ンググループ」が設立された。
2016年5月にサービス提供者側のIoTのライフサイクル
(方針・管理、分析、設計、構築、運用・保守)にお
ける指針と利用者側のルールについて記載したIoTセ
キュリティガイドラインをリリース予定。
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IoTセキュリティの特殊性
IoTセキュリティを考える上で、IoTと今までのIT環境の違いを理解しておくのは
非常に重要である。例えば、IoT環境ではIT環境には無い以下の特徴がある。
様々な種類の膨大なデバイスが接続
システムの大規模化、多様化
デバイスの貧弱なシステムリソース
限られたリソースでセキュリティ実現
IT機器に比べて長いライフサイクル
長期間に亘るセキュリティ保守
個人の健康、嗜好などのデータを扱う
プライバシーの問題
異なるIoTサービス連携により価値創出
セキュリティサプライチェーン
3G/LTE、クラウドの利用が一般化
「境界」セキュリティの限界
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課題:乱立するプロトコルと標準化の遅れ
様々なプロトコルが定義される
が標準化の動きは遅れている。
また、IoTセキュリティのベストプ
ラクティスもほぼ存在しない。
プライバシーやセキュリティライ
フサイクルマネージメントなどの
基本的な事を考慮に入れつつ、
現時点ではできるだけシンプル
な設計&実装をこころがけるべ
き。
図:IoT関連プロトコルと標準技術
出典:CSAジャパン「IoT早期購入者のためのセキュリティガイダンス」
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課題:ライフサイクルマネージメント意識の欠如
IoTデバイスは出荷したら終わりではなく、
そこから保守のライフサイクルが始まる。
そのライフサイクル中、ファームウェアの
アップデート、セキュリティ管理などが求
められる。同様にIoTアセットのマネージ
メントも求められるケースもある。
このIoTデバイスの管理は別の「複雑な
管理業務」という問題を生み出す。あら
かじめ設計段階からセキュリティライフ
サイクルを見込んだ設計をすべき。
図:IoTセキュリティライフサイクル
マネージメント概念図
出典:CSAジャパン「IoT早期購入者のためのセキュリティガイダンス」
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課題:攻撃者有利な状況
IoT環境では攻撃者が簡単に攻撃
対象を手に入れることができるた
め、エッジデバイスに対して簡単に
リバースエンジニアリングが行われ、
そこから脆弱性をつかれる可能性
がある。
システムの堅牢化(耐タンパ性)を
実施するのはもちろんだが、1つの
障壁を破られてもシステム全体に
影響しないような多層防御の考え
方は重要である
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課題:プライバシーの問題
IoTの情報は「交換」し「相関」させ
ることで、より価値があがる。
相手にデータを提供する、相手か
らデータをもらう場合、そのデータ
のプライバシーについてしっかり考
慮しなければならない。扱うデータ
のプライバシーレベルによりシステ
ムやセキュリティの設計をする必
要がある。(プライバシー by デザ
イン)
【プライバシー by デザイン】
・設計段階でプライバシー考慮
・漏洩未然防止が基本原則
・機能性とのバランス
・エンド to エンドでの保護
・ライフサイクル
・全ての利害関係者の把握
・プライバシーインパクト評価
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課題:監視と監査
膨大な数のデバイスを管理すること、エッジデバイスのリソースが
限られることから、既存ITのシステムだけを使った監視、監査には
限界がある。別の監査・管理方法も検討すべき。
最近では、機械学習やDPIのテクノロジーを使った監査・管理手
法が出始めているため、これらのツールの利用も検討。
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今後のIoTセキュリティの流れ
►
標準化の加速
 IoT推進コンソーシアムからのIoTセキュリティガイドラインの発行等
►
IoTセキュリティの現状を把握する仕組みの重要性
 既存のSIEMなどの利用
 機械学習、DPIやAIなど新しい技術の利用
►
SDP(Software Defined Perimeter)などの新しい技術とIoT
との融合
► セキュリティ情報の共有
 クリティカルな脅威情報の共有
 インシデント情報の共有とそこからの学び
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ご清聴ありがとうございました。
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