溶業資 No.012006-J059 号 突合せ溶接における凝固割れ感受性について ㈱ 神 戸 製 鋼 所 溶接カンパニー技術開発部 1 開先形状と割れ感受性 W W P 割れ感受性 2 P 高 低 突合せ溶接における凝固割れ感受性増加の原因と改善策 原因 凝固成長(デンドライト)方向の正面衝突 図 1 ビード形状と割れ率の関係 図 2 割れに及ぼす電流と溶接速度の影響 (参考文献:『マグ・ミグ溶接の欠陥と防止対策』 ;産報出版) 凝固成長方向 (断面) 割れ感受性 低 高 凝固割れ界面の典型的 なデンドライト成長面 3 完全溶込み溶接の施工性 凝固方向を平行方向にする原因 ①開先角度の減少 ②ビード高さ P/ビード幅 W の増加 ③裏波溶接 裏当て金 凝固成長方向 (進行方向) 割れ感受性 低 高 典型的な凝固割れ 施工性 易 短所 ・裏当て金を付ける スペースと作業 ・重量増 耐割れ性 銅当て金 TIG 裏波溶接 MAG 裏波溶接 難 ・裏当て金を付ける スペースと作業 ・押付け機構が必要 ○~△ ○ ・凝固方向が平行に なりにくい セラミック裏当て材 ・銅の溶融は不可 ・裏当て材を付ける スペースと作業 ・裏当て材コスト増 △ ・凝固方向が平行に なりやすい ・低能率 ◎ ・溶接速度が小さい ・形状不安定 ・溶落ち ・耐ギャップ性 △ ・凝固方向が平行に なりやすい 凝固方向を平行方向にする原因 ④溶接速度の増大 改善策 ①開先角度の増加 ②ビード高さ P/ビード幅 W の低下 ← 溶接電流の低下 ③溶接速度の減少 ④片面溶接→両面溶接 その他 ⑤鋼材、溶接材料の選定 (化学成分の影響 C,P,B,Bi 等は耐割れ性劣化) 裏当て金からも冷却 される 形状が鼓(ツヅミ)型に なり平行部が生じる - 以 上 -
© Copyright 2024 ExpyDoc