尼崎市における(仮称)尼崎市公共調達基本条例策定の取り組み 伊藤久雄(認定NPO法人まちぽっと理事) ■尼崎市における公契約条例の取り組 今から 9 年ほど前(2007 年)、尼崎市議会に提出されていた「市の契約及び労働基準確保 に関する条例の制定を求める陳情」が、賛成 21 人、反対 20 人という僅少差ではあるが採 択された。 尼崎市当局は、この陳情の趣旨を政策化しようという意思は全く持っていなかったが、 陳情採択に賛成した会派の議員を中心に、公契約条例が議員提案された。この条例案は、 兵庫県地方自治研究センターや弁護士の協力を得て作成し、労働組合・業界団体などとの ヒアリングを繰り返し、条例案を再三手直しした上で、2008 年 12 月に、「尼崎市における 公共事業及び公契約制度のあり方に関する基本条例」 「尼崎市における公契約の契約制度の あり方に関する条例」「尼崎市における公共事業の契約制度のあり方に関する条例」の3本 の条例案が提案された。 しかし、公契約条例の制定を認めない尼崎市行政の意思が議会にも大きく作用し、陳情 に賛成した議員2人が反対に回り、この議員提案は、残念ながら、20 対 22 という僅差で否 決されてしまったのである。 ■尼崎市当局による(仮称)尼崎市公共調達基本条例策定の取り組み かつて議員提案による公契約条例案等を否決した尼崎市で、(仮称)尼崎市公共調達基本 条例の策定が取り組まれている。下記の政策形成プロセス計画書(今年 2 月に策定)によ れば、7 月には素案のパブリックコメント、9 月議会に条例提案となっている。 「基本条例」 ということで、 「公共調達に係る労働者の労働環境の確保」がどのようなレベルになるのか、 近いうちに公表されるであろう条例案に注目したい。 なお、施策の策定にあたっての考え方は以下のとおり。 公共調達における本市の基本的な考え方(市内事業者優先、適正履行及び品質の確保、 公共調達に係る労働者の労働環境の確保、発注者・受注者の責務など)を条例で明らか にすることにより、健全な地域経済の発展に寄与することを目指すとともに、より良質 な市民サービスの提供につなげていく。 <尼崎市ホームページ> (仮称)尼崎市公共調達基本条例の策定について 公共調達における本市の基本的な考え方(市内事業者優先、適正履行及び品質の確保、 公共調達に係る労働者の労働環境の確保、発注者・受注者の責務など)を明らかにする条 例を策定します。 基本情報 http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/036/616/k asyoamagasakishikoukyoutyoutatsukihonjyourei_kihonjyouhou_H280224.pdf 政策形成プロセス計画書 http://www.city.amagasaki.hyogo.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/036/616/k asyoamagasasakishikoukyoutyoutatsukihonjyourei_seisakukeiseipurosesu_H280224.pdf
© Copyright 2024 ExpyDoc