海外安全対策情報 2016年 7月 1 社会・治安情勢 在ハバロフスク総領事館の管轄地域は,比較的に安定しており,現時点では クーデターやテロ等,緊急事態発生のおそれは高くはありません。 しかし,引き続きロシア軍がシリア政府の要請により,イスラム過激派組織 「イスラム国(ISIL)」などの攻撃のためとして,シリア国内での空爆を継続 しています。これに対し,過激派組織がロシア政府の方針を変更させるため, ロシア国内でテロ攻撃を行う可能性も否定出来ないことから,不測の事態の発 生に十分注意する必要があります。 2 一般犯罪の傾向 (1) 犯罪に関する統計によると,当館の管轄地域は,いずれも2015年中 の犯罪登録件数が, 一昨年に比較して増加しています。 中でもアムール州, サハ共和国,ブリヤート共和国での増加が目立ちます。 表1 2015年 総 数 前年比 2014年 2013年 総 数 総 数 ハバロフスク地方 30,946 4% 29,598 28,465 アムール州 19,475 11% 17,254 16,909 イルクーツク州 53,552 1% 53,162 57,098 サハ共和国 11,846 10% 10,715 10,825 ザバイカル地方 33,373 4% 32,150 35,001 ブリヤート共和国 27,797 12% 24,592 23,765 3,624 4% 3,465 3,198 ユダヤ自治州 (2)犯罪の傾向としては,銃器や刃物などの凶器を使用した路上・屋内強盗や 車上狙い,侵入窃盗が依然として多発しており,知人や親族・家族間で飲酒 中に喧嘩となり,傷害事件や殺人事件に発展するケースが多く見られます。 このほか,麻薬の密売など薬物犯罪も深刻で, 多数発生していることから, 注意を要します。 (3)次に, 2015年における主な犯罪種別の発生件数を見ると,当館管轄地 域の連邦構成主体の多くで減少傾向が見られる中,性犯罪の発生件数の増加 が目立っています。 ※ 表2 殺人 持凶器強盗 ひったくり等 窃盗 強姦 ハバロフスク地方 199 5% 152 4% 1100 -8% 13884 5% 131 126% アムール州 127 -3% 126 -2% 611 -7% 8970 15% 32 -9% イルクーツク州 369 -10% 330 -21% 2157 -27% 23420 -2% 55 -26% サハ共和国 128 -10% 48 -26% 372 -8% 3986 5% 54 -24% ザバイカル地方 226 -22% 213 -11% 948 -18% 15971 7% 89 -4% ブリヤート共和国 220 13% 149 64% 810 -4% 12127 16% 50 47% 23 15% 18 29% 111 -13% 1612 11% 7 -42% ユダヤ自治州 2015 年中 にお ける 主な 犯罪 の発 生件 数。 パー センテージは対前年比。 (4)邦人にかかる被害事案 昨年9月,イルクーツクを観光で訪れていた邦人女性が,混雑したバスに 乗車中に背負っていたリュックサックの中から,旅券を入れた財布を盗まれ るスリ被害に遭いました。 この種の事案の発生防止のため,① バッグのファスナーを確実に閉める。 ② 混雑時にはバッグをお腹に抱えるように持つ。③ 不用意に貴重品(旅券 を含む)を取り出さない。④ 旅券と財布を一緒に携行しない。⑤ 万が一, 被害に遭った際には,速やかに在外公館及び警察へ通報する。等の励行をお 願いします。 3 テロ・爆弾事件発生状況 テロ・爆弾事件の発生に関する情報はありません。 ただし,現在のシリア情勢へのロシアの積極的な介入及び,フランスやバン グラデシュでテロ事件が発生していることから,当地でもテロ事件の発生に十 分警戒する必要があります。 4 誘拐・脅迫事件発生状況 誘拐事件などの発生もありません。 5 日本企業の安全に関わる諸問題 日本企業に対する脅迫などの事例も報告されていません。
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