外国人滞在施設経営事業について(大田区)

大田区における国家戦略特別区域
外国人滞在施設経営事業について
大田区
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大田区における「特区民泊」のポイント
 訪日外国人客の増加等を背景に、区内旅館等の客室稼働率が上
昇。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、
外国人来訪者のさらなる増加が見込まれている。
 宿泊施設の不足が見込まれる中、羽田空港を擁する「国際都市
おおた」として、安全性や衛生面に配慮した滞在施設を提供す
る環境を整備し、地域経済の活性化、観光・国際都市の推進に
つなげる。
 旅館業法の特例の実施を定めた「区域計画(平成27年10月20
日内閣総理大臣認定)」及び区条例(平成27年12月7日制
定)に基づき、平成28年1月29日から申請受付を行う。
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国家戦略特区における「旅館業法の特例」の活用
①滞在施設の不足
②旅館業法が想定しない民泊
サービスの広がり
近隣住民・利用者の
安全・安心・衛生面の不安
特区の「旅館業法の特例」を
活用し、行政が一定の関与
安全・安心・衛生面に
配慮した滞在施設の確保
<内閣府ホームページより>
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大田区における外国人滞在施設経営事業について
外国人客向け宿泊施設の現状と課題
訪日外国人の増加
◆訪日外国人客
(H26):1,341万人(前年比29.4%増)
(H32):4,000万人(政府目標・当初)
宿泊施設の不足
◆区内宿泊外国人(延べ)
(H25): 9.1万人
(H26):13.3万人(前年比45.5%増)
(H30):15 万人(大田区目標)
◆区内客室稼働率
(H25):86.2%
(H27):90.2%(4.0ポイント増)
長期滞在需要
◆都内滞在日数(訪日外国人客)
(6日以内):57.6% (7日以上):42.4%
違法性への懸念
◆「民泊」仲介サービス
・旅館業法が想定しないビジネスモデル
・旅館業法の特例にも該当せず、行政が
関与できない
⇒ 安全・安心面の不安
解決の方向性(特区制度の活用)
■ 国家戦略特区の「旅館業法の特例」
① 訪日外国人の増加に伴う宿泊施設不足、
長期滞在需要に対応
② 行政の関与によって、安全・安心面の
不安を解消
国家戦略特区(旅館業法の特例)の活用
◆東京圏 国家戦略特別区域計画(素案)
(H26.10.1)
海外からの観光客やMICEへのビジネス客
等の滞在ニーズのある区域を中心として、
外国人滞在施設を経営する。
国による安全性・近隣住民への対応
◆内閣府・厚労省通知(H27.7)
・認定事業者の役割を明記
→ テロ・感染症対策、違法行為防止
→ 住民への説明、苦情窓口設置
・自治体の役割を新たに規定
→ 立入検査権限を条例で規定可能
国家戦略特区の枠組みに則った「民泊」
仲介サービスも存在
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大田区における外国人滞在施設経営事業について
東京圏国家戦略特別区域計画(H27.10.20 内閣総理大臣認定)
(1)名称
国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業
(国家戦略特別区域法第13条に規定する国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)
(2)事業の内容
国家戦略特別区域法第13条第1項に規定する特定認定を受けた者が、別図1に掲げる地域
において、海外からの観光客やMICEへのビジネス客等の滞在に適した施設に係る外国人
滞在施設経営事業を行う。
(3)事業実施地域
東京都大田区の別図1の区域
(4)実施時期
平成28年1月から実施予定
区域計画における事業実施地域の指定
◆事業実施地域の指定(区域計画に規定)
事業者が、原則として建築基準法第48条により「ホテル・旅館」の建築が可能な
用途地域に所在する施設(第1種住居地域にあっては3,000㎡以下)において、外国人
滞在施設経営事業を実施する。
⇒ 地域指定による「都市環境、住環境保全」
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大田区における外国人滞在施設経営事業
(旅館業法の特例)実施地域
別図1
凡例
実施地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
実施地域(3,000㎡以下)
第一種住居地域
※原則として建築基準法第48条により「ホテル・旅館」の建築が可能
な用途地域(第1種住居地域にあっては3,000㎡以下)を、事業実施地
域とするが、例外的に諸法令による制限を受ける場合がある。
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特区民泊の申請状況について
説明会の実施
特区民泊に関する最近の動き
H27
10/14
区域会議(事業決定)
10/20
諮問会議(事業認定)
12/7
条例案可決(大田区議会)
H28
1/25
第8回都市再生分科会開催
規則・ガイドライン了承
1/26
規則公布・ガイドライン決定
1/27
第1回説明会開催
参加者 約200名
1/29
条例施行・申請受付開始
2/12
第1、2号認定
7/20
(7/20現在)相談1191件
申請受理21件
認定件数17件(44居室)
第1回
1/27
消費者生活センター 大集会室
(定員100名)参加者211名
第2回
2/10
大森地域庁舎 101会議室
(定員50名)参加者72名
第3回
大森地域庁舎 101会議室
(1/27) 説明会の様子
2/15
(定員50名)参加者54名
第4回
2/22
池上会館 集会室
(定員400名)参加者316名
第5回
3/1
大田区産業プラザ・PiO
コンベンションホール
(定員400名)参加者360名
(1/27) 説明会の様子
参加者合計1013名
(全5回で終了)
申請物件の例
【1号認定】所在地 中央八丁目
申請者 とまれる (床面積) 50.87㎡
【2号認定】所在地 西蒲田八丁目
申請者 とまれる (床面積) 26.1㎡
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大田区 国家戦略特別区域 外国人滞在施設経営事業
に関する条例のポイント
条例
(大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例)
○ 国家戦略特別区域法第13条第1項に規定する国家戦略特別区域外国人滞在施
設経営事業に関し必要な事項を定める
1.
事業の用に供する施設を使用させる期間
期間は、地域のホテルや旅館との役割分担、1施設における滞在期間等を総合的
に考慮して7日以上とする。
2.
立入調査等
区長は、職員に、認定事業者の事務所又は滞在施設に立ち入り、又は関係者に質
問させることができることとする。
3.
近隣住民への事業計画の周知
事前に近隣住民に対し、当該施設が国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に
使用されるものであることについて、適切に周知しなければならないこととする。
⇒ 行政の関与による「安全・安心面の不安解消」
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大田区 国家戦略特別区域 外国人滞在施設経営事業
に関する規則・ガイドラインのポイント
規則
(大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する規則)
○ 条例第5条 「この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。」の規定に
従い、当該施行規則を制定する
1.趣旨規定
2. 申請書等様式、特定認定書等の交付及び台帳作成の規定
3.滞在者名簿
記載事項及び3年以上保存
4. 立入権の行使について
滞在中施設への立ち入りの際の事業者、滞在者の承諾及び身分証の様式
5. 近隣住民への周知
近隣住民の範囲、周知の内容、方法
条例(本条例と手数料改正)、規則の施行期日
平成28年1月29日
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ガイドライン
(大田区国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関するガイドライン)
○ 特例事業を円滑に進めるため、行政指導の指針及び審査基準並びに事務手続について規定
----------- ガイドライン(指導のポイント)-----------------------------------------------------------------------
1
認定前の近隣住民への周知
・ 条例及び規則で定めるとおり、認定を受けようとする者に対して、近隣住民に対して周知するよう指導する。その際には、
適切に周知、説明し、近隣住民の理解を得るように努める。
(近隣住民の範囲)
①使用する施設のある建物の他の使用者
②境界線が接する敷地にある建物の使用者等
(近隣住民への周知内容、方法)
①申請者の氏名、②施設の名称・所在地、③苦情等窓口の連絡先、④廃棄物の処理方法、⑤緊急時の対応方法
周知方法は「書面」による。
2
滞在者の使用開始時、使用終了時における本人確認
・滞在者名簿(滞在期間、氏名、住所、職業、連絡先、国籍、旅券番号を記載)を3年以上保存。保管場所を明確にしておく。
・本人確認は、日本人の場合「顔写真付きの身分証明書等」で行い、外国人の場合は、旅券の呈示を求め、旅券の写しを
滞在者名簿とともに保管する。旅券の呈示を拒否する場合、区の指導であることを説明してもなお拒否する場合は最寄り
の警察署等に連絡するなど適切な対応を行う。
・滞在者の施設の使用開始時及び使用終了時に対面(又は映像等により確実に確認できる方法)により、本人確認を行う。
3
滞在者の滞在期間中の使用状況確認
・滞在期間中に、滞在本人が適切に施設を使用しているかについて状況を確認し、挙動に不審な点が見られる場合など
には速やかに最寄りの警察署に通報する。
・警察等の捜査機関の職員から、その職務上滞在者名簿の閲覧請求があった場合には、捜査関係事項照会書の交付の
有無にかかわらず、職務の目的に必要な範囲内で協力すること。
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4
苦情等への対応
・近隣住民からの苦情等の窓口を設置し、近隣住民に周知するとともに、近隣住民から騒音やごみの廃棄方法等の苦情が
あった場合は、適切かつ速やかに対応できる体制を整備する。
・近隣住民から騒音やごみの廃棄方法等の苦情があった場合は、適切かつ速やかに対応できる体制を整備し、近隣住民
の理解を得るよう指導し、その際の近隣住民とのやり取り、交渉経緯等を記録し、適宜報告する。
【留意事項】
・区長は法令の規定の施行に必要な限度において、認定事業者に対し、認定事業の実施状況について報告を求めること
ができる。
5
廃棄物の処理方法
・事業系ごみとして適切な処理を行う。
・施設の滞在者に対し、使用開始時に、「廃棄物の処理方法」についての注意事項を外国語を用いて行う。
6
火災等の緊急事態が発生した場合の対応方法
・施設の滞在者に対し、使用開始時に、火災等の緊急事態が発生した場合の通報先及び初期対応方法(防火、防災設備の
使用方法を含む。)を外国語を用いて説明する。
・認定事業者は、「火災等の緊急事態が発生した場合の対応方法」を含めた必要な措置を講じる。
7
施設を事業に使用するための権利を有すること
・施設を事業に使用するための権利を有することを証明する次の書類を添付する。
(a ) 施設を賃借し事業に使用する場合は施設所有者と申請者との間の賃貸借契約書、転貸を承諾する書面
(b) 施設を所有し事業に使用する場合は施設にかかる不動産登記事項証明書等、所有の事実を証明する書類
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消防法令で義務付けられている設備等が設置されていること
・認定を受けようとする施設の存する建物について、消防法令で義務付けられている設備等を設置する。
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